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2026-04-17

良心と進退

Quitting Time? - The American Conservative [LINK]

【海外記事より】アメリカの政治専門誌に掲載された最新の論評は、現在のトランプ政権内でかつて反戦を唱えていたJ・D・ヴァンス副大統領が沈黙を守り続けている現状を背景に、歴史上の政治家たちが直面してきた「進退の決断」について深く考察しています。権力の魅力や、裏切り者というレッテルを貼られる恐怖、そして辞任した際の報復の確実性が、大統領に任命された高官たちの勇気ある離反を極めて稀なものにしています。記事は、現在の好戦的な姿勢に異を唱え、良心に従って自らの職を辞した人物と、政権内に留まり続けた人物の対照的な姿を紹介しています。

一人は、ウィルソン政権で国務長官を務めたウィリアム・ジェニングス・ブライアンです。彼は第一次世界大戦中、アメリカが中立を維持すべきだと強く主張しました。ドイツが英国の客船ルシタニア号を沈没させ、多くのアメリカ人が犠牲になった際も、軍需品を積んでいた船が乗客を盾にすべきではないと述べ、政府が中立を放棄することに抗議して辞任しました。ブライアンは「公職にある者は良心に従って行動しなければならない」と述べ、自身の政治的キャリアが破壊されることを覚悟の上で、自らの義務を果たしました。彼は当時の主戦派から嘲笑されましたが、国際的な調査と冷却期間を設けることで、多くの若者の命を救おうとしたのです。

対照的な例として挙げられているのが、ケネディ、ジョンソン両政権で次官を務めたジョージ・ボールです。彼はベトナム戦争が泥沼化することを早くから予見し、政権内では「若者を死に追いやる禿鷹のようだ」と同僚たちを激しく批判しました。しかし、彼は原則に基づいて公に辞任することはありませんでした。その理由は、辞任の意向を示せば大統領側から「無能な失敗者だった」という情報が流され、自身の評判が地に落ちることを恐れたためです。彼は政権内に留まることを選び、結果として自身の意見を無効化してしまいました。

記事は、現在の政権内で自身の良心と現実に苦悩しているであろう愛国的な高官たちに対し、歴史からの教訓を提示しています。かつて『ヒルビリー・エレジー』を執筆した頃のヴァンス氏であれば、神と国に仕えるために自己犠牲を厭わなかったブライアンのような高潔な精神を理解できたはずだと、現在の沈黙を皮肉っています。権力の中枢で批判を封じ込めるよりも、自分の良心に従って行動することの重要性を説き、現代の政治における「潔い辞任」の希少さとその道徳的な意義を冷静な筆致で伝えています。

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