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2026-04-23

ドバイの幻想

The myth of Emirati neutrality [LINK]

【海外記事より】アラブ首長国連邦(UAE)、特にドバイは、紛争の砂漠の中に浮かぶ「穏やかなオアシス」という幻想を長年振りまいてきましたが、その実態は「中立」とは程遠いものであるとこの記事は指摘しています。UAEの統治者たちは自国を「アラブのスイス」になぞらえ、秘密性の高い金融業や多くの外国人労働者を受け入れることで経済的な成功を収めてきました。しかし、外交面においてはスイスのような徹底した中立を貫くどころか、地域各地の紛争に深く介入し、膨大な数の敵を作り出しています。現在、自国領土が攻撃にさらされている状況は、これまで海外で撒き散らしてきた火種の報いであると言えるかもしれません。

1971年に英国の保護下から独立したUAEは、アブダビとドバイという二つの富裕な首長国によって実質的に支配されています。ドバイ政府系企業のDPワールドが世界最大級の港湾オペレーターであるように、この国では「私企業」と「国家」の境界線は事実上のフィクションです。オイルマネーによって築かれたドバイは、世界最高の超高層ビルや人工島を誇る国際都市となりましたが、人口の大部分は南アジアなどからの外国人労働者によって占められています。彼らの送金は母国の経済を支える一方で、UAE国内では自由民主主義とは無縁の厳格な統治下に置かれています。

UAEの「中立」という神話が崩れる最大の要因は、アメリカとの軍事同盟と地域紛争への積極的な介入です。UAEはアメリカの条約同盟国としてアル・ダフラ空軍基地を維持し、ドバイのジェベル・アリ港は米海軍にとって中東最大の寄港地となっています。さらに、2011年のリビア介入を皮切りに、シリア、スーダン、ソマリア、そしてイエメンでの戦争に至るまで、UAEは自国の「戦略的深み」や「資源へのアクセス」を求めて軍事・政治的に深く関与してきました。こうした多動的な外交政策は、かつては対岸の火事であった紛争の火の粉を、自国の領土へと呼び寄せる結果を招いています。

特にアブラハム合意によるイスラエルとの関係樹立や、ムスリム同胞団をテロ組織と見なして敵視する姿勢は、イスラム世界や反シオニストからの反感を買っています。首長たちが真に恐れているのは宗教的イデオロギーそのものではなく、自らの封建的で個人的な統治体制を脅かす「現代的な政治運動」です。トランプ政権のように予測不能な同盟国を後ろ盾に、際限のない富で影響力を買おうとするドバイ・モデルは、今や限界に達しつつあります。テロのリスクが高まり、自国領土への攻撃が現実のものとなる中で、金で安全を買い、中立を装いながら紛争に加担し続ける手法が、国の未来を破壊しようとしていると著者は締めくくっています。

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