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2026-04-23

経済ゆがめる金融政策

Interest Rate Manipulation: The Fed’s Fatal Feature [LINK]

【海外記事より】アメリカの連邦準備理事会、通称FRBは、2026年の最初の2回の方針決定会合において、政策金利を3.50%から3.75%の範囲で据え置きました。インフレ率が目標を上回り、労働市場が堅調を維持する中で、早期の利下げには慎重な姿勢を示しています。当局は今後の調整が経済データ次第であると強調していますが、この記事の著者であるアントン・チェンバレン氏は、こうした議論の前提にある「中央銀行による金利操作」そのものが抱える構造的な欠陥を指摘しています。一般的な見方では、利下げの判断は慎重さや信認の維持という観点から語られます。しかし、現在の経済が直面している苦境は、金利設定の是非によるものではなく、長年にわたる通貨操作によって経済の構造が歪められてしまった結果であると著者は分析しています。

2008年以降やパンデミック期に行われた人工的な低金利政策は、投資家に対して誤った信号を送りました。本来なら採算が合わないはずのプロジェクトが、安価な融資を背景に利益が出るように見えてしまい、資源が不適切に配分されたのです。インフレの急進を受けて中央銀行が金融引き締めに転じたことで、これらの投資の多くが不採算であったことが露呈しました。中央銀行は金利を経済全体を制御するためのダイヤルのように扱っていますが、実際には政治的な思惑に基づいた操作が行われており、それが持続可能な成長に必要な資源の再配分を妨げています。FRBは物価上昇を抑えるために高金利を維持するとしていますが、この記事は物価上昇を病気そのものではなく、通貨膨張という原因から生じる症状に過ぎないと捉えています。

真の問題は、信用拡大による通貨膨張が、人々の実際の貯蓄と投資判断との結びつきを断ち切ってしまったことにあります。一度この結びつきが壊れてしまうと、金利を高く設定しても低く設定しても、命令によって経済構造を修復することはできません。経済の回復に必要なのは、金利が市場で自然に決定される状態に戻り、資本が最も価値のある生産プロセスへ再配分されることです。景気後退を需要不足と捉えて金融緩和で支えようとすれば、生産性の低い分野に資源が固定されたままになり、実質賃金も回復しません。回復のためには過去の誤りを表面化させ、修正させる必要がありますが、金融政策はそのプロセスを加速させるどころか、むしろ干渉して遅らせてしまうのが現実です。

FRBが利下げの速度に悩んでいるのは、金利政策によって消費者の好みを反映した構造調整が可能であるという、誤った前提に基づいているからだと著者は述べます。介入を繰り返すほど市場は政策シグナルに依存するようになり、市場の現実から遠ざかっていきます。今求められているのは、金利を巧みに操ることではなく、金利操作そのものをやめる謙虚な姿勢です。今年のFRBによる慎重な対応は、根本的な制度上の問題の表れに過ぎません。最大の危惧は利下げのタイミングが早いか遅いかではなく、通貨管理に依存し続けることで必要な調整が無期限に先送りされ、真の経済成長が損なわれ続けることにあるのです。

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