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2026-04-26

米議会の戦争権限放棄

BRANDAN BUCK: Why Congress Keeps Surrendering Its War Powers | The Daily Caller [LINK]

【海外記事より】ケイトー研究所の研究員ブランダン・バック氏はコラムで、トランプ政権によるイランとの紛争を背景に、議会が自らの「宣戦布告権」を放棄し続けている現状に強い警鐘を鳴らしています。合衆国憲法の起草者たちは、権力の肥大を防ぐために各機関が競い合う仕組みを設計しましたが、現代の議会は自発的にその権限を大統領に明け渡しており、この「権限の放棄」がアメリカ国民に多大な代償を強いていると著者は主張します。

こうした変化の主な要因として、第二次世界大戦後のアメリカ政治の「全国一律化」が挙げられます。かつては地域ごとの政治的アイデンティティが独自の外交観を持っていましたが、政党改革やメディアの発達により、外交は中央の政党主導へと変貌しました。議員たちは地域の代表としてではなく、恒久的な戦時動員体制を中心とした国家政治経済の一部として競争するようになり、議会の監視機能は次第に萎縮していきました。かつてロバート・タフト上院議員のような「オールド・ライト」の共和党員は、議会が大統領に従属することの危険性を警告していましたが、その保守主義の系譜は冷戦期の政治の中で淘汰されてしまいました。

現在では、民主・共和の両党とも、大統領が戦争と平和に関する憲法外の広範な権限を持つという考えを受け入れています。野党側は大統領のやり方を批判することはあっても、機関としての「帝国的大統領制」そのものを解体しようとする誠実な意欲は持っていません。この4世代にわたる「形式の中の革命」を経て、アメリカの政治階級は既存の枠組みの外で思考する能力を失ってしまいました。その結果、議会は戦術的な不満を述べるだけの場となり、実質的な国民の代表としての役割を果たせなくなっています。

バック氏は、有権者の多くが外交よりも国内問題を優先しているにもかかわらず、議会がそれに応じようとしない現状を批判しています。累積する債務、コストの上昇、そして経済的不透明感に直面する中で、国民は「戦争か平和か」という最も重要な問題を議論する手段を失っています。米国が名実ともに共和国であり続けるためには、議会が本来の野心を取り戻し、憲法上の特権を再構築しなければならないと結論づけています。

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