2020-01-29

昔は良かったの嘘

欧州では19世紀まで、貧困層が着たのは洗いにくい毛織りの服や下着で、衛生状態が悪化。大半の人は鶏、牛、豚などの家畜と一緒に寝起きした。泥棒や獣から守るためだ。家畜の排泄物を肥料に使ったが、めったに手や服を洗わないので伝染病が流行し、死亡率上昇の一因となった。
The romantic idea of a plentiful past is pure fantasy - CapX

シュンペーターは、積極財政を唱えるケインズの理論をこう皮肉った。フランス革命前夜の歴史は書き直されるだろう。ルイ15世はたいそう見識ある国王で、財政支出を刺激する必要を感じ、ポンパドール夫人ら浪費の専門家を雇い、そのおかげで完全雇用と繁栄がもたらされた、と。
Joseph A. Schumpeter, Outsider Looking In – The Future of Freedom Foundation

経済学でいう、人は利己的に振る舞うとは、強欲、浅はかで視野の狭い物質主義者であるという意味ではない。人の自己利益はほぼその子供の利益を含むし、完全ではないにせよ、家族や友人、隣人、同僚の利益とも重なる。利己的とは、人には自分で選んだ目標があるということだ。
New and Improved Economics? Don’t Believe It – AIER

経済学者ハイエクは通貨と国家の分離を唱えた。憲法を改正し、宗教と国家の分離と同様の条項を盛り込むのだ。社会に自由・平和・常態・繁栄・調和をもたらすには、健全な通貨に基づく貨幣制度が欠かせない。自由市場の原則に基づく貨幣制度こそ、そのような社会を実現できる。
Freedom and Prosperity: The Importance of Sound Money – The Future of Freedom Foundation

2020-01-28

中東の新世俗主義

昔、トルコやイランで西洋化政策により脱イスラムが押し付けられた。今は国民の中から世俗化が起こりつつある。欧州の啓蒙時代、理性や寛容が支持されたのと似ている。これらの理念はイスラムと共存しうるが、政府が変化を拒めば、急進的な反宗教運動に直面するかもしれない。
Opinion | A New Secularism Is Appearing in Islam - The New York Times

ランチを500円のハンバーガーかサラダにしようと思い、ハンバーガーを選んだとする。そのときかかるコストは、サラダを選んだときに得られたはずの価値である。経済学ではこれを機会費用と呼ぶ。ハンバーガーに700円まで払うつもりだったとすると、差額の200円を利潤と呼ぶ。
"Cost" & "Price" are Not Interchangeable Economic Concepts | Libertarianism.org

一部の企業特権として関税を免除すると、企業は長期戦略を立てる際、商売上の計算にかける時間や人手を犠牲にして、政治上の計算に精を出さなければならなくなる。顧客を満足させる代わりに、規制官庁を満足させるのに追われる。関税は一部だけ免除するのでなく、全廃しよう。
Don’t Pick And Choose: Give Everyone An Exemption From Trump Tariffs

政府の与える特権による露骨な独占はその害が明らかなので、間接的な独占・準独占の手法が編み出されている。官製カルテル、事業の免許制、品質基準(消費者ではなく政府が品質を判断)、関税、移民規制、児童労働法、最低賃金法、労働時間規制、独禁法、法人税、特許などだ。
The Many Ways Governments Create Monopolies

2020-01-22

性格差への果てしない介入

STEM(科学・工学・技術・数学)教育における男女格差をなくそうという主張がある。だがもしそれが正しいなら、なぜ他の教科は放っておくのか。歴史、哲学、経営学にも男女格差があったら、是正しなければなるまい。あらゆる教科で意味もなく果てしない介入が続くことになる。
"Closing the Gender Gap" at Any Cost Threatens the Academic Integrity of STEM Education | Mises Institute

なぜ保守主義者は市場経済に反対し、資本主義を攻撃するのか。その理由を一言でいえば、変化だ。資本主義は変化をもたらすが、保守主義者は変化を根っから嫌う。米国の保守派は1950年代を理想化し、市場への規制を主張するが、当時国民の3分の1が貧しかったことを忘れている。
Conservatives Are Increasingly Wrong about Market Freedom | Mises Wire

米国のテレビ番組で「在宅教育をどう規制するべきか」という特集が放映された。番組では在宅教育で子供が虐待され面倒を見てもらえないめったにない例を挙げ、政府の監督がないからだと述べた。もちろんこれは、全国の公立学校ではびこる教職員による児童虐待を無視している。
“We” Should Not Regulate Homeschooling - Foundation for Economic Education

行動経済学者によれば、人間は不合理なので、自分が「本当に」望む行動を選べない。合理的に行動すれば、喫煙のような危険行為は選ばないという。政府の喫煙規制は人が本当に望むことを与え、自由への介入ではないという。馬鹿げている。喫煙を好む喫煙者がなぜ不合理なのか。
Economist: Your Freedom Is Dangerous Because You Might Set a Bad Example | Mises Wire

2020-01-16

真の税

政府の真の大きさを知るには、課税額ではなく、支出額を見よう。それが真の税だからだ。課税額が支出額に満たなければ、不足分をインフレや国債の形で間接的に払わされている。真の課題は所得に対する政府支出の額を抑えることで、それができれば政府債務は心配しなくていい。
Government Spending is the Real Tax – AIER

新製品の95%は失敗に終わる。新入社員の半分は使い物にならない。中小企業の20%は1年以内につぶれる。ささやかな事業の成功率がこの程度なら、大統領候補の売り込む大規模で過激な政策が計画通りに運ぶだろうか。案としては魅力的でも、現実の世界では失敗するのではないか。
Politicians are only human - The Boston Globe

人々は民主主義で選ばれた政府に無邪気に期待する。政府が輸入品に関税をかけるのは国民の福祉のためで、政治力のある製造業に特権を与えるためではないと信じる。政治家が炭素税で気候変動と闘うと約束すると、それは厳密な科学に基づき、メリットがコストを上回ると信じる。
Donald Boudreaux: Some hopes for 2020 & beyond | TribLIVE.com

どんな売り手も自分の売り物を所有する。労働力を所有するのはそれを売る人、つまり労働者自身だ。最低賃金を決める権利を持つのは労働者本人しかいない。自分が労働力の所有権を行使するのに最低賃金法はいらない。必要な唯一の理由は、他人に安い賃金を提示させないことだ。
The Best Argument Against Minimum Wage Laws - Foundation for Economic Education

2020-01-12

寛容の土壌

同性愛は今でも多くの国で犯罪とされる。同性愛への寛容な態度は、都市化、教育、所得水準と相関関係にある。相対的に裕福な人々は、自身の生存を心配しなくて済み、公正を気にかける。性的少数者に対する寛容な態度は、社会が豊かになることに伴う、歓迎すべき副産物なのだ。
Progress on gay rights is real, but far from uniform - CapX

あらゆる人間社会は農業の開始以来、社会集団の分断が生じた。一方は支配集団で、権力の行使によって収入と地位を手に入れる。もう一方は生産集団で、取引と生産によって富を生み出す。もちろんこの分断はそれほどはっきりしているわけではないが、現実に存在するのは確かだ。
Why We Are Wealthy – AIER

行動経済学では、企業年金に加入したい従業員だけが加入する場合、全員に加入させ嫌なら退会する場合に比べ加入率が低いのは、人間が不合理だからと言う。しかし加入の是非を考えるコストは今必要なのに、受給のメリットは将来の話だ。ならば決定先送りは不合理とは言えない。
Why Paternalists Keep Calling Us "Irrational" | Mises Wire

民間企業や個人、慈善団体による就業支援が失業者に復職のチャンスを与えることに力を入れるのに対し、政府は納税者のお金で「セーフティネット」をつくるが、受給者の自立には役立たない。むしろ給付を維持するために増税しなければならず、企業や労働者から働く意欲を削ぐ。
Lyft’s Job Access Program Shows How the Market Provides Help Government Can’t – AIER

2020-01-10

価格の役割

価格は経済的に持続可能なやり方で物を生産し、消費するよう人々を促す。価格は情報を運ぶのである。もし物を余らせたければ、政府の法律で、本来の価格より高い最低価格を定めればいい。もし物を不足させたければ、政府の法律で、本来の価格より低い最高価格を定めればいい。
Politicians Are Addicted to Price Controls, by Veronique de Rugy | Creators Syndicate

一部の国では環境保護派の心配と裏腹に、経済成長にもかかわらず金属や水など物の消費が減っている。英国では2000〜2017年に1人あたり消費資源量が12.5㌧から8.5㌧に3分の1減った。飲料水の缶に含まれるアルミの量は1959年の85㌘から今は13㌘で、その大半はリサイクルされる。
We’ve just had the best decade in human history. Seriously | The Spectator

関税は輸入税であり、大半を負担するのは米国の消費者だ。工場は生産コストが上がるから、従業員を雇い、維持するのが難しくなる。関税に関する方針が行き当たりばったりに出されるため、企業は先行きが見えなくなり、せっかく法人減税をしたのに投資が減り、賃金が増えない。
It's Resolution Time for Congress and the Administration, by Veronique de Rugy | Creators Syndicate

真の民主主義が全国民の同意だとすれば、課税の強制は民主主義に反する。暗号通貨は通貨に対する政府の支配を脅かす。もし政府通貨から暗号通貨への移行で課税が不可能になれば、軍隊は新しい爆撃機を買うために寄付イベントを開かなくてはならなくなる。その未来を待ち望む。
Real Democracy Requires a Separation of Money and State | The William Lloyd Garrison Center for Libertarian Advocacy Journalism

2020-01-06

マイナス金利の害毒

マイナス金利政策によって時間は価値を失う。苦労して稼いだ金の一部を万一の備えや子供の教育に取っておいても、殖えるのではなく、日々減っていく。物をつくり貯蓄する意味がもはやなくなる。朝起きて勤勉に働き、暮らし向きを良くする意欲が奪われ、消費するしかなくなる。
How Today's Central Bankers Threaten Civilization | Mises Wire

人類の生活水準が史上最大の改善を見せている。50年超前に世界人口の60%を占めた貧困層の比率が初めて10%を切ったし、アフリカとアジアの高度成長で富の格差が縮小した。乳幼児死亡率は過去最低となり、飢餓はほぼなくなった。マラリア、ポリオ、心臓病はともに減少している。
Beware the miserable, regressive, leftist government central planners - Washington Times

医療を自由競争に任せると「市場の失敗」が起こるから政府の介入が必要だと初めて主張したのは、米経済学者ケネス・アローである。アローの均衡理論が前提とする市場モデルは、完全な情報、均質な財、外部性の欠如などを条件とし、動的で不確実な市場の現実とかけ離れていた。
Healthcare and "Market Failure" | Mises Wire

「お客様はいつも正しい」はお客に対する売り手の敬意を示す言葉だ。開かれた市場では、魅力に乏しかったり値段の高かったりする商品を無理に買わせることはできない。一方、私たちは消費者として「ご主人様」になる。暴力ではなく、お金によって売り手に言うことを聞かせる。
The Miracle of the Free Market – The Future of Freedom Foundation

2020-01-05

危機を煽る理由

ささいなことを国家存亡の脅威のように騒ぐ米政府やマスコミ。冷戦から続く好戦的な外交政策の結果、政府と民間にその恩恵を受ける勢力が生まれ、利権を維持しようと脅威を煽る。軍産複合体は米国が危険にさらされていると国民に信じさせたい。膨張した国防官僚組織も同様だ。
High Anxiety: How Washington’s Exaggerated Sense of Danger Harms Us All | Cato Institute

2003年に米国がイラクに侵攻しフセイン政権を転覆して以来、それまで平和に暮らしていた同国のキリスト教徒は、テロや国外脱出で150万人から25万人へと激減した。戦争を始めたブッシュ米大統領は熱心なキリスト教徒を自認していたが、イラクのキリスト教徒を迫害にさらした。
Among the casualties of US wars in the Middle East: Christianity - The Boston Globe

米大使館へのデモを受け、米軍がイラクへ増援部隊を派遣へ。そうではなく、イラクの巨大な大使館をリストラしてはどうか。同大使館は世界最大で、メキシコやカナダにある大使館より大きい。両国は米国と長い国境で接し、イラクよりはるかに多い貿易と旅行の相手国であるのに。
The Ron Paul Institute for Peace and Prosperity : Shutter the US Embassy in Iraq

米政府の軍幹部や官僚はアフガン戦争について国民に嘘をついた。だがその嘘を広めたのは、アフガン文書を報じたワシントン・ポスト自身を含め、政府の主張を無批判に伝えるマスコミだ。同紙やNYタイムズはそれだけでなく、戦争に反対し真実を語る少数の人々を盛んに検閲した。
The U.S. Government Lied About the Afghanistan War. They Couldn’t Have Done It Without Lapdogs Like the Washington Post | Common Dreams Views

2020-01-04

ゴールデンライスの受難

遺伝子組換技術で生まれた、ビタミンAを多量に含む稲、ゴールデンライス。途上国の子供の命と視力を救うと期待されるが、遺伝子組換作物への反対運動と規制で普及遅れる。2017年、ノーベル賞受賞者らが環境団体グリーンピースと国連に対し、反対運動と規制をやめるよう要求。
GM Crops Like Golden Rice Will Save the Lives of Hundreds of Thousands of Children - Quillette

近年、世界で生物多様性が向上した地域の分布を見ると、大半が経済的に豊かな地域だ。これは環境クズネッツ曲線と一致している。人々が豊かになるにつれ、土地などの資源を使う量が減り始め、環境破壊が減るという仮説だ。豊かになれば、環境規制のコストを負う余裕もできる。
Biodiversity and Prosperity Go Together – AIER

あなたが選挙で富の再分配、福祉給付の増額、医療や教育の補助拡大を支持したら、自分は寛大だと言うだろう。でも本当は違う。単に自分が支持する政策のために、他人に金を払わせているだけだ。それは寛大ではなく、統制だ。多くの政策を求めるほど、統制を強めることになる。
Give, Don’t Govern – Reason.com

所得格差が叫ばれるのと裏腹に、人々の生活水準は向上している。ギャップの理由はいくつかある。所得調査からは新製品の普及をつかめない。製品の品質向上がわからない。ウォルマートのような新手の安売り店の利用を見逃す。割安な代替品に乗り換える消費者行動をつかめない。
Prosperity and income aren't the same thing - CapX

2020-01-03

義務教育の害悪

『大きな森の小さな家』の作者ローラ・インガルス・ワイルダーの娘、ローズ・ワイルダー・レインも作家で、政府が強制する義務教育を批判した。義務教育は子供の成長を先送りし、自立、自己修練、責任感の涵養を妨げる。つまり自由を実際に経験しないまま幼少期を過ごさせる。
Rose Wilder Lane: Pioneer of Educational Freedom - Foundation for Economic Education

欧州で人気を集めるヒッチハイクのマッチングサービス、ブラブラカー。車で移動する人が同じ目的地に向かう他の人を乗せ、ガソリン代や高速代を節約する。個人の自発的な協力による仕組みは、共通の利益があれば生まれる。人間は協力する方法を見つけるのが本当にうまいのだ。
The Economics of Hitchhiking – AIER

今の経済学は将来を予測する能力で理論を評価するが、それはおかしい。他の条件が同じならば、パンの需要が増えれば価格が上がると確実に言える。この結論はつねに正しい。パンがいつ値上がりするのかは需要と供給の法則からはわからないが、だから使えない理論とは言えない。
Good Economic Theory Focuses on Explanation, Not Prediction | Mises Wire

英国の刑務所に収監されているウィキリークス創始者アサンジ氏は、未決囚として自分の服を着る権利があるのに、エクアドル大使館から連行される際、持参を阻まれ、その後も届かない。毎日22時間、「健康管理」のために隔離され、自殺防止と称し30分ごとに扉越しに監視される。
Visiting Assange, Britain's Political Prisoner - CounterPunch.org

2020-01-02

報道への脅威

ウィキリークス創設者アサンジ氏がスパイとして米司法省に起訴されたことは、報道の自由と独立に対し重大な脅威だ。誰が「合法」なジャーナリストかを決める権限を政府に認めるのはきわめて危うい。官僚に友好的な伝統メディアだけが生き残るだろうが、それさえ安全ではない。
Media Elites to Assange: Fight for Your Own Hide | The American Conservative

米国が20年前に始めた世界的なドローン戦争は2019年も続いたが、正確な犠牲者数はわからない。米政府が開示を拒んでいるからだ。犠牲者数は報道組織などの推測によるしかない。今年、米民主党は大統領選挙に向け討論会を6回開いたが、ドローン戦争は1度も話題にならなかった。
Merry Christmas! Don’t Forget Our Killer Drone Program!

この数十年で、世界の女性の識字率は向上し、男性との格差が縮まった。出産で死亡する女性が減った。中国の大躍進政策など共産主義の実験終了により、女性の寿命が伸びた。食糧増産のおかげで少女の飢えが減った。米国では強姦が減少した。先進国で賃金の男女格差が縮小した。
20 graphs to celebrate women's progress around the world - CapX

保守主義とは軍事予算を無制限に認めることではない。強い国防と財政均衡の両方が必要だ。保守派は軍事費増大を喜ぶが、中国から借りた金で米軍の給料を払うことが保守的であるはずがない。借金で戦車や戦闘機を買い、世界の果てで警官役を演じれば、むしろ国の安全を脅かす。
Rand Paul: Why I Voted Against the Latest Defense Budget | The American Conservative

2020-01-01

イスラムがつなげた海

2019年夏、ディズニーの実写映画『アラジン』が公開され、ヒットを記録した。よく知られるように、その原作は、イスラム世界の説話集『千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)』に収められた「アラジンと魔法のランプ」の物語である。

映画と原作を比べると、興味深いことがある。映画では、物語の舞台はアグラバー王国という架空の国。砂漠に囲まれていることや街並みから、中東のどこかの国がモデルのように見える。

一方、原作では、主要な舞台は中国。中国のある町に住んでいた仕立て屋の息子アラジンの家に、ある日、亡き父親の弟を名乗る修道僧が訪れる。自分は40年前に祖国の中国を去り、インド、ペルシャ、アラビア、シリア、エジプトなどを旅し、その後アフリカに渡って長く住んでいたなどと話す。

修道僧は実は魔法使いで、魔法のランプを手に入れるためアラジンを利用しようとしていた。偶然のなりゆきからランプはアラジンの手に入り、アラジンはランプの魔神の力を借りて豊かになり、皇帝の娘と結婚し、中国に君臨して何不自由ない余生をまっとうする。

この物語から、当時のイスラム世界の人々にとって、中国が一種の夢の国だったことがうかがえる。中国に関する情報をもたらしたのは、西アジアから海に乗り出したイスラム教徒(ムスリム)の商人たちだった。


東側にインド洋、西側に地中海という二つの海が広がり、さらにユーラシアとアフリカの両大陸に挟まれた西アジア地域は、古くから東西交通と貿易活動のうえで重要な要衝にあった。8世紀中頃、バグダッドを都とするアッバース朝が成立し、シルクロードによって東の唐帝国と結ばれる。

良い社会主義、悪い資本主義

能力に応じて働き、必要に応じて受け取るというマルクスの目標に人々が自発的に同意するなら、それは良い社会主義だ。修道院、キブツ、コミューンがそうだし、子供を養う普通の家庭もそうだ。一方、国内製造業者を関税で保護するような、官民癒着の縁故主義は悪い資本主義だ。
Bad Capitalism and Good Socialism | Mises Institute

米国の戦争は戦術がまずかったという「批判」は、アフガン戦争のように非道で違法な侵攻も、目標さえ達すれば正当化されることを意味する。「次はうまくやれ」ということだ。うまくやるという基準はあいまいだから、戦術「批判」は帝国主義による軍事介入を永遠に可能にする。
WaPo’s Afghan Papers Propagate Colonial Narrative of Noble Intentions Gone Awry | FAIR

アメリカ建国の父たちは政府幹部が民主的手続きで選ばれるよう望んだものの、市民から直接影響を受けないようにも望んだ。そのほうが政府は憲法の命じる制限を守りやすいからだ。合衆国憲法は制限された政府によって自由を守ろうとした。民主主義を育てようとしたのではない。
Why America's Founders Didn't Want a Democracy - Foundation for Economic Education

戦争はハリウッド映画のような善と悪の戦いではない。地政学的な戦略の争いという俗っぽいものだ。しかし人はすぐ、どちらかが善だと思い込む。だから米国がイランで体制転覆を企てるのは不道徳だと批判すると、それならイラン政府は正義の味方なのかと的外れな反論をされる。
The Ron Paul Institute for Peace and Prosperity : 'Opposing Interventionism In Nation X Means You Love Nation X’s Government!'