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インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...

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2020-04-20

金の価格が40年ぶり高値! なぜ人は「金を買う」のか知っている?

金価格が歴史的な高値に上昇している。国内での販売価格は1グラム当たり6000円を突破し、40年ぶりの高値である。金価格は昨年からじりじり上昇しており、今年に入ってからも勢いが衰えない。

金が買われる理由として、経済ニュースではいくつかの要因をあげる。米国の利下げ、米中貿易摩擦の激化、米軍によるイラン革命防衛隊の司令官殺害をきっかけとした中東情勢の緊迫などだ。

けれども、これらの一見バラバラな出来事がなぜ金価格の上昇につながるのか、よくわからない人もいるのではないだろうか。じつは、ニュースでは説明を省いてしまう場合が多いが、金が買われる背景には、共通する根本原因がある。それは「インフレへの恐れ」である。

インフレはお金の価値が下がり、デフレはお金の価値が高まること


私たちは普段、中央銀行が作った紙幣(お札)をお金として使っている。紙幣はその名のとおり、紙でできているので軽く、持ち運びに便利というメリットがある。もちろんデメリットもある。それは、お金としての価値が減る危険にさらされる点だ。


私たちは日頃、物の価値を測るモノサシとしてお金を使っている。1万円のゲームソフト、10万円のスーツといった具合だ。だから、お金そのものの価値と言われると、それが増えたか減ったかをどうやって測るのか、ピンとこないかもしれない。

物の価値をお金で測るのと逆に、お金の価値は物で測る。ネットショッピングで、あるお菓子の10個セットが今日1000円で、1年後に2倍の2000円に値上がりしたとすると、そのお菓子で測ったお金の価値は半分に減ったことを意味する。同じ1000円で半分の5個しか買えないからだ。逆に、同じお菓子セットが半分の500円に値下がりしたとすると、そのお菓子で測ったお金の価値は2倍に増えたことを意味する。同じ1000円で2倍の20個買えるからだ。

ただし、物の値段は特殊な理由で上下することも少なくない。お菓子が値上がりしたのは芸能人に紹介されて人気になったからかもしれないし、値下がりしたのは健康に害があると報道されたからかもしれない。

2020-04-19

最賃引き上げ問題、中小零細企業への補助が招く一喜一憂

安倍晋三首相は1月20日、同日召集された通常国会で施政方針演説を行い、今年の政府方針を述べた。

その中で、安倍政権のこれまでの実績のひとつとして挙げたのが、企業が従業員に支払わなければならない最低賃金の引き上げだ。安倍首相は「史上初めて全国平均900円を超えました」と胸を張った。

政府は昨年6月に閣議決定した経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)で「より早期に全国加重平均で1000円を目指す」との目標を掲げている。

これに対し野党はいずれも、1000円以上への引き上げを求め、一部ではさらに大幅な引き上げを主張する。昨年4月、山本太郎前参院議員が設立した新党、れいわ新選組は、公約のひとつとして最低賃金1500円の実現を掲げた。共産党も全国一律で速やかに1500円を目指すとしている。

賃金引き上げを歓迎する日本の世論


大手メディアはおおむね、最低賃金の引き上げに賛同する。さらに踏み込んで、最低賃金の都市と地方の格差を縮めるため、「地方の最低賃金を一層引き上げるべきだ」(毎日新聞社説、2019年8月1日)とする主張もある。要するに、日本の世論は最低賃金引き上げの大合唱である。

この事実には愕然とせざるをえない。日本人の多くは、中学・高校で経済学の初歩くらいは学んだはずだ。そこで必ず教わる法則がある。「需要・供給の法則」である。


競争が自由な市場経済では、供給量(売ろうとする商品・サービスの量)よりも需要量(買おうとする商品・サービスの量)が少ないと、商品が売れ残るので市場価格は下がる。 需要量よりも供給量が少ないと、商品・サービスが足りなくなるので市場価格は上がる。このように市場価格が上下に動くことによって、供給量と需要量が釣り合い、売れ残りも品不足もない状態に近づいていく。

ところが、何かの理由で価格の動きが妨げられると、供給量と需要量の調整ができなくなる。供給量と需要量が釣り合う水準まで価格が下がらないと、商品が売れ残る。釣り合う水準まで価格が上がらないと、品不足が解消されない。

需要・供給の法則は、労働者が提供するサービス、つまり労働にも当てはまる。労働の価格、つまり賃金が自由に上下に動けば、労働者が提供する労働の供給量と、企業などが求める労働の需要量がうまく釣り合う。

2020-04-18

貿易戦争の敗者は国民〜関税で輸入品値上がり、暮らしを圧迫

「貿易戦争」という言葉をニュースでよく目にする。国と国との間に起こる貿易問題を戦争にたとえた表現だ。

国家間の貿易問題には「貿易摩擦」という言葉も使われる。貿易戦争はさらに事態がエスカレートし、国と国が互いに武器で攻撃し合っているイメージが加わる。

武器に当たるのは、相手国からの輸入品にかける関税だ。

関税がもともとの値段に上乗せされるから、その分、輸入品の値段が高くなり、国産品との競争が不利になる。政府は相手国の製品に対する関税を引き上げたり、それまで関税の対象外だった製品を新たに対象に加えたりすることで、輸入品の競争力を落とし、国産品の競争力を相対的に高めることができるわけだ。

「米中貿易戦争で勝つのはどちらか?」という間違った問い


今注目されているのは、米国と中国の間に起こっている米中貿易戦争だ。

経緯を振り返ると、最初に仕掛けたのは米国だった。米国のトランプ大統領は2018年3月、中国を含む海外製の鉄鋼製品を対象に25%の関税をかける措置を発表した。さらにロボットや半導体、家具、家電などさまざまな製品に関税をかける。


中国も黙ってはいない。米国から買っていた大豆、牛肉、自動車などに関税をかけて報復に出る。これに対し米国がさらに報復し事態がエスカレート。対立は2019年に入っても続いた。12月、両国の貿易交渉で一定の合意に達したことから報復合戦は一時休止しているものの、なお火種はくすぶっている。

さて、貿易問題をめぐる米中の対立は、米中貿易戦争としてマスコミで大きく取り上げられている。たしかに両国が互いに関税措置を発動し、報復し合う姿は戦争を連想させる。

しかし忘れてならないのは、それは表面上、似ているにすぎないということだ。戦争という言葉に引きずられると、貿易問題の本質が見えなくなり、的外れな議論をしてしまうことになる。

2020-04-17

欧米で広がる社会主義ブーム 過去の破綻は忘れられたのか

今から30年前の1989年11月、東西冷戦の象徴だったベルリンの壁が崩壊した。ソ連や東欧の社会主義諸国が終わりを迎えるきっかけとなった歴史的出来事だ。ところが現在、欧米の若者などの間で社会主義ブームが盛り上がりを見せている。

米調査会社ギャラップが先ごろ公開した最新世論調査では、18〜39歳の世代で資本主義の支持率が大きく低下し、社会主義の支持率がほぼ同程度になった。2020年の米国大統選挙に向けて、民主社会主義を打ち出すバーニー・サンダース上院議員の人気が高まっている。

英国では、ジェレミー・コービン党首の下で水道、電力、鉄道、郵便の再国有化など社会主義的政策を打ち出す野党・労働党が存在感を増している。12月12日に総選挙を控え、世論調査での支持率は与党・保守党にリードを許しているものの、コービン氏に対する草の根の党員票の支持は根強い。

ソ連や東欧諸国の負の歴史


若い世代がソ連や東欧諸国の歴史を知らず、反資本主義のムードに乗って社会主義に漠然とした憧れを抱くのは、無理もないことかもしれない。

けれども、社会主義はかつてソ連や東欧、中国、カンボジアなどで、餓死や強制収容所送り、強制労働、死刑などによって膨大な死者を出した。その数は8500万から1億人に達するとされる。

共産主義黒書〈ソ連篇〉 (ちくま学芸文庫)
共産主義黒書〈ソ連篇〉 (ちくま学芸文庫)

サンダース氏らが標榜する民主社会主義とは革命を否定し、議会制民主主義の中で社会主義の理想を実現しようとする考えである。独裁体制だったソ連や東欧の社会主義とは違うと支持者は強調する。

けれども社会主義が持続不可能なことは、独裁制だろうと議会制だろうと変わりはない。それには経済的な理由がある。

2020-04-16

行政任せの防災が命を奪う モラルハザードの危険性

台風19号による豪雨は全国で甚大な被害をもたらした。NHKの報道によると、10月22日までに84人が亡くなり、9人が行方不明となっている。6万2409棟以上の住宅が水につかり、およそ4765棟の住宅が全半壊や一部損壊の被害を受けた。

安倍晋三首相は、福島県や長野県の被災地を視察。「国としてできることはすべてやる」と強調した。

行政の対応について、主要メディアは「住民の救助と生活の再建へ全力を挙げなければならない」(朝日新聞)、「あらゆる手だてを講じてもらいたい」(河北新報)と発破をかけている。被災者や、その苦しむ姿をメディアで目にした国民の多くも、同じく国に期待をかけているようだ。


今回の台風のように、大きな自然災害が発生すると必ず政府が救援や復興の先頭に立つ。その光景をあまりにも見慣れているため、国民もメディアもそれが当然と信じて疑わない。ところが皮肉にも、政府のそうした積極的な災害対策こそが被害拡大の一因になっている可能性がある。

モラルハザードを引き起こす政府の災害対策


経済学に「モラルハザード」という言葉がある。もともとは保険用語で、保険に加入したことによって、加入者が果たすべき注意を怠ったり、故意に事故を起こしたりするリスクのこと。経済学ではより広く、安全対策が逆に引き起こすリスクを意味する。つまり、危険回避の手段や制度を整備することにより、かえって人々の注意が散漫になって規律が失われ、危険が高まることを指す。

政府の災害対策はモラルハザードを引き起こす懸念がある。日本では、災害後の迅速な復旧による生活の安定を目的に、災害復旧制度が設けられている。対象となる施設は河川や道路をはじめ、下水道、農地、港湾、漁港、公立学校など幅広い。この制度の特徴は、国庫補助率の高さだ。