2019-01-31

テクノロジーと伝統美

テクノロジーと伝統美
神社の境内で揺らぐ美しいろうそく。実はこれ、LED照明。周囲の音を内蔵コンピューターで解析し、明かりの雰囲気を変更。日本らしい風情はそのままに、転倒による火災の心配なし。技術は伝統美を否定せず、より親しみやすく。
風で光ゆらぐLED照明 和ろうそくの風情再現

学校付きマンションを
大規模マンションが集中する東京都の湾岸4区、公立小学校の新築・増改築の費用急増。開発規模やスケジュールを制御せよと専門家。もっと良い案があります。マンションの中に学校を作る。優れた学校は入居の決め手にもなります。
児童増で学校整備費22倍 タワマン乱立の東京4区 財政を圧迫 開発制御を

監視社会のプラス面?
監視社会には犯罪防止などプラスの効果もあるとの指摘。問題の本質はそこではありません。かりにプラスがあっても、それを上回るマイナスがあると判断した個人が拒否できるかどうか。国家による監視はこの条件を満たしません。
超監視時代 治安維持か抑圧か、新しい機器や技術も

税より賢い使い方

税より賢い使い方
トランプ米大統領、「アマゾンは税金を払っていない」と名指しで批判ツイート。税金を払っていないからこそ、アマゾンは稼いだお金を投資にたっぷり使い、利用者を満足させられるのです。だから大統領も法人減税したのでは?
トランプ氏、「アマゾンは税金を払っていない!」

偽りの非暴力主義
キング牧師の遺産で何より重要なのは、非暴力主義を貫いた点だと長男。一方で、有色人種や学生、高齢者の投票権を守る措置が必要だと強調。しかし投票の結果を政治によって実現するならば、非暴力主義と矛盾します。政治の本質は暴力だからです。
多様性こそ米国の強み キング牧師の遺産、長男に聞く

巨大企業より怖いもの
巨大IT企業によるデータ独占を防ぐため、独禁法の運用強化へ。しかしもし企業によるデータ独占が国民に害を及ぼすのなら、企業よりも大きな権限を持つ政府による各種個人データの独占は、なぜ問題にされないのでしょうか。
巨大企業のデータ独占、独禁法で対応 公取委委員長

銃より100万倍危険な武器
キューバ危機で核戦争を回避できたのは幸運のおかげ。対ソ連核軍縮に抵抗した米国内の反対派。ロシアとの信頼関係を損ねた北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大。核の危険を訴えるペリー元米国防長官の貴重な証言。
核戦争の瀬戸際で ウィリアム・J・ペリー著 不拡散に努めた半生を回顧

2019-01-30

大量破壊兵器という偽ニュース

疑心暗鬼の理由
米政府、中ロ製の一部通信機器やソフトを締め出す動き。データを盗む不正プログラムが組み込まれているのではと疑う。なぜそんなに疑うかというと……自分が同じようなことをやっているから。しかも自国民に対して。疑心暗鬼とはこのことか。
米、中ロのIT機器排除 背景に不正プログラム

大量破壊兵器という偽ニュース
米フェイスブックが偽ニュースの新対策。ここで気になることが。15年前のイラク戦争時に主張された大量破壊兵器の存在のように、米政府の言っていることが嘘でないかどうかもチェックするのでしょうか。もしロシアの選挙介入が嘘だったら?
フェイスブック、偽ニュース対策発表 米中間選挙控え

優先順位の問題
米乱射事件受け銃関連株に厳しい目。2010年以降の犠牲者400人。少なくない数です。でもたとえば過去3年、米支援のイエメン戦争で民間人の死亡者6100人。武器による死者をなくしたいなら、優先順位が違うのでは。
「銃よさらば」、乱射の爪痕投資にも

ふるさと幻想
ふるさと納税、返礼品は地場産品だけにと総務省が通知へ。海外産品など「ふるさと」と縁遠い返礼品を問題視。すべての自治体に魅力的な特産品があるはずだ、なくてはならぬという無理な発想。豊かな自治体と格差広がるばかり。
ふるさと納税、返礼品は地場産品だけに 総務省通知

ユートピアの現実

緊張緩和を喜ばない人たち
突然の中朝和解。東アジアの緊張緩和に日本政府は喜ぶのではなく、困惑。国内に問題を抱える政府にとって、国外の緊張はむしろ好都合というのはよく知られる真理。緊張が弱まったらどうするか。一つ覚えの圧力路線で自分で緊張を作り出すしか。
中朝和解 圧力路線に試練 北朝鮮「段階的に非核化」 米、軍事行動は難しく

強制労働SOS
環境や人権への取り組みを評価するESG投資を企業が意識。取引先が強制労働をさせていないか調査するメーカーも。ぜひお耳に入れたいことが。稼いだうちの4割も取り上げる国があります。その分強制労働ですよね。税・保険料って名目です。
原料調達 環境や人権配慮 違法伐採や強制労働排除 花王、農園を調査

ユートピアの現実
授業料無償化で私立校に人気集中、都立入試で定員割れ続出。特に中位以下の学校が苦戦。このままだと都立高の統合・再編が議論される可能性も。私立に入れず、都立に行く学生にとっては不安な先行き。無償化というユートピア思想が招いた悲劇。
私立高無償化 都立入試を直撃 3次募集定員割れ、大学入試改革も影響か

規制のダブルパンチ
働き方改革法案、医師にも時間外労働の上限。法案どおり遵守した場合、産婦人科医が不足し、妊婦の4分の1が出産場所を失うとの試算も。国家試験で医師の供給を絞った結果の長時間労働と、硬直した労働規制によるサービス劣化。破局へ向かう狂気。
医療現場、働き方改革の波 勤務医の残業年850時間超

2019-01-29

官の都合がすべて

人口の国家管理
旧優生保護法に基づく障害者らへの不妊手術、厚労省が実態調査へ。優生保護法の2つの目的「不良な子孫の出生防止」「母性の生命健康の保護」 の背後には、国家が人口を管理する発想。少子化を国が「解決」しようとする考えと遠くありません。
強制不妊の実態 厚労省が調査へ 来月末にも

過去最高の評価?
18年度予算、社会保障・防衛費が拡大し過去最大97.7兆円。もし民間企業なら、サービスに利用者の支持が集まった証拠です。けれども政府の場合、支持されようがされまいが、決まったお金を税金からもらえます。うらやましいビジネスモデル。
18年度予算が成立 過去最大97.7兆円

官の都合がすべて
東京・江東区、子どもの増加を抑えるため、ファミリー向けマンションの開発を規制。保育所や小中学校などの整備が追いつかないため。日本は自由主義経済の国だと思っていましたが、違うようです。官の都合に民を合わせさせる社会、いまだ健在。
保育所や小学校が足りない 江東区、マンション規制へ

アマゾンは悪くない
アマゾン株、トランプ大統領の発言報道受け急落。「アマゾンがショッピングモールや店舗型の小売りを傷つけている」と。けれども旧来型の小売りを「傷つけている」のはアマゾンではありません。アマゾンを選ぶ消費者です。非難するなら消費者を。
市場に第2の「ITバブル」崩壊の兆し

好きなことを諦めるな

冷静な少数派
米欧22カ国、英暗殺未遂でロシア外交官追放へ。しかし同調しない国もあります。「ロシアと対話のルートを絶やしたくない」(オーストリア)、「英国とは連帯したいが、調査も必要」(ギリシャのチプラス首相)。少数派のほうが冷静なような。
米欧22カ国で110人超、ロシア外交官ら追放へ

好きなことを諦めるな
ラジオ放送、インターネット配信をきっかけに復活の兆し。ここから学べることはいくつもあります。テクノロジーの進歩を敵視せず味方にせよ。既存の枠にとらわれず、古い酒を新しい革袋に入れる工夫をせよ。好きなことに愛着を持ち、諦めるな。
ラジオとの出合い手助け 番組で全国の面白い放送紹介

住宅ローンの不幸
住宅ローン返済にがいつのまにか苦しくなり、悩む夫婦。かつて住宅はお金を貯めて現金で買うものでした。国の政策により、多額の借金をして買うことに。経済環境が少し苦しくなれば破綻しかねないのは当然。自民政権が堅実な保守なんて誰が言った?
まさかの住宅ローン破産? 「普通の家計」の大誤算

緩和頼みのツケ
公示地価、地方で26年ぶりプラス。訪日客増加を受けてホテルや店舗の需要が増しているものの、下支えするのは日銀の緩和マネー。訪日客増も金融緩和による円安効果が小さくありません。緩和頼みで構造改革を遅らせたツケは必ずやってきます。
公示地価上昇、全国に波及 地方、26年ぶりプラス 脱・資産デフレ進む

2019-01-28

森村進編訳『ハーバート・スペンサー コレクション』


今こそ再評価のとき

読むことなしに不当なレッテルを貼られ、非難される思想家のランキングを作るとしたら、その首位は間違いなく、19世紀英国のハーバート・スペンサーだろう。

スペンサーは動物だけでなく人間についても「適者生存」という言葉を使ったために、弱肉強食を提唱する保守的な「社会的ダーウィニズム」の代表者としてしばしば批判される。しかし本書に収められたスペンサーの文章を読めばわかるように、そのような批判は「とんでもない言いがかり」(科学ジャーナリスト、マット・リドレー)である。

スペンサーの言う、人間社会における「適者」とは、軍事力や政治権力、物理的実力を持つ強者のことではなく、他者との互恵的協力関係に適した人々を指す。弱肉強食は軍事力や政治権力、物理的実力が物を言う野蛮な軍事型社会の特色であって、スペンサーが好ましいと考える、自由市場に基づく産業型社会の特色ではない。

スペンサーは政府の福祉政策に反対したことから、冷たい「弱者切り捨て」論者だと非難される。しかしスペンサーが批判したのは国家による強制的な福祉であって、民間の私人による福祉活動は支持していた。森村進氏が訳者解説で述べるとおり、国家による娯楽の援助や国教会制度に反対するからといって、娯楽や宗教の活動に反対することにならないのと同じである。

19世紀後半、英国ではそれまでの自由主義が弱まり、国民大衆に利益をもたらすためなら個人の自由をいくらか犠牲にしても国家の干渉を歓迎する団体主義が勢いを増した。ジャーナリズムでは「人々はもはや社会主義を考えても恐れない」という声明さえ躍った。

スペンサーはこうした状況に対し「議会の法律が行うたくさんの社会主義的変化は〔略〕段々と国家社会主義に統合されるかもしれない」(「人間対国家」)と危機感を表明した。その後、彼の憂慮したとおり、英国は2度の世界大戦による軍国化と戦後の福祉国家化で社会主義にさらに傾斜し、英国病と呼ばれる衰退をたどる。

先進国で社会主義が一種のブームとなる今こそ、スペンサーを正しく再評価し、野蛮への逆行を防がなければならない。

産業化の輝き

大切すぎる技術
米、中国への技術移転の「強制」を非難。国内生産を求め、最終的には技術を中国側に渡さなければ事業ができないようにしたと。そんなに大切な技術なら、中国での生産をやめて引き揚げてしまえば? いっそ最初から門外不出にしてしまえば?
米、技術移転の強制懸念 中国の知財侵害「4つの手口」

政府は間違う
総務省、パスワード「頻繁に変更はNG」に方針転換。誰にでも間違いはあります。だからこれ自体をけしからんとは言いません。言いたいのは、政府は自分が間違う可能性をつねに認めてほしいということ。政府に対する批判を黙殺しないでということ。
パスワード「頻繁に変更はNG」 総務省が方針転換

産業化の輝き
岡本太郎「太陽の塔」の内部修復、48年ぶりに一般公開。古代の生命力を称え、産業化の中で人々が人間らしさを取り戻すよう訴えたという太郎。しかし最新技術で甦った輝かしい作品を見るにつけ感じます。産業化と人間らしさは立派に両立すると。
近代化のひずみ 太郎の思い再現 太陽の塔「生命の樹」「地底の太陽」公開

やめられないサービス
年金機構、入力ミスで過少支給20億円。委託先の契約違反を把握後も業務委託を継続。政府が人数を定めるため、業務増えても人数を増やせない硬直した組織。フェイスブックなら嫌気がさしてやめることができますが、やめられないのが公的年金です。
年金機構、過少支給20億円 入力ミス10万4000人に影響

教育といふ事業

教育といふ事業
非営利のフリースクール運営者には収入や利益といふ言葉を好まない人がゐるが、パトロンがいない限り、現金は必要だ。フリースクールを始めたものの、タダではやっていけないと挫折する人は多い。設立当初に収入がなくても、それを続けてはいけない。収入確保を目標にしよう。
4 Tips on How to Become a Successful 'Edupreneur' - Foundation for Economic Education

先生の賃金は安いのか
学校制度が市場経済から切り離されてゐる限り、教育の市場価値や教育サービスを提供する教師の賃金を算出することはできない。教師の賃金は官僚によって決められる。公立学校の教師が仕事相応の賃金をもらってゐないとはいえない。仕事相応の賃金がいくらかわからないからだ。
Public School Teachers Are Not Underpaid | Mises Wire

在宅教育を取り入れる
米女性起業家サマンサ・バーンズの子供たちは週に2日学校に通ひ、残り3日を自宅で学ぶ。在宅教育と公立チャータースクールを組み合はせたダビンチスクールといふ仕組みで、カリフォルニア州で急拡大中だ。親が毎日自宅で子供を教へられなくても、在宅教育を取り入れられる。
3 Mom Entrepreneurs Share How They Homeschool and Grow Their Businesses - Foundation for Economic Education

お粗末な独占サービス
政府は社会ではない。社会のおかげで成功したからといって、政府に税金を多く払はなければならない理由はない。政府でなければできないサービスはない。たとへば教育。政府が教育制度を仕切ってきたからといって、お粗末な教育サービスにべらばうな独占価格を払ふ理由はない。
America's Success Was Achieved by Limiting Government, Not by Government - Foundation for Economic Education

2019-01-27

健康国家への道

健全な市民感覚
銃犯罪多発も銃規制には消極的なブラジル国民。背景には警官や政府への不信感。財政難で公務員の給与遅配が常態化し汚職がまん延、麻薬組織に取り込まれた警官も。銃を手放しても安心という信頼感はまったくないとか。むしろ健全な市民感覚では。
ブラジル、銃犯罪多発も規制は遠く グローバルViews

新たな武勇伝?
新仮想通貨「サーガ」立ち上げ。顧問にノーベル経済学賞受賞者のマイロン・ショールズ氏ら。ショールズ氏といえば、1998年ロシア財政危機の影響を読めず、運用していた巨大ヘッジファンドLTCMを破綻させたことで有名。新たな武勇伝を作るか。
[FT]ノーベル経済学者ら顧問に新仮想通貨立ち上げ

ひそかに脱デフレ
菓子や粉末クリーム、内容量減らしひそかに苦肉の実質値上げ。原料や物流コストなどの高騰響く。こんなことは脱デフレという偉大な国家目標に向けた当然の過程。子供たちのお菓子が減ってかわいそうなどと言ったら非国民ですぞ。
容量減で「こっそり値上げ」 見破る消費者

健康国家への道
厚労省、乳幼児と小中学生の健康診断データを電子化し、生活習慣病防止などに活用へ。やがて子供と親の遺伝子情報まで政府が管理し、医療費のかかる者に適切な「施策」がとられる怖い時代になるかも。政府に医療を依存し続ければそうなります。
子どもの健康をデータに 厚労省、生活習慣病など防止

銃に守られたデモ

政府が罰するべきか
リニア談合で4社を告発。経済学者アダム・スミスは、同業者が集まるとすぐ談合の相談をすると指摘しました。しかし談合を法律で罰することには反対でした。政府の介入が自由な取引を萎縮させると知っていたからです。市場の自浄努力こそ必要です。
リニア談合で4社を告発 鹿島・大成2幹部も 公取委「規模大きく悪質重大」 独禁法違反容疑

銃に守られたデモ
高校生ら、銃規制強化求め全米でデモ。ところが学生らを守るため、周囲には銃で武装した警官がずらり。支持を表明したオバマ前大統領も現役時代(おそらく今も)、銃を持つボディーガードに警護されていたはず。これってOKなんでしょうか。
銃規制強化求め全米でデモ 高校生ら「もうたくさん」

法人減税、もう一声
法人税率を下げると投資が活発になり逆に税収は増えるとの定説揺らぐ。米アップル、アマゾンなどネット大手企業が優遇税制の恩恵を享受する影響で。もし税収が減ったら、きっと税率の下げ幅が小さいから。さらに引き下げ、もっと投資を促しましょう。
揺らぐ「法人税の逆説」 デジタル課税に制約

国営事業に進歩なし
都内私鉄に仁義なき戦い。さえなかった小田急が複々線化で大幅増便。競合する京王は運賃値下げですかさず対抗。東急も新型車両投入へ。いいぞいいぞ。それにしても、どうして同じ交通インフラの道路にはこういう競争がないのでしょうか。
小田急が大幅増便、私鉄の仁義なき戦い

2019-01-26

不買運動の力

医は金儲けにあらず
訪日客の医療費不払い増加、政府が対策へ。医療関係者やその応援団はよく「医は仁術」という言葉を持ち出し、医療は金儲けのためではないと主張します。もしそれが本心なら、不払いは気前よく諦めては。それとも本音と建前は違うのでしょうか。
訪日客の医療費不払い、500万円超す例も 政府が対策へ

不買運動の力
「フェイスブックを消去しよう」。傘下ワッツアップの共同創業者までもが加わった不買運動にザッカーバーグCEOは火消しに懸命。もし政府の一部門なら、考えられない対応。巨大でも民間企業の力は知れたもの。消費者という王様は彼らより強いのです。
不使用運動が動かしたフェイスブック「弁明」

自由貿易を守る一手
米輸入制限、日本に適用へ。もし日本が本当に自由貿易を守りたいと思っているなら、今どんな手を打てばよいでしょう。もちろん報復関税などかけてはいけません。逆にすべての関税をただちに撤廃するのです。苦境の安倍さん、歴史に名を残すチャンスです。
米鉄鋼輸入制限が発動 日本も対象、EUなど猶予

保護主義と株安
米国株、米中の貿易摩擦に警戒で大幅続落。戦前の米大恐慌の前夜も、関税引き上げの法案が成立しそうになると株価が下げ、否決されそうになると株価が上げました。最後は法案が成立し、貿易は縮小、経済は深刻な不況に。歴史は繰り返すのでしょうか。
米国株、ダウ大幅続落で724ドル安 米中の貿易摩擦に警戒強まる

資本主義は弱者にやさしい

フェイスブックだけを責めないで
フェイスブック情報流出。同社の責任はもちろんあるでしょうが、所詮は民間企業。現に若者のフェイスブック離れが伝えられています。本当に憂慮すべきは、どんな失敗をしようと個人として責任を問われない、官僚による個人情報の収集です。
フェイスブック情報流出 データ主導時代の副作用

エリートが喜ぶ脱デフレ
松屋、「牛めし」30円値上げ。リフレ脱却を願う日銀関係者にとってはうれしいニュースかも。けれども本当に貧しい人にとっては、牛丼はファストフードどころか、たまの楽しみのごちそう。その喜びを奪うことは果たしてめでたいことでしょうか。
松屋、「牛めし」30円値上げ 4年ぶり

治安維持は民間で
米テキサス小包連続爆発の容疑者の男、爆発物で自殺か。警察が容疑者を洗い出す手がかりとなったのは、物流大手フェデックスの店舗で撮られた防犯ビデオ。監視国家になるリスクを冒して政府に情報収集させなくても、治安は民間で維持できそうです。
テキサス小包連続爆発の容疑者、爆発物で自殺か

資本主義は弱者にやさしい
腕力のある男性向けの仕事だった林業、情報技術のおかげで女性でも可能に。レーザーで木の位置や太さ、曲がり具合など精密なデータを計測。実現したのはベンチャー企業。資本主義は弱肉強食ではありません。むしろ弱者にやさしい社会をもたらします。
消える男女別職種 林業ガール、相棒はIT

2019-01-25

食品ロス削減、競う企業

町づくりの明暗
イオン出店を巡る明暗。有力県議が当初反対から賛成に回るなどして誘致し、人を呼び寄せる石川県小松市。一方、進出を拒み、消費者が流出した隣の福井県。ショッピングセンターなしでも魅力ある町はできるかもしれませんが、それには知恵が必要です。
イオンを拒んだ町 人口減ニッポンの現実

食品ロス削減、競う企業
セブン、主力サンドイッチで賞味期限を3割伸ばす。食品ロスを削減へ。イオンやファミマも包装を変え賞味期限を延長。資本主義は無駄を生むという批判をよく聞きますが、事実は違います。消費者がロス削減を望めば、企業は競ってそれに応えます。
セブン、主力サンドイッチ長持ちに 廃棄削減効果も

独立性の幻
政策委員9人のうち半数以上がリフレ派の推薦とされる日銀。「いざとなれば総裁を官邸に呼びつければ、言うことを聞く」との声も。これでも日銀に独立性はあると言えるのでしょうか。それとも、そもそも中央銀行の独立など幻想なのでしょうか。
日銀、揺らぐ独立 20日に新体制

税金ベンチャー?
政府、宇宙開発のベンチャー企業向けに1000億円の支援枠。税金頼みのベンチャーって、ベンチャーと呼ぶに値するのでしょうか。けれどもベンチャーのカリスマと崇められるイーロン・マスク氏も宇宙ビジネスは米政府の補助金頼み。困ったものです。
宇宙ベンチャー育成に1000億円 政府、人材も橋渡し

2019-01-24

GDPなんてそんなもの

権威の簒奪
作家・内田康夫さん死去。浅見光彦シリーズの第1作は、承久の変を起こした後鳥羽上皇を鎌倉幕府が隠岐島へ流す際、秘密のルートを使ったという伝説が題材。地方の豪族に奪われ、政治利用されることを幕府は恐れたのです。現代も消えない懸念。
作家の内田康夫さん死去 「浅見光彦シリーズ」

すばらしい自由主義経済
物価がなかなか上がらない。よし、日銀が前代未聞の緩和をやろう。物価が上がってきた。このままでは賃金が目減りする。よし、政府が企業に賃上げ圧力をかけよう。ああすばらしい自由主義経済。消費者庁調査、1年後の生活物価「上昇」が77%に。
1年後の生活物価「上昇」77% 約2年半ぶり高水準

市場の規律
世界の取引所、企業誘致争いで新規株式公開の規律緩む恐れ。上場企業のガバナンス(統治)をゆがませ、市場そのものの魅力低下も。大切なのは投資家が取引所以外を含め市場を選べること。魅力のない市場はさびれ、自ずから規律を取り戻すでしょう。
世界の取引所、緩む株式公開ルール 企業優位で選別

GDPなんてそんなもの
無料のネットサービス拡大で、国民の豊かさとGDP統計との乖離広がる。そもそも人の感じる豊かさは金額で表すことができません。豊かさとは個人の主観で、数字として足し上げることはできないからです。そんな統計を政策目標にする馬鹿らしさ。
GDPが映さぬ15兆円 ネットの恩恵「無料の豊かさ」

最も危険な銃

死刑は高くつく
米テキサス州で死刑1件にかかる費用は約230万ドルで、懲役40年の3倍近い。これは全米に共通する問題だ。死刑は税金を食ふだけでなく、無実の人の命を奪ふ。これまで150人の処刑後に無実が証明された。さらに致死注射などの刑執行をしくじり、無用の苦痛を与へた例が3%に及ぶ。
If You Hate Big Government, You Should Oppose the Death Penalty - Foundation for Economic Education

推定有罪の社会
他人の罪を告発するには告発そのものだけでは不十分で、何か根拠がなければならない。告発された人は、告発が真実であることを示す納得いく主張がなされない限り、無実とみなされなければならない。告発だけで人を有罪とすることが当然になれば、今の文明は存在できなくなる。
Why a Presumption of Innocence of the Accused Matters - Foundation for Economic Education

最も危険な銃
米国で昨年、警官に射殺された人の数は1129人で、軍事紛争、テロ、航空事故、銃乱射、シカゴのギャングによる殺人を合はせたより多い。そのうち718人は非暴力犯や交通違反、あるいはまったくの無実だった。銃による犠牲を本気でなくしたいなら、まず禁止すべきは警察の銃だ。
The Irony of a Congressman's Proposal to Exempt Police from His “Assault Weapons” Ban - Foundation for Economic Education

抵抗の手段
第2次大戦中、ドイツはフランスに侵攻した際、市民に対し24時間以内に銃を返上するやう命じ、違反者は死刑に処した。それにもかかはらず、多数の仏市民は銃を持ち続けた。レジスタンス運動のメンバーは銃で武装し、破壊活動を行ひ、連合軍に情報提供し、解放への道を開いた。
New Book: Gun Control in Nazi-Occupied France: News Releases: The Independent Institute

2019-01-23

選挙介入はやめよう

選挙介入はやめよう
米政府、2016年米大統領選への介入を理由に対ロシア制裁を発表。問題が2つあります。第1に、ロシアの選挙介入には証拠がないこと。第2に、米の制裁発表こそロ大統領選の直前を狙った露骨な選挙介入であること。無理が通れば何とやらです。
ロシア「米制裁、根拠なし」 政府、対抗措置を検討

推定有罪!?
英米独仏首脳、ロシア元情報機関員の暗殺未遂事件で「ロシアに責任」とする共同声明。西側諸国が共有するはずの近代法の原則は、証拠なく罪を負わせない推定無罪であるはず。女性もいるこの首脳たち、文明を捨て野蛮に戻ろうというのでしょうか。
英米独仏首脳「ロシアに責任」

ブロックチェーンの光と影
熱狂の冷めないブロックチェーン技術。ところが消費者向けに使うには大きな欠陥。高い取引手数料に加え、パスワードを紛失すれば全資産を失うリスク。運営企業にも返金リクエストの処理、盗難対応など課題山積。現金主義を笑うべからず。
ブロックチェーンが通貨以外で当面普及しない理由

国境の見えない風景
ロシア・サハリンの島影を望む宗谷岬。彼方に台湾が浮かぶ与那国島・西崎。戦前は釜山と日常的に往来のあった対馬。これら美しい土地を日本の「端っこ」とつい呼んでしまうのは、地図の上にしか存在しない国境線にとらわれた発想なのでしょう。
一度は訪れたい 日本の「端っこ」10選

ミニ国家の壮大な夢

厳冬の贈りもの
東京で桜開花、観測史上3番目の早さ。今冬の厳しい冷え込みが一因だとか。地球温暖化で人類は滅びると脅されるけれど、まだしばらく大丈夫みたい。楽しみましょう。「いま桜咲きぬと見えてうすぐもり春に霞める世のけしきかな」(式子内親王)
東京で桜開花、観測史上3番目の早さ

ミニ国家の壮大な夢
ハウステンボスに壮大な城壁都市構想。壁建築の資金源は来園者の募金。城壁の外の「日本国」から起業家を誘致し、どぶろく製造も自由に。独自の仮想通貨を流通させ、所得・法人税率は5%、相続税はゼロ! 遠慮せず、いっそ九州全域に広げましょう。
ハウステンボスに城壁都市 お客と紡ぐ「100年構想」

良い独占、悪い独占
巨大デジタル企業の独占を許すなとジョージ・ソロス氏。それには政府の力を強めなければならないと主張。けれども政府はデジタル企業以上に独占的な支配力を持っているはず。なぜ企業の独占は心配で、政府の独占は大丈夫だと言えるのでしょう。
巨大デジタル企業の独占許すな ジョージ・ソロス氏 米ソロス・ファンド・マネジメント会長

国家独占のツケ
自動運転、国際的なルールづくりが難航。70年近く前に制定された道路交通に関するジュネーブ条約は、運転者の関与が前提。運輸サービスの根幹である道路を国家が独占運営し、すべてを条約や法律で決めてきたツケです。新産業の未来に黄信号。
国際ルール難航、自動運転走らず 「レベル3」、アウディ封印 せめぎ合う各国、米は我が道

2019-01-22

人生という舞台

犯罪人の製造
司法取引、6月1日に導入。冤罪を生む懸念とともに危ういのは、対象に幅広い経済犯罪が加わったこと。たとえばカルテルは独禁法違反で犯罪とされますが、新規参入が自由なら長続きしないはず。無理に犯罪人を作る必要があるのでしょうか。
司法取引、6月1日に導入 経済犯罪を幅広く対象に

企業は盛者必衰
米トイザラス、米国事業の清算発表。アマゾンなどネット通販の台頭で業績が低迷。日本に進出した90年代、米政府が市場開放を求めた日米構造協議の象徴として注目を集めたのが懐かしい。声高なアマゾン脅威論など無視しましょう。企業は盛者必衰。
米トイザラス、米国事業の清算発表

アリババ、早く来い
アリババ、日本版スマホ決済のスタート延期。邦銀・政府が情報流出に懸念とか。利用者としては、合意のうえならどの国の会社であれ個人情報を提供して構いません。変な邪魔は迷惑。邦銀のほうがプライバシーを守ってくれる保証もありませんし。
アリババ、日本版スマホ決済延期 情報流出に懸念の声

人生という舞台
たくさん迷走してきた。起業するなり何かビジネスとかやればいいのにと言われることもある。でも大好きなエンターテインメントのプレーヤーでいたい。だって自分の人生なんだから。東大卒、マッキンゼー出身の女芸人、石井てる美さんの生き方。
東大卒の「女芸人」 就活生憧れの企業で学んだ挫折

シェアエコノミーの壁

昔イラク、今ロシア?
フェイクニュースとは嘘のニュース。だとすればイラク戦争前夜、同国が大量破壊兵器を持っていると書いたNYタイムズの記事はフェイクニュース。ロシアが米大統領選に介入したという米政府や有力メディアの主張に証拠はないようだけど、大丈夫?
米、大統領選介入でロシア制裁 トランプ政権で初

反骨の俳人
「機関銃眉間ニ赤キ花ガ咲ク」。鋭いイメージの戦争句を多数詠んだ、西東三鬼。戦争を主題とする無季俳句を精力的に発表し、戦時中、治安維持法に基づく弾圧を受け検挙される。花鳥風月にとどまらぬ俳句の可能性を切り拓いた俳人の全句集が刊行。
西東三鬼の文庫版全句集が刊行

シェアエコノミーの壁
日本のシェアエコノミー、規制が壁になり世界に出遅れ。民泊は届け出初日、貸し手8件止まり。自治体の独自規制で普及が妨げられる恐れ。ライドシェアは白タクとして原則禁止。民泊は自治体間の競争が救いですが、ライドシェアは絶体絶命。
民泊、静かな船出 届け出初日は貸し手8件止まり

ドローンの壁
政府、ドローン商用化へ始動。けれども都市部での本格解禁は早くて2020年以降とスローペース。深刻な人手不足に対し、荷物輸送や遠隔監視で果たす役割は大きいはず。全国一律の規制でなく、米国にならい、自治体ごとのルール緩和を認めては。
商用ドローンを本格解禁 夏に山間部で荷物輸送

2019-01-21

ハンス・アーダムII世『三千年紀の国家』


君主による国家廃絶論

「国家が何をしてくれるかではなく、国家のために何ができるかを問おうではないか」というケネディ米大統領の有名な言葉は、今も政治記事などでよく引用される。しかし実際には正反対のことこそが正しいのではないか、と著者は述べる。つまり「国家が他のいかなる組織にも増して国民のためにできることは何か」を問わなければならないという。

ここでポイントは「他のいかなる組織にも増して」という部分だ。国家が一方的に押し付けてくるサービスは、たいてい高いばかりで質の悪い、ろくでもない代物だ。もっと質が良く安価なサービスを地域社会、国際組織、民間企業などが提供してくれる。これら競争相手に比べれば「伝統的な国家というのは非効率な独占企業であるだけでなく、永続すればするほど人類の害になる存在」だと著者は言い切る。

たとえば、現代の先進国で当然視されている福祉制度。平均寿命が大幅に伸びたことに伴い、ほとんどの先進国が財政問題を抱える。日本の年金記録問題もそうだが、管理上のミスも絶えない。「年金の管理を国に任せるべきではない」と著者は強調し、積立方式年金制度への移行や福祉制度の地域移管などを提言する。

著者はさらに、教育の民営化または地域移管、道路網の民営化、国債発行の禁止、ラジオやテレビ局、郵便、電話通信、美術館、劇場の民営化や地域移管を提案。今後の国家は「地域レベルでの直接または間接民主主義、自治の原則に基づき人々に資するサービス企業」に生まれ変わるべきだと述べる。

事実上の国家廃絶といえる大胆な提言を行う著者は、リヒテンシュタイン侯国の当主である。神聖ローマ帝国の時代から何世紀にもわたって君臨してきた君主が、国家の廃絶に賛成するわけがないと疑う読者に著者が明かすところによれば、リヒテンシュタイン侯爵は国家元首としての働きに納税者から1フランたりとも受け取っておらず、あらゆる費用を侯爵または侯爵家の私的財産で賄っているという。

重税国家の明日

重税国家の明日
EU がIT企業売上高にデジタル税導入へ。「課税逃れ」対応。けれども税金の高い国が嫌われるのは当然です。減税の努力をしないどころか、税の軽い国をタックスヘイブンと呼び悪者扱いする。重税国家の欧州に明日はあるのでしょうか。
IT企業売上高に「デジタル税」 EU、導入案月内公表

ネット投票の前提
もしネット投票で直接民主制になったら、問題は法律の数。通常国会には毎年100本以上の法案が提出されるので、有権者は3日に1本の頻度で採決を迫られる計算。でも答えは簡単、法律の数を減らすこと。知りもしない法律、本当に必要ですか。
ポチッとネット投票 政治に若者取り戻せ

正社員の未来
ヤマト、非正規5000人を正社員に。雇用戦略は会社それぞれですから、その判断は正しいのかもしれません。けれども少なくとも今の日本において、正社員の人件費は固定費。そのハンデを負っても不確定な未来を乗り切る自信があるのでしょうか。
ヤマト、非正規5000人を正社員に 労使合意で待遇改善

奇妙な法律
公取委、アマゾンジャパンに立ち入り。値引きの一部を協力金として補てんするようメーカー側に不当に要求したとのこと。でも取引先には「従うのが得策」との声も。当事者が構わないと言っているのに犯罪にされる奇妙な法律、それが独禁法。
ネット時代の「優越性」どう判断 アマゾン立ち入り検査

法律製造、休みましょう

宇宙開発、官から民へ
巨費がかかる宇宙開発は国でしかできないという常識はもはや過去の話。技術進歩が宇宙開発のコストを劇的に下げ、ベンチャーが続々参入。官から民へ主導権が移る宇宙ビジネス。今や政府の意思決定の遅れが発展を阻む懸念。
宇宙大競争時代(上)衛星や月探査 民主導へ 費用低下 日本にもVB ビジネス規模、米に遅れ

法律製造、休みましょう
森友文書書き換え問題で国会空転、霞が関では法案審議に停滞の懸念も。けれども米国で政府機能が一時停止したとき、たいした混乱は起きなかったような。毎年大量の法律を作り政府が経済や社会に介入することを、この際しばらくやめてみたら?
「森友」書き換えの余波懸念 重要法案どこへ行く

女性長官の過去
CIA新長官に初の女性就任。しかしテロ容疑者の尋問で水責めに関与との批判。ダイバーシティー(多様化)を重視する立場からは、この人事はすばらしいことなのでしょうか。もしダイバーシティーが借り物の思想でなければ、答えられるはずです。
CIA新長官「水責め」関与に批判も 初の女性就任

公文書の管理法
森友学園に関する財務省の決裁文書の書き換え問題で揺れる永田町・霞が関。統治体制の根幹を揺るがすとの声も。公文書は書き換えできないよう、仮想通貨で使われるブロックチェーン(分散型台帳)で管理しては? 管理する手間や人手も節約できます。
憲法改正「真剣に考えて」 3月15日(木)

2019-01-20

ナチスが借りたもの

社会主義者と経済学
社会主義者の世界には、経済学でいう希少性、知識の不完全性、不確実性、機会費用などは存在しない。これらの言葉は資本家が労働者を搾取するためにひねり出したまやかしと信じてゐる。社会主義者に経済学を説明するのは、天動説を信じる相手に地動説を説明するやうなものだ。
Alexandria Ocasio-Cortez Won't Be the One to Finally Make Socialism Work | Mises Wire

大きな政府を好む理由
多くの人間同様、左翼知識人は自分が特別な存在だと感じたい。社会改造といふ彼らの望みをかなへるのは、大きな政府だけだ。学識経験者として政府のために働けば、世間に影響を及ぼせる。左翼知識人が政府の社会支配を好むのは、それが改革者の夢をかなへる唯一の道だからだ。
Why Most Academics Tilt Left - Foundation for Economic Education

マルクス主義の矛盾
マルクス主義の皮肉で深刻な欠陥は、創始者のマルクス、エンゲルスが共にブルジョアだったことだ。マルクスは裕福な弁護士の息子、エンゲルスは父も自身も製造業者である。もし思想が階級に左右されるなら、なぜ彼らの思想はブルジョアの階級利益によって決まらなかったのか。
The Marxian Doctrine of "Ideology" | Mises Institute

ナチスが借りたもの
ナチスは自分たちの経済理論の正しさも、正統な経済学の誤りも示すことができなかった。そこでマルクス主義者が準備したポリロギスム(多数論理主義)を利用した。論理とは民族や人種によって異なるといふ。それでいて唯一の正しい論理はアーリア民族の論理だといふのである。
What the Nazis Borrowed from Marx | Mises Institute

防災は民に任せよう

防災は民に任せよう
火災保険、自然災害に幅広く対応するオールリスク型商品主流に。落雷、台風、竜巻、豪雨もカバー。スマホに災害警戒メール配信など予防にも力。将来、保険会社主導で災害に遭いにくい町・村づくりが実現するかも。頼りない官には任せられません。
火災保険で自然災害をカバー 豪雪・豪雨リスクに備え

競え、自治体
6月解禁の民泊、自治体の3分の1が独自に規制へ。規制は外国人などに抵抗のある住民にとってプラスかもしれませんが、自宅を民泊に活用できないマイナスもあります。あとは自治体間の競い合い。最悪なのは中央政府による一律の規制です。
民泊、自治体35%が規制 地域や曜日、住民に配慮

模倣への非寛容
真似されることに神経をとがらすことで知られる米ディズニー。けれどもディズニーランドのシンボル、眠れる森の美女の城やシンデレラ城は独ノイシュヴァンシュタイン城など実在の城がモデル。模倣に非寛容な社会では芸術文化はやせ細るばかり。
中国にディズニーランド似の廃墟 朽ちゆく夢の世界

不公正なもの
トランプ米大統領、対日貿易赤字は巨額で不公正と批判。米国民はそれだけ欲しいものを日本から手に入れているのですから、不公正なところは何もありません。不公正なのは自由な貿易を妨げる政府の規制です。米国にせよ日本にせよ。
トランプ氏、日欧に強硬姿勢 貿易赤字に不満

2019-01-19

商業がもたらす復興

すべてを政府が決める社会
受動喫煙対策の強化を目的とした健康増進法改正案が閣議決定。地球温暖化は人間の産業活動が原因という主流の説と同じく、受動喫煙が肺がんの原因になるという説には異論もあります。政府は介入せず、禁煙は民間の判断に委ねるべきです。
「受動喫煙対策、日本は甘い」訪日客から厳しい目

不和の種をまいた人たち
米当局によれば、ロシア企業IRAは米大統領選中、米国民を装ってSNSに投稿し、「不和の種」をまこうとしたとか。けれども当時、トランプ、クリントン両陣営は口を極めて互いを罵っていたはず。米国民を分断したのは米国の政治家です。
「プーチンの料理長」暗躍 裏部隊使いネット工作か

政府に向かない仕事
内閣府の世論調査、日本に戦争の危険「ある」が85%に達するも、自衛隊の規模は「今の程度で良い」が60%で横ばい。鉄道、学校、年金、財政も満足に運営できない政府が、安全保障だけは優秀だと考える理由はどこにもありません。
日本に戦争の危険「ある」85% 内閣府の世論調査

商業がもたらす復興
東日本大震災から7年。岩手県釜石市は中心部再建の核にイオンのショッピングセンターを据え、にぎわいを徐々に取り戻す。まず公共施設を据える一般的な発想とは正反対。東北復興に学ぶコンパクトシティーのヒント。
東日本大震災7年 復興、コンパクトな街に

2019-01-18

我々は4%だ

敵味方の発想
欧州委員、EUは米鉄鋼輸入制限の対象から除外されるべきだと表明。理由は「EUは米国の緊密な同盟国」だからと。同盟国以外は輸入制限の標的になっても仕方ないと聞こえるのは気のせい? 軍事同盟は敵味方の発想を押し広げ、むしろ平和を危うくします。
米鉄鋼輸入制限に各国反発 欧州委員「EU除外を」

10年後の関税引き下げ
TPP発効、年内前倒しも。米国の関税引き上げに比べれば、関税引き下げは良いことです。けれども本来自由でなければならない貿易を政府のさじ加減で決めることに違いはありません。関税下げに10年もかけるうちに、反故になるリスクも。
TPP発効、年内前倒しも 自由貿易を後押し

我々は4%だ
富の多くを独占していると非難される富裕層。けれどもサラリーマンに限っても、所得税の半分を負担しているのはわずか4%の年収1000万円超の人たち。取りやすい高所得層を狙い撃ち。「我々は4%だ」とデモをしたっていいはずです。
年収1000万円超狙い撃ち こんなに違う所得税負担

ツイッターは悪くない
ツイッターでは誤った内容のニュースは正しいニュースよりも速く広く拡散するとMITチーム。誤りの情報の方が目新しいと感じ、うわさになりやすいと。つまり偽ニュースが広がるのは人間の本能が原因で、ソーシャルメディアのせいではないってこと。
ツイッターで誤った情報投稿 拡散速度20倍に 「目新しさ」原因か

2019-01-17

自由が自立を育む

一番怖い緊急事態
自民改憲案、大災害時などに政府権限を強化。国会議員の任期延長も。詳細案では日本への武力攻撃や内乱の場合も明記し、私権制限も可能に。「国家緊急権」の思想に基づく緊急事態条項ですが、政府権限の強大化こそ一番怖い緊急事態です。
大災害時 政府権限を強化 自民改憲案、緊急政令など

一律制限という時代錯誤
労組、長時間労働是正へ「上限年720時間」相次ぎ要求。右肩上がりの昭和に終わりを告げるには良い考えかもしれません。でも今や平成もそろそろ終わり。もし右肩下がりの時代になっても、労働時間の制限が労働者の幸せといえるでしょうか。
さらば残業 労組「上限年720時間」相次ぎ要求

保護主義許さぬとなぜ言えない?
たしか日本政府はTPPを推進する際、自由貿易が大切、保護主義はダメだと声高に唱えていましたね。それなら今こそ、露骨な保護主義に傾くトランプ政権に物申さねばならないはず。沈黙ということは、自由貿易なんて本当はどうでもよかったとか?
米輸入制限、だんまり日本 対中協調にらみ歯切れ悪く

自由が自立を育む
マクドナルド、国際女性デーにちなみ、おなじみの「M(Man)」のロゴを「W(Woman)」に反転。米国にあるマクドナルドの店舗では約6割のマネジャーが女性だとか。女性の真の自立を手助けするのは政府の強制ではなく、自由な企業活動。
「M」を「W」に マクドナルド、女性デーでロゴ反転

2019-01-16

安全保障という隠れみの

政府が決める解約料
国交省、引っ越しのキャンセル抑制へ解約料引き上げへ。解約料を政府が決めていたとは驚き。インターネットを通じ複数業者を比べ、直前に解約するケースが出ているため、安易なキャンセルを防ぐ狙いと。安価なサービスを選ぶのは安易ですか?
引っ越し、解約料高く 当日は運賃の50%可能に

政府に投資家保護は可能か
金融庁、複数の仮想通貨交換業者処分へ。顧客保護の体制など不十分と判断。しかし金融庁が総力を挙げても、市場の自浄作用に任せる以上の投資家保護は難しいでしょう。その間、必要な規制改革などはストップ。浪費される時間と人材。
仮想通貨、複数の交換業者処分へ 金融庁

露骨な陰謀
トランプ米大統領、鉄鋼輸入制限に改めて強い意思。その政権内にはロス商務長官をはじめ鉄鋼業界にゆかりの深い多くの人物。政府は利害関係で動かされるという考えを陰謀論と笑う人がいますが、これほどわかりやすい陰謀はありません。
米与党トップ「例外措置を」 鉄鋼・アルミ輸入制限 報復措置を懸念

安全保障という隠れみの
米政府、鉄鋼輸入制限は安全保障に基づき判断と表明。ところが米国防総省によれば、米軍に必要な鉄鋼は国内生産のわずか3%。したがって関税引き上げは必要ないとのメモを商務省に送ってさえいます。安全保障は利権政治の便利な隠れみの。
米輸入制限、適用除外の国も 安全保障で判断

市場は資源を保全する

人口問題の杞憂
1968年、生物学者ポール・エーリックは著書『人口爆弾』で、人口過剰のせゐで数十年のうちに数億人もの人々が餓死すると主張した。予測は外れ、本の出版時に12.44だった死亡率は2016年に7.65に低下。1950年以来、世界人口が倍増したにもかかはらず、栄養不良は劇的に減った。
5 of the Worst Economic Predictions in History - Foundation for Economic Education

山火事拡大の理由
カリフォルニア州の森林地帯の多くは現在、州・連邦政府が所有してゐる。これらの公有地は枝が伸び放題で、手入れの行き届いた民間の私有地に比べ、山火事の被害が広がりやすい。私有地が保全と生産を目的に運営されるのに対し、公有地は環境保護思想に基づく法律に縛られる。
California’s Forest Fire Tragedy | Hoover Institution

市場は資源を保全する
市場経済では、生産者は消費者を競争相手より満足させなければ利益をあげられない。しかし天然資源を浪費し消費者が喜ぶ製品を作るだけで儲かると考へるのは、間違ひである。市場で生き残るには、効率を高めコストを下げなければならない。だから生産者は天然資源を保全する。
Who Conserves Our Resources? | Mises Wire

都市計画の害悪
市場経済は住宅やビルを効率よく供給する。政府による都市設計は無益ばかりか、貧困層を苦しめる。10年に1度しか改定されない開発計画を破棄しよう。都市計画者ではなく、住宅の価格や数、人口密度、異なる交通手段の速度など重要指標の達成を目指す都市経営者が求められる。
“Order Without Design”, a new guide to urban planning - Market Urbanism

2019-01-15

大岡信『日本の詩歌』


重税への怒りを詠う

平安時代の学者で政治家、菅原道真といえば、学問の神様として名高い。毎年正月になると、道真をまつる福岡県の太宰府天満宮は初詣の受験生でにぎわう。学者として異例の出世を遂げたが中傷のため太宰府に左遷され、失意のうちに死んだことから、死後、祟りをなしたという伝説もある。

しかし菅原道真がそれだけのエピソードで有名なことは、はなはだ残念だと著者は嘆く。道真は偉大な詩人でもあったからだ。それは単に多くの詩を残したとか、宮廷内で称賛される詩を書いたとかいう意味ではない。

道真は漢詩人として、重税に苦しむ庶民に同情・共感する詩を多く書き、為政者の不正・腐敗を弾劾する詩を残した。近代以前の日本において、このような政治的・社会的主題の詩は、道真の詩を除いてはまったく書かれなかったという。

道真がこれらの詩を書くきっかけとなったのは、讃岐国(現香川県)知事として送った4年間の地方生活だ。生まれて初めて、庶民の生活の苦難に満ちた実態に触れ、その見聞を詩にとどめた。

重税を逃れようと他国に逃れたが、どうにもならず舞い戻ってきた男。冬になっても薄い衣服で輸送に従事する馬丁。いつ釣れるかわからない魚を釣って租税を払おうとする漁師。「寒早十首」と題する連作で、重税に苦しむ貧しい人々を描いた。

高い地位にいる役人は、原理的に言って、ほとんどまったく、税に苦しむ貧者への同情・共感を持ちえなかった。なぜなら、まさにその税を取り立てる側の人間だからだ。その意味で道真は「ほとんど類例を見出せない役人であり、そしてまた詩人」だったと著者は記す。

テレビや雑誌で戦前の政治家が作った漢詩を見せ、「教養があった」などと感心して見せる企画がよくある。しかしそれらの詩の中に、菅原道真のように、税への怒りを詠ったものが果たしてどれだけあるだろうか。

真の教養とは、単に芸術の表面をなぞることにあるのではなく、そこで何を表現するかにある。そんなことも考えさせられる一冊だ。

政治の継続、文化の断絶

政府頼みの成長にもろさ
バイオマス発電で高成長。太陽光パネル用架台の受注が急増。しかしいずれもその背景には、政府による再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度。一見元気印の中堅企業も、収益の多くが政府頼みでは成長の持続性が心配です。
中堅上場企業、拡大市場攻める 投資CFランキング

政治の継続、文化の断絶
「我が恋は真木の下葉にもるしぐれぬるとも袖の色に出でめや」(後鳥羽院)。和歌は皇室の伝統の一つと言われますが、明治以降、大きな断絶が生じました。天皇が恋の歌を詠まなくなったことです。上皇が誕生してもこの断絶は修復されないでしょう。
天皇陛下、退位後も待遇変わらず 「二重権威」回避課題

危険な国はどっち?
ロシアのプーチン大統領が危険な軍拡ゲームに乗り出したと警告する記事。しかし実際には米国の巨額の軍事費はロシアとはケタ違い。ロシアの目の前にはNATO軍が迫る一方、ロシア軍は米国近くに侵攻したりしていません。危険なのは一体どっち?
〈FT特約〉ロシアの危険な軍拡ゲーム 米は対話追求に徹せよ

圧がすごい
北朝鮮、非核化に向けた米国との対話に意欲。トランプ米大統領、「最大限の圧力」が効果との認識。ペンス副大統領、「北朝鮮が核計画を終わらせるまで最大限の圧力」と強調。いや、その「圧力」こそが北朝鮮の非核化を妨げる最大の要因では。
トランプ大統領「北朝鮮は真剣」 非核化の真意見極め

2019-01-14

大起業時代はなぜ来ない

通貨の乱造
政情混乱が続くベネズエラで、政府が仮想通貨を乱造。でも曲がりなりにも原油や金の裏付けがあるだけ、ましかもしれません。先進国の中央銀行が日々乱造する、何の裏付けもない法定通貨に比べれば。
仮想通貨、乱造に動くベネズエラ 経済制裁を迂回

企業は悪?
勤務間インターバルの義務化、パワハラ防止措置を企業に義務付け、違法な残業をさせた企業への罰則強化…。企業は悪と決めつけたような民進・希望の働き方改革対案。ぜひ少年の罪に対するのと同じ程度のリベラルな寛容をお願いします。
働き方改革「インターバル」義務化 民進・希望対案 退社から出社に一定時間

大起業時代はなぜ来ない
中小企業の大廃業時代迫る。冷たいようですが、すごい職人技も市場で需要がなければ消えても仕方ありません。大切なのは新しい企業が活発に生まれること。ところが日本の起業率は低いまま。働き方改革以前にやるべきことがあるでしょう。
「後継者いない」悩む中小 国や自治体、M&A促す

異次元金利の異様な光景
マイナス金利3年目、利ざや縮小と運用難で地方銀行の経営に手詰まり感。チョコの開発に乗り出す有力地銀。不動産融資でアパートやマンション経営を促すものの、物件数の急増で空室率が上昇、返済に窮する事態も。異次元金利の異様な光景。
それぞれの3年目(上) 地銀、預金が「お荷物」 脱・金融、チョコ開発の奇策

2019-01-13

都市計画という計画経済

犯罪者を増やす社会
コンプライアンスが日本を滅ぼすといわれる中、政府が幅広い経済犯罪に司法取引を導入へ。著作権法など知財関連法令も対象。当事者同士の解決に任せず、犯罪者の数を増やす社会。罪を逃れたいために虚偽供述で冤罪を生む恐れも。
司法取引、経済犯罪幅広く 6月に導入へ

真昼の暗黒
米国で普通の日本人サラリーマンがある日突然拘束され、刑務所へ。相部屋でギャングやドラッグの密売人と寝食を共に。囚人は男性のみだがレイプが多発。どんな罪を犯したのか? カルテル。情報交換程度に近い行為が摘発の対象に。現代の真昼の暗黒。
日本人収監の実態 終わっていない米カルテル摘発

都市計画という計画経済
東京都中央区、住宅の容積率緩和廃止へ。人口増で小学校など整備追いつかず。中小規模のマンションは採算性が下がり建てにくく。一方で外国人観光客の受け入れなどに対応し、ホテル誘致などに限り容積率を緩和。庶民を苦しめる計画経済。
住宅の容積率緩和廃止、人口増抑制へ 東京都中央区

どこかの国の経済そっくり
過剰債務、経済の足かせに。乗り切るための方策は金融機関への監督強化、企業の強制的な再編、違法金融の取り締まりなど統制色強く。そもそもの原因は借金でGDPを増やせば経済が豊かになるという錯覚。中国経済の危機は日本経済の明日。
「習経済」過剰債務足かせ 軟着陸へ統制急ぐ

2019-01-12

医療費高騰の理由

医薬は市場経済で
医薬には周知のリスクにもかかわらず、利用されているものがある。リスクの一部は個人差があり、定期の毒性検査を必要とする。発揮しうる効能と不確かなリスクの均衡点を知る客観的な方法はない。効能と安全の兼ね合いをどう取るかは、市場経済を通して探らなければならない。
The Case Against Pharma Patent Monopolies | Mises Wire

医療費高騰の理由
米国で医療費が高騰するのは市場競争のせいではなく、医療が政府から多額の補助金を受けているから。何でもそうだが、補助金を受けた商品・サービスの需要は高まる。消費者にとってコストが下がるからだ。米国の医療は今や巨大な公営制度。そこから逃れる規制緩和こそ必要だ。
Half of Health Spending in the US Is Now Government Spending | Mises Wire

電子タバコ規制の愚
医学の研究によれば、電子タバコは普通のタバコ(電子タバコより健康に良くない)をやめる方法として効果がある。電子タバコが規制されれば、利用者は普通のタバコを吸うようになるだろう。一方、普通のタバコの利用者は、より害が少ない電子タバコへの乗り換えを妨げられる。
FDA Vaping Regulations Will Do More Harm than Good

米医療費はなぜ上がる
米国の医療費高騰は1965年に始まった。政府は公的医療保険を導入し医療への需要を高める一方、医師と病院の供給を制限した。医療費は物価の2倍の率で上昇。1984年以降、製薬業の利益率は全産業中トップに。ロビー活動の成果で、特許に強力すぎる知財保護を勝ち取ったためだ。
The Many Ways Governments Create Monopolies | Mises Wire

銃は許さず、戦車は推奨?

ポピュリズムの理由
反難民で極右政党AfDが躍進するドイツ。ポピュリズムの一言で片付けるのは思考停止です。難民を生む根源である中東への軍事介入を放置したまま、ダイバーシティー(多様性)を政府の力で強制しようとした過ちが問われているのです。
独大連立へ運命の投票 第2党党員、4日に結果判明

愛の響き、恐怖の響き
戦時下の空襲警報としてイメージされやすいサイレン。戦前オフィス街に導入された当初は、会社勤めの男女が昼休みにデートする「サイレン・ラブ」の響きであったとか。文明の利器が商業では愛と平和に、政治では憎しみと恐怖に資する例。
1933年を聴く 齋藤桂著 近代化の閉塞示す音の変質

銃は許さず、戦車は推奨?
米運用大手ブラックロック、銃関連投資の回避提案。投資判断は自由です。でも投資先企業が人の命を奪うことが本当に許せないなら、その前に軍事産業への投資をやめるべきでしょう。同社はむしろ軍事株の買い増しが市場で話題になっています。
米運用大手ブラックロック、銃関連投資の回避提案 規制強化の世論を反映

誰のための労働規制
ベア、20年ぶりの高い伸びでも所得増には疑問符。働き方改革で裁量労働制を先送りし、残業規制だけを先行させるため。60時間超の残業規制で3.3兆円の残業代が減るとの分析も。画一的な労働規制で労働者を幸せにはできません。
ベア20年ぶり伸び予想でも…所得増は黄信号 働き方改革、残業規制先行で

2019-01-11

軍隊よりスナイパーを

自由なき経済は衰退
裁量労働制先送り。ホワイトカラーの生産性向上の機会を逃したと正しい指摘。主要先進7カ国で最下位が続く日本の労働生産性。一部の労働者が働き方の自由の代わりに安定を手にしても、経済が衰退すれば労働者全体では幸せになれません。
遠のく生産性向上 裁量労働制先送り、日本企業不利に

保護主義と大恐慌の影
保護主義は自分の首を締めます。A国がB国から物を買わなくなれば、B国はお金を稼げず、A国から物を買えなくなるからです。アメリカ大恐慌の一因は1930年スムート・ホーリー法による関税引き上げ。歴史が繰り返さないことを祈ります。
株、542円安 保護主義が揺さぶる日本株の支え

軍隊よりスナイパーを
ゴルゴ13とコラボした外務省の海外安全対策マニュアルが話題に。狙った標的は必ずしとめる超A級スナイパー。もしゴルゴが実在したら、国際紛争の決着はすべて彼に任せましょう。人道的戦争の名の下に子供を殺したりは絶対にしないから。
なぜ「ゴルゴ13」? 外務省・海外安全マニュアル

保護主義の倒錯
EU、米ハーレー・ダビッドソンやバーボン、リーバイスのジーンズに報復関税の準備。まるで「お前が俺をいじめるなら、俺も俺自身をいじめてやる」みたいな行動。ハーレーやリーバイスを買いたい欧州の人たちの立場はどうなるのでしょうか。
EU、米に報復関税を検討か 輸入制限発動なら

2019-01-10

被害者は忘れない

危険な策略はロシアだけ?
諜報活動で敵国の政治体制を崩壊させるのは歴史的にもロシアのお家芸と指摘。しかしそれをいうなら米英も負けていません。1953年、両国の工作でイランのモサデク政権を転覆したクーデターは有名。選挙への介入もせいぜいお互い様では。
プーチン氏の危険な策略 チーフ・フォーリン・アフェアーズ・コメンテーター ギデオン・ラックマン

市民革命と武装
トランプ米大統領が銃規制強化法案の通過を議員に要請。おや、でもトランプさんはフランス革命に触発されて、ワシントンでの軍事パレードに前向きだったはず。政府が民衆を苦しめる場合に備え、武装の権利を認めるのが市民革命の精神では?
トランプ氏が銃規制要請、議会は及び腰 民間・州が先行

被害者は忘れない
「加害者である日本が『終わった』と言ってはいけない」と韓国の文在寅大統領。この発言に腹を立てる日本人は、大事なことを忘れています。被害者だったのは朝鮮半島の人々だけではありません。普通の日本国民も日本政府の被害者だったのです。
韓国大統領「慰安婦問題 終わらず」 特別な対応は求めず

輸入制限こそ脅威
米、鉄鋼・アルミ輸入制限へ追加関税。輸入増が安全保障上の脅威と、中国製を主な標的に。しかし輸入品が増えるのは米国民が豊かになるためにそれをほしがるからです。国民の豊かな暮らしを守るのが安全保障の目的のはずなのに、本末転倒。
米、鉄鋼・アルミ輸入制限へ 追加関税25%・10%

2019-01-09

桃山時代のハープの音色

うれしい値上げの春?
宅配便、ジュース、電気料金……。家庭に押し寄せる値上げの春。文句を言ってはいけません。苦しいように思えても、これは脱デフレという念願のうれしい出来事の前兆にすぎないのですから。なんかおかしい? 気のせいです。

税金による利子補給
政府系金融の民業圧迫、会計検査院が遅ればせながら異例の調査。焦点の一つが税金による利子補給制度。地銀の金利を1とした場合、商工中金が0.49、日本公庫が0.32だとか。圧力をかけた政治家も追及し、まとめて責任を取ってほしいもの。

伝統文化は素敵だけれど
明治の鹿鳴館時代、文明開化の波は化粧にも。既婚女性の象徴のお歯黒や眉剃りは西洋人に奇異に映るとされ、廃れる。月岡芳年描く人妻も、口元から覗く歯は今の芸能人と同じく真っ白。すべての伝統文化が現代人に好まれるわけではないみたい。

桃山時代のハープの音色
ハープ、リュート、コルネット。ルネサンス期の西洋楽器は同時代の日本人に縁遠いものではなかったそうです。ザビエル来訪から鎖国政策に至るまでの約半世紀、南蛮文化は海を越えて確実に浸透。日本人のクラシック音楽好きはここに源?

2019-01-08

バフェット氏の誤解

バフェット氏の誤解
自分が納める所得税の税率は秘書より低いと語る、著名投資家バフェット氏。しかしそれは株式の売却益や配当収入が多いから。株への課税は法人税との二重課税(double taxation)だから、法人税率を加えなければならない。富裕層は相続税率も高い。バフェット氏は節税で気づかないかもしれないが。
Warren Buffett and The New York Times Are Still Wrong About Taxes | Mises Wire

負の所得税の失敗
最低所得を保障する「負の所得税」は1968〜1980年に米国の6州で実験され、労働意欲を高める狙いとは逆の結果に。労働時間は夫が9%、妻が20%、独身女性の家長が25%それぞれ減少。家長でない独身男性は43%も減少した。支給が1000ドル増えるごとに労働収入は平均660ドル減った。
Universal Basic Income Has Been Tried Before. It Didn’t Work. - Foundation for Economic Education

減税競争の恩恵
減税競争は税金の軽い世界をつくる。欧州で法人税率はマン島のゼロからマルタの35%まで様々。アイルランドは12%の低税率でアップルなど大手テック企業を誘い込んだ。米国では2016年だけで60万人がニューハンプシャー、サウスダコタ、テネシー、フロリダなど税の安い州に移動。
Tax Competition: A Practical Way to a Low-Tax World - Austrian Economics Center

資産税の害悪
資産税は所得税と同じく個人のプライバシーを危うくする。大規模な官僚組織によって各人の資産の価値を計算しなければならず、それには有用な収入を生まない休眠資産までカウントされるかもしれない。全国民の資産を把握するには政府当局による無作為調査が必要になるだろう。
5 Ways a Wealth Tax Is At Least as Bad as an Income Tax | Mises Wire

起業家不在の宇宙ビジネス

仮想通貨のプライバシー
金融庁がコインチェックの登録を見送ったのは、コールセンターの人員などではなく、匿名性の高い仮想通貨を扱っていたため。ビットコインと違って取引履歴を追跡できず資金洗浄など犯罪に利用されやすいと。今後仮想通貨のプライバシーは期待薄。
コインチェック騒動(1)「みなしでも営業できる」

アマゾンの当然の行動
アマゾン、取引先に1~5%の「協力金」要求。背景には物流コストの増大。ヤマト運輸が昨年、配送料の引き上げで合意した際、世間では脱デフレのきっかけと歓迎する声がありました。アマゾンの当然の行動を応援してください。
アマゾン、取引先に「協力金」要求 販売額の1~5%

起業家不在の宇宙ビジネス
どんなに高度な科学技術も、それだけで社会を変えることはできません。人々に広く受け入れられるには、性能とコストのバランスが問われます。必要なのは起業家感覚。政府予算に依存した宇宙ビジネスでそれを養うのは難しいでしょう。
H2A、18年度からは「受注の谷」 コスト抑制に課題

企業統治は何のため
政府、上場企業に女性取締役の起用促す。企業の目的は利潤の追求。企業統治はそのための手段であり、政治的な主張を反映させる場ではありません。人事という経営の根幹に政府の介入を許せば、経済は衰退し、弱い立場の女性を苦しめるでしょう。
女性取締役増を統治指針に 政府方針、企業に説明責任

2019-01-07

ジェイコブズ『発展する地域 衰退する地域』


補助金が地域をダメにする

地方経済の衰退を食い止めようと、日本全国あちこちで「地域おこし」が盛んだ。たいてい役所の肝いりで、補助金がついてくる。「そんなことをやっているからダメなのよ」と本書の著者、ジェイン・ジェイコブズなら一喝することだろう。

ジェイコブズによれば、経済発展のカギを握るのは都市である。輸入品を工夫しながら模倣し、自前の製品に置き換えていく「輸入代替」は都市の機能であり、それが経済発展の原動力になる。東京における自転車産業の発展は、その優れた例である。

ポイントは、自前でやることだ。「いかなる経済も、自前でやるか、さもなければ発展しないかのどちらかである」とジェイコブズは断じる。だから軍需は一時の好景気は生んでも、長期の発展にはつながらない。基地や駐屯地にどれだけ多くの輸入品が運び込まれようと、そこで製品が自前でつくられるようにはならないからだ。

場合によっては軍需以上に始末に悪いのが、福祉を名目とする補助金である。一見、補助金はすばらしいもののように思える。貧しい人が消費財を買えるようになり、病院、学校、水道、電気設備などの建設・設備への注文も増える。しかしイノベーションも輸入代替も起こらないから、自立した経済発展にはつながらない。

補助金の原資は税金だから、都市が自前で稼いだ収入(稼得)を食い荒らし、都市と経済を衰退させる。「都市から搾り取られる補助金は根本的には発展に逆行する取引なのである」とジェイコブズは警鐘を鳴らす。

ジェイコブズは高く評価する日本について「時がたつにつれて、慢性的に未発展の地域に対する補助金をますます増や」すだろうと暗い予想をしている。原書の出版から35年たった今、その予想は見事に的中しつつある。

他人と違うことをやる

他人と違うことをやる
特殊メークを志した、学校嫌いの高校生時代。海外映画雑誌の記事に感銘、どうしたらプロになれるかと筆者に手紙。返事は「独学が一番だ」。ハリウッドへ渡り、努力する日々。「他人と違うことをやり続けてきた。それが一番大事だと思う」
特殊に見えぬ特殊メーク ハリウッドで活躍、名優の要請受け復帰 辻一弘

銃犯罪の神話
米国で乱射事件があるたびに巻き起こる銃規制の声。しかし同じような銃社会であるスイス(住民あたりの銃の数は米国、イエメンに次いで世界3位)では銃による犯罪はきわめて少数です。問題は銃の保有そのものではないはずです。
[FT]米国は今こそ銃規制への一歩を(社説)

雇用を奪う最低賃金上げ
自治体条例で最低賃金引き上げ相次ぐ米国。「雇用を奪う」と反発の声。カリフォルニア州オークランドでは4年で47%上昇、あるレストランはウェーターなしのカウンター方式に切り替え、従業員は28人から15人に減少。善意が労働者を不幸に。
最低賃金上げ 善か悪か 米国

官営福祉の悲劇
病院はルールに沿った診療なら国が代金を支払ってくれ、規模を大きくしすぎて経営が失敗するリスクが小。空きベッドを埋めようと、通院で済む患者を入院させる動機が生まれる弊害も。けれど地域によってはベッド不足。官営福祉の悲劇。
病院ベッド、39道県で過剰 不要な入院招く懸念 医療費抑制へ知事に権限

2019-01-06

本が焼かれる日

本が焼かれる日
フェイクニュース(偽ニュース)が規制されれば、フェイクブック(偽の本)が規制され、焼かれる日もそう遠くはないでしょう。ブラッドベリの小説『華氏451度』の世界です。表現の自由はいつも、もっともらしい理由で滅びていきます。
ロシア情報工作に対抗 仏、法制化で放送停止も 英、偽ニュース専門部隊

テロは許さない
東京マラソン、「車突入テロ許さない」とイスラエル製金属柵150台に警備2万人。もちろんテロは起こってほしくありません。車突入だけでなく、空から爆弾を降り注ぎ一般市民を巻き添えにする国家によるテロも。
車突入テロ許さない 東京マラソン25日号砲、金属柵150台 警備2万人

金密輸をもたらすもの
金密輸の摘発、4年で100倍。無税で密輸すれば消費税分の8%が売却益に。政府は罰金引き上げで対抗も、専門家から大幅すぎると批判も。財政危機を増税で乗り切ろうとする政府に対し、資産防衛で金を買い求める人々の静かな反乱。
金密輸の摘発4年で100倍 17年1347件、最高を更新

栄光をもたらすもの
地元愛からチーム創設に奔走したキャプテン。戦力外通告を受け、失意のなか故郷で再起を決意したムードメーカー。自分ががんばるだけではダメだと学び、成長した天才プレーヤー。個人の生き方が国に栄光をもたらします。逆ではありません。
日本初のメダル 攻めのカーリング

2019-01-05

軍という官僚組織

軍という官僚組織
「水脈の果て炎天の墓碑を置きて去る」。98歳で死去した金子兜太さんが、敗戦を迎えた南洋の島から日本へ引き揚げる甲板上で詠んだ一句。皇軍は餓死した兵士も「栄養失調による病死」にしてしまったと、官僚組織の非人間性を糾弾。
俳人の金子兜太さん死去 前衛俳句の旗手

自由のない町
増え続ける空き地や空き家を、地域ぐるみで活用する新制度。地権者が協定を結び広場や集会場など用途を決めると、所有権が移転しても自由に使えないとか。そんな町で商売を始めるのは危なくて仕方ないですから、ますますさびれるのでは。
空き地や空き家活用へ地権者協定 所有権移転後も有効

善意の限界
東京都、高齢者や低所得者などの入居を拒まない専用住宅を3万戸登録へ。大家に100万円を上限に改修費の3分の1を補助。しかし結局のところ財源は税金。経済の活力が衰えれば、住宅だけ確保しても弱者の生活は楽になりません。
「住宅弱者」も入居しやすく 都、3万戸登録へ

壮大な無駄遣い
企業のロビー活動には2種類あります。自社の自由や財産を守る目的なら良いロビー活動。他社や消費者の自由を奪う規制を求めるのは悪いロビー活動。しかしどちらにしても人材と時間の無駄遣いです。政府の規制が壮大な無駄を強いるのです。
米IT、ロビー活動の主役 トランプ政権と間合い測る

2019-01-04

原則規制、自由は例外?

日銀の独立性という神話
安倍首相と30年来の付き合いという本田悦朗スイス大使。黒田総裁、岩田規久男・中曽宏両副総裁、原田泰、片岡剛士らリフレ派の審議委員を首相に推薦してきたとか。これで日銀が政治から独立してるなんて信じる人はいないでしょう。
日銀「続投でよかった」 黒田総裁に安堵 (ルポ迫真)

精神と肉体の若さは別物
経済学者ミーゼスは92歳、経済ジャーナリストのヘンリー・ハズリットは98歳まで生き、しかも今の若者が聞けば目を白黒させるようなラディカルな主張を生涯し続けました。そういう人は高齢者でも十分漫画の主人公になりえます。
おばあちゃんがヒロイン 高齢の主人公 漫画に新ジャンル

原則規制、自由は例外?
規制緩和のニュースは良いニュースです。でも読むたびに感じるのは、「えっ、これまでそんなこともできなかったの?」という驚きと嘆きです。ガソリンスタンドでこれまでコンビニを併設できなかったのですね。それはおかしなことでは?
給油所でEV充電OK コンビニ併設も可能に

お金は企業の手元に残そう
トランプ米大統領が主導した米国の税制改革、日本企業の利益を1兆7000億円押し上げ。お金は不効率な政府に使わせるより、消費者を喜ばせる術を知る企業の手元に残すのが賢明です。どうか将来の増税で召し上げられませんように。
データで見る稼ぎ頭 18年4~9月期決算

2019-01-03

ウィットマン『ヒトラーのモデルはアメリカだった』



結婚を犯罪にする法理

ヒトラー率いるナチスによるユダヤ人差別やホロコースト(大量虐殺)と聞くと、ドイツという国の特異な現象だと思いがちだ。しかし実際は他国の思想や制度から影響を受けている。

本書は、ナチスの反ユダヤ立法(ニュルンベルク法)が米国の法制度にヒントを得ていたという、驚くべき事実を明らかにする。

米国といえば、自由と民主主義の国であり、第2次世界大戦ではナチスドイツと戦い、打ち負かした国だ。その米国の法律がナチスによる人種迫害・抑圧政策の手本になっていたという。

本書によれば、ナチスが反ユダヤ立法を設計する際、悩みの種が二つあった。一つは、欧州には互いの合意に基づく異人種間の結婚を犯罪とする法理が存在しなかったこと。もう一つは「ユダヤ人」の科学的な定義が存在しなかったことである。

ナチスはこの二つの難題に対する解決を米国に発見する。

米国では多くの州に人種法が存在した。たとえばメリーランド州では、白人と黒人との間、白人とマレー人との間、黒人とマレー人との間などの結婚を禁止し、無効とした。違反者は破廉恥罪を犯したものとされ、禁固刑に処された。

また、米国の州法では、日本からの移民を懸念するにもかかわらず、日本人ではなくモンゴル人という言葉を使うなど、科学的に正しい人種の定義がなくても、実効力ある法制度をやりくりしていた。

1934年、ナチスドイツのギュルトナー法相や官僚たちは、反ユダヤ立法の計画を練った会議で、こうした米国の法制度について入念に準備した報告書をもとに、詳細な議論を交わした。とりわけ熱心だったのは、最も過激なナチ党員たちだったという。

ヒトラーも著書『わが闘争』の中で、米国こそが健全な人種秩序の確立に向けて前進している「唯一の国家」だとほめそやしている。

ナチスがモデルとした米国の人種法。その背景に移民問題があったことを考えると、現代にも重い教訓となるだろう。

政治は友情と無縁

米国第一主義の幻
トランプ大統領は国内を最優先する「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」だという解説をよく見かけます。でももしそうなら、世界中で他国の紛争に介入し続けるはずがありません。本当のアメリカ・ファーストではないから問題なのです。
アメリカ・ファーストの功罪

弱者保護の名の下に
雨が降り需要が突然跳ね上がるとすぐに価格が上がるウーバーの高度なシステムも、タクシー料金が許認可対象での日本では宝の持ち腐れ。弱者保護を名目に、消費者が世界標準の交通サービスを体験できない状況はまだ続きそうです。
米ウーバー、日本でタクシー配車に戦略転換

政治は友情と無縁
国籍が違っても人と人とは友情を育むことができます。しかし政府はしきりに国籍で人を色分けし、戦争や紛争ともなれば外国人への憎しみを煽り、同国人の団結を強調します。それは政治がしょせん本当の友情とは無縁だからです。
小平、ライバル李相花と紡いだ友情

保護という名のフリーランス排除
最低賃金など労働法による規制はただでさえ労働市場の柔軟性と経済の活力を奪うのに、その対象をサラリーマンだけでなくフリーランスにまで広げるとは困った話。企業はフリーランスを敬遠し、AIやロボットの導入を加速するでしょう。
フリーランスに最低報酬 政府検討、多様な働き方促す

2019-01-02

成長戦略はどこへ

選択の自由?
公的年金の受給開始年齢を70歳超も選べるようにする制度を検討へ。選べることはいいことだと支持する声もあるようです。でもそれをいうなら、そもそも本当にもらえるかわからない公的年金に入らない選択の自由も認めてください。
年金開始、70歳超も選択肢 政府が高齢社会大綱

金と銀の美
すばらしい演技をたたえるあかしは金と銀。野蛮な遺物と経済学者からさげすまれようと、不便で悪事に利用されると政治家から目の敵にされようと、その美しさは人々を理屈抜きで魅了します。演技の美と同じように。
【写真特集】羽生・金、宇野・銀 華麗な舞いでダブル表彰台

保護主義は誰を保護するか
米商務省、鉄鋼で中国など輸入制提案。国民の購入の選択肢を狭め、貧しくするのが保護主義の正体。保護されるのは一般国民ではなく、互いに癒着した業界と政府の関係者です。投資家保護も消費者保護も、政府が「保護」と言ったら要注意。
米商務省、鉄鋼で中国など輸入制限提案 日本も含む

成長戦略はどこへ
金融緩和だけではもう限界。しかし日銀から聞こえる要望は財政出動のみ。アベノミクスの第3の矢だったはずの成長戦略、つまり規制緩和はどこにいったのでしょう。事態がどんなに悪化しようと、権限を手放さないのが政府です。
日銀、脱デフレ向け「次の5年」 緩和の先見えず

2019-01-01

ペルシャ帝国の叡智

米国政府がイランの核・ミサイル開発問題をめぐって、同国に対する圧力を強めている。2018年11月5日にはイランへの経済制裁を全面復活させた。

イランと対立する米政府はしばしば、イランを厳しい表現で非難する。トランプ大統領は昨年の国連総会では、北朝鮮、シリア、ベネズエラと並べイランを「ならず者国家」と呼んだ。2002年の一般教書演説で当時のブッシュ大統領はイラク、北朝鮮とともにイランを「悪の枢軸」と批判している。

米政府の非難やそれに同調するメディアの報道に多く接していると、イランが西洋文明と相いれない特殊な国のように見えるかもしれない。しかし意外なことに、少なくとも歴史的には、イランは西洋文明と相いれないどころか、西洋文明の土台をつくったとさえ言えるのである。

古代オリエントでは紀元前612年のアッシリア滅亡後、メディアなど4王国が分立するが、それに終止符を打ち、オリエント世界を再び統一したのはペルシャ人(イラン人)だった。

ペルシャ人はインド・ヨーロッパ語系の民族で、イラン高原南部に移住してメディア王国に服属していた。前550年、キュロス2世はメディアの政権を奪取し、やがてリディア、新バビロニアをも征服し、アケメネス朝ペルシャ帝国を築く。アケメネス朝はその後、エジプトも併合して、ダレイオス1世の時代にはエーゲ海沿岸からインダス川流域に及ぶ広大な世界帝国となった。

ダレイオス1世は「諸王の王」と称し、新都ペルセポリスを建設して中央集権制を強化する。全土を20余州に分け、サトラップ(総督)を任命して徴税や治安維持を担わせるとともに、「王の目」「王の耳」と呼ばれる王直属の監察官を派遣して総督を監視させた。そのために「王の道」と呼ばれる公道を整備し、駅伝制を設け、王都と地方が直結する体制を整える。

注目したいのは、ペルシャ帝国は中央集権制を強化する一方で、服属した諸民族には寛容な政策を行ったことである。帝国内にはさまざまな民族が住んでいたが、これら被征服民の法や宗教は、軍役と貢納の義務が守られる限り尊重された。

文化はグローバル

銀行よ、昔に帰れ
マイナス金利で揺らぐ銀行の「お金を預かってよそに貸す」ビジネスモデル。でもかつては別の稼ぎ方がありました。「お金を預かって保管料を取る」本来の預金業務です。これならいわゆる信用創造でマネーが過大に膨らむ心配もありません。
金利ゼロ%台融資、6割超 揺らぐ銀行ビジネスモデル

さらば証券取引所?
「今は未上場企業にも資金や優秀な人材が集まる時代」とスタートアップ創業者。上場しなくてもベンチャーキャピタルや大手企業から豊かな資金。上場なしでは成り立たない証券取引所はお役所体質を改め、起業家精神を発揮する時。
「IPOは急ぎません」 起業家たちの懐事情

規制による自由な働き方?
労働分野にも独禁法を適用へ。対象はフリーランスと企業の契約。企業がフリーとの取引を面倒がってやらなくなる恐れがあります。一方で労働組合を「カルテル」として摘発はしないとか。正社員とフリーの格差はむしろ拡大するでしょう。
フリーランス、独禁法で保護 公取委、運用指針を公表 過剰な囲い込み防ぐ

文化はグローバル
茶の湯の千利休。短歌や「源氏物語」翻訳の与謝野晶子。和菓子。これらの人々や文化を生み、育んだのは南蛮貿易で栄えた町、堺。いかにも日本らしいものは、実はグローバル経済のたまもの。文化に国籍はありません。
茶室や和菓子、堺の魅力凝縮 千利休や与謝野晶子の世界に浸る