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「反インフレ経済勉強会」開講のお知らせ

インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...

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2022-01-13

民主主義と大きな政府

Against Leviathan: Government Power and a Free Society (English Edition)

世論調査によると、米国民の大半は大きな政府なしの生活を考えることができない。今の政府は大きすぎ、でしゃばりすぎだと漠然と思ってはいるものの、いざ特定の政策について尋ねてみれば、圧倒的多数がそれを支持するばかりか、拡大まで求めるのだ。

欧州は社会主義政権が多いだけに、政府の縮小はなおいっそう望み薄だ。ブリュッセルではEU官僚が規制のバベルの塔をいよいよ高く築き上げている。

たとえ国民が政府の拡大を求めなくても、現在の利権政治が当たり前に運営されれば、嫌でも政府を押しつけられることは確実だ。

現代の代表民主主義の経験からすれば、いったん何か政府の政策が始まれば、廃止はほぼ不可能である。たとえその政策が全体としてどれほど有害で、国民に不人気だとしても。

以上、次から翻訳。
Robert Higgs, Against Leviathan: Government Power and a Free Society

2021-09-18

「死因となった証拠なし」

Unreported Truths About Covid-19 and Lockdowns: Part 4: Vaccines (English Edition)

短期の副反応が多く発生したからといって、必ずしもメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンが命にかかわることを意味するわけではない。しかし臨床試験で人々に重い副反応が生じた事実は、強い免疫反応を起こす恐れがあることを示す。原因が脂質ナノ粒子か、mRNA自体か、何か他の理由かは別として。(ジャーナリスト、アレックス・ベレンソン)

長期の臨床試験データがない以上、副反応の報告は、新型コロナワクチンに生じうる問題を見つける最善にしておそらく唯一の手段だ。ワクチン有害事象登録システム(VAERS)のデータベースには、既往症のない相対的に若い人が接種後まもなく死亡した例が含まれている。たとえばテキサス州の51歳の女性だ。(同)

副反応報告にある女性の死は、単なる偶然かもしれない。接種しなくても亡くなっていたかもしれない。他の似た例もやはり偶然なのかもしれない。だが少なくとも真剣な調査には値するだろう。ところが米疾病対策センター(CDC)は「ワクチンが患者の死因となった証拠はない」と型通りの声明で片付ける。(同)

米国の多くの州は、陽性判定から30日または60日以内の死亡をすべてコロナによる死と分類する。何の症状もなく、撃たれて死んでもだ。しかしワクチンの場合、医療専門家は死とのどんな関係も過少評価しようとする。ソーシャルメディアは投稿や動画を躍起になって規制する。(同)

アストラゼネカ製ワクチンに関する欧州での副反応報告は、米国でのファイザー、モデルナ製品の重い副反応の一部に似ている。血小板減少症や血栓症だ。欧州のデータベースによると、今年3月中旬時点でファイザーはアストラゼネカより副反応報告が多く、死亡や心臓死も多い。(同)

2021-09-17

利害相反の抜け道

Virus: Vaccinations, the CDC, and the Hijacking of America's Response to the Pandemic (English Edition)

トランプ米大統領が新型コロナワクチン開発加速のため始めた「ワープスピード作戦」のメンバーは、製薬業界の幹部社員と業界出身の政府職員で占められていた。社員は希望すれば保有株を持ち続けられた。取引業者の扱いなので、政府職員の利害相反規定に服さなくてよかった。(ジャーナリスト、ニーナ・バーレイ)

ワープスピード作戦の責任者を務めたスラウイ氏はモデルナ社の役員だった。同社の株価は税金の獲得を受けて急騰したが、同氏は1万8270株を買うオプションを手に入れた。2018年以来集めた13万7168株のオプションに加わるものだ。モデルナ退任の際、800万ドルを得たとされる。(同)

ワープスピード作戦の顧問でファイザー社員のエアハルト、ハリガン両氏は同社株の権利を持ち続けていた。同社はワクチン1億回接種分の代金として米厚生省から20億ドル近い契約を獲得。ワクチン安全委顧問のホイットリー氏は治療薬レムデシビルの製造元ギリアド社に関係がある。(同)

ワープスピード作戦の顧問デノタリステファニ氏は、トランプ大統領が治療薬として承認したヒドロキシクロロキンの製造元テバ社の出身。米食品医薬品局(FDA)元長官のゴットリーブ、マクレラン両氏は政府に非公式に助言したが、ともにコロナワクチン製造会社の役員を務める。(同)

2020年11月9日、ファイザー社がワクチンは90%以上有効と発表した当日、同社CEOのブーラ氏は保有株の62%を売却した。その日は良いニュースを受け株価が15%上げていた。同氏を含む幹部七人は同年中に株売却で合計1400万ドルを手にした。(同)

2021-09-16

政府は寄生する

Against the State: An Anarcho-Capitalist Manifesto (English Edition)

政府を企業のように運営することはできない。社会は利益と損失という試験によって資源配分を決定するが、官公庁はその手段がないため、生産の対象、数量、場所、方法をどう決めればよいかわからない。(ミーゼス研究所創設者兼会長、ルウェリン・ロックウェル)

政府は国民をそそのかし、道徳のルールには二種類あると信じ込ませる。一つは子供の頃に学ぶもので、暴力や盗みを禁じる。もう一つは政府だけにあてはまるもので、政府だけがあらゆる手段で穏やかな人々を攻撃してよいとする。

政府は国民に国旗を振り、国歌を歌って政府を称えるよう教える。それによって、政府による収奪や非道に抵抗するのは反逆だという考えを助長する。

政府とは国民に寄生し、その富を食い物にする組織である。反社会的で略奪をなりわいとする本性を、公益という隠れみのに隠している。

経験の示すところによれば、「小さな政府」は不安定な均衡だ。政府は規模を拡大して権力と富を増やせるなら、小さなままでとどまることに興味はない。

2021-09-15

社会は自由、政府は暴力

Liberty and Property (LvMI) (English Edition)

社会の本質とはサービスを互いに交換することだ。個人は選択の機会がある限り、自由である。暴力やその脅しによって交換の条件を諦めるよう強いられたなら、どう感じるかにかかわらず、自由ではない。(経済学者、ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス)

政府の本質は自由の否定である。政府は暴力や暴力の脅しに訴え、すべての人々を自分の命令に従わせようとする。それを人々が望もうと望むまいとだ。政府の支配圏が広がるにつれ、増えるのは強制だ。自由ではない。(同)

政府は自由とは正反対である。人を殴り、投獄し、縛り首にする。政府が何をなそうと、最後に支えるのは武装した警官の行動だ。政府が学校や病院を運営すれば、必要な財源は税によって集める。つまり市民に支払いを強要する。(同)

経済権力の集中という議論は無益だ。大きな企業ほど、より多くの人々に奉仕し、消費者・大勢・大衆を喜ばせることが大きなよりどころになる。経済権力は、市場経済においては消費者が握っている。(同)

産業のイノベーションが官僚によって考案・実践されたことはかつてない。経済を停滞させたくなければ、今はそれが誰かわからなくても、人間をもっと満足できる状況に導くことのできる創意工夫を備えた人々に、行動の自由を与えなければならない。(同)

<邦訳書>

2021-09-14

形だけの資本主義

A Critique of Interventionism (English Edition)

経済介入政策は土地や機械の私有を維持しつつ、当局の指令で所有者の行動を規制しようとする。重要な決定がすべて指令の線に沿って行われるようになれば、資本家の利潤追求ではなく、政府の都合で生産の対象や方法が決められる。私有が形だけ維持されても、それは社会主義だ。(経済学者、ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス)

政府が命令しても無から何かを生み出すことはできない。政府が不換紙幣を刷れば人を豊かにできると信じるのは、お人好しのインフレ主義者だけだ。政府は何も生み出せない。政府は人を豊かにすることはできない。できるのは人を貧しくすることだ。(同)

政府がある商品に価格統制令を出せば、供給統制令、配給令だけでなく、商品を生産する機械の価格や労賃への規制、労働統制まで必要になり、あらゆる産業に広がる。政府は市場経済への介入を控えるか、すべて統制するかのどちらかだ。資本主義か社会主義かだ。中間の道はない。(同)

労働組合による最低賃金の強制に効き目がなければ、失業は労働市場に圧力を及ぼし、人為的に押し上げられた賃金を自然な市場水準まで引き下げる。失業は摩擦現象であり、政府の介入しない市場であればすぐに消えるが、介入政策の下ではいつまでも続く習い性となる。(同)

政府の経済介入政策が失敗しても、経済の専門家でない人は、かえって私的所有を厳しく制限するべきだと確信を強める。規制官庁が腐敗しても、政府は間違いを犯さず完璧であるという盲目的な思い込みはびくともしない。企業家と資本家に道徳的な嫌悪感を募らせるだけである。(同)

2021-09-13

戦争というペテン

War Is a Racket: The Antiwar Classic by America's Most Decorated Soldier (English Edition)

戦争はペテンだ。いつもそうだった。おそらく最も古く、明らかに最も儲かり、間違いなく最も残虐なペテンだ。国家間の規模のペテンは戦争しかない。利益がカネで、損失が命で勘定されるいかがわしい商売は戦争しかない。(元米海兵隊少将、スメドレー・バトラー)

ペテンは、多数の人に見えているものとは違う。少数の「内部」集団だけがその正体を知っている。ごく少数の者の利益のために実行され、そのコストは非常に多くの者がかぶる。戦争ではひと握りの人間が巨大な富を手に入れる。(同)

戦争の結果、国は勝てば新たな領土を手に入れる。ただ手に入れる。この新たな領土をすぐさま搾り取るのは、例の少数の人々である。戦争の流血で金儲けしたのと同じ少数者だ。一般大衆が勘定を払う。(同)

一般大衆が戦争で払う勘定はとんでもないものだ。新しい墓。押しつぶされた体。ずたずたになった精神。破壊された心と故郷。不安定な経済。不況とそれに伴うあらゆる不幸。何世代にも及ぶ重い税。(同)

戦争の重い勘定を払う普通の人にとって、複雑な国際関係にかかわらないほうが、はるかに安上がりだったろう。ごく少数の者にとってこのいかがわしい商売は、裏社会の稼業同様、たっぷり儲かる。しかしその商売のコストはいつも、儲からない大衆に回される。(同)

<邦訳書>

2021-09-11

報道かプロパガンダか

A State of Fear: How the UK government weaponised fear during the Covid-19 pandemic (English Edition)

恐怖はよい記事になる。メディアは恐怖モード全開になりやすい。恐怖は読者を引き込む。それはメディアにとって短期でメリットだが、最後には公衆、政府、メディアの微妙なバランスを破壊する。ロックダウン(都市封鎖)と規制が長引くほど、メディアの広告・購読料収入は減少する。(ジャーナリスト、ローラ・ダズワース)

英国では2020年3月23日〜6月30日のロックダウン中、伝統的な広告収入は48%減少した。この間、イングランド公衆衛生庁が英最大、英政府が六番目の広告主となった。スナク財務相は同年4月、政府がコロナ関連の新聞広告キャンペーンに3500万ポンドを投じると発表した。(同)

2020年4月、英通信情報庁(Ofcom)はコロナ関連報道に関し厳しい指針を公表した。放送局に対し「有害な恐れのあるウイルス関連報道、有害な恐れのある医療上の助言、番組中のウイルスやウイルス対策に関する重大な誤解」について警戒するよう要請した。(同)

言論の自由が大切なのは平穏無事なときだけではない。伝染病の流行時にも大切だ。それどころか、危機のときこそ手放さないようにしなければならない。放送局は政府の価値判断に左右されず、異なる見方を伝えることができなければならない。(同)

英BBCは政府見解に逆らう報道を拒んだ。よその国がやったら、英メディアが非難するような行為だ。開かれた討論を認めなければならない。公衆に情報を提供し、科学的な議論を促さなければならない。政治的主張を広めるために偏った情報を伝えるだけなら、それはプロパガンダだ。(同)

2021-09-10

ビスマルクの反自由主義

Wilson's War: How Woodrow Wilson's Great Blunder Led to Hitler, Lenin, Stalin, and World War I I (English Edition)

ドイツ帝国の首相ビスマルクは他の誰よりも、世界を自由放任、自由貿易、平和の原則から遠ざけ始めるうえで大きな役割を果たした。彼は保守派とされるが、社会主義が政府の力を強化し、実在・仮想の敵を破るために役立つと考えた。彼が加速した潮流は世界大戦の勃発を招く。(歴史家、ジム・パウエル)

独歴史家トライチケは政府支配下のベルリン大学の教授で、強い政府の使命は領土の拡大だと宣言。プロイセンの領土獲得に向け運動した。1884年、ビスマルクは海外への帝国拡大に乗り出し、南西アフリカを保護国とする。イタリア、ベルギーその他諸国が領土の奪い合いに参加した。(同)

帝国主義の支持者が引用した保護主義の経済学者フリードリヒ・リストはこう述べた。「企業はドイツの港町で設立し、外国の土地を買い、ドイツの植民地にしなければならない」「植民地は最善の手段だ。製造業にとっても、輸出・輸入の貿易にとっても、立派な海軍にとっても」(同)

社会主義者は帝国主義を資本主義のせいにする。だが征服者たちが世界を略奪してきたのは、市場経済の誕生より何百年も前からだ。ノルウェー、スウェーデン、デンマークが高い生活水準を記録したとき、帝国ではなかった。ドイツが資本を輸出したのは海外に帝国を獲得した後だ。(同)

経済的にいえば、植民地の多くは敗者だった。貿易が少なく、防衛とインフラ建設のコストが高かったからだ。帝国主義が競争で求めたのは権力と威信であり、富ではなかった。英国、フランス、ドイツ各帝国の野望は中東、アフリカ、アジアでぶつかり、ロシアは日本とぶつかった。(同)

2021-09-09

製薬産業と政治家

Jabbed: How the Vaccine Industry, Medical Establishment, and Government Stick It to You and Your Family (English Edition)

米ブッシュ一族のワクチン産業に対する忠誠心は誰にも劣らない。1970年代、ブッシュ父は医薬大手イーライ・リリーの役員だった。ブッシュ息子の政権下で同社の元役員ミッチ・ダニエルズは行政管理予算局長を務めた。同社CEOのシドニー・タウレルは国土安全保障諮問委員だった。(作家、ブレット・ウィルコックス)

2002年12月、米国土安全保障省を創設する法律が成立する際、何者かが付帯条項を紛れ込ませ、イーライ・リリー社のワクチンに含まれるチメロサール(有機水銀化合物)で被害を受けた子供たちの親が提訴した数百件の未解決訴訟から同社を免責しようとした。(同)

息子ブッシュ米大統領は突然、1100万人の軍関係者と緊急時対応要員に天然痘ワクチンを接種すると発表した。ワシントン・ポスト紙によると、ブッシュ大統領の狙いは生物兵器の攻撃から前線の兵士を守り、対応力を向上させることにあるという。(同)

元製薬会社社員ローリー・パウエルの2016年の記事によると、製薬業界のロビー活動費は年々増え、2009年には2億7300万ドルと過去最高に達した。政治家は政策に影響はないと言うが、それは違う。米国で癌の治療費が他国の600倍もかかるのは、政治的な見返りの結果に他ならない。(同)

製薬業界によるロビー活動のもう一つの政治的見返りは、政府が特許薬に法外な金額を払い続けることだ。また、製薬業界のマネーは、ワクチンメーカーを免責するワクチン健康被害補償法の制定にも一役買った。(同)

2021-09-08

ビスマルクの国家社会主義

Tethered Citizens: Time to Repeal the Welfare State (English Edition)

ビスマルクは1871年、プロイセン主導でドイツを統一した。彼の社会福祉政策は17〜18世紀プロイセンの先例に基づいており、英米をはじめ西洋諸国のモデルとなった。しかしビスマルクはおそらく、福祉国家に熱狂する人々が手本として選ぶような人物ではなかった。(作家、シェルドン・リッチマン)

ドイツ帝国の宰相ビスマルクは情け知らずで弾圧や権謀術数を好み、無節操な政治家の典型だった。政治手腕はさすがで、国内外の政敵を互いに対立させ、都合に応じてその場限りの合従連衡を繰り返し、ドイツのために大いなる計画を推し進めようとした。(同)

国家社会主義の性質は保守的である。イノベーションと伝統破壊を止めたがる。マルクス社会主義が流血革命で既存秩序を根こそぎ転覆させることしか考えないとすれば、国家社会主義はささいな騒動の兆しでも警察を呼び出す。これはビスマルクの率いた体制にぴったりあてはまる。(同)

ビスマルクは自分の政策が社会主義と重なることを否定しなかった。「社会主義者から賢明な方法で未来を形造る建設的な提案があり、それが多くの労働者の暮らしを改善するものであれば、前向きに検討するのはまったくやぶさかでない」とビスマルクは述べた。(同)

福祉国家は社会民主主義を水際で食い止めるだけの手段ではなかった。1878年、ビスマルクは社会民主主義者から市民の自由を奪う法律を成立させた。社会民主党は非合法となり、出版、言論、集会の自由は禁じられた。煽動者とみなされると追放された。銃の所有は規制された。(同)

2021-08-27

相互扶助の社会福祉

From Mutual Aid to the Welfare State: Fraternal Societies and Social Services, 1890-1967 (English Edition)

19世紀後半から20世紀前半にかけて、数百万人の米国人が友愛組合(共済組合)から社会福祉給付を受け取っていた。友愛組合の特徴は、支部の自治制度、民主的な内部統治、儀式、会員とその家族への相互扶助の備えである。(歴史学者、デビッド・ベイト)

19世紀後半、米国には主に三種類の友愛組織があった。秘密結社、疾病葬儀給付組合、生命保険組合だ。秘密結社は儀式を重視し、画一的な支払方式を避けた。他の二組織は手厚い健康・生命保険を売りに広く加入者を募った。どの組織も相互扶助と互恵主義を強調した。(同)

1920年の米国では労働階級の多くを含め、成人男性の三人に一人が友愛組合に加入していた。組合の支部は黒人や東・南欧からの移民の間で圧倒的な存在感を示した。当時、友愛組合を中心とする民族系福祉団体は、官民のいかなる組織よりも大きな助けとなった。(同)

19世紀後半から20世紀前半の米国で政府や慈善団体から施される援助は、少額でしかも大きな恥辱の種だった。政府・民間の慈善が上下関係を伴うのに対し、共済組合の援助は相互関係の倫理原則に基づく。助ける人と助けられる人は近所に住み、明日は立場が逆転するかもしれない。(同)

戦前の米国で友愛組合が政府や慈善団体に頼らず成し遂げた相互扶助の成果は政治家、公共政策の専門家、社会改革家、慈善家には理解できない。友愛組合は貧しい人々の間に巨大な社会・相互扶助のネットワーク構築に成功した。今の孤立した都市生活にはないものだ。(同)

2021-08-25

平等主義の非人間性

Egalitarianism as a Revolt against Nature (English Edition)

無政府共産主義者が政府に反対する主な理由は、政府が私的財産権を創造し、保護すると誤って信じ、その結果、財産権を廃止する唯一の方法は政府の破壊だと思い込んでいるからだ。政府がつねに私的財産権の大きな敵であり侵略者であることをまったくわかっていない。(経済学者・法哲学者・歴史家、マレー・ロスバード)

共産主義は強制的であれ自発的であれ、その根底に存在するのは、卓越した個人に対する深い憎しみであり、一部の人間が他より生まれつきあるいは知的に優れていることの否定である。反理性的で反人間的な平等主義は、あらゆる個人からその人固有の貴重な人間性を奪おうとする。(同)

経済学に無知でも罪ではない。経済学とは結局、専門的な学問分野であり、多くの人々にとって「陰気な科学」でしかない。しかし、経済問題について声高に意見を主張しておきながら、経済学について無知なままというのは、まったくもって無責任きわまる。(同)

「希少性なき時代」が訪れたと言う人がいる。どうしたら確かめられるだろうか。答えは簡単、欲しい物やサービスの値段がすべてゼロになったときだ。まるでエデンの楽園のように努力も労働もせず、希少な資源を全然使わずに、あらゆる物やサービスを手に入れられるときだ。(同)

合理的な思考と経済学を捨て去れば、現代の生産体制と文明は破壊され、野蛮状態に戻るだろう。その結果、人間の大半は餓死し、生き残った者も苛酷でぎりぎりの暮らしを強いられることになる。(同)

2021-08-23

起業家精神の阻害


営利企業はどんなに大規模であろうと、経営の手足が政府に縛られていない限り、官僚主義に陥ることはない。

官僚的な硬直性に向かう傾向は、企業本来の進化ではない。政府がビジネスに介入した結果である。社会の経済組織の枠組みで企業が果たす役割から、利益追求の動機を消し去ろうとする政策の結果である。

起業の天才はつねに教師であり、生徒ではない。自力でのし上がる。権力者の世話になったりしない。しかし一方、政府は創造的精神をまひさせる状況を作り出し、起業家が社会に有益なサービスを提供するのを妨げることができる。

今日、税は起業家の利益の多くを吸い上げる。起業家は資本を蓄えることができない。事業を拡大できない。会社は大企業になれない。既得権益者に対抗できない。

今日あらゆる国の税法は、まるで税の最大の目的が、新しい資本の蓄積とそれによって達成できるはずの改善を妨げることであるかのように定められている。他の政策も同様だ。それなのに創造的なビジネスリーダーがいないと文句を言うとは、お門違いもいいところだ。

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2021-08-21

資本主義と縁故主義


資本主義を批判する人々の心配はもっともだが、問題は資本主義(所有権と自由な取引に基づき、人間に多大な利益をもたらした制度)にあるのではない。縁故主義にある。(エコノミスト、フレッド・コフマン)

縁故主義の下では政府が企業に支配され、権力を使って市場に介入し企業に便宜を図る。縁故主義で栄える経営者は利害関係者のために働かず、国家権力を利用し市場経済の規律を免れる。資本主義は個人の野心を他者への奉仕に変えるが、縁故主義は個人の強欲を権力濫用に変える。(同)

縁故主義の下、政治家は親密企業に特別許可や公的助成、税控除を与える一方、その競争相手や消費者には関税や規制を押し付け、市場競争を妨げる。企業は向こう見ずに過剰なリスクを取る。成功すれば儲けは自分のものだし、失敗しても政府が助けてくれると知っているからだ。(同)

縁故主義の経営者は非難に値する。強欲で利己的で不道徳だ。人と環境を犠牲にし、果てしなく欲望を求め、人の権利を踏みにじる。だからマルクス主義者は労働者の搾取を論じた際、手がかりを人の心に求めたのだろう。しかし縁故主義の経営者は資本主義者ではない。マフィアだ。(同)

資本主義のやり方は縁故主義とは違う。自由な市場と法の支配の下では、冷淡で口先だけの欲張りな企業は儲けることができない。せいぜい目先の得だけだ。長期で稼ぐには共感(顧客や従業員らを理解する)、同情心(彼らに奉仕する)、公平さ(彼らを公正に扱う)が必要である。(同)

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2021-08-20

経済の自由と平和


マルクス社会主義者が海外での戦争を拒否するのは、敵は外国でなく自国の所有階級と考えるからだ。ナショナリスト帝国主義者が革命を拒否するのは、自国のあらゆる層は外敵との戦いで利害が一致すると信じるからだ。どちらも軍事介入や流血に対する一貫した反対ではない。(経済学者、ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス)

自由主義が侵略戦争を拒否するのは博愛心からではなく、功利の観点からだ。戦争の勝利は有害とみなし、征服を望まない。最終目的を達するには適さない方法とみなすからだ。国は戦争と勝利ではなく、労働でしか国民の幸福の前提条件を整えることができない。(同)

生産手段の私有と自由な経済秩序に基づかない平和主義はすべて、ユートピアでしかない。国家間の平和を望む人々は誰であれ、政府とその影響力を厳しく制限しなければならない。(同)

恒久平和への道は、社会主義のように政府と中央権力を強化することでは開けない。政府が個人の生活に広く介入し、個人にとって政治が重要になるほど、人々の間に不和をもたらす。(同)

人と物の完全な移動の自由、個人の財産と自由の最大限の保護、学校制度における政府のあらゆる強制の廃止。すなわち1789年フランス革命の理念を完璧に適用することが、平和に不可欠の条件である。(同)

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2021-08-19

画一性の強制


人間の本質に関する重要な事実は、個人が非常に多様であることだ。もちろんあらゆる人間に共通する肉体的、精神的な特徴はある。だが他のいかなる種にもまして、個々の人間は独特で異なる個人である。それぞれの指紋だけではなく、それぞれの人格もまた異なる。(経済学者・法哲学者・歴史家、マレー・ロスバード)

平等に対する熱狂は、根本的な意味において反人間的である。個人の人格と多様性、文明そのものの抑圧に傾く。野蛮な画一性に向かう運動である。人の能力と興味は多様であるのが自然だから、人々をあらゆる点で平等にしようとする運動は、必ず全体を引き下げる。(同)

最良の授業は個人授業である。教師一人が生徒一人を教える授業は明らかに一番優れている。そうした環境でこそ人間の潜在能力は最大限に引き出されるだろう。教室で教師一人が大勢の生徒を教える公的な学校は、非常に劣った制度である。(同)

政府の命令で、学校では例えば算数を必ず教えなければならないとする。それは他の科目は得意でも算数の素質はない子供が不必要な苦しみを味わうことを意味する。政府による画一的な基準の押しつけは、人間の好みや能力の多様性に対する重大な侵害だ。(同)

政府の義務教育は多様な子供に適した私立学校の成長を阻害し、親による教育も妨げる。人間の能力は様々だから、標準以下の子、指示に従えない子、思考能力の高くない子も大勢いる。政府はほとんどの国でこの子たちに通学を強制しているが、それは人間の本性を攻撃する犯罪だ。(同)

<邦訳書>
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2021-08-18

大いなる虚構


奴隷制がなくなり、圧制者は犠牲者に露骨な暴力は振るわなくなった。さすがにそれくらいの分別はできるようになった。圧制者と犠牲者はいなくなっていないが、その間に仲立ちする者がいる。それが政府であり、法律だ。(エコノミスト、フレデリック・バスティア )

政府とは大いなる虚構である。人は政府を通じ、自分以外の全員を犠牲にして生きようとする。(同)

政府は国民から信用されるメリットを十分心得ている。喜んで国民全員の運命を支配しようとする。たくさん奪い、その多くを自分のものにする。職員数を大幅に増やす。特権にあずかる仲間を広げる。多くを奪いすぎて自滅する。(同)

政府を通じて互いに奪い合えば、お互いさまだからといって盗みでなくなるわけではい。合法で秩序立っているからといって罪でなくなるわけではない。公共の利益を何も増やさない。むしろ政府という仲介者のコストの分、減らしてしまう。(同)

もし政府が慈善家になりたければ、増税しなければならない。もし増税しなければ、慈善家になるのは控えなければならない。(同)

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2021-08-17

政府という強盗


政府は追いはぎのように言う。「金を出せ。さもなければ命はない」。税の大半とは言わないまでも多くは、そのような脅しによって支払われる。(法哲学者、ライサンダー・スプーナー)

政府は追いはぎのように寂しい場所で人を待ち伏せたり、道端から襲いかかったり、拳銃を頭に突きつけたり、ポケットを探ったりはしない。しかしそれでも強盗は強盗であり、追いはぎよりはるかに卑怯で恥知らずである。(同)

追いはぎはひとりで自分の行動の責任・危険・罪を引き受ける。政府のようにあなたの金に対して正当な権利があるとか、その金をあなたのために使うつもりだとかいうふりはしない。(同)

政府は追いはぎと違って個人として顔を見せず、自分の行動に個人として責任を取らない。仲間の誰か一人に命じて強盗をやらせ、自分たちはほとんど正体を明かさない。(同)

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2021-08-16

心の服従


支配される側の同意を頼りにできる集団だけが、権力の座を長く保てる。(経済学者、ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス)

世界を自分の思いどおりに支配したければ、何とかして人間の心を支配しなければならない。(同)

人間をその意志に反し、受け入れられない権力に従わせることは、長い目では不可能である。(同)

本人の意志に反して人を権力に服従させようとしても、結局成功しない。かえって軋轢を巻き起こし、支配される側からの同意に基づき統治する最悪の政府よりも、はるかに大きな害悪をもたらす。(同)

本人の意志に反することをさせて人間を幸せにすることはできない。(同)

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