2020-07-10

利益の役割

企業が利益を上げるのは並大抵ではない。現実の生産方法が、大衆を満足させる最善の生産方法と食い違う場合のみ、それを修正することで利益は生まれる。利益とは経営資源の配置ミスを取り除いたことに対するほうびなのだ。配置ミスが完全に取り除かれるとともに利益は消える。
Ludwig von Mises, Profit and Loss

利益に対し法外な儲けだとレッテルを貼り、差別的な課税によって有能な起業家を罰することで、人々は自分自身を傷つけている。利益に対する課税とは、大衆への奉仕に最も成功したことに対する課税に等しい。
Ludwig von Mises, Profit and Loss

利益の役割は、資本の支配を移動させ、それを使って大衆を満足させる最善の方法を知っている者に任せることだ。彼が大きな利益を上げるほど、その富は大きくなり、ビジネスで影響力が増す。消費者は利益と損失という道具を頼りに、最も役立つ者に生産活動の指揮を委ねる。
Ludwig von Mises, Profit and Loss

庶民は起業家の利益をうらやみ、まるでそれがすべて消費に使われるかのようにみなす。けれども富とビジネスでの影響力を手に入れた起業家は、利益のごく一部を消費するだけで、多くを事業に再投資する。小さな会社を大きくするのは消費ではなく、貯蓄と資本の蓄積だ。
Ludwig von Mises, Profit and Loss

著者 : Ludwigvon Mises
Ludwig von Mises Institute
発売日 : 2011-08-03

0 件のコメント: