【海外動画より】中東における米国の軍事行動の限界と、それがグローバル経済や国際秩序に与える影響について、元中央情報局(CIA)分析官のラリー・ジョンソン氏が動画で深刻な分析を行っています。動画ではまず、過去1週間の間に米国がイランのバンダレ・アッバースに対して実施した空爆と、それに対するイランの反撃が取り上げられました。米国側は自衛のための「ドローンやミサイル発射台への精密攻撃」を主張していますが、イラン側は被害や死傷者は皆無であると反論しています。事の発端は、西側系のタンカーが識別装置を切ってホルムズ海峡を通過しようとしたところ、イラン側に阻止されたことにあります。米国はこれに空爆で応じましたが、イラン側もクウェートの米軍飛行場に向けて警告のミサイルを発射するなど、事態は均衡状態にあります。
このような「戦争と平和の狭間」にある緊迫した状況下で、米国とイランの間の停戦合意に向けた「覚書(MOU)」の交渉が進められているものの、ジョンソン氏はその妥結に対して極めて懐疑的です。なぜなら、イラン側の要求である「凍結資産の返還」や「原油制裁の即時解除」、さらには「パレスチナ人への攻撃やレバノンでの紛争終結」といった条件に対し、トランプ政権が譲歩する姿勢を見せていないからです。それどころか、ベッセント財務長官はイランの航空会社に対する追加制裁を発表するなど強硬姿勢を強めており、トランプ大統領の政治的スタンスから見ても、最終段階で交渉を白紙に戻す可能性が高いと分析されています。
ジョンソン氏が指摘するもう一つの重大な懸念は、ホルムズ海峡の封鎖が招く「世界経済の混沌」です。現在、リセッション(景気後退)とインフレが同時に進行する「スタグフレーション」の危機が現実味を帯びています。特に、ハイテク産業に不可欠なヘリウム供給の44%が市場から消えたことで、台湾の半導体製造が急減速し、価格高騰を招いています。一方で、独自の供給網を持つ中国の半導体生産は加速しており、この歪みが今後1か月以内に消費者の雇用や物価に重大な打撃を与えることになります。また、こうした中東での泥沼化は、ウクライナ情勢や対中戦略への兵力投入を大きく制限することになり、トマホークなどの精密誘導兵器の枯渇によって米国の軍事力の限界が露呈する結果となっています。
同氏は、現在の米国の状況を映画『オズの魔法使い』でカーテンの裏の正体が暴かれた瞬間に例え、これまで絶対的と信じられていた米国の軍事覇権の衰退を表現しています。さらに、財政的な側面でも、世界各国は米国債を競って売却し、安全資産であるゴールド(金)や中国人民元での決済へとシフトしています。ペトロダラー(ドルによる石油決済)の仕組みが崩壊し、金融面での優位性を失いつつある米国とイスラエルは、世界的な逆風に直面しています。ジョンソン氏は、こうしたマクロ経済の破壊的な turmoil(動乱)こそが最終的に対話を迫る力になるものの、国際秩序の基盤はすでに後戻りできない形で激変していると結論付けています。
Iran Just CRUSHED US Military, Trump’s Hormuz Attacks BLOW BACK | Larry Johnson - YouTube