【海外動画より】米国の著名な経済学者であるジェフリー・サックス教授は、対談動画の中で、現在の欧州における安全保障環境、特に関係悪化が続くバルト海沿岸地域の現状について深刻な懸念を表明しています。サックス教授は、北大西洋条約機構(NATO)とロシアの間で段階的な軍事のエスカレーションが続いており、バルト三国からのドローンがロシア領内を攻撃しているとされる事態を受け、この地域が現在「世界で最も危険な場所」になっていると警告しています。
サックス教授は、このような危機的状況を招いた背景に、欧州側における深刻な「外交の不在」と「反ロシア感情」の暴走があると指摘しています。欧州連合(EU)が外交トップである上級代表に、強硬な対露姿勢で知られるバルト三国出身のカイヤ・カラス氏を起用したことで、欧州全体の外交方針が一部の極端な意見に引きずられる結果になったと分析しています。また、本来であればブレーキをかけるべきフランスやドイツの指導者層の対応、特にドイツのメルツ首相が外交交渉に関心を示さず、軍備増強へと舵を切っている現状を、極めて不責任であると批判しています。
さらに教授は、現在の対立を歴史的な経緯の忘却という観点から説明しています。1990年のドイツ統一の際、当時の西側諸国はソビエト連邦に対して「NATOを東方に拡大しない」という明確な約束を交わしていました。ドイツや欧州の指導部が、こうした過去の約束や2015年のミンスク合意といった平和への枠組みを完全に無視し、対話を拒否し続けていることが、不必要な対立と相互の不信感を煽っているのが実態です。
サックス教授は、対立が取り返しのつかない大国間の直接戦争へと発展することを防ぐためには、欧州の指導者が一刻も早く対露外交を再開するべきだと訴えています。直近ではアンゲラ・メルケル前首相らがロシアとの対話の必要性を口にし始めるなど、遅まきながら外交の正常化を巡る議論が浮き彫りになりつつあります。教授は、都合の良い身内だけの対話から脱却し、ロシアのラブロフ外相のような当事者と直接向き合って歴史的な事実を確認し合うことこそが、欧州自身の安全保障を回復するための唯一の道であると結んでいます。
Jeffrey Sachs: The Baltic States Are Now the “Most Dangerous Place” in the World - YouTube
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