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2026-05-20

人工的な低金利政策が崩壊

Debunking Bond Market Sell-Off Myths - Robin J Brooks [LINK]

【海外記事より】エコノミストのロビン・ブルックス氏が個人の配信記事の中で、今週起きている国債市場の暴落を巡る誤解やデマについて、冷静に事実を紐解きながら解説しています。債務の膨張と長期金利の上昇は、新型コロナウイルスの世界的流行期に各国政府が巨額の財政赤字を抱えて以来、常に市場の主要なテーマとなってきました。パンデミックが収束した後も財政規律は戻らず、財政赤字は拡大したままであり、さらに物価の変動と上昇を受けて中央銀行が急進的な利上げを続けたことが背景にあります。

ブルックス氏は、金利上昇の背景には2つの要因があると指摘しています。1つ目は、原油価格の高騰や地政学的な不確実性による一時的な長期金利の上昇です。これはイランとの戦争が終結すれば部分的に反転する性質のものです。2つ目は、中央銀行による人工的な金利抑制策の限界に起因する、より永続的な金利の上昇です。その筆頭が日本であり、日銀は国債を買い支えることで金利の上昇を不自然に抑え込んでいます。欧州中央銀行も債務の多い国に対して同様の措置をとっていますが、こうした介入は本来の金利である「シャドー・イールド」を覆い隠すものであり、政治的に維持不可能な限界を迎えています。今回の国債売りが日本から波及しているのは、この人工的な低金利政策が崩壊しつつあるためです。

一方で同氏は、市場が機能不全に陥っているという見方を否定しています。流動性は低下しているものの、価格の再設定という市場本来の機能が秩序正しく行われているに過ぎません。また、過去の危機で見られたような世界的なドル不足の兆候も、現時点のデータには全く現れていないと述べています。米国の国債が他国と比べて魅力的に低下したという事実もなく、市場の混乱は米国特有の信頼失墜が原因ではないと結論づけています。

金利の上昇はむしろ、各国政府に財政健全化を促すための好ましいシグナルであると解説されています。例えば英国は、イングランド銀行が日本のように金利を不自然に抑え込まなかったため、金利が急上昇して財政悪化が目立つように見えますが、リスクプレミアムが正しく価格に反映されているため、市場からの資金逃避が起きていません。対照的に、金利を人工的に低く抑え続けている日本は、リスクが通貨安という形で噴出し、円安の進行を招いています。ブルックス氏は、金利を自由に変動させて政策担当者に警告を発することこそが、透明性の高い本来の経済の姿であると主張しています。

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