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2026-05-19

ウォーシュ氏に「不可能な任務」

Kevin Warsh’s Impossible Mission - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

【海外記事より】米連邦準備理事会、いわゆるFRBの新議長に就任するケビン・ウォーシュ氏を待ち受けているのは、世界的な国債利回りの急上昇という厳しい現実です。元米下院議員のロン・ポール氏による記事によると、イランとの戦争による原油価格の高騰を背景に、中央銀行は極めて困難な任務に直面しています。米国の政府統計では、過去1年間の消費者物価の上昇率が3.8%であったのに対し、賃金の上昇率は3.6%にとどまりました。これは、名目上の賃金が上がっていても、インフレ調整後の実質所得が減少していることを意味します。多くの米国人がクレジットカードの限度額まで使い込み、高金利の債務負担から抜け出せなくなっているのはこのためです。

トランプ米大統領はこの経済問題の解決策として利下げを求めていますが、現議長のジェローム・パウエル氏はこれに応じず、それが再任されなかった大きな理由とされています。ウォルシュ新議長がトランプ大統領の意向に沿って金融政策を決定するのではないかという懸念もあり、野党・民主党からの賛成票はわずか1票にとどまる異例の承認劇となりました。利下げを行えば消費者の金利負担は一時的に軽減されるかもしれませんが、ドルの価値がさらに目減りするため、結果として国民の実質所得を減少させ、さらなる借金を背負わせることになります。さらにFRBは、39兆ドルを超えて膨らみ続ける連邦債務を買い支えるためにも、利下げへの圧力を受けています。

イランとの戦争は世界経済に打撃を与えており、各国政府の債務不履行による世界的な債務危機を引き起こす懸念があります。さらに、ドルが世界の基軸通貨である根拠となってきた「ペトロダラー体制」、つまり石油取引をドルで行う仕組みに対する新たな挑戦を招く可能性もあります。1970年代にニクソン大統領が金とドルの結びつきを断ち切った後、サウジアラビアとの交渉により、米国の軍事支援と引き換えに石油取引をドルのみで行う体制が築かれました。しかし近年、米政府による制裁への反発から、この体制やドルの基軸通貨としての地位を揺るがそうとする動きが強まっています。

仮にペトロダラー体制が終わり、ドルが基軸通貨の地位を失えば、FRBは巨額の連邦債務をまかなうために必死に資金を供給せざるを得なくなり、深刻なインフレを招くでしょう。ポール氏は、短期的にはこの崩壊が大きな痛みを伴うものの、長期的には自由市場や小さな政府、非介入主義的な外交方針を支持する人々が増えることで、危機を乗り越えた先に平和と繁栄、そして自由の新しい時代が到来する可能性があると肯定的な見方を示し、記事を締めくくっています。

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