【海外動画より】シンクタンクの幹部であり、中東情勢の分析で知られるトリータ・パルシ氏が、緊迫する米国とイランの対立、そして舞台裏で進む外交交渉の行方について語る動画をご紹介します。
現在の米国とイランの二国間交渉は、公の場での発言自体が相手の出方を探る駆け引きの一部となっています。ワシントンにあるシンクタンク、クインシー研究所のトリータ・パルシ副所長は、イラン側が「依然として重大な相違がある」と長期戦を示唆する発言をしているものの、これは時間的猶予をアピールするための戦術である可能性があると分析します。一方で、トランプ大統領には残された時間が多くありません。米国の長期国債の利回りが急上昇するなど、戦時下の経済的な危機ラインに近づいており、今後数週間以内に合意に至らなければ、大統領が望むような経済回復の恩恵を享受できなくなるためです。
パルシ副所長は、双方が交渉を引き延ばすことは「妨害派」に合意を頓挫させる機会を与えることになり、極めて不賢明であると指摘します。さらに、秋の中間選挙でトランプ大統領の与党が議会の多数派を失えば、政権はレームダック(死に体)化し、制裁解除などの実行力は劇的に低下します。イラン側もまた、戦時体制による国民への締め付けが永遠に続くわけではなく、国内の不満や経済的困窮への対処という課題を抱えています。しかし今回の交渉が過去と異なるのは、イランがホルムズ海峡の管理権という強力な交渉カードを握っている点です。
イランはウラン濃縮能力そのものを放棄することはありませんが、濃縮ウランの貯蔵量を国外に搬出することや、一定期間の濃縮停止といった妥協案には柔軟な姿勢を見せ始めています。トランプ大統領もまた、過去の政権とは異なり、米国企業によるイランへの関与や金融制裁の解除といった一次制裁の緩和を、政治的コストとみなさず柔軟に対応する構えです。オマーンが仲介するホルムズ海峡の「環境・管理手数料」の導入案など、国際法上の前例を避けつつイランの優位性を認める形での決着が模索されています。
米国が軍事力によって海峡を強制的に開放することはコスト的に不可能であり、周辺の湾岸諸国も米国の安全保障能力に限界を感じ、イランとの統合や外交関係の再構築へと舵を切り始めています。パルシ副所長は、ワシントンの対イラン強硬派(タカ派)がトランプ大統領を直接批判し始めていること自体が、水面下で具体的な合意が形成されつつある証拠であると結論づけています。背後ではパキスタンやカタール、さらには中国が不可欠な外交アクターとして静かに影響力を強めており、地域情勢はこれまでの対立構造から大きな転換期を迎えていると述べています。
Inside Iran's New Strategy to Counter Trump's Attack | Trita Parsi - YouTube
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