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2026-05-31

欧州の致命的過ち

【海外動画より】欧州の対中貿易政策とその経済的背景について、経済分析を専門とする「エコノクラスツ」のチャンネルから、欧州が直面しているマクロ経済的な構造問題についての解説が行われています。動画ではまず、中国が欧州に対して莫大な貿易黒字を積み上げている現状が示されました。今年最初の4か月間だけで、中国の経常黒字は前年同期比で24%も急増しています。この背景には、米ドルにペッグ(連動)している中国人民元が、ユーロに対して減価(価値が下落)したという為替動向が影響しています。この結果、安価な中国製品が流入し、ドイツの自動車産業や工作機械メーカー、グリーンテクノロジー企業などが深刻な競争激化に晒されています。

こうした事態を受け、欧州連合(EU)の内部、特にフランスや一部のシンクタンクからは、産業の空洞化を防ぐために中国に対して制裁関税を課すべきだという圧力が強まっています。しかし、動画のスピーカーは、このような関税による対抗措置を「致命的な過ち」であると強く警告しています。かつてドナルド・トランプ氏の関税政策を批判していた経済学者たちが、今回は一転してEUによる関税導入を支持し、パニックに陥っている現状は矛盾しているという指摘です。そもそも巨額の財政赤字を抱える米国ならまだしも、世界全体に対して貿易黒字を維持しているEUが、特定の国に対して関税を課すことは論理的に整合しません。

さらに、欧州が中国からの輸入に依存しているのは完成品だけでなく、第三国へ輸出するための製品に組み込む重要な「部品」や「中間財」であるという複雑なサプライチェーンの現実があります。もし欧州が関税を課せば、中国側は報復措置として半導体の販売制限や、レアアース(希土類)などの重要な鉱物資源の輸出禁止措置を取る可能性が極めて高いと考えられます。トランプ氏がかつて中国との間で最終的に妥協を余儀なくされたように、貿易戦で中国を屈服させることは困難であり、むしろ相互に深く結びついた現代の経済において、こうした強硬な「マチョ(男性誇示的)」な貿易戦略は、欧州経済の失速をさらに悪化させる結果にしかなりません。

欧州、とりわけドイツの産業競争力の低下は、近年の為替や中国の台頭だけが原因ではなく、2018年頃から顕著になっていた国内の「投資不足」という構造的な病巣に起因しています。2003年のユーロ導入以降、ドイツは緊縮財政を進めるにあたり、社会保障の削減ではなく、公共投資の削減を選びました。政府が投資を止めたことで、民間投資も連動して崩壊し、パンデミック以降もその低迷は続いています。これに対して、中国はインフラや新技術への国内投資を的確に継続しており、同じ重商主義(輸出を最大化する政策)的な国家でありながら、中国の方が賢明な投資戦略をとってきたと言えます。構造的な投資不足という本質的な問題を放置したまま貿易戦争に突入すれば、欧州の産業衰退は止まらなくなると結論付けられています。

Europe is making a fatal mistake - YouTube

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