【海外動画より】シカゴ大学の著名な政治学者であるジョン・ミアシャイマー教授が、米国とイランの間で交渉が進められている新たな合意の枠組みと、その背景にある地政学的・経済的なリアリティについて詳細な分析を行っています。教授は、米国側が核問題を最優先で解決した上で圧力を強めたいと考えているのに対し、イラン側はまず確実な停戦やホルムズ海峡の封鎖解除、凍結資産の返還や制裁緩和といった具体的な利益を先行させたい考えであり、両者の思惑が対立していると指摘します。さらにトランプ米大統領は国内の強硬派やイスラエルからの強い圧力に直面しており、核プログラムの排除を交渉の前提に据えざるを得ない複雑な状況に追い込まれていると解説しました。
また、教授は今回の外交交渉が活発化している背景には、軍事的な限界だけでなく極めて深刻な経済的危機があると強調しています。ホルムズ海峡の封鎖が長期化すれば、原油価格の高騰や深刻なインフレを招き、米欧経済は1970年代以来となる「スタグフレーション」の瀬戸際に立たされることになります。米国債の利回り上昇や債務管理の悪化といった金融市場からの強い制約が、米国の覇権的な行動を実質的に縛っている現状を説明しました。トランプ大統領にとっても、秋の中間選挙を控える中で経済崩壊は致命傷になり得るため、今回の停戦に向けた動きは米国のパワーが市場や経済の現実によって限界を突きつけられた結果であると分析しています。
最後に地政学的な視点から、今回の事態がイスラエルや米国の同盟関係に与える打撃についても言及しました。当初の軍事作戦が目指したイランの完全な弱体化や代理勢力の排除は達成されておらず、むしろレバノンでの戦況悪化やイランの軍事力によって、イスラエルの戦略的な敗北が浮き彫りになっています。また、湾岸諸国もイランからの報復を恐れて米国のさらなる爆撃拡大に強く反対している現状を紹介しました。教授は、イランの現体制や軍事力が維持されたまま合意がなされれば、それは事実上のイラン側の勝利を意味し、今回の軍事介入の決断は2003年のイラク戦争をはるかに凌駕する「米国外交史上最大の失策」として歴史に刻まれることになるだろうと警告し、冷静な見解を締めくくりました。
A new Iran deal? | John Mearsheimer - YouTube
0 件のコメント:
コメントを投稿