William Astore on Joe Kent's Principled Resignation - Antiwar.com Blog [LINK]
【海外記事紹介】アメリカの元グリーンベレー(陸軍特殊部隊)隊員であり、トランプ政権の内部にいたジョー・ケント氏が、イランとの戦争に反対して辞任した件について、歴史学者のウィリアム・アストア氏が独自の視点から分析を行っています。ケント氏は辞職願の中で、トランプ大統領が対イラン戦争を決断した背景に、イスラエルやロビー団体であるAIPAC(米国イスラエル公共事務委員会)の強い影響があったと指摘しました。これに対しトランプ大統領は、実戦経験豊富なケント氏を「安全保障に弱い」と一蹴し、一部の団体からは氏の指摘が反ユダヤ主義的であるとの非難も上がっています。
アストア氏は、政府内部で異を唱える者が直面する厳しい現実を浮き彫りにしています。ケント氏のような実力者が実名で批判を行うことは、多大な個人的人身攻撃のリスクを伴う勇気ある行動です。一方で、かつて反戦や政権交代を目的とした戦争への反対を鮮明にしていたトゥルシー・ギャバード国家情報長官(DNI)の対応には、失望の色を隠せません。ギャバード氏は、トランプ大統領が「圧倒的な支持」で選ばれた最高司令官であり、情報を「慎重に検討」した上でイランを「差し迫った脅威」と判断したとする公式声明を出しました。アストア氏はこの声明を、トランプ氏におもねり、実態を反映していない「慎重に言葉を選んだ無意味なもの」だと厳しく批判しています。
アストア氏によれば、イランが米国にとって物理的に差し迫った脅威であったという根拠は乏しく、むしろイスラエルと米国による攻撃が事態を悪化させた側面があります。長年ギャバード氏を支持してきたアストア氏ですが、彼女がトランプ氏の無謀で不法な戦争を黙認し、加担している現状を受け、自身の見解が誤っていたことを認めています。内部に留まって大統領の暴走を抑制するよりも、職を辞して抗議することこそが、本来の彼女に期待されていた役割であったと述べています。
今回のケント氏の辞任は、トランプ氏を強く支持してきた層や軍内部においても、この悲惨な戦争に対する支持が揺らぎ始めている兆候かもしれません。ケント氏の軍歴とこれまでの忠誠心があるからこそ、彼の「イランに差し迫った脅威はなかった」という言葉は、公式な物語に疑問を抱かない人々に対しても強い説得力を持つことになります。一連の動きは、米国内の権力構造と、異論を排除しようとする政治的圧力を象徴する出来事となっています。