War on Iran Is the Opposite of ‘Realism’ - The American Conservative [LINK]
【海外記事紹介】トランプ政権が中東で進める大規模な軍事増強を受け、イランとの戦争がいかにアメリカの「現実主義(リアリズム)」的な国益に反するかを警告する論説をご紹介します。
この記事は、現在トランプ政権が掲げている「柔軟な現実主義」という外交指針を真っ向から否定しています。本来、現実主義とは地理的条件や軍事力の配分に基づき、自国の安全と繁栄を最優先する考え方です。地球の反対側にある中規模国家に過ぎないイランは、超大国であるアメリカにとって直接的な軍事脅威ではなく、その統治形態が神権政治であるかどうかも、リアリズムの観点からは介入の理由にはなりません。
むしろ、アメリカがイランを攻撃することは、本来阻止すべき「地域覇権国」を自らの手で作り出すという致命的な過ちを犯すことになると論評されています。現在、中東で覇権を狙っているのはイスラエルであり、宿敵であるイラン体制が崩壊すれば、イスラエルは世界経済にとって不可欠なこの地域全体を支配する力を得ることになります。アメリカにとっての最善策は、軍を引き揚げてイラン、トルコ、アラブ諸国による自然な勢力均衡を促すことであり、イスラエルの覇権争いを肩代わりすることではありません。
現在、アメリカはイランの報復を封じ込めるために、指導部の殺害を含む大規模な先制攻撃を準備していると分析されています。しかし、ひとたび戦火が広がれば、ホルムズ海峡の封鎖による世界的な石油危機や、米軍兵士への甚大な被害、さらにはイスラエルによる核兵器使用の可能性まで、最悪のシナリオが現実味を帯びてきます。
トランプ大統領は、軍事的な威圧によって交渉を有利に進めようとしているのかもしれませんが、空母を含む海軍の3分の1を地域に派遣するような行為は、かえってイスラエルによる挑発を招き、アメリカを望まない戦争へと引きずり込む危険性を高めています。アメリカにとって失うものが大きすぎるこの戦争を回避するためには、一刻も早い外交的な沈静化が必要であると結ばれています。