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「反インフレ経済勉強会」開講のお知らせ

インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...

2026-05-24

ガザ、キリスト教徒への暴力

【海外動画より】ジャーナリストのタッカー・カールソン氏の番組に出演したパレスチナ系アメリカ人の牧師が、ガザ地区やヨルダン川西岸地区で過酷な状況に置かれているパレスチナ人クリスチャンの実態と、彼らが直面している構造的な圧力について語る動画をご紹介します。

中東地域、特にパセレスチナの地に暮らすキリスト教徒(クリスチャン)の存在とその苦難については、国際社会で十分に知られていません。パレスチナ系アメリカ人のキリスト教牧師は、メディアで幅広く活動するジャーナリストのタッカー・カールソン氏のインタビューに応じ、イスラエル政府や入植者からパレスチナ人クリスチャンに対して組織的・構造的な圧力が加えられている実態を告白します。イスラエルの人権団体「ロージング・センター」の調査によると、2024年だけでクリスチャンを対象とした攻撃が111件記録されており、これらは単発の偶発的な事件ではなく、住民を土地から追い出すための広範なシステムの一環であると同牧師は指摘します。

ヨルダン川西岸地区のクリスチャンコミュニティでは、隣接するユダヤ人入植地が拡大する一方で、パレスチナ人住民は給水制限により数週間も給水車を待たねばならないといった不条理な格差に直面しています。さらに、軍による民家の占拠や、入植者による住民の殺傷事件に対して適切な捜査や逮捕が行われない不処罰の文化が定着しています。同牧師は、一部のパレスチナ人による暴力やテロ行為についてはキリスト教徒の立場から一貫して反対・非難してきたことを強調した上で、パレスチナ人が事件を起こした際には即座に射殺や拘束、家族の住宅破壊といった連帯責任的な厳しい処罰が下されるのに対し、入植者による暴力は軍や体制によって事実上見過ごされているという深刻な司法の不平等を訴えます。

特に悲惨を極めるのがガザ地区の現状です。ガザには由緒あるキリスト教会やクリスチャンのコミュニティが存在しますが、軍事作戦にともなう無差別な攻撃により、多くの聖堂が破壊され市民が犠牲になっています。ガザ・バプテスト教会のピアニストであった84歳の女性が、自宅の状況を確認しに行った際に狙撃され、救護を求めながら3日間にわたり放置されて死亡した事例や、教会の敷地内で高齢の女性とその娘が銃撃された生々しいエピソードが明かされます。これらはテロとは無関係に、ただその土地に留まり平和に生きることを望んでいた普通の人々でした。

同牧師が最も強い懸念を抱いているのは、米国内の一部のキリスト教指導者や福音派の信徒たちが、現地の客観的な事実やクリスチャン同胞が受けている迫害の現実を知らないまま、あるいはそれを知りながらも政治的な立場から軍事行動を無条件に支持・支援している点です。パレスチナ人クリスチャンは歴史的に、ユダヤ系やイスラム系の隣人たちと平和的な共存を望み、暴力を否定するキリストの教えを実践してきたと説きます。米国からの資金や軍事援助が、結果として同じ信仰を持つ現地の人々の生活基盤や教会の破壊につながっている矛盾に目を向け、宗派や民族を問わずすべての人間の尊厳と平和を守るための客観的な視点が必要であると提唱しています。

Why Are We Paying to Bomb Christian Churches in Gaza? - YouTube

中露、独自の経済圏拡大

【海外動画より】経済アナリストのショーン・フー氏が、ロシアと中国の首脳会談による脱ドル化の加速や、米国の対イラン政策がもたらす実体経済の危機について語る動画をご紹介します。

中ロ首脳会談の閉幕は、単なる外交的な儀礼にとどまらず、現在の世界秩序とは異なる新たな枠組みの構築を決定づけるものとなりました。経済アナリストのショーン・フー氏は、トランプ大統領が依然として自らの外交手腕を過信している一方で、中ロ両国は着実に独自の経済圏を拡大していると指摘します。現在、両国間の二国間貿易のほぼ100%がルーブルまたは人民元で決済されており、長年続いたドル基軸体制からの脱却が進行しています。さらに、イラン情勢の緊迫化にともなうホルムズ海峡の危機は、西側諸国が依存してきたエネルギー安全保障の脆弱性を浮き彫りにしました。

中ロ両国はこの危機を逆手に取り、北極圏のエネルギー資源を北京や上海の製油所へ直接つなぐ大規模な新型パイプラインの建設を進めています。これは中国の年間ガス消費量の12%に相当する規模であり、すべての取引が人民元ベースで行われるため、米国の制裁が及ばない「制裁耐性」を持ったエネルギー供給網が完成しつつあります。また、中国のクロスボーダー貿易における人民元決済の割合は35%に達しており、過去数年で3倍以上に急増しています。トランプ政権による対イラン強硬策や軍事的な緊張は、皮肉にもドル離れを加速させる絶好の機会を中国に提供する結果となりました。

中国の戦略はイランの要求とも完全に一致しています。イランが求める制裁の解除や凍結資産の返還が実現すれば、その巨額の資金は中国の資産や金市場に流れ込み、北京の金融エコシステムをさらに強化することになります。また、トランプ大統領がイラン情勢への警戒を強める一方で、中国は米国軍事産業に不可欠なレアアース(希土類)の供給能力の大部分を握っており、これが西側に対する強力な交渉カードとなっています。

この地政学的な混乱は、米国内の深刻なインフレとなって一般消費者の生活を直撃しています。穀物や野菜などの食料品価格がかつてない規模で急騰しており、この背景にはエネルギー価格の上昇にともなう農業コストの増加があります。肥料や農機具用ディーゼル燃料の高騰は農家の経営を圧迫し、作付けの縮小や生産量の減少を引き起こしています。ショーン・フー氏は、ホルムズ海峡の閉鎖が長期化すれば、2027年末までに食料価格がさらに35%上昇する可能性があるという試算を示します。資金需要の拡大にともなう金利上昇の圧力も加わり、米国経済は実体経済の足元から深刻な危機に直面していると警鐘を鳴らしています。

BLOWBACK: China Issues Fatal Warning To Washington; McDonalds Proves US Economy Is Done - YouTube

教育システムの罠

【海外動画より】ベストセラー『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者として世界的に知られる投資家・作家のロバート・キヨサキ氏が、既存の教育システムがもたらす経済的な罠と、真の自由を得るための金融リテラシーの重要性について語る動画をご紹介します。

学校教育のルールに従って一生懸命に勉強し、学位を取得して就職したにもかかわらず、多くの人々が経済的な自由を得られずに慢性的な不安を抱えています。投資家であり著名な作家でもあるロバート・キヨサキ氏は、この状況は個人の失敗ではなく、資産を築く人間ではなく従順な労働者を育てるために意図的に設計された社会システムの「成果」であると指摘します。同氏は、現代のビジネスや富の構築において重要な役割を果たしてきた歴史的な転換点として、1903年、1971年、1974年の3つの重要な年を挙げてその構造を紐解きます。

最初の転換点である1903年、大富豪のジョン・D・ロックフェラーが一般教育委員会を設立し、米国の教育カリキュラムの基礎を築きました。この仕組みは、人々を現在の立ち位置に留め、上層へ這い上がらせないための「封じ込め戦略」であり、指示に従いミスを恐れる従順な従業員を量産する目的で導入されました。次に1971年、ニクソン大統領がドルと金の交換を停止したことで、通貨は実体を持たない政府の「約束(債務)」へと変貌しました。これにより、政府が自由に紙幣を印刷できるようになり、現金を貯蓄する行為そのものがインフレによって富を失う敗者の選択肢となりました。

最後の1974年、米国の法律によって企業が従業員の退職金を保証する従来の年金制度が事実上廃止され、個人の自己責任による401k(確定拠出年金)へと移行しました。金融リテラシー(お金の知識)を全く教えられていない何百万人もの労働者が、ウォール街の金融機関に手数料を支払い続ける投資家へと仕立て上げられたのです。学校では「文字の読み書き」を教えますが、お金の動きを理解する「金融リテラシー」は一切教えません。文字の知識しか持たない人々は、生涯にわたり金融知識を持つ人々のために労働力を提供する dependency(依存状態)から抜け出せなくなります。

この罠は、医師や弁護士といった高収入の専門職であっても例外ではありません。自らが働き続けなければ収入が途絶える仕組みの中にいる限り、それは高所得という名の刑務所にいるようなものです。国や会社、金融機関が用意したルールは、利用者の利益ではなくシステム自体の維持を目的に最適化されています。この労働と依存のマシーンから抜け出す唯一の方法は、学校が教えることを拒んだ金融リテラシーを自ら学ぶことです。資産と負債の真の違いを理解し、時間の切り売りを止めて自分が眠っている間にも動く仕組みを構築することこそが、真の経済的自由への道であると結んでいます。

Why Following the Rules Still Left You Financially Trapped - Robert Kiyosaki - YouTube

米イラン、合意形成か

【海外動画より】シンクタンクの幹部であり、中東情勢の分析で知られるトリータ・パルシ氏が、緊迫する米国とイランの対立、そして舞台裏で進む外交交渉の行方について語る動画をご紹介します。

現在の米国とイランの二国間交渉は、公の場での発言自体が相手の出方を探る駆け引きの一部となっています。ワシントンにあるシンクタンク、クインシー研究所のトリータ・パルシ副所長は、イラン側が「依然として重大な相違がある」と長期戦を示唆する発言をしているものの、これは時間的猶予をアピールするための戦術である可能性があると分析します。一方で、トランプ大統領には残された時間が多くありません。米国の長期国債の利回りが急上昇するなど、戦時下の経済的な危機ラインに近づいており、今後数週間以内に合意に至らなければ、大統領が望むような経済回復の恩恵を享受できなくなるためです。

パルシ副所長は、双方が交渉を引き延ばすことは「妨害派」に合意を頓挫させる機会を与えることになり、極めて不賢明であると指摘します。さらに、秋の中間選挙でトランプ大統領の与党が議会の多数派を失えば、政権はレームダック(死に体)化し、制裁解除などの実行力は劇的に低下します。イラン側もまた、戦時体制による国民への締め付けが永遠に続くわけではなく、国内の不満や経済的困窮への対処という課題を抱えています。しかし今回の交渉が過去と異なるのは、イランがホルムズ海峡の管理権という強力な交渉カードを握っている点です。

イランはウラン濃縮能力そのものを放棄することはありませんが、濃縮ウランの貯蔵量を国外に搬出することや、一定期間の濃縮停止といった妥協案には柔軟な姿勢を見せ始めています。トランプ大統領もまた、過去の政権とは異なり、米国企業によるイランへの関与や金融制裁の解除といった一次制裁の緩和を、政治的コストとみなさず柔軟に対応する構えです。オマーンが仲介するホルムズ海峡の「環境・管理手数料」の導入案など、国際法上の前例を避けつつイランの優位性を認める形での決着が模索されています。

米国が軍事力によって海峡を強制的に開放することはコスト的に不可能であり、周辺の湾岸諸国も米国の安全保障能力に限界を感じ、イランとの統合や外交関係の再構築へと舵を切り始めています。パルシ副所長は、ワシントンの対イラン強硬派(タカ派)がトランプ大統領を直接批判し始めていること自体が、水面下で具体的な合意が形成されつつある証拠であると結論づけています。背後ではパキスタンやカタール、さらには中国が不可欠な外交アクターとして静かに影響力を強めており、地域情勢はこれまでの対立構造から大きな転換期を迎えていると述べています。

Inside Iran's New Strategy to Counter Trump's Attack | Trita Parsi - YouTube

イラン、攻撃に備える

【海外動画より】イラン大統領府の顧問を務めた経験を持つテヘラン大学のモハマド・マランディ教授が、混迷を極める米国とイランの外交交渉の実態や、緊迫する軍事情勢について語る動画をご紹介します。

米国とイランをめぐる外交の最前線では、双方が合意に近づいているとする米国の見解と、両者の隔たりは依然として大きいとするイランの見解という、矛盾した情報が錯綜しています。元イラン核交渉チームのアドバイザーであるテヘラン大学のモハマド・マランディ教授は、イラン側から見ると両国の間には依然として大きな溝が存在すると指摘します。米国側は交渉の進展を急ぐ切迫感を強めていますが、イラン側にはそのような焦りはありません。経済的なインフラへの攻撃や包囲網によって国内の雇用や物価に影響は出ているものの、グローバル経済の受けているダメージの方がはるかに深刻であり、国際社会の方が破局の危機に瀕していると認識しているためです。

イランの外交姿勢の基本として、過去の条約や合意において米国側に何度も約束を破られてきた苦い経験から、ワシントンに対する強い不信感が根底にあります。そのため、パキスタンなどの仲介者を通じたメッセージを盲信するようなことはなく、交渉の最中であっても常に最悪のシナリオを想定しています。イランは自ら戦争を仕掛けたわけではないという大義名分のもと、主権の侵害や不当なアメリカ側の要求には一切屈しない構えです。仮に交渉が決裂して再び軍事的な衝突に発展した場合でも、イランの防衛体制や軍事能力は数ヶ月前よりも格段に強化されており、米イラン双方とも事態は戦闘の再開に向けて備える局面に入っているとマランディ教授は分析します。

戦略上の要衝であるホルムズ海峡の管理権は、イランにとって最も強力な対抗手段となっています。かつての衝突でも海峡の封鎖が国際的なエネルギー供給の生命線に決定的な影響を与えたように、イラン側が譲歩を見せることは容易ではありません。現政権はアメリカが週末に市場への衝撃を避ける形で攻撃を仕掛けてくる可能性を警戒し、国内の空域を閉鎖するなど高い警戒態勢を維持しています。周辺の湾岸諸国や中東の各勢力は事態の推移を注視し、一部で仲介の動きはあるものの、この問題の核心はあくまで米国とイラン、そしてイスラエルとの直接的な力関係に集約されています。イラン国内の世論は直面する経済的困窮を耐え抜く強靭さを保っており、交渉で有利な立場を維持しながら長期戦も辞さない構えであると論じています。

Seyed M. Marandi: Iran Closes Its Airspace as Negotiations Fail and the U.S. Prepares to Strike - YouTube

米の敗北、変わる世界

【海外動画より】米国のジャーナリストでありニュースサイトの編集長を務めるベン・ノートン氏は、動画配信において米国が開始したイランとの戦争が敗北に向かっており、これが世界の勢力図を大きく変えつつある現状を冷静に解説しています。かつてイラク戦争やリビアへの軍事介入を主導してきたワシントンのネオコンと呼ばれる新保守主義の戦争タカ派でさえ、現在の米国がこの紛争で劣勢に立たされている事実を渋々認め始めていると指摘しています。

ノートン氏は、その象徴的な動きとして、著名な外交政策思想家であるロバート・ケーガン氏が、雑誌『アトランティック』に「イランでのチェックメイト」と題する記事を寄せたことを挙げています。ケーガン氏は記事の中で、米国がこの戦争で敗北しつつあり、その結果として生じる地政学的な影響をワシントンがもはや制御することはできないと吐露しています。この敗北は、過去のベトナム戦争以上の甚大な衝撃を世界に与え、米国の覇権の衰退を加速させる一方で、中国やロシア、そしてグローバルサウス諸国の地位を強固なものにすると分析されています。

米国とイスラエルが開始したこの軍事行動は、米国に深刻な泥沼化をもたらしています。米国情報機関がリークした情報によれば、イランは強固な防衛網により大半のミサイル能力を維持しており、ホルムズ海峡の封鎖にも長期間耐えうる優位性を持っています。また、中東の米軍基地の多くがイラン側の反撃で甚大な損害を被ったとされています。さらに、この紛争が引き起こした石油危機により、世界的な経済停滞や肥料不足による食料危機が誘発され、米国内でもインフレや生活費の高騰が深刻化しています。最新の世論調査では米国市民の60%がこの戦争に強く反対しており、トランプ政権の支持率は急落しています。

ノートン氏は、長年戦争を煽ってきたビル・クリストル氏などの他のネオコン勢力も、政権の不人気と戦争の失敗を察知して次々と逃げ出そうとしている政治的便乗主義を指摘しています。そして、今回のイラン戦争における米国の挫折は、西アジア地域に留まらず、今後の世界の経済と地政学のあり方を根本から一変させる歴史的な地殻変動になる可能性が極めて高いと結論付けています。

US defeat in Iran War will change the world - Now even American hawks admit it! - YouTube

米、力の限界

【海外動画より】米国の著名ジャーナリストであるクリス・ヘッジズ氏、国際政治学者のスティーブン・ウォルト教授、そして同じくジャーナリストのライアン・グリム氏による対談動画において、現在のイランを巡る紛争と米国の国力の限界について冷静な議論が交わされています。ウォルト教授はかねてより、米国の中東における軍事的な関与を縮小させることが自国の国益に適うと一貫して主張してきましたが、現在の事態は米国の主体的な選択ではなく、対立勢力の軍事行動によって中東からの撤退を事実上余儀なくされるという極めて厳しい局面を迎えています。

ウォルト教授は、米国が過去30年以上にわたり中東の安定に寄与してこなかったと詳細に振り返ります。2003年のイラク侵攻などの軍事介入は地域を過度に不安定化させ、結果として過激派組織の台頭を招きました。また、今回のイランへの攻撃によって世界のエネルギーや食料の価格が高騰しており、アジアや欧州の同盟国からは、米国の意思決定能力に対する深刻な不信感が抱かれ始めています。米国とイスラエルの利益は必ずしも一致しておらず、米国が自国の主体性を発揮するためには、現在の誤った軍事支援を停止し、戦争を早期に終わらせる決断が不可欠であると強く訴えています。

ヘッジズ氏は、米国が過去の教訓を活かせずに同様の失敗を繰り返す背景として、軍事産業から資金提供を受けているシンクタンクや、現実離れしたイデオロギーに依存した歪んだ意思決定システムを詳しく挙げます。今回のイラン攻撃も、短期間で現体制が崩壊するという甘い見通しに基づき、十分なチェック機能を経ずに強行されたと批判しています。さらに、イランは数十年にわたり空軍力の劣勢を想定し、山岳地帯の地下に強固なミサイル都市を構築しており、米国の高額な兵器が、ドローンなどの安価な非対称兵器によって効果的に無力化されている実態が詳細に明らかにされています。

対談の最後では、この紛争が長期化すれば、重要な部品や原材料のグローバルな供給網の崩壊が一段と進み、現在の景気後退がさらに深刻な世界大恐慌へと発展する深刻なリスクがあることが強く警告されています。

Chris Hedges, Stephen Walt and Ryan Grim on the Limits of U.S. Power in Iran - YouTube

バルト3国の暴走


【海外動画より】米国の著名な経済学者であるジェフリー・サックス教授は、対談動画の中で、現在の欧州における安全保障環境、特に関係悪化が続くバルト海沿岸地域の現状について深刻な懸念を表明しています。サックス教授は、北大西洋条約機構(NATO)とロシアの間で段階的な軍事のエスカレーションが続いており、バルト三国からのドローンがロシア領内を攻撃しているとされる事態を受け、この地域が現在「世界で最も危険な場所」になっていると警告しています。

サックス教授は、このような危機的状況を招いた背景に、欧州側における深刻な「外交の不在」と「反ロシア感情」の暴走があると指摘しています。欧州連合(EU)が外交トップである上級代表に、強硬な対露姿勢で知られるバルト三国出身のカイヤ・カラス氏を起用したことで、欧州全体の外交方針が一部の極端な意見に引きずられる結果になったと分析しています。また、本来であればブレーキをかけるべきフランスやドイツの指導者層の対応、特にドイツのメルツ首相が外交交渉に関心を示さず、軍備増強へと舵を切っている現状を、極めて不責任であると批判しています。

さらに教授は、現在の対立を歴史的な経緯の忘却という観点から説明しています。1990年のドイツ統一の際、当時の西側諸国はソビエト連邦に対して「NATOを東方に拡大しない」という明確な約束を交わしていました。ドイツや欧州の指導部が、こうした過去の約束や2015年のミンスク合意といった平和への枠組みを完全に無視し、対話を拒否し続けていることが、不必要な対立と相互の不信感を煽っているのが実態です。

サックス教授は、対立が取り返しのつかない大国間の直接戦争へと発展することを防ぐためには、欧州の指導者が一刻も早く対露外交を再開するべきだと訴えています。直近ではアンゲラ・メルケル前首相らがロシアとの対話の必要性を口にし始めるなど、遅まきながら外交の正常化を巡る議論が浮き彫りになりつつあります。教授は、都合の良い身内だけの対話から脱却し、ロシアのラブロフ外相のような当事者と直接向き合って歴史的な事実を確認し合うことこそが、欧州自身の安全保障を回復するための唯一の道であると結んでいます。

Jeffrey Sachs: The Baltic States Are Now the “Most Dangerous Place” in the World - YouTube

中規模国家の時代

【海外動画より】国際関係の専門家であるジアン・シュエチン「教授」は、動画配信の中で、現在の世界情勢の本質は単なる対立の「エスカレーション」ではなく、国際秩序そのものの「移行」であると冷静に分析しています。世界各地での軍事的な緊張や制裁措置の応酬は、突発的な混乱ではなく、主要国が数年前から戦略的かつ意図的に進めてきたグローバルな再編成の動きが表面化したものであると指摘しています。

教授は「戦略的漂流」という独自の枠組みを用いて、主要各国の現状を詳細に読み解いています。米国は、冷戦終結後から維持してきた「世界の警察官」としての役割を、莫大な債務や国内の政治的対立を背景に、持続不可能であると判断して縮小させています。これは衰退ではなく、最先端技術や金融システム、エネルギー輸出をレバレッジとした、より効率的な覇権モデルへの戦略的な再調整であると捉えるべきです。一方、急速な台頭を続ける中国は、一見すると自信に満ち溢れているように見えますが、その実態は労働人口の減少という深刻な人口動態の危機や国内不動産市場の低迷に直面しており、戦略的な猶予が失われつつあることへの焦燥感が背景にあると解説しています。

また、欧州がロシアへのエネルギー依存や米国の無条件の防衛という過去の前提に揺るぎを見せ、長期的な戦略ビジョンを欠いたまま不確実性に直面しているのに対し、インドやブラジルといったグローバルサウスの諸国は、米中いずれのブロックにも完全には属さない「主権ヘッジ」と呼ばれる先進的な外交を展開しています。特定の超大国に依存せず、双方から投資や技術、エネルギーなどの実利を引き出すこの賢明な手法が、国際舞台で着実に発言力を強めています。

世界秩序は、米国が安全保障や自由な市場を無条件で提供していた時代から、同盟国に対価やサプライチェーンの協調を求める「条件付きの覇権」へと大きく変化しています。シュエチン教授は、これからの激動の時代において最も利益を享受するのは、軍事力で圧倒する国ではなく、戦略的資源や地理的優位性を活かして多くの選択肢を柔軟に維持できる中規模の国家である可能性が高いと結んでいます。

Prof. Jiang Xueqin | The Global Balance of Power Has Shifted — And It Changes Everything - YouTube

トランプ氏、若年層の支持低下

【海外動画より】米国の著名ジャーナリストであるタッカー・カールソン氏は、自身の動画配信において、共和党の深刻な変質と支持層の間に広がる失望について冷静に語っています。カールソン氏はかつて、政府は米国市民の利益のためにのみ存在するべきだという「アメリカ・ファースト」の理念に深く共感し、トランプ大統領の誕生に大きな期待を寄せていました。しかし、最近のイランへの軍事行動の開始や、ジェフリー・エプスタイン事件に関する関連ファイルの非公開化といった一連の決定により、かつての重要な公約が大きく裏切られたと指摘しています。

こうした党の変質を象徴する具体的な出来事として、ケンタッキー州の共和党下院議員予備選挙におけるトーマス・マッシー議員の敗北が詳しく挙げられています。マッシー氏は同国の巨額の財政赤字を背景に、あらゆる対外支援の削減を訴えてきた原則主義的な政治家ですが、イスラエルへの財政支援に異を唱えたことで、親イスラエル・ロビー団体や富裕層ドナーから激しい標的にされ、多額の選挙資金を投入されて敗北へ追い込まれました。カールソン氏は、これが真の民主的プロセスではなく、一部の富裕層による影響力行使の現れであると批判的に捉えています。

番組に登場した世論調査専門家のリッチ・バリス氏との対談では、支持基盤の構造変化がデータによって浮き彫りになりました。バリス氏の調査によると、2024年当時にトランプ氏の路線を支持していた45歳未満の若年層やミレニアル世代の間で、国内経済を軽視して対外的な問題に注力する現政権への不満から支持率が急速に低下しています。支持層の高齢化が進む中、バリス氏は若者が主体的に投票に参加しない限り、共和党が将来的に一般選挙で勝利することは難しくなると予測しています。

カールソン氏は、現在の共和党が米国市民のための党から遠ざかり、超党派の戦争支持勢力のようになっている現状を憂慮しています。しかし、この厳しい現状は有権者に政治の仕組みを直視させる大きな契機となり、既存の崩壊した枠組みを超えて、より誠実で直接的な新しい政治運動が本格的に生まれる始まりになるかもしれないとも述べています。

Tucker Responds to the Israel Lobby Defeating Thomas Massie and Killing MAGA - YouTube

2026-05-23

独立性失う米情報機関

【海外動画より】米国の高名な法学者であり元判事の最高顧問を務めるアンドリュー・ナポリターノ氏がホストを務める対談番組にて、元中央情報局(CIA)アナリストのラリー・ジョンソン氏とレイ・マクガヴァン氏を交えた元情報機関幹部らによる緊迫した情勢分析が行われました。今回の主な焦点は、米国の国家情報長官であるタルシ・ギャバード氏が突如として辞任を発表したニュースの裏側に隠された、現政権内部の深刻な対立と情報の歪曲です。

公式発表ではギャバード氏の家族の重病が理由とされていますが、番組のスピーカーらはこれが表面的な大義名分にすぎないと見ています。実際には、イランが2003年以降核兵器を開発していないとする同氏の議会証言や、中東情勢に関する不都合な真実の報告が、政権が描く公式なストーリーと真っ向から衝突したため、事実上排除されたというのが専門家らの分析です。情報機関の分析が政治的な思惑と合致しない場合に、その責任者やアナリストが遠ざけられ、政策決定者が都合の良い情報だけを吸い上げるという構造的な問題が改めて露呈した形です。

さらに深刻な問題として、特定の情報機関が独立性を失い、政権内の特定の人物によって大統領に届く情報が遮断・操作されている懸念が挙げられています。これにより、米軍や政府内では、実態とはかけ離れたイランの戦力過小評価や、過激な軍事行動を誘発しかねない計画が秘密裏に進められている可能性が指摘されています。具体的には、米国の重要な祝日であるメモリアルデーの週末に向けて、軍の危機管理チームが不測の事態に備えて待機を命じられていることなど、緊迫した動きが裏付けとして語られています。

番組のスピーカーらは、このような実態を無視した独断的な外交・軍事政策は極めて危険であり、中東での偶発的な衝突リスクを高めるだけでなく、国際法を軽視する米国の姿勢が結果として同盟国や中東周辺国との亀裂を決定的にしかねないと警告しています。政権に盲従するのではなく、情報機関が本来持つべき客観性と事実に基づく分析を維持することの重要性と、それが損なわれた際の国家的なリスクの大きさが、元当事者たちの冷徹な視点から詳細に解説されています。

INTEL Roundtable w/ Johnson, McGovern, & Scott Ritter - Weekly Wrap 22-May - YouTube

インフレと社会の分断

【海外動画より】米国の著名な投資家であり、リバタリアン(自由至上主義)の立場から独自の経済論を展開するエッセイストのダグ・ケイシー氏は、対談番組の中で現在の米国経済が直面している深刻な歪みと、社会の分断について極めて冷静かつ厳しい見通しを示しています。ケイシー氏は、株価などの金融市場が史上最高値圏にあって一見好調であるように見える一方で、実体経済における一般消費者の生活は極めて困窮しているという「二極化」の現状を指摘しています。

現在の米国では、クレジットカードの延滞率や学生ローンの不払い率が過去最高水準に達しており、消費者心理も著しく悪化しています。ケイシー氏は自身の体験として、ファストフードや一般的な飲食店での物価が、かつての記憶とは比較にならないほど高騰している事実を挙げ、政府が発表するインフレ指標は現実を正確に反映していないと批判しています。このように実体経済が疲弊しているにもかかわらず市場だけが沸き立っている状況は、歴史的に見ても持続不可能であり、過去のハイパーインフレ期のような過剰流動性による一時的な幻影にすぎないと分析されています。

さらに、この深刻な経済的格差は、単なる富の偏在にとどまらず、世代間や民族間の深刻な対立という社会的な分断を深める要因になっていると同氏は論じています。特に、資産を保有し株高の恩恵を受けてきた高齢の世代と、高騰する住宅価格や物価、債務の負担に苦しむ若い世代との間には、埋めがたい認識の乖離と怨嗟の感情が蓄積されています。経済的な現実が見えず、若者の努力不足を責めるような風潮が、社会の根底でニヒリズムや羨望を原動力とした暴力的、あるいは破壊的なエネルギーを育てつつあるというのが同氏の見方です。

ケイシー氏は、このような政府の過剰な債務と通貨増発に依存した経済モデルはすでに限界に達しており、いずれ市場の崩壊や年金制度の危機を契機として、社会が制御不能な混乱へと向かうリスクがあると警告しています。動画では、こうしたマクロ経済の構造的な欠陥が個人の倫理観や政治の不透明さと結びつき、長期的には米国の存立そのものを揺るがす深刻な臨界点へと確実に近づいているという懸念が語られています。

“This Ends Badly” – Doug Casey on America’s Breaking Point - YouTube

メディアが金銀を嫌う理由

【海外動画より】米国の貴金属販売会社であるマネー・メダルズのポッドキャスト番組で、ホストを務めるマイク・マハリー氏と同社のマイク・グリーソン氏は、主要メディアが金や銀の情報をどのように扱っているかについて、独自の視点から対話を交わしています。両氏は、テレビなどの主流の経済ニュース番組では、金や銀といった貴金属に関する情報がほとんど報道されないか、あるいは否定的に扱われる傾向が強いと指摘しています。このような偏った報道が行われる背景には、政府が法定通貨制度に深く依存しているという構造的な要因があると分析されています。

一般の国民は、ドルなどの法定通貨が優れており、金は古くて価値が低いものであるかのように教育やプログラミングを施されていると両氏は論じています。その結果として、主要メディアの報道にも自然と貴金属に対する否定的なバイアスが入り込むことになります。彼らが運営する番組では、こうした主要メディアの枠組みから外れ、連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策や、金・銀の市場に密接に影響を与える地政学的なリスクについて、偏りのない客観的な分析を提供することを目指しています。

実際に、独自の知見や豊富な市場経験を持ちながらも、主要メディアから排除されてしまった専門家は少なくありません。例えば、著名な投資戦略家が特定の経済ニュース番組に出演できなくなった事例などが挙げられます。マネー・メダルズのポッドキャストでは、こうした主要メディアで発言の機会を失った専門家をゲストに招き、その深い知見や市場の本質に迫るインタビューを継続して配信しています。これにより、視聴者は他では得られない貴重な情報を手に入れることが可能になります。

動画では、長年にわたり提供してきた週刊の市場まとめや、専門家へのインタビューといったコンテンツの歩みについても触れられています。主要メディアのニュースだけに頼るのではなく、様々なプラットフォームを通じて多角的な視点から経済の実態を把握することが、現在の複雑な市場環境を理解する上で非常に重要であるという点が、この動画を通じて冷静に伝えられています。

Why Mainstream Media Hates Gold & Silver - YouTube

金下落は買い場

【海外動画より】米国の貴金属投資会社、シフゴールドの会長を務める著名な経済評論家のピーター・シフ氏は、ポッドキャスト番組の中で、足元の貴金属市場やマクロ経済の動向について冷静な分析を展開しています。直近では金、銀、そして鉱山株などの価格に一時的な調整、つまり引き戻しが見られますが、同氏はこの下落が現在の強気相場の終わりを告げるシグナルではなく、投資家にとっての絶好の買いの好機であると捉えています。市場の価格調整は、原油価格の上昇や債券利回りの高騰、そして米ドルの上昇に対する短期的な反応にすぎないと解説しています。

現在、投資家や市場参加者の多くは、米連邦準備理事会(FRB)による利下げが先送りされる可能性について過度に注目しがちですが、シフ氏はより長期的な大局を見るべきだと指摘しています。具体的には、戦争に関連する財政赤字の拡大、根強いインフレ圧力、米国経済の減速、そして最終的にはさらなる政府債務のマネタイズ、すなわち通貨増発を迫られるFRBへの圧力といった要因が背景に存在します。現在の市場はこうした構造的な大問題を過小評価し、目先の金利動向ばかりを追っていると同氏は論じています。

マクロ経済指標に目を向けると、国内総生産(GDP)の伸びの鈍化や、個人消費支出(PCE)物価指数の上昇が確認されており、さらには住宅市場にも弱さが見え始めています。シフ氏は、一部で主張されている堅調な経済見通しと、これら実際の経済データとの間には大きな乖離があると見ています。つまり、経済が停滞する中でインフレが進行する「スタグフレーション」の懸念が高まっており、戦時支出の増加や長期的な米ドル高の修正は、最終的に金や銀の価値を強く下支えすることになります。

Friday Gold Wrap - YouTube

米、中東撤退も

【海外動画より】中東およびウクライナを巡る緊迫した国際情勢と米国の今後の軍事戦略について、元米国防長官顧問であるダグラス・マクレガー退役陸軍大佐が多角的な視点から分析する動画が公開されました。マクレガー氏は、現行の停戦や一時的な休戦への提案が拒否されるなか、イランとの間で戦闘が再開される可能性が極めて高いと指摘し、次の局面では米国による激しい大規模な空爆や艦砲射撃が行われると予測しています。米国側は大量の弾薬やミサイルを実戦用だけでなく予備も含めて前線に積み上げており、前回の戦闘を大きく上回る高強度な攻撃準備を整えているという見解を示します。

しかし同氏は、イラン側もこれまでの戦闘をくぐり抜け、軍事力の約90%をほぼ無傷で維持していると分析します。さらにロシア製の最新鋭レーダーシステムや高性能防空ミサイル、中国製の最新の対艦巡航ミサイルなどを導入して完全に体制を立て直しています。ロシアや中国の技術者が現地に滞在して運用を支援している形跡もあり、戦闘が本格的に再開されればペルシャ湾西側の石油インフラや、サウジアラビアなどの死活問題となる淡水化施設が瞬時に破壊され、中東地域全体に壊滅的な被害をもたらすと警告しています。米ドルの信頼失墜や国債利回りの上昇といった米国内の深刻な経済危機も重なるなか、米国は前線基地の維持が困難となり、中東を含む海外基地から部隊を撤退させて自国本土の防衛に注力せざるを得なくなると予測しています。

一方、ウクライナ情勢については、ウクライナによるロシア本土への長距離ドローン攻撃が米国の衛星データや偵察機による標的情報に全面的に依存していると明かします。これに対するロシア側の忍耐は限界に達しており、極めて危険な軍事的対立の局面にあります。しかし欧州、特にドイツにおいて、安価なエネルギーの供給再開や独自の通商関係の修復を求め、従来のグローバリスト的な現政権の打倒と新たな指導者の台頭を目指す政治的変化の兆候が見られ、これが情勢の重要な転換点になる可能性があると分析します。マクレガー氏は、米国が過去の圧倒的な製造業の優位性を失い、中国が世界最大の製造基盤となった現状を冷徹に直視し、これ以上の多方面への軍事的介入は持続不可能であると締めくくっています。

Douglas Macgregor: NATO Attacked Russia; U.S. Being Pushed Out of the Middle East - YouTube

借金は身を滅ぼす

【海外動画より】アメリカの著名なパーソナリティであるタッカー・カールソン氏が、著名な財務コンサルタントであり作家のデイブ・ラムジー氏をゲストに迎えた対談動画をご紹介します。ラムジー氏は30年以上にわたり個人の負債をなくすための啓発活動を行ってきましたが、現在のアメリカにおけるクレジットカードの債務残高は過去最高を記録しています。動画の中でラムジー氏は、クレジットカード会社がプロスポーツ業界全体を上回る莫大な費用をかけてマーケティングを行っている現実や、金利が18%から28%に達する極めて高収益なビジネス構造を淡々と解説しています。消費者が現金ではなくプラスチックのカードやスマートフォンでの決済を繰り返すことで、支出に対する脳の痛みを感じにくくなり、結果として全体の支出が12%から18%も増加するというマサチューセッツ工科大学の研究データが明確に示されています。

さらに、ラムジー氏は住宅ローンの早期返済や、個人の堅実な資産形成について、1万人以上の富裕層を対象にした独自の調査データをもとに詳細を分かりやすく説明しています。アメリカの自作農的な富裕層の多くが、高級外車ではなく数年落ちのトヨタ車などを好んで運転しているといった、実際のデータに裏付けられた意外な実態を明かしています。また、動画の後半では、経営者としてのモラルや従業員に対する配慮について、自身の過去の破産経験を交えながら語っています。がんを患った社員への長期的な給与の支払いなど、利益のみを追求するだけではない倫理的な姿勢の重要性が示されています。

カールソン氏は、ラムジー氏の活動が単なる冷徹な計算に基づくものではなく、夫婦間の深い対話の改善や家族の健全な育成に寄与している点を高く評価しています。借金問題は単なる数字の管理にとどまらず、家族の生活の安定や個人の精神的な健康に深く直結しているということが、今回の冷静な対話を通じて改めて浮き彫りにされています。私たちはこの動画を通じて、現代社会における過剰な消費主義の罠や、個人の経済的な自立、そして家族との絆がいかに重要であるかを第三者的な視点から冷静に学ぶことができます。

Dave Ramsey: Trump’s Economic Plan, & the Diabolic Tricks Banks Use to Scam You - YouTube

資産インフレの終わり

【海外動画より】資産運用会社を率いるマーク・ファーバー氏。今回は、同氏が激変する現在の世界情勢と今後の投資戦略について持論を展開する動画をご紹介します。

世界では今、地政学リスクや為替、株価の乱高下など、数多くの事象が同時に発生しています。アメリカの大統領の予測不可能な動きや新興国の台頭が続く中、巨額の債務などによって世界的に経済活動は減速傾向にあります。通常、景気が後退すれば金利は低下しますが、現在は生活費の高騰、つまりインフレ圧力が根強いため、金利低下が難しい状況です。米連邦準備制度理事会、いわゆるFedが2024年10月に利下げを開始した後も債券利回りは低下せず、むしろ上昇するという非常に珍しい事態が起きています。経済の減速は確実であり、政府がいくら国民に実態を隠そうとしても隠しきれるものではありません。

ファーバー氏は、投資戦略を根本から見直す時が来たと警鐘を鳴らします。これまでは、どのように利益を最大化しインデックスを上回る成果を出すかが重視されてきました。実際に80%から90%の投資家はインデックスに勝てていません。しかしこれからの時代は、いかに損失を最小限に抑えるかという視点が不可欠になります。1982年以降の約40年間は、株、債券、不動産などあらゆる資産価格が膨らみ続ける時代でした。しかし、その長期にわたる資産インフレの時代は終わりを迎え、資産価格にとって厳しい局面に入ろうとしています。すでにアメリカの主要都市における商業用不動産は、2018年比で70%から80%も下落している事例があります。1981年から続いた金利の低下傾向は2020年に終了し、今後は向こう20年ほどにわたって金利が上昇する構造が続くとみられます。

一方でアメリカでは、政府の債務が爆発的に増加しており、金利上昇と相まって利払い費は天文学的な規模に達しています。この借金は社会のインフラ構築ではなく、すぐに時代遅れになる兵器や、社会保障などに費やされているのが実態です。債務の伸びがGDPの伸びを上回る現状は、すべて借金で賄われており、真の成長とは呼べません。歴史的にインフレ局面では生活必需品の価格が上がる一方で、資産価格は上がらなくなります。1970年頃は若者の給与に対して資産価格が低く、給与の15%以下で一等地の住居を借りることができましたが、現在は給与以上の家賃が請求されるほど価格が高騰し、若者が家を買えない深刻な問題が生じています。

トランプ氏をはじめとする資産保有者たちは自身の保有資産の価値が40%も下落することを嫌い、中央銀行にさらなる資金の供給を要求するでしょう。それによりゴールドや株の価格が一時的に上がることはあっても、中央銀行による過剰な資金供給は結果的に社会を壊すことにつながります。ファーバー氏は、ここ数年で大きなトレンドの転換が起きており、今後は新興国が台頭する一方で、西側諸国は永続的な後退期に入ると予測しています。

"This Is OVER..." - Marc Faber - YouTube

操作される原油市場

【海外動画より】元CIA分析官のラリー・ジョンソン氏は、ネットの国際情勢番組において、緊迫する中東情勢とそれが原油市場に与える隠された影響について専門的な分析を述べています。ジョンソン氏によると、現在の原油市場は実際の需給や地政学的リスクを反映しておらず、価格が不自然に抑制されている大いなる嘘の状況にあります。本来であれば原油価格は1バレルあたり少なくとも175ドルから180ドルに達しているはずですが、イスラエルを支持する一部の億万長者たちが金融派生商品などを通じて市場を激しく操作し、供給不足の深刻さや経済的現実を覆い隠していると指摘されています。

背景には、トランプ米大統領がいくら和平交渉の進展を主張しても、米国とイランの外交的な溝は到底埋まらないという冷徹な現実があります。さらにイランの軍事能力は、ロシアや中国の支援によって開戦前よりも防空システムが大幅に強化されており、短期間で無人機の製造能力を回復させています。米国やイスラエルが想定していたような軍事的な圧倒が困難になる中で、中東地域におけるアメリカの作戦行動は極めて厳しい制約に直面していると説明されています。

特に大きな障壁となっているのが、サウジアラビアによる領空通過の拒否です。サウジアラビアは聖地メッカへの巡礼時期であるハッジが重なっていることもあり、自国領土がイラン攻撃の足場として利用され、その報復として石油インフラが破壊される事態を強く警戒しています。この一時的な領空閉鎖により、米軍の戦闘機は戦闘行動半径の限界から空中で給油を受ける必要がありますが、サウジ領空を使えないためイラク上空での危険な給油作業を余儀なくされており、作戦の困難さとリスクが高まっています。

このように、軍事的な選択肢が在庫の枯渇や地政学的条件によって制限され、外交的な解決も拒絶される中で、アメリカや周辺国は容易に出口を見出せない混迷に陥っています。イラン側はペルシャ湾のホルムズ海峡の統制を一段と強めており、世界はこの新しい現状に直面せざるを得ません。私たちは第三者として、この歪められた原油市場の動向と、アメリカ主導の中東戦略がもたらす地政学的な波及効果を今後も冷静に見守る必要があります。

"The Oil Market Is A Total Lie" — w/ Fmr. CIA Larry Johnson - YouTube

米経済は崩壊寸前

【海外動画より】ポッドキャスト「マリオ・ナウファル・ショー」のホストであるマリオ・ナウファル氏と、経済アナリストのクリス・マーテンソン氏は、米国の政治情勢やエネルギー危機、金融システムの脆弱性について対談を行っています。マーテンソン氏は、トーマス・マシー下院議員が激しいネガティブキャンペーンによって選挙で敗北した件を挙げ、既存の政治体制に逆らうことの難しさを指摘しました。有権者が容易にメディアや政治広告に影響されてしまう現状や、生活に追われて政治の本質を見極める時間がない一般市民の脆弱性について、両氏は強い懸念を示しています。

特に経済面において、マーテンソン氏は現在の米国が深刻なエネルギー危機に直面していると警告します。イランとの戦争が長期化する中で、米国の戦略石油備蓄は過去最低水準にまで落ち込んでおり、現在のペースで放出を続ければ数か月以内に限界に達する可能性があるとのことです。米国政府はアジア諸国への石油輸出などを発表していますが、これは備蓄を取り崩して短期的に価格を抑制しているに過ぎず、長期的な戦略を欠いたその場しのぎの対応であると批判しています。すべての経済活動の基盤はエネルギーであり、金融や不動産は通貨を増刷することで糊塗できても、物理的なエネルギーの不足は偽ることができないと強調しました。

さらに、金融システムを巡る不可解な動きについても言及されました。財務省の国際資本統計では捉えきれない、約1.38兆ドルもの米国債がケイマン諸島に存在しているという連邦準備制度の調査結果や、政府内部に裏付けのないクレジットを発行できる「魔法のマネーマシン」と呼ばれるコンピューターが存在するというイーロン・マスク氏の発言を紹介し、システムの不透明さを指摘しています。これに対し、中国は社会主義市場経済のもとで実体経済を重視し、次世代の核エネルギーであるトリウム原子炉の開発を国策として着実に進めるなど、長期的なエネルギー戦略を構築していると評価し、短期的な利益や金融市場の吊り上げばかりに固執する米国との構造的な違いを浮き彫りにしています。

AMERICA IS ON THE VERGE OF COLLAPSE - w/ Economist Chris Martenson - YouTube

金、来年1万ドルへ

【海外動画より】アメリカの著名な金融アナリストで作家のジム・リカールズ氏は、ネットの金融番組において、国際通貨システムの本質と、金や米ドルの将来についての深い洞察を交えた分析を行っています。リカールズ氏は、金価格が中長期的には2万ドルに達する可能性を見据えつつ、比較的近い将来である2027年半ば、あるいはそれ以前に1万ドルまで上昇するという具体的な予測を提示しました。世界の中央銀行が純買い手となっている現状を挙げ、金市場に対する強気な見通しを語っています。

同氏は、世間で頻繁に語られる米ドルの基軸通貨崩壊論や他国によるドル離れの動きについて、大きな誤解があると説明しています。多くの国が米国債の保有高を減らしているデータは事実ですが、それはドル体制からの離脱を意味するものではありません。中国などの主要国が米国債を売却している本当の理由は、国内の銀行救済や自国通貨の防衛、あるいは債務返済に充てるための「現金としての米ドル」を至急確保するためです。これはドル崩壊ではなく、むしろ世界的な「ドル不足」に直面している厳しい現実の裏返しであると冷静に解説しています。

また、中国の人民元が新たな世界基軸通貨になるという説に対しても、明確な否定の見解を示しています。人民元は中国国外でほとんど流通しておらず、国際的な準備資産として機能するために必要不可欠な、短期から30年までの多様な満期を持つ健全な債券市場が存在しないからです。さらに、先物取引や決済システム、そして何よりも法の支配といったインフラが欠如しているため、他国の通貨が容易にドルに取って代わることはできないと強調されています。BRICSについても、統一通貨ではなく、金そのものがニュートラルな決済手段として機能しているのが実態です。

さらに、米連邦準備制度による巨額の資金供給が直接的な景気刺激になっていない構造にも言及しています。供給された資金の多くは超過準備金として銀行システム内に滞留したままであり、実際に市場でお金を創出しているのは商業銀行の融資活動であると指摘します。私たちは第三者として、世界的な金価格の動向と、ドルを軸とした国際金融秩序の冷徹な構造を冷静に見守る必要があります。

Thank Me Later After Gold & Silver Makes You a Millionaire" - Jim Rickards | Gold $10K Warning - YouTube

米は中東撤退を

【海外動画より】コロンビア大学持続可能な開発センター所長を務めるジェフリー・サックス教授。今回は、同氏が緊迫する国際情勢と、それに翻弄される経済や歴史的な背景について解説した動画の内容をご紹介します。

現在の世界情勢、特に中東における対立は、表層の議論とは全く異なる複雑な構造を持っています。この危機の解決は本質的には複雑ではありませんが、アメリカなどの主要国が当事者間の合意形成において信頼を失っていることが、事態をより停滞させています。中東での度重なる衝突や核の脅威を回避するためには、すべての関係国が他国の政治的独立を尊重することが不可欠です。しかし、歴史を見れば、外部からの政権交代介入、いわゆる「レジーム・チェンジ」の試みが繰り返されてきました。1947年のCIA設立以降、秘密裏に行われた他国への介入事例は統計的に64回以上に上り、これらは結果として内戦や継続的な社会的混乱を招いています。

このような無秩序な国際介入が招いた結果として、世界経済は深刻な打撃を受けています。原油価格は1バレルあたり110ドルまで高騰し、アメリカ国内のガソリン価格も1ガロンあたり4.5ドルに達するなど、一般市民の生活を直撃するインフレが生じています。さらにホルムズ海峡の封鎖リスクなども重なり、数千人以上の犠牲者と数百億ドル以上の経済的損失がもたらされています。中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の上昇は、世界経済全体を揺るがす深刻な危機、まさに「今世紀の大惨事」を誘発するリスクを孕んでいます。

かつて国連憲章の制定に関わり、他国への武力による威嚇や行使を禁じるルール作りを主導した国々が、現在では自らその国際法を無視し、必要に応じて他国の政権を覆そうとする矛盾が生じています。イランにおける政権交代計画の失敗や、周辺国との交渉の破綻は、国際社会における国家の信頼性を著しく失墜させました。合意文書が破棄され、交渉の当事者が排除されるような状況では、いかなる交渉による解決も期待できません。

サックス教授は、この深刻な経済と政治の危機を解決するための唯一の道は、外部勢力が速やかに不必要な介入を止め、自国へ撤退することであると指摘します。作戦の失敗は明白であり、これ以上の独善的な現状維持や介入は意味をなしません。外部の武力的介入が排除されて初めて、イランの管理下にあるホルムズ海峡の再開など、物流と経済の正常化に向けた複数の道が開かれることになります。周囲の無益な対立に惑わされることなく、国際法への回帰と冷静な対話こそが、今世紀の経済的・政治的な大破局を防ぐために不可欠な戦略であるとサックス教授は結論づけています。

Prof. Jeffrey Sachs : Did Netanyahu Plot a Tehran Coup? - YouTube

マシー氏の不自然な敗北

【海外動画より】元米国下院議員で著名な政治評論家であるロン・ポール氏が、共同司会者のダニエル・マクアダムズ氏とともに、直近に行われたケンタッキー州第4選挙区の共和党予備選挙の結果について鋭い分析を行う動画をご紹介します。この選挙では、議会で最も保守的かつ厳格な投票記録を持つ現職のトーマス・マシー氏が、対立候補のエド・ガレイン氏に敗北するという極めて異例の結果となりました。ポール氏らはこの結果に対し、不可解な票の動きや統計的な不自然さを指摘し、選挙における歪みや外部からの巨額の資金介入の可能性について冷静に議論を展開しています。

動画内では、具体的な選挙データが提示されています。マシー氏は前回の選挙に比べて自身の得票数を19%増加させたにもかかわらず、ほとんど選挙運動や討論会を行わなかった対立候補のガレイン氏の得票数が、前回の野党票から357%も急増するという統計的に極めて確率の低い現象が起きました。若年層や中年層の大部分がマシー氏を支持していた一方で、高齢層の圧倒的な票がガレイン氏に流れたというデータや、勝者の祝勝会の閑散とした様子と敗者となったマシー氏の報告会の熱気との対比を通じて、数字と実際の有権者の熱量との乖離が詳しく検証されています。

ポール氏は、こうした事態の背景にある巨大な政府と大企業の癒着、いわゆるコーポラティズムの弊害や、ウクライナへの巨額の支援に代表される際限のない軍事支出がインフレと国家債務の増大を招いている現状を厳しく批判しています。また、動画の終盤では、上院がイランとの戦争状態を終結させるための戦争権限決議案の審議を進めた動きについても触れ、多くの国民が戦争や無駄な支出に疲弊している現実を指摘しています。そして、建国の父たちが純粋な多数決民主主義を警戒していた理由を振り返り、不当な介入に屈せず、非介入主義的な経済や外交政策を通じて平和と繁栄を目指す知識の戦いを継続することの重要性を訴えています。

Did Massie Lose...Or Was He Pushed? - YouTube

日本、米債務危機の引き金に

【海外動画より】貴金属投資会社「ITMトレーディング」のアナリストであるテイラー・ケニー氏は、日本国内の金利上昇が米国の深刻な債務危機を引き起こす引き金になりつつある現状を解説しています。ケニー氏は、世界的な「脱ドル化」や各国の中央銀行による外貨準備としてのドル保有比率の低下が進む中、これまでの米国の生活水準を支えてきたグローバルな金融システムが重大な転換点を迎えていると警告します。

債券市場では、米国の30年物国債の利回りが5.19%に達し、2007年以来の高水準を記録しています。2007年当時との決定的な違いは米国の公的債務の規模にあり、当時は約8兆ドルだった債務総額が現在では約40兆ドルへと膨れ上がっています。この莫大な債務に対して5%を超える高金利を支払う必要があるため、現在の米国の利払い費用は国家の総国防予算を上回る規模に達しています。この債務問題は米国にとどまらず、英国やドイツなど世界中の主要国で国債利回りが上昇する世界規模の「主権債務危機」へと発展しているとのことです。

特に重要な要因として挙げられているのが、米国債の最大の海外保有国である日本の動向です。日本の10年物国債利回りが1997年以来の高水準となる2.73%に上昇し、30年債利回りも4.1%に達したことで、日本の投資家の間で海外に流出していた資金を国内に回帰させる「レパトリエーション」の動きが強まっています。これまで日本の年金基金や保険会社などの機関投資家は、国内の超低金利やマイナス金利を避けて米国債などに投資してきましたが、国内の利回りが魅力的になったことで、為替リスクや地政学的リスクを伴う海外資産から国内資産へと資金をシフトさせ始めています。

最大の買い手である日本が米国債の購入を減らし、資金を引き揚げれば、米国はさらに高い利回りを提示して投資家を惹きつけなければならなくなります。利回りの上昇はさらなる利払い負担の増加を招き、財政赤字を一段と拡大させるという悪循環を生み出します。ケニー氏は、このような法定通貨と債務の膨張が最終的に通貨の崩壊やリセットを招く歴史的なパターンを指摘します。過去の通貨リセットの歴史が示す通り、債務の拡大とドルの価値低下に直面する中で、富を保護し防衛する手段としての現物資産、特に金や銀への需要と重要性が今後さらに高まっていくという見解を示しています。

🚨 Japan Just Triggered the $40T US Debt Crisis as Yields Hit 2007 Highs - YouTube

世界経済危機は日本から

【海外動画より】資産運用会社であるコントラリアン・マクロ・アドバイザーズのチーフ・マクロ・ストラテジストを務めるデビッド・ハンター氏。今回は、同氏が予測する極端な市場のサイクルと、それに対する貴金属や債券の動向について語った動画の内容をご紹介します。

現在の市場は44年間にわたる強気相場の最終局面にあり、放物線を描くような最後の急騰、いわゆる「メルトアップ」に向かっています。この急騰により金は1オンスあたり6800ドル、銀は180ドルまで上昇する可能性があります。この最高値は、労働者の日(レイバーデー、9月7日)まで、あるいは秋から大統領選挙の時期までに到来すると予想されます。一部で懸念される利上げリスクや流動性の引き締めに対しても、市場の警戒感が逆に相場を押し上げる燃料となります。しかし、このメルトアップの後に待っているのは、システム全体の過剰なレバレッジが引き金となる、世界規模での80%のデフレ的崩壊、つまり「バスト」の到来です。

現在の経済システムには、2008年の金融危機を遥かに上回る凄まじいレバレッジが蓄積されています。これが通常の景気後退を深刻な崩壊へと変貌させます。最初の構造的な破綻は、アメリカ国内ではなく、日本やアジア、欧州といった海外から始まる可能性が高いとみられます。特にゼロ金利政策に長く依存し、金利やインフレが制御不能になりつつある日本は、2008年におけるサブプライムローンのような危機の引き金になり得ます。デフレ崩壊が始まれば、米国債を除くほぼすべての資産価格が暴落し、金は30%から50%、銀は50%から75%下落すると予測されます。その際、レバレッジをかけた投資家は一掃されるリスクがあるため、投資家は慎重に市場の天井を見極める必要があります。

この未曾有の崩壊に対し、中央銀行はシステムを守るために再び天文学的な規模の資金供給、つまり通貨の増刷に踏み切らざるを得なくなります。米連邦準備理事会(FRB)のバランスシートは現在の9兆ドル規模から30兆ドル以上にまで膨らむ可能性があり、この過剰なマネープリントが次のサイクルで25%に達する深刻なインフレを引き起こします。1980年代初頭の20%インフレを超えるこの事態は、金利を10%台後半まで押し上げ、膨れ上がった世界債務の利払いを不可能にして最終的なシステムの破綻をもたらすでしょう。

投資家がこのメルトアップの終わりを察知するための最も重要な指標は「市場の心理(センチメント)」です。ウォール街全体が極めて強気になり、人工知能(AI)ブームの到来を煽ってすべてのチップを賭けるようになった時こそ、バブルが弾ける直前のサインとなります。崩壊はレバレッジの影響で急激に進むため、周囲の熱狂に惑わされずに早めにリスクを回避し、次の回復期に訪れる世代交代レベルの投資機会に備えることが賢明です。

The 80% Deflationary Crash: How The Next Wipeout Triggers 25% Inflation | David Hunter - YouTube

米、イスラエル防衛の矢面に

【海外動画より】ニュースサイト「アンチウォー・ドットコム」の編集長を務めるデイブ・ディキャンプ氏は、米国の外交や軍事動向に関する複数の最新情報を伝えています。まず、米下院の共和党指導部がイランとの戦争権限決議案の採決を延期した件に触れ、共和党内で決議への支持が広がりつつある現状を指摘しました。イランとの戦闘は世論において非常に不評であり、ガソリン代や食料品の上昇に直面する有権者からの圧力が背景にあると説明しています。採決は戦没将兵追悼記念日の休会明けとなる6月1日の週まで行われない見通しです。

次に、国防総省の評価を報じたワシントン・ポスト紙の記事を紹介しています。それによると、イランとの戦闘において、米国はイスラエルを防衛するためにイスラエル自身よりもはるかに多くの先端迎撃ミサイルを消費したとのことです。米国は高高度迎撃ミサイルシステムであるサードの総在庫の約半分に当たる200発以上を発射したのに対し、イスラエルによる迎撃ミサイルの発射は100発未満にとどまりました。政府高官の言葉を引用し、イスラエルが米国の軍事支援なしには地域の戦争を単独で戦い抜く能力がない実態を浮き彫りにしています。

また、イラン側の動向として、米国の情報機関の予測よりも早いペースで軍備の再構築が進んでいるという報道を伝えています。イランは戦闘中も無人機の製造を続けており、約6ヶ月でその能力を完全に回復する可能性があるほか、開戦前の70%に相当するミサイル在庫を維持しているとされています。さらに、今回の戦闘で米国の無人機「MQ9リーパー」が20機以上破壊され、その損失額は約10億ドルに達したというブルームバーグ紙の報道にも言及しました。これは米国の同型無人機の約20%に相当する規模です。

ディキャンプ氏はそのほか、ガザ地区での戦闘継続による人的被害や、停戦合意後も人道支援の搬入が妨げられている現状を報告しています。レバノン南部でのイスラエル軍による略奪行為や空撃による犠牲者の葬儀、シリア南西部での作戦拡大についても淡々と事実を述べています。最後に、米国のアジア太平洋地域における軍事増強として、フィリピンのパラワン島における沿岸警備隊向けの整備施設建設の計画や、マルコ・ルビオ国務長官がキューバとの平和的な合意の可能性は低いと記者団に述べた発言を挙げ、各地で緊張が続いている状況を伝えています。

US Bears Brunt of Israel's Missile Defense, Rubio: 'Peaceful Agreement' With Cuba Unlikely, and More - YouTube

2026-05-22

イラン政策、米政権で意見対立

【海外動画より】国際情勢を配信するマリオ・ナファル氏のライブ番組において、元国務長官首席補佐官のラリー・ウィルカーソン退役陸軍大佐がインタビューに応じ、ホワイトハウス内部での激しい対立とイランを巡る極めて流動的な情勢について分析を述べました。直近の1時間で、原油価格が約6%も急落するという金融市場の大きな変動が発生しました。この背景には、トランプ大統領とイスラエルのネタニヤフ首相による緊迫した電話会談のリーク報道があります。トランプ氏は首相に対し、戦争を公式に終結させ、イランの核開発やホルムズ海峡の再開に関する30日間の交渉期間を設ける合意書の締結に向けて仲介者が動いていると通知しましたが、ネタニヤフ首相はこれに強い不満と激しい焦燥感を示したと報じられています。

報道によると、ホワイトハウスの内部では今後のイラン政策を巡り、高官たちの間で意見が真っ二つに分かれて激しい議論が交わされました。バンス副大統領やジャレッド・クシュナー 氏らが戦争を終わらせるための予備的合意や外交交渉を支持したのに対し、ヘグセス国防長官やルビオ国務長官らはさらなる圧力と軍事攻撃を要求したとされています。最終的にトランプ大統領は再び外交と交渉にチャンスを与える決断を下しましたが、イランに時間稼ぎを許しているとしてバンス副大統領の姿勢を批判する場面もありました。中東地域でも、アラブ首長国連邦(UAE)は強硬路線を支持する一方、サウジアラビアやカタールは事態のエスカレーションを避けるよう求めるなど、各国で対応の温度差が浮き彫りになっています。米国はすでにイランへ新しい提案を送付し、イラン側がその内容を精査している模様です。

ウィルカーソン氏は、一連の流動的な動きについて、トランプ大統領がこの泥沼の紛争からどのように自身を脱出させるかについて、一貫した明確な戦略を持ち合わせていない証拠であると厳しく指摘しました。もしネタニヤフ首相との確執の報告が事実であれば、戦争の大義名分そのものに直面せざるを得なくなったという意味で一定の進展と言えますが、依然として大統領は自身の政治的保身と戦争からの離脱のみに終始していると見ています。トランプ政権の支持率は下落の一途をたどっており、さらにケンタッキー州の予備選挙でマッシー下院議員を落選させるために膨大なイスラエルロビーの資金が投入された事実が、保守派の支持層や無党派層の間に深刻な不信感と怒りを植え付ける結果になったと解説しました。

また、ウィルカーソン氏は内政上の異例の事態として、司法省の新方針によりトランプファミリー関連企業が将来にわたって内国歳入庁(IRS)の税務監査や過去の課税免除対象になるという法的な免責特権の動きを挙げ、富の合法的な保全を狙った極めて不当な措置であると批判しました。大統領が国民の財政状況を顧みず、社会保障より軍事費を優先している点も含め、現在の政権運営は破綻していると断言します。かつてのコリン・パウエル氏やジェームズ・ベーカー氏のように、地域の安全保障体制を再構築する大局的な視点を持つ政治家が皆無となり、現代の政党政治が国家の利益よりも自党の権力維持を最優先する人物ばかりを量産している現状に深い憂慮を示して議論を終えました。

HEATED ARGUMENTS IN WHITE HOUSE - w/ Col. Larry Wilkerson - YouTube

トランプ政権のジレンマ

【海外動画より】今回紹介する国際情勢のオンライン解説動画では、混迷を極める中東情勢とトランプ米政権を巡る動向について、元CIAアナリストのラリー・ジョンソン氏が詳細な分析を展開しています。

ジョンソン氏によると、現在のイランを巡る状況は、アメリカの国内政治が強く影響していると指摘されています。現在、メッカへの巡礼であるハッジの期間中であるため、今週中の軍事攻撃が実施される可能性は低いとのことです。なぜなら、アメリカがイランへの攻撃を試みる場合、最低でもサウジアラビアの領空や航空基地を使用する必要があり、サウジアラビア側はこの聖なるイベントの最中にイランからの報復を招くような事態を断固として避けたいと考えているからです。

また、イランとの和平交渉の裏では、ロシアや中国が主導し、パキスタンを窓口としたペルシャ湾の新たな安全保障構築への動きが進められているとも語られています。これにはトルコやサウジアラビア、パキスタン、イランが関わっており、最終的な目標はアメリカをペルシャ湾から排除することにあります。一方で、アメリカ側はイランの核濃縮プログラムに関して厳しい譲歩を迫っていますが、イラン側はこれを拒否しています。もしトランプ氏がかつての包括的共同行動計画(JCPOA)よりも緩い条件で妥協すれば、国内で非難を浴びるジレンマに直面することになります。さらにサウジアラビアなどの湾岸諸国が、自国領土からのイラン攻撃をこれ以上認めないと主張した場合、アメリカは戦略の根本的な見直しを迫られることになります。

さらに、ジョンソン氏は最近のプーチン大統領による中国訪問と、それに先立つトランプ氏の訪中との違いについても言及しました。ロシアと中国の間では、経済、文化、安全保障など多岐にわたる分野で40もの具体的な協定が結ばれており、実質的な協力体制が構築されています。これに対し、トランプ氏の訪問では具体的な合意は何一つ得られなかったと解説されています。ホルムズ海峡の封鎖による通航量の減少は世界の経済的危機を引き起こしかねず、今後のアメリカやイラン、そして仲介国の動向が注視されています。

Iran Accuses Trump of Trying to ‘Restart the War | w/ Larry Johnson - YouTube

FRB、悪夢に直面

【海外動画より】米国の投資情報番組「Wealthion」において、調査会社ビアンコ・リサーチの社長であるジム・ビアンコ氏が、現在の債券市場の急変と、米連邦準備理事会、いわゆるFRBが直面している新たなインフレの脅威について見解を語りました。

ビアンコ氏は、世界的な国債の売り浴びせと利回りの急上昇を招いている最大の要因は、一言で言えばインフレへの懸念であると指摘します。市場は中東のホルムズ海峡の封鎖に伴うエネルギー供給の停滞が長期化するリスクを現実のものとして捉え始めています。これまで蓄積されていた備蓄の取り崩しによる供給の維持も限界に近づいており、原油価格の上昇に伴って各国の国債利回りが連動して上昇していると説明しました。特にエネルギーを外的に依存する日本などの国々において、その利回りの上昇圧力を強く受けている事実に言及しています。

この状況は金融政策の前提を大きく変えつつあります。数ヶ月前まで市場は年内の利下げを予想していましたが、現在はむしろ年内の追加利上げの可能性を50%の確率で織り込み始めています。ビアンコ氏は、新しく就任したFRB幹部らが政治的な要請から利下げを望んでいたとしても、現在の前年比3.8%という高い消費者物価指数を前にしては利下げの大義名分が失われつつあると分析します。もしFRBがインフレを放置して利下げを強行すれば、債券投資家は一斉に米国債を売却し、さらなる金利上昇を招くリスクがあるため、利上げの議論に踏み込む必要性に迫られていると述べました。

米国経済そのものはデータセンターの建設ラッシュなどに支えられて底堅く推移しているものの、世界的なエネルギー価格の高騰は、アジアや欧州の経済を圧迫し、結果として世界的な景気後退を引き起こす引き金になり得ると警告します。ビアンコ氏は、このような不確実な環境下での投資戦略として、過度なリターンを求めるのではなく、インフレ連動債や通常の債券といった堅実な資産を組み込むことで、5%から7%の現実的な利回りを確保しつつリスクを管理する分散投資の手法が、現在の局面において極めて有効であるとの見解を提示しました。

Jim Bianco: The Fed’s Worst Nightmare Is Here - YouTube

ペトロダラーの解体

【海外動画より】今回は、コモディティ市場の専門家でありクレーナー・アナリティクスの創設者でもあるアレックス・クレーナー氏が、緊迫する中東情勢と世界経済への影響を独自の視点で分析した動画をご紹介します。トランプ米政権によるイランへの攻撃延期の発表を巡り、世界のエネルギー市場や債券市場には現在大きな動揺が広がっています。クレーナー氏は、原油価格が今後の価格発見プロセスを経てさらに上昇し、過去最高値を更新して1バレルあたり140ドルを超える可能性が非常に高いと指摘します。

クレーナー氏は、米国などの西側金融システムが構造的な債務過多と担保不足に直面していることが、西側諸国による一連の地政学的紛争の背景にあるとの見解を示しています。イランのような天然資源が豊富な国家の支配を試みるのは、その膨大な資源を西側金融システムの新たな担保として組み込むためであると分析します。しかし、イランはアメリカとイスラエルによる体制崩壊の試みに完全に耐え抜き、この地域の主導権を握る軍事的な実力を持つ存在として台頭しているのが現状です。

こうした状況下で、イランは西側帝国の弱点を正確に見抜いており、中東のホルムズ海峡の通航条件として中国元やロシアルーブルなどによる決済を要求することで、ペトロダラー体制の解体を試みているとクレーナー氏は述べます。もしドル以外でのエネルギー取引が定着すれば、米ドルの基軸通貨としての地位は失墜し、西側諸国の債券価格は暴落します。その結果、欧州や英国、そして日本などの国々はハイパーインフレや深刻な経済危機、さらにはかつてのワイマール共和国のような崩壊の危機に直面すると予測します。

米国によるイランへの再攻撃の懸念が消えない中、イランが非対称戦争の手段として周辺地域の広大なエネルギーインフラを破壊した場合、世界の原油供給の最大32%が市場から失われる恐れがあり、世界経済全体に壊滅的な打撃を与えかねません。クレーナー氏は、西側の支配層は体制転換の目標を諦めず攻撃的な姿勢を崩さないため、今後も対立が激化し、世界的な燃料の配給制の導入や価格高騰など、極めて厳しい経済的混乱が長期にわたって続くと冷静に警鐘を鳴らしています。

Alex Krainer: The End of U.S. Supremacy - All-Out War & Economic Demise of The West - YouTube

露の報復は不可避

【海外動画より】元国連兵器査察官であり、米海兵隊の元情報将校、そして著述家でもあるスコット・リッター氏が、激化するロシアへのドローン攻撃とそれに対するロシア側の報復の必然性、そして欧州が直面する危機について分析を語りました。

リッター氏は、モスクワやサンクトペテルブルク周辺への大規模なドローン攻撃について、欧米による技術開発や情報提供、域外での製造支援がなければ成立しないものであると指摘します。これはウクライナ単独の行動ではなく、欧米側が対ロシアで戦闘行為をエスカレートさせている現実の反映であると述べました。欧州の主要国が2020年代末までにロシアとの公然たる武力衝突が必要だと主張し、長距離攻撃兵器の大量生産を進めている現状に対し、ロシアが何もしないことの方が危険となる限界点をすでに超えていると警告します。

ロシアの新たな核ドクトリンでは、核保有国が非核保有国に通常兵器を提供してロシアの戦略的インフラを攻撃させた場合、これを核攻撃とみなして報復できると規定されています。欧米側はロシアの警告をはったりと誤認してレッドラインを越え続けていますが、リッター氏はロシアがこれまで戦略的優位を維持するために自制を重ねてきたに過ぎないと分析します。現在、ロシアの輸出生産能力の10%から20%がドローン攻撃により損害を受けており、これを放置すれば長期的なエネルギー安全保障に重大な影響が及ぶため、ロシアが本格的な報復措置に踏み切る瞬間が近づいているとの見方を示しました。

リッター氏は、ロシアが報復に踏み切る際、ウクライナの首都キエフへの象徴的な攻撃や、攻撃の経由地となっているバルト三国への決定的な軍事打撃が行われる可能性に言及しました。欧米側は北大西洋条約機構、いわゆるNATOの相互防衛を定めた第5条が機能すると信じていますが、リッター氏は米国が欧州の都市のために自国を犠牲にすることはなく、第5条の無力さが露呈するリスクがあると指摘します。破滅的な衝突を回避する外交的道筋として中国による介入の可能性を挙げつつも、エスカレーションの管理能力を過信する欧米の姿勢が、世界を極めて危険な全面衝突の経路へと導いている現状に深い懸念を表明しました。

Scott Ritter: Europe Attacked Russia - Retaliation Is Now Unavoidable - YouTube

危機に瀕するイスラエル

【海外動画より】今回は、米コロンビア大学教授で著名な経済学者であるジェフリー・サックス氏が、トランプ米大統領の訪中成果や緊迫する中東情勢を独自の視点で分析した動画をご紹介します。サックス氏はトランプ氏の中国訪問について、致命的な失策や他国への実行不可能な脅迫を避けたという点では評価できるものの、実質的な成果は何ももたらさなかったと指摘します。トランプ氏は自身の個人的な影響力で中国を説得し、イランに圧力をかけさせようと試みましたが、中国がそれに応じることはありませんでした。

サックス氏によれば、中国にとってイランは原油の重要な顧客であり同盟国でもあるため、イスラエルと米国から不当な攻撃を受けたイランに対し、米国側の要求を飲むよう促す道理はないということです。この混沌とした事態を解決する唯一の方法は、米国が軍事行動を停止して海軍を帰還させることだとサックス氏は強く主張します。米国が退けば中国の仲介でホルムズ海峡も安全に再開され、イランもそれ以上の挑発を行わないと分析します。米国内では市民の約60%がこの戦争に反対し、賛成は20%程度に過ぎないため、撤退は政治的にも極めて理にかなっています。

また、台湾への巨額の兵器売却計画についても、米中関係の安定を損なう大きな間違いであると警鐘を鳴らします。他国の内政に干渉せず相互のレッドラインを尊重することこそが平和と外交の基本ですが、ワシントンの政治家は傲慢さや軍事産業の利益に縛られ、米国が万能であるという錯覚に陥っています。こうした強硬姿勢は結果として多額の公的債務を生み出し、米国内の医療や教育、住宅といった国民に必要な基本支出の削減を招いているのが現状です。

現在のイスラエルについては、終わりのない戦争方針によって国家全体が戦争のための組織、すなわち軍事産業複合体のようになってしまっていると懸念を示します。戦争によって莫大な利益を得る一部のビジネスが活発になっている一方で、多くの専門職や市民が永久に続く戦争を嫌って国を離れており、観光業の崩壊などを含め、国家の精神や長期的な経済基盤が激しく傷ついているとサックス氏は冷静に論じています。

Prof. Jeffrey Sachs : Israel On the Brink - YouTube

イスラエルロビーの圧力

【海外動画より】ジャーナリストのタッカー・カールソン氏は自身の番組で、ケンタッキー州の共和党予備選挙において現職のトーマス・マッシー下院議員が落選したことを受け、トランプ政権の変節と保守派の政治運動「MAGA」の現状について、世論調査専門家のリッチ・バリス氏を交えて議論を展開しました。カールソン氏は、トランプ大統領の就任式当日の朝に目撃した大口献金者の傲慢な振る舞いを振り返り、当時の懸念が現実のものになったと語ります。本来、アメリカ第一主義を掲げ、国民の利益を最優先にするはずだったトランプ大統領が、特定の外国ロビーや新保守主義の富豪たちの意向を反映する政治へと180度転換したことに対する強い失望が示されました。

予備選挙でのマッシー氏の敗北について、バリス氏は通常の議席争いでは考えられない3500万ドル(約54億円)以上という巨額の資金が投入された事実を明かしました。マッシー氏は共和党議員の中で唯一、イスラエルロビーからの資金を受け取らず、米国の深刻な債務問題を背景に対外援助の削減を訴え続けてきた原則派の政治家です。この姿勢を崩さない同氏を排除するため、親イスラエル派の政治行動委員会(AIPAC)や富豪たちが結託し、巨費を投じて対立候補を支援しました。対立候補は徴兵制の復活やイランとの戦争を容認する姿勢を示しており、地元での実質的な支持や熱気がないにもかかわらず、巨額の資金力と郵便投票、そして高齢層の動員によって勝利を収めたとバリス氏は分析しています。

世論調査の結果によると、米国の若年層の間ではジェフリー・エプスタイン関連文書の非公開化やイランへの空爆を強行したトランプ政権への不満が急速に高まっており、支持の基盤が大きく揺らいでいます。かつて若者や不人気層を引きつけて共和党のイメージを刷新したトランプ氏の求心力は衰え、現在の支持層は主に既存のメディア情報を信じやすい高齢の共和党員にシフトしていることがデータで示されました。バリス氏は、内政課題を放置して対外政策に偏重する現在の共和党の姿勢は、次の国政選挙において極めて厳しい結果をもたらす可能性が高いと警告します。カールソン氏とバリス氏は、既存の両党による事実上の「一党独裁的な戦争支持体制」が有権者の信頼を失いつつあり、長期的には真の改革を求める新しい政治運動が台頭する契機になるだろうとの見通しを述べました。

Tucker Responds to the Israel Lobby Defeating Thomas Massie and Killing MAGA - YouTube

キューバ介入の口実か

【海外動画より】平和主義の視点からニュースを配信するウェブサイト「アンチウォー・ドットコム」の編集長、デイブ・デキャンプ氏は、アメリカの国際政策や軍事動向に関する最新の情報を伝え、各地域の緊迫した情勢について解説しました。まず、トランプ政権がキューバの元国家元首である94歳のラウル・カストロ氏を起訴したニュースを取り上げ、これがキューバに対する軍事介入や制裁強化の口実に使われる可能性を指摘しています。起訴の理由は1996年に起きた亡命者団体の航空機撃墜事件ですが、デキャンプ氏は、30年前の出来事をこの時期に持ち出す背景には政治的な意図があると分析します。これに呼応するように、米南方軍の空母ニミッツを中心とする戦略部隊がカリブ海に到着しており、現地での緊張が高まっています。

中東情勢に関しては、オマーン湾で米海軍がイラン船籍の石油タンカーに立ち入り検査を行った事例を挙げ、実質的な海上封鎖という臨戦態勢が継続している事実を報告しました。また、トランプ大統領がイランに対して交渉の機会を一度だけ与えると言及した一方で、今週予定されていたイランへの攻撃計画を延期したという報道についても触れています。この延期は、イスラム教の聖地巡礼である「ハッジ」の期間中に攻撃を行うと、サウジアラビアなどの湾岸諸国で数万人の巡礼者が足止めされ、イスラム世界におけるアメリカの信頼が致命的に損なわれるという警告を同盟国や政府高官から受けたためとされています。巡礼期間が終了する5月下旬以降、再び軍事行動が再開されるリスクについて懸念が示されました。

さらに動画では、レバノン南部でのイスラエル軍の空爆により多数の市民や救急隊員が犠牲になっている現状や、ガサ地区への支援物資搬送を試みた国際的な船舶団の活動家たちがイスラエル当局に拘束され、不当な扱いを受けている様子がネット上に公開されて波紋を呼んでいる状況を淡々と述べています。最後に、ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席が北京で会談し、トランプ大統領が提唱する新しいミサイル防衛構想「ゴールデン・ドーム」を非難する共同声明を発表したニュースを紹介しました。米露間の新戦略兵器削減条約(新START)が失効し、国際的な軍備管理の枠組みが崩壊しつつある中で、世界的な軍拡競争が再燃する危険性と、現在のグローバルな安全保障環境がいかに不安定であるかが強調されています。

US Indicts Former Cuban President in Move Toward War, Trump Delays Iran Attack Over Hajj, and More - YouTube

金、6000ドルめざす

【海外動画より】貴金属ディーラーであるマネー・メタルズ社の番組ホスト、マイク・マハレー氏は、視聴者からの質問に答える形式で、今後の通貨制度や貴金属市場の見通しについて見解を示しました。現行の不換紙幣制度は政府による過剰な通貨発行と債務拡大によって最終的に崩壊する運命にあり、現在は世界的な脱ドル化の動きが緩やかに進行していると指摘します。将来的には、金や銀、ユーロや人民元などが競合する多極化された通貨世界に移行し、その中で金がさらに重要な役割を果たすようになると予測しています。電子決済システムの発展により、現物の硬貨を持ち運ぶことなく金を基盤とした取引を行うことが容易になるため、必ずしも実物のコインで支払う必要はないとも述べています。

原油価格の上昇がインフレに与える影響については、価格上昇は金融的なインフレの症状に過ぎず、過去の定義によるインフレとは異なると解説します。通貨供給量の拡大を伴わない原油価格の高騰が起きた場合、ガソリン代の負担が増える一方で、消費者は他の支出を削るため、ホテルなど他分野の価格が下落して経済全体でバランスが取られる仕組みを説明しました。また、一部の大手銀行が予測している1オンスあたり6000ドルという金価格の見通しについて、マハレー氏は同意の姿勢を示しています。莫大な債務問題や中央銀行による継続的な金購入といった構造的な要因が価格を支えており、銀についても需要が供給を上回る構造的な赤字が5年連続で続いているため、上昇の余地は大きいと見ています。

市場では連邦準備制度が金利を高く維持するとの観測や利上げの噂もありますが、マハレー氏は経済が揺らいだ際には中央銀行はインフレを容認してでも利下げや量的緩和に踏み切ると予想しています。富の保全を目的とする投資においては、高いプレミアムやリスクを伴う希少な収集用コインよりも、地金を購入することが最も確実な方法であると推奨しました。さらに、近年注目を集める人工知能分野の企業価値については、かつてのドットコムバブルに酷似していると指摘し、市場全体が過大評価されている可能性について警戒を促しています。最後に、健康の重要性にも触れ、体力を維持することが最大の資産防衛につながると締めくくりました。

Gold price to $6,000? Dollar Collapse Warning + Silver Shortage Explained | Q&A: Gold/Silver Expert - YouTube

ドル崩壊の運命


【海外動画より】世界の金融システムや通貨の行方について、著名な専門家たちが一堂に会して激しい議論を交わしています。動画のメインスピーカーであるアメリカの経済評論家ピーター・シフ氏は、現在のグローバル経済の根底にある最大の問題は、米ドルが国際的な準備通貨として果たしている役割と、そのシステムが生み出す巨大な不均衡であると指摘しています。同氏によると、この不公平な仕組みは米国に多大な利益をもたらしており、アメリカ人は自分たちの実際の生産量を大幅に上回る消費を続けることができています。

つまり、実質的な生産や労働、それに伴うコストを引き受けることなく、電子的に何もないところから通貨を作り出すだけで、世界中の工場が生産した商品を手に入れているという構造です。さらに世界は、米国に渡されたその資金を再び米国に送り返し、米国の債券や株式、不動産などを購入しています。短期的には資産価格が上昇して豊かになったように見え、紙の上では国内総生産を膨らませることができますが、世界の他の国々は米国を支える負担を負わされているとシフ氏は説明します。

シフ氏は、この債務に依存したシステムは最終的に崩壊する運命にあり、その崩壊は世界にとって大きな救いとなる一方で、米国には深刻な問題をもたらすと考えています。また、次なる世界的な金融危機は政府の債務問題から生じると予測する他の出席者の意見に対し、シフ氏はインフレを引き起こすことで政府債務の不履行を回避しようとすれば、結果として通貨危機を招き、状況はさらに悪化すると強く警鐘を鳴らしています。

もし政府が過剰な借金を認め、例えば1ドルにつき50セントしか返済できないとして実質的なカットを受け入れれば、貸し手は一部の資金を失うものの、その50セントで実際に50セント分の商品を購入することができます。しかし、政府が印刷機を回して100セントを満額で支払ったとしても、その購買力が90%以上も失われていれば、貸し手はかえって大損をすることになります。こうした中央銀行や政府の介入が自由市場による問題解決を阻み、次の危機をより深刻なものにしていると報告されています。

Peter Schiff, Jim Rickards, Willem Middelkoop, Edin Mujagic: Global Sovereign Debt Crisis - YouTube

2026-05-21

ロビイストとは?

【キーワード】アメリカの政治や経済の動向を読み解く上で、極めて重要な役割を果たしているのがロビイストと呼ばれる存在です。ロビイストとは、特定の企業や業界団体、あるいは特定の政策を支持する団体の利益を代表し、議会や政府に対して法案の可決や否決、あるいは政策の変更を働きかける専門家のことを指します。アメリカでは憲法で保障された請願権に基づき、ロビー活動が合法的な政治参画の手段として深く定着しています。彼らは豊富な資金力と精緻な情報網を武器に、議員の選挙資金を支援したり、政策立案のためのデータを提供したりすることで、国政に強力な影響を及ぼしています。

今回の米ケンタッキー州における共和党の予備選挙は、このロビイストの持つ影響力の大きさを改めて浮き彫りにしました。長年議席を維持してきたトーマス・マシー下院議員が、トランプ大統領が支持する新人のエド・ガルレイン氏に敗北した背景には、親イスラエル派のロビイストや利益団体による巨額の資金投入がありました。マシー氏はイスラエルへの軍事支援に反対するなど、イスラエルに対して批判的な投票行動を続けてきたため、親イスラエル派団体から強い標的とされていました。連邦選挙管理委員会の記録によると、親イスラエル派のロビイストらはガルレイン氏の陣営に総額1,550万ドル以上を投じ、その資金はガルレイン氏が集めた寄付全体の95%以上に達したとされています。

このように特定の外交政策を推進するロビイストが、一つの選挙区に対してこれほど突出した規模の資金を集中させた例は過去にほとんどありません。対立候補を資金面で圧倒することにより、現職議員を破ることに成功した今回の事例は、アメリカの議会が特定の利益団体の意向によって左右されかねないという懸念をも生んでいます。マシー議員自身も、すべての国会議員に監視役のようなロビイストがついており、イスラエルの利益に沿うよう誘導されていると批判していました。一般の日本人にとっては馴染みが薄いかもしれませんが、アメリカの政治を実質的に動かしているのは、表舞台に立つ政治家だけでなく、その背後で巨額の資金を動かすロビイストであるという事実は、今後の国際情勢や経済予測を見通す上で無視できない要素となっています。

<参考記事>
Trump vs Massie in Kentucky: Is Israel breaking MAGA? — RT World News [LINK]

中露、米の行き詰まりを静観

TRUMP THREATENS NEW IRAN STRIKES, PUTIN TO MEET XI - w/ Pepe Escobar - YouTube [LINK]

【海外動画より】中露による戦略的パートナーシップの進展と、混迷を極める中東情勢を巡る国際秩序の変化について、著名な地政学アナリストであるペペ・エスコバル氏が解説する動画が公開されました。中国の上海から番組に参加したエスコバル氏は、ウクライナやイランを舞台とする西側の戦争を巡る議論が飛び交う中でも、世界有数の経済拠点である上海は日常のビジネスや多極化する新秩序の形成に向けて淡々と動き続けている現状を報告しています。

特にエスコバル氏が強調するのは、ロシアのプーチン大統領が北京を訪問し、中国の習近平国家主席と行った重要首脳会談の歴史的意義です。この会談は、習主席がかつて述べた「100年間見られなかった国際情勢の変化」を両国が実質的に主導するための基盤を構築するものであり、エネルギー分野をはじめとする40項目以上の広範な経済協力文書の署名が行われたと説明しました。その一環として、シベリアからモンゴルを経由して中国へ至る新しいガスパイプライン計画の最終調整が完了し、完了時期が2027年から2028年へ前倒しされる見通しである点に触れ、中国のエネルギー安定供給が一段と盤石なものになるとの分析を示しました。

一方で、エスコバル氏は緊迫が続くイラン情勢にも言及し、米国のトランプ大統領が提示する数日間の交渉期限や軍事攻撃の脅しを「非現実的な外交姿勢」として批判しています。中東の主要な湾岸諸国であるサウジアラビアやカタール、アラブ首長国連邦(UAE)は、イランからの報復による自国のエネルギー施設への壊滅的な打撃を恐れて米国に自制を促しており、中国もパキスタン等を通じた水面下の仲介を支持していると説明します。イランは長年の制裁下で軍事的な強靭性を高めており、米国の軍事圧力を容易に受け入れる姿勢は見せていないと指摘しました。

動画は、米国が自ら招いた多大な財政赤字や国債利回りの急上昇といった経済的弱みを抱える中で、中東でのさらなる紛争継続は持続不可能になりつつあると分析しています。ロシアと中国はこうした米国の構造的な行き詰まりを静観しながら、独自の多極化秩序の構築を確実に進めていると結論づけました。

シルクロード諸国の金購入

China's 17 Month Gold Spree: Why Central Banks Bought 244 Tonnes In Q1 | Dominic Frisby - YouTube [LINK]

【海外動画より】世界の中央銀行が金(ゴールド)を大量に購入している背景と、それに伴う国際金融秩序の変化について、英国の作家であり金融歴史家のドミニク・フリスビー氏が解説する動画が公開されました。フリスビー氏は、2026年第1四半期に各国の金融当局が合計244トンの金を購入したデータに触れ、長期的な視点を持つ公的機関が利回りを生まない安全資産への配分を増やしている現状を指摘します。特にポーランドが積極的に金を購入している点に注目し、確かな経済成長を遂げる同国が金を国家安全保障の重要な手段として捉えていると分析しました。

また、金を購入している国の大半が中国や中央アジアの諸国など「シルクロード」と呼ばれる地域に位置している事実を挙げています。フリスビー氏は、米国がロシアの米ドル資産を凍結した制裁措置以降、世界の中央銀行による金の蓄積が加速したと説明します。国際的な危機の際、銀行システムを通じて一方的に凍結や没収をされるリスクがない唯一の資産として、中央銀行が米ドル依存からの脱却、いわゆる脱ドル化を進める防衛策として金を選んでいるという見解を述べました。

特に中国については、公式に発表されている金保有高が実態よりも大幅に過小評価されており、実際には数倍にあたる膨大な金を国内に保有している可能性があると指摘します。中国が真の保有量を明かさない理由は、米国への事実上の経済的な宣戦布告となりドルの暴落を招くのを避けるためであり、本格的な対立が生じた際の切り札として残していると分析しました。歴史上、すべての国際的な基軸通貨は金や銀との交換性から始まっており、将来的に中国が自国通貨の国際的地位を高める際にも、金が何らかの裏付けとして重要な役割を果たす可能性が高いと述べています。

フリスビー氏はさらに、社会のデジタル化や雇用の変化に伴い、現代の政府が将来的に税収不足に直面する長期的な課題も提示しました。国家が過大な財政支出を維持するために個人の資産への課税や捕捉を強めていく中で、投資家にとっては没収や凍結のリスクから隔離された金が、自己の資産を防衛するための最も確実な手段になると結論づけています。

代理戦争、東アジアへ

Iran SMASHES Trump's Threat, Drones RAIN Over Gulf as World War 3 Blows Up | KJ Noh - YouTube [LINK]

【海外動画より】独立系ジャーナリストのダニー・ハイフォン氏がホストを務めるデジタル対談番組では、著名な地政学アナリストでありコメンテーターのKJ・ノー氏をゲストに迎え、緊迫化する中東情勢および東アジアにおける米国主導の軍事戦略の動向について、深い地政学的分析が交わされました。今回の動画では、大国間の対立や代理人を利用した戦略が、世界を「第3次世界大戦」とも呼べる危機的な状況へ引きずり込んでいる実態が検証されています。

対談の中でノー氏は、トランプ政権によるイランへの強硬な軍事的威嚇や、イスラエルへの大量の弾薬補給といったロジスティクス面の動きが、本格的な武力衝突の準備段階を示唆していると指摘しました。しかし同氏は、過去の空爆や経済制裁が戦略的な成果を上げられなかったことを挙げ、地理的優位性や、イランの安価なドローン攻撃に対し米国は高額な迎撃ミサイルを消費せざるを得ない点などコストの非対称性から、米国の戦略がすでに限界に達していると分析しています。さらに重大な懸念として、従来の通常兵器による攻撃で行き詰まった場合、米国内の一部タカ派が主張するように、戦況を強制的に終わらせる手段として戦術核兵器の使用が選択肢に浮上する危険性を挙げ、これが現在の世界が直面している最も致命的なリスクであると淡々と警鐘を鳴らしています。

また、ノー氏は中東情勢と地続きの課題として、東アジアにおける「代理戦争」の構図についても詳細な歴史的背景を交えて解説しました。米国が長年にわたり韓国や日本、フィリピンといった同盟国を自らの戦略的覇権を維持するための軍事的な防波堤として利用してきたと主張します。足元で激化するイランやロシアを巡る対立の先には、米国主導の帝国主義的エリート層が最終的な標的とする「中国との全面戦争」への道筋が敷かれており、アジア地域における急速な軍備拡張や大規模な共同軍事演習はその一環であると指摘しました。ノー氏は、目先の一時的な対話や部分的な緊張緩和の報道に惑わされることなく、世界規模の多極化する紛争の本質を見極め、東西アジアの双方でこれ以上の破滅的な戦争へのエスカレーションを防ぐために、人類が英知を結集してあらゆる努力を尽くすべきであると一貫して説いています。

中国による新世界秩序

Ray Dalio: 'Expect a Tribute System' as China Influence Grows - YouTube [LINK]

【海外動画より】米国の経済ニュース番組「ブルームバーグ・テレビジョン」では、世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーター・アソシエイツの創業者、レイ・ダリオ氏へのインタビューが放送されました。今回の動画では、地政学的な対立が市場に与える短期的影響と、世界の覇権バランスが米国から中国へとシフトしていく「超長期的な構造変化」について、投資家の視点から深い洞察が示されています。

ダリオ氏はまず、中東情勢の緊張に対して、市場は目先の混乱に過剰反応して一時的に下落するものの、最終的には「将来のキャッシュフローの現在価値」に基づいて冷徹に取引されるという現実を指摘しました。その上で、国際紛争における経済的な勝敗の歴史を分析しています。かつてのイギリス帝国のように、たとえ紛争で勝利を収めたとしても巨額の債務を抱えて衰退に向かう国がある一方で、最も大きな経済的利益を得るのは、紛争から距離を置き、物資の供給や経済活動を維持した中立国であると淡々と説明しています。現在、米国は世界中に約750の軍事基地を展開していますが、足元の中東情勢などを巡り、「米国が本当に同盟国を守り切れるのか」という実効性への疑念が世界中で台頭しており、これが戦後の米国主導の世界秩序が崩壊しつつある兆候であると述べています。

特にアジア地域において、これまで米国の軍事力は中国に対する抑止力として機能してきましたが、その信頼性が揺らいだ結果、各国の指導層が中国との関係構築へ舵を切り始めている現状を指摘しました。ダリオ氏は、この新たな秩序を、かつて中国を中心とした東アジアでみられた「冊封(さっぽう)体制」のような緩やかな覇権構造になぞらえています。これは、強大な力を持つ国とそれに従う国が互いの立ち位置を認め合い、調和を保つ仕組みです。

中国の台頭に伴い、中国企業による世界市場での競争力激化や、国際決済における人民元の利用拡大が加速するとダリオ氏は予測しています。このような不確実性が高く、既存の通貨価値にリスクが生じる激動の時代において、投資家が取るべき最大の防御策は徹底した「分散投資」と「流動性の確保」です。ダリオ氏は、目先の市場の動きに一喜一憂して資産を頻繁に移動させるべきではないと警告し、家計や資産を守るための長期的な戦略的資産配分の中に、ドルの代替となり得る金(ゴールド)を一定割合組み込むことの重要性を一貫して説いています。

人民元、ドルには代われず

Real Conversations | Markets, the Economy & the Global Risk Landscape w/ Jim Rickards - YouTube [LINK]

【海外動画より】コアな投資家向けに金融情報を提供するメディア「ヘッジアイ」の番組において、著名な金融アナリストであり、ベストセラー作家でもあるジム・リカーズ氏が、世界経済のリスクと市場の現状について独自の分析を語りました。

リカーズ氏はまず、巷で話題になる「脱ドル化」や「ドルの暴落」という言説を根拠のないものとして一蹴します。多くの人が「中央銀行がドルの保有を減らしている」と主張しますが、実際には中央銀行が保管しているのはドル紙幣ではなく米国債です。中国が米国債を売却しているのは、ドルを嫌っているからではなく、国内の銀行救済や自国通貨の買い支えのために、どうしても現金としてのドルが必要だからです。これはドル離れではなく、世界的な「ドル不足」の象徴であると分析します。

リカーズ氏によれば、世界の準備資産の約59%をドル、約26%をユーロが占めており、これだけで全体の85%に達します。中国の人民元が次世代の基軸通貨になるとの期待もありますが、そのシェアは極めて小さく、海外ではほとんど使われていません。さらに、基軸通貨となるためには30年物までの多様な満期を持つ大規模な債券市場や法の支配が必要ですが、中国にはそれらが欠けているため、当面はドルに代わる存在にはなり得ないと指摘します。

一方で、リカーズ氏は金に対して極めて強気な見通しを示しています。近年の世界的な中央銀行による金保有額の増加は、米国債を投げ売った結果ではなく、金価格自体が大きく上昇したことによるポートフォリオの再評価が主因です。リカーズ氏は、経済の減速とともに金への資金流入が本格化すると見ており、比較的短い期間で1オンスあたり1万ドルに達するという目標価格を提示しています。

地政学的リスクについては、トランプ政権の外交やイラン、ロシアへの対応に厳しい目を向けています。トランプ氏が戦争の早期終結や無条件降伏を口にすることに対し、歴史的な外交の複雑さを理解していないと批判します。米国は経済制裁などで相手の困窮を待ちますが、イランなどは過去の長期にわたる戦争経験から耐性が高く、最終的には米国側が妥協を迫られる「チキンゲーム」の様相を呈しているとリカーズ氏は言います。原油の現物価格の上昇や肥料不足による食糧危機など、戦争の長期化による実体経済への深刻な影響が懸念されています。

金銀、重要性増す

You Ask Mike; Mike Answers! - YouTube [LINK]

【海外動画より】貴金属投資プラットフォームであるマネー・メタルズが配信する番組「ミッドウィーク・メモ」では、ホストを務めるマイク・マハリー氏が視聴者から募った質問に直接答える企画が紹介されました。今回の動画では、現在の法定通貨制度の先行きやマクロ経済の動向について、台本なしで率直な見解が述べられています。

番組の中で、紙幣に代わって金や銀などの現物金属が再び取引の主役になる時期についての質問に対し、マハリー氏は政府や社会のシステムが完全に崩壊しない限り、硬貨そのもので直接売買する時代に戻ることは考えにくいと指摘しました。しかし、現在の法定通貨制度は常に政府による過剰な通貨発行の誘惑に晒されており、最終的には破綻を免れないという見方を示しています。その一方で、電子決済システムの進化により、現物を持ち歩くことなく金や銀の所有権をデジタルで移転する新たな取引形態が今後さらに普及する可能性を挙げています。また、世界的な「脱ドル化」の動きや米国の巨額な債務問題がドルに対する信頼を揺るがしている現状を踏まえ、今後は金や銀などの実物資産が金融システムにおいて重要性を増していくと淡々と分析しています。

さらに、原油価格の高騰が消費者物価に与える影響についても興味深い解説が行われました。マハリー氏は、特定のエネルギー価格の上昇による物価高と、通貨供給量の拡大によって引き起こされる本来の「インフレ」を区別して捉えるべきだと主張します。仮に通貨供給量が増えない状態で原油価格のみが高騰した場合、人々はガソリン代を捻出するために他の消費を切り詰める必要があるため、結果として他の品目の価格が下落し、経済全体でバランスが保たれると説明しています。つまり、社会全体の物価水準を同時に押し上げる要因は通貨やクレジットの過剰な創出以外になく、表面的な物価の変動に惑わされずに本質的な通貨価値を見極めることが重要であると結論付けています。

米債務危機のドミノ

The First Domino in the US Debt Crisis - YouTube [LINK]

【海外動画より】投資メディア「ジェイ・マーティン・ショー」では、米国債市場が直面している極めて深刻な脆弱性と、世界的なエネルギー危機が引き金となる「債務スパイラル」の危険性について詳しく解説されました。今回の動画では、中東情勢の緊迫化に伴う海上交通路の封鎖が、一見無関係に思える米国の金利や家計にどのように波及するのか、その構造が解き明かされています。

番組のホストであるジェイ・マーティン氏は、米国政府が税収を上回る支出を賄うために発行してきた総額約9.4兆ドルにのぼる米国債が、これまで世界で最も安全な資産として各国の中央銀行に保有されてきた歴史を振り返ります。しかし、ホルムズ海峡の封鎖によってエネルギー供給が途絶えた国々が、原油を市場で調達するためのドルの確保に迫られ、保有する米国債を大量に売却し始めている現状を指摘しました。債券が大量に売りに出されると価格が下落し、それと連動して市場の金利(利回り)が上昇します。米国債の利回りはあらゆるローンの基準となるため、これが上昇すると住宅ローンや自動車ローン、企業の調達コストまでが同時に跳ね上がり、米国の国内経済を直撃することになります。

このような危機的状況を回避するため、アラブ首長国連邦(UAE)などの富裕国が米国財務省に対し、「通貨スワップ協定」の締結を求めている事実が紹介されました。これは、現物の米国債を市場に放出して金利を高騰させる代わりに、自国通貨を担保にして米連邦準備制度(Fed)から直接ドルを借り入れる緊急の信用供与措置です。マーティン氏は、この措置が相手国への経済支援というよりも、むしろ米国債市場そのものを守るための「国債市場の救済策(バイアウト)」であると淡々と説明しています。同様の状況にあるクウェートなども追随する可能性が高く、今後この緊急融資枠が実質的に恒久化し、問題が先送りされ続けることで金融システム全体の脆弱性が高まっていくと一貫して説いています。

世界国債危機の行方

Every Bond Market on Earth Is Breaking at Once. This Is 2008 x10 - YouTube [LINK]

【海外動画より】著名な経済論評家でありユーロ・パシフィック・キャピタル会長のピーター・シフ氏が配信する番組「ピーター・シフ・ショー」では、世界規模で同時に進行している国債市場の崩壊と、それがもたらす深刻な金利・物価への影響について強い警戒感が示されました。今回の動画では、足元の債券市場の動向が2008年の世界金融危機を遥かに凌ぐ、破滅的な「主権(ソブリン)債務危機」の前兆であると分析されています。

番組の冒頭でシフ氏は、米国をはじめ欧州や日本などの主要国がこれまで巨額の政府債務を維持できたのは、単に金利が歴史的な低水準に抑えられていたからに過ぎないと指摘しました。しかし、債務が膨らむほどその国の信用力は低下するため、投資家はより高いリスクプレミアムを要求するようになります。シフ氏は各国の長期金利チャートを示しながら、1980年から2020年まで40年間続いた債券の「超長期強気相場(金利低下局面)」が完全に終わり、世界は猛烈な金利上昇を伴う「債券の弱気相場」に突入したと主張しています。特に日本の国債市場に言及し、10年物国債の利回りが過去最高水準に達する中で、もし日本政府が国債金利の支払いに税収入の50%以上を割かなければならなくなれば、保有する米国債を大量に売却せざるを得なくなり、結果として米国の財政をさらに圧迫する連鎖反応が起きると淡々と説明しています。

さらにシフ氏は、原油価格が1バレル108ドルを突破し、あらゆる商品を網羅するCRB商品指数が急上昇している現状を踏まえ、世界は「高金利と高インフレ」が同時に進行する最悪の経済環境に向かっていると警鐘を鳴らしました。多くの投資家は物価高や金利上昇を一時的な要因、あるいは国際紛争によるノイズだと過小評価していますが、実際には長年にわたる過剰な通貨発行と財政赤字のツケが回ってきた結果です。シフ氏は、ドルの長期的価値に対する不信感から投資家が債券を手放している以上、流出した資金は最終的にドルの実質的な競合である金や銀などの実物資産に向かうと結論付けています。過去の経済危機のように金利を20%に引き上げてインフレを抑え込む体力は今の米国にはなく、政府が通貨発行に頼り続ける限りドルの価値は崩壊を免れないとして、市場の本質を見誤らずに実物資産へのシフトを急ぐべきだと一貫して説いています。

ドル、最大の脅威は米政府

The Biggest THREAT to the Dollar Is Washington Itself | Judy Shelton - YouTube [LINK]

【海外動画より】米ドルの信認を脅かす最大の要因は外部の脅威ではなく、米政府や議会自身の不健全な財政運営にあるとする指摘について、米国のシンクタンクであるインディペンデント研究所のシニアフェロー、ジュディ・シェルトン氏が解説する動画が公開されました。シェルトン氏は、通貨の価値を安定させ信頼を取り戻すためには、中央銀行による人為的な政策介入を縮小し、市場の機能や金(ゴールド)との連動といった明確な基準の導入を模索すべきだという持論を展開しています。

動画の中でシェルトン氏は、連邦準備理事会(FRB)が保有する膨大な資産の管理や金利設定において、過大な権力を持つようになった現状を厳しく批判しました。2008年の金融危機以降、民間銀行の余剰資金に高い利息を支払ってFRBに滞留させる緊急措置が常態化し、これが本来なら生産的な活動に向かうべき資金の流通を妨げていると指摘します。さらに、パウエル議長のもとでの過去8年間で累積31%もの物価の上昇、すなわちドルの購買力低下を招いた事実を明確な数値として挙げ、物価の安定という本来の責務を果たしていないFRBの現状に強い懸念を示しました。

また、シェルトン氏はドルの価値を根底から脅かす最も深刻な原因として、連邦議会による際限のない財政赤字の拡大を挙げました。中央銀行は政府が発行する債務を買い支えることで、この財政的な無責任さに構造的に加担せざるを得なくなっていると説明します。通貨の安定に必要なのは為替レートの強弱を操作することではなく、安定した購買力を示す信頼性の確保であり、そのためには政府の無駄な支出を厳格に抑制する具体的な計画や、民間セクターの自律的な生産拡大を促す供給重視の経済政策への転換が不可欠であると訴えました。

最後に、米国の建国250周年を控える現状を踏まえ、政府は国民に奉仕する存在であることを思い出し、すべての民間企業やビジネスパーソンが当然のように実践しているように、自らのコストと支出のバランスを厳格に管理する財政の健全化へ真摯に取り組むべきだと結論づけています。信頼できる通貨の維持こそが、私たちが働く上での基本的な権利であると結びました。

2026-05-20

イスラエルの戦争、米の崩壊

Israel’s ‘War to the Root’ May Unravel America - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

【海外記事より】トランプ米大統領の対イラン戦争と、中東全域での覇権確立を目指すイスラエルの戦争が急速に行き詰まっています。イランが米国の脅しに屈しない中、元英国外交官のアラステア・クルーク氏がオンラインメディアのストラテジック・カルチャー・ファンデーションに寄せた寄稿によると、米国の指導者はイランに対する決定的な勝利に、自国の経済と国際的な地位のすべてを賭けている状態です。しかし、米国の同盟国であるイスラエルがガザやレバノン、イランで繰り広げる泥沼の紛争は、高額な兵器を誇る欧米の軍事戦略がすでに機能していないことを露呈しています。

安価な技術によるイランの非対称戦は、膨大な国防費を投じてきた米国の軍事優位性とドル覇権を揺るがしています。中国やロシアは、米国の海軍力がイランに翻弄される姿から学び、それぞれの防衛戦略に適用しつつあります。さらに深刻なのは、米国がイスラエルの大量虐殺的かつ救世主的な「永久の戦争」のパートナーになってしまったことです。建国当初のイスラエルには、国力に見合った小さな軍隊を維持し、戦争を政治の手段とする理性が存在しましたが、2023年10月の事態以降、この原則は180度逆転しました。現在のイスラエルの政権は、新たなホロコーストの脅威を防ぐというパラノイア的な大義名分のもと、敵を根絶するまで際限のない戦争を続ける姿勢を見せています。

イスラエルの指導者は、この戦争が米国の経済や政治にどのような悪影響を及ぼそうとも関心を持っていません。トランプ大統領がこのようなイスラエルの無謀な野心と緊密に連携している事実は、世界の大多数から拒絶されており、米国の国際的な評判を決定的に失墜させています。元イスラエル軍戦略家のウディ・エヴェンタル氏をはじめとする専門家は、軍事行動は政治的解決の手段であるという原点に立ち返り、自国の国境内で生きる道を選ばなければイスラエルを救うことはできないと警告しています。

中露、エネルギー取引で思惑

Putin is pushing for a blockbuster oil and gas deal in China. Will he get it? | South China Morning Post [LINK]

【海外記事より】アメリカのトランプ大統領が中国を訪問した直後、ロシアのプーチン大統領が、中国との間で重大かつ大規模な石油・天然ガスの取引合意を目指して訪中しました。米国とイランの戦争は、ロシアにとって中国へのエネルギー輸出を拡大する好機に見えますが、米国のコロンビア大学グローバル・エネルギー・ポリシー・センターのシニアリサーチスカラーであるエリカ・ダウンズ氏ら専門家は、合意の実現には多くの複雑な要因が絡んでいると指摘しています。

ロシアの目的は、中国へのエネルギー輸出を増やして国内経済を支えることですが、中国側には単一の供給国への過度な依存を避けたいという思惑があります。また、中国の調査会社大手のエネルギーアナリストによれば、ロシアから中国への石油輸送ルートであるパイプラインと港はすでに満杯に近い状態です。さらに、ウクライナによるドローン攻撃の脅威や、米国の制裁を恐れる中国の国有企業が購入に慎重になる可能性もあります。中国国内で電気自動車が急速に普及し、燃料としての石油需要が減少していることも、大量買い入れの障害となっています。

一方で、今回の首脳会談では石油よりも天然ガスに関する合意の可能性が高いとみられています。長年停滞しているパイプライン計画「シベリアの力2」について、中東情勢の緊迫化を背景に、プーチン大統領は海上輸送よりも安全だと主張する好機を迎えています。しかし、価格設定や建設費の負担割合を巡る交渉は難航しており、ロシアが欧州向け輸出の減少を補うために価格を譲歩するかどうかが焦点です。中国は安全保障の観点からロシアを保険として利用する考えですが、依存度が高まることへの警戒感は根強く、今回の訪問で大規模な合意に至るかは不透明です。

インフレの隠蔽された現実

The Reality Index [LINK]

【海外記事より】米国の法学者であり論客でもあるステファン・キンセラ氏による配信記事の中で、政府が発表する公式のインフレ指標である消費者物価指数(CPI)が、一般的なアメリカ人家庭の実際の生活費の上昇を大幅に過小評価している実態を暴いた「リアリティ・インデックス(現実指数)」という独立プロジェクトについて紹介されています。この指数は、政府が食品などの比較的安価な品目の値動きを正確に捉える一方で、住宅や医療といった高額で重要な支出の値上がりを過小評価している点に着目し、実際の小売価格や独立した消費者データを用いて算出されたものです。

調査結果によると、1980年に100ドルだった標準的な家計の買い物カゴは、2025年には公式のCPI基準では391ドルにしか上昇していないとされますが、リアリティ・インデックスを用いて実勢価格で計算すると515ドルにまで跳ね上がります。これは政府発表よりもインフレが32.0%も早く進んでいることを意味しており、過去55年間の長期で見るとその差は54.4%にまで拡大します。こうした大幅な乖離が始まったのは2000年頃からで、特に住宅費が6.1倍、医療費にいたっては15.6倍と、中産階級の生活を定義づける「大きな支出」が急激に高騰したことが主な要因です。特に2020年以降は、政府発表と現実の生活費との間で過去最大の格差が続いています。

この記事ではさらに、1980年当時の標準的な中産階級のライフスタイル(4部屋の住宅、車2台、子供3人、犬1匹、民間の医療保険、適度な自由裁量支出)を維持するために必要な費用を毎年追跡した「アメリカン・ドリーム指数」についても言及しています。これによると、1980年当時に約束された中産階級の生活を維持するための費用は、当時の世帯所得中央値の159%に達しており、2025年時点でも145%となっています。つまり、アメリカの中産階級の理想的な暮らしは、政治家たちが認めるよりもはるか昔から、すでに平均的な家庭の収入では手が届かない高嶺の花になっていたことを示しています。

名目上の費用はこの45年間で5.16倍に増加したのに対し、世帯所得の中央値は4.89倍の伸びにとどまっています。さらに、内訳を見ると医療費が7.5倍、住宅の維持費が4.2倍、食料品が3.3倍に膨らんでおり、支出の中で削ることができない必須科目の負担が重くなっています。この現実指数は、政府の統計手法が中産階級の生活費をいかに隠蔽しているかをチャートや項目別の比較データで実証しており、見出しの数字よりも実際のインフレははるかに過酷であると結論づけています。

人工的な低金利政策が崩壊

Debunking Bond Market Sell-Off Myths - Robin J Brooks [LINK]

【海外記事より】エコノミストのロビン・ブルックス氏が個人の配信記事の中で、今週起きている国債市場の暴落を巡る誤解やデマについて、冷静に事実を紐解きながら解説しています。債務の膨張と長期金利の上昇は、新型コロナウイルスの世界的流行期に各国政府が巨額の財政赤字を抱えて以来、常に市場の主要なテーマとなってきました。パンデミックが収束した後も財政規律は戻らず、財政赤字は拡大したままであり、さらに物価の変動と上昇を受けて中央銀行が急進的な利上げを続けたことが背景にあります。

ブルックス氏は、金利上昇の背景には2つの要因があると指摘しています。1つ目は、原油価格の高騰や地政学的な不確実性による一時的な長期金利の上昇です。これはイランとの戦争が終結すれば部分的に反転する性質のものです。2つ目は、中央銀行による人工的な金利抑制策の限界に起因する、より永続的な金利の上昇です。その筆頭が日本であり、日銀は国債を買い支えることで金利の上昇を不自然に抑え込んでいます。欧州中央銀行も債務の多い国に対して同様の措置をとっていますが、こうした介入は本来の金利である「シャドー・イールド」を覆い隠すものであり、政治的に維持不可能な限界を迎えています。今回の国債売りが日本から波及しているのは、この人工的な低金利政策が崩壊しつつあるためです。

一方で同氏は、市場が機能不全に陥っているという見方を否定しています。流動性は低下しているものの、価格の再設定という市場本来の機能が秩序正しく行われているに過ぎません。また、過去の危機で見られたような世界的なドル不足の兆候も、現時点のデータには全く現れていないと述べています。米国の国債が他国と比べて魅力的に低下したという事実もなく、市場の混乱は米国特有の信頼失墜が原因ではないと結論づけています。

金利の上昇はむしろ、各国政府に財政健全化を促すための好ましいシグナルであると解説されています。例えば英国は、イングランド銀行が日本のように金利を不自然に抑え込まなかったため、金利が急上昇して財政悪化が目立つように見えますが、リスクプレミアムが正しく価格に反映されているため、市場からの資金逃避が起きていません。対照的に、金利を人工的に低く抑え続けている日本は、リスクが通貨安という形で噴出し、円安の進行を招いています。ブルックス氏は、金利を自由に変動させて政策担当者に警告を発することこそが、透明性の高い本来の経済の姿であると主張しています。

ワークライフバランスなど存在しない

Johansson: work-life balance doesn't exist [LINK]

【海外記事より】米国の俳優であるスカーレット・ヨハンソン氏は、仕事と私生活のバランスを均等に保つ「ワークライフバランス」など存在しないと語っています。この記事の執筆者であるクリス・モリス氏によると、ヨハンソン氏はスキンケアブランドや映像制作会社を立ち上げたビジネスの創業者でもあり、1億6500万ドルの資産を築いています。彼女には2人の子供がおり、現在は私生活も充実しているように見えますが、仕事の義務と家族との時間の両方に自分の時間を均等に分配することは、達成不可能な課題だったと認めています。

ヨハンソン氏は、ワークライフバランスなど存在しないと潔く認めることこそが、自分なりのバランスに到達するための第一歩であると述べています。常にどこかの領域で不足が生じるのは当然であり、すべてのことを完璧にこなすのは不可能なため、今では自分に対してより寛大になり、「これで十分だろうか」と自問するようになったと明かしています。

こうした考えに至った背景には、幼少期の経験があります。彼女の家族は生活保護や生活必需品の支給に頼る低所得世帯で、両親が4人の子供を育てる中で経済的に苦しむ姿を見て育ちました。また大人になってからも、私生活の一面に過度な重きを置いたことで、多忙なスケジュールにより当時の交際相手と破局するといった苦い経験を重ねてきました。子供を産んでからは、仕事と生活の切り離しにより注意を払うようになりましたが、それでも完全に正しくこなせているわけではないと言います。

彼女は、親として75%の確率で成功していれば十分に合格であり、それだけ正しくできていれば勝利しているようなものだという、過去に人から授かった言葉を紹介しています。現在、仕事と家庭生活の調和に悩んでいるのはヨハンソン氏だけでなく、多くの人々が同様の課題に直面しています。

燃料危機と暗い未来

Cut the fuel, cut the future - by No1 [LINK]

【海外記事より】国際エネルギー機関(IEA)が先月、世界原油市場の歴史において最大規模となる事態を記録しました。この記事の執筆者であるアナリストの指摘によると、原油価格(ブレント原油)は3月に65%も急騰しています。第2四半期の世界の石油生産量は6.6%減少する見通しであり、これは新型コロナウイルスによるロックダウン以来の大きな減少幅です。ホルムズ海峡のタンカー通行数は1日あたり約70隻から15隻未満へと激減し、アメリカの戦略石油備蓄(SPR)からは過去最大となる週8600万バレルが放出されました。経済学の教科書では「経済が成長するからエネルギー消費が増える」と教えられますが、実際は逆です。安価なエネルギーが生産性を生み、それが経済を成長させます。エネルギーを引き抜けば、生産性も国内総生産(GDP)も連動して転落するのです。

歴史を振り返ると、紀元前後の古代世界にも蒸気タービンや複雑な歯車式の計算機を作る技術や知性は存在していました。しかし、当時は安価な奴隷の労働力があったため、機械に投資して産業革命を起こす動機がありませんでした。17世紀の英国で産業革命が起きたのは、森林が枯渇して深刻な燃料問題に直面したからです。幸いにも足元に安価な石炭があり、それを活用するために技術が結集しました。エネルギーの密度が上がることで、鉄鋼、化学、電気、コンピューターなどの文明の進歩が可能になったのです。

しかし現在、西部諸国はエネルギーの密度の梯子を自ら下りようとしています。ドイツは2023年に原子力発電所をすべて閉鎖し、最も汚い褐炭の採掘へと逆戻りしました。米国も原発の閉鎖や、エネルギー密度の低い太陽光への転換を進めています。一方で中国は、2025年4月にトリウム溶融塩炉への燃料補給を停止することなく成功させ、原発の建設を急ピッチで進めています。中国のクリーン発電量は米国の3倍に達し、世界のエネルギー勢力図は塗り替えられつつあります。

現在、イランがホルムズ海峡の封鎖を宣言したことで、世界の海上原油貿易の約25%が滞っています。タンカーの保険が適用されなくなったため通行は事実上不可能となり、航路を喜望峰経由に変更せざるを得ず、配送に数週間の遅れが出ています。IEAは過去最大の緊急備蓄放出を要請しました。市場はこれを単なる原油価格の問題として捉えていますが、本質は「生産性」の問題です。世界のエネルギー予算の5%が失われれば、経済は単に減速するだけでなく機能不全に陥ります。1973年の石油ショック時にも同様の供給減少が起き、その後10年間にわたるスタグフレーションや国際政治経済の再編を招きました。革新には燃料が必要です。エネルギーという予算を削ることは、すなわち未来を削ることに他なりません。

白金族、供給不足続く

Structural Supply Deficits Forecast to Continue Driving Platinum Group Metal Prices Higher [LINK]

【海外記事より】貴金属市場のアナリストであるマイク・マハレイ氏による記事によると、白金族金属(PGM)の価格が、慢性的な供給不足と好調な市場動向を背景に昨年大幅に上昇しました。調査機関のメジャーズ・フォーカスは、この上昇傾向が今年も続き、価格にはまだ十分な上昇余地があると予測しています。プラチナは2025年に119%上昇し、2026年1月後半には1オンスあたり2923ドルの最高値を記録しました。パラジウムも同様の動きを見せ、2025年には914.10ドルから78.7%上昇し、1月には1100ドル弱に達しました。こうした価格上昇の背景には、現物の需給逼迫や投資家の関心の高まり、通商政策による影響への懸念などがあります。

市場の供給不足は深刻です。2025年のプラチナ需要は供給を95万1000オンス上回り、4年連続の不足となりました。パラジウムの供給不足も、2024年の21万8000オンスから昨年は41万6000オンスへとほぼ倍増しています。こうした現物不足に対し、主要産出国である南アフリカでの洪水や北米の鉱山の操業停止などが重なり、昨年の生産量はプラチナ、パラジウムともに4%減少しました。

一方で需要面に目を向けると、自動車向けの需要は電気自動車の普及により、昨年は2%減少して1190万オンスとなりました。しかし、他分野での需要がそれを補っています。特に投資需要が急増しており、小口投資向けの需要は96%増の40万4000オンスに達し、その約60%を中国による購入が占めました。さらに、人工知能(AI)のブームに伴って電子機器向けの需要が8%増加したほか、化学分野の需要も3%増加しました。宝飾品向けでは、金価格の高騰を受けてメーカーがプラチナへシフトしたため、需要が10%増加して過去9年間で最高の水準を記録しています。

メジャーズ・フォーカスは、2026年も供給不足が継続すると見込んでいます。ただし、今後の価格は需給バランスだけでなく、投資家の資金流入や政策介入に左右される性質が強まると指摘しています。2026年のプラチナは31万2000オンスの供給不足となり、年平均価格は前年比71%高の2190ドルになると予測されています。パラジウムも37万6000オンスの不足となりますが、投資家の意欲が限定的なためプラチナより安値で推移し、年平均で前年比37%高の1570ドルになる見通しです。同行は、2026年もすべての白金族金属の価格がさらに上昇すると予想しています。

米インフレが悪化

Schiff on VRIC Media: Inflation Is Worse Than They Admit | SchiffGold [LINK]

【海外記事より】米国の経済評論家であるピーター・シフ氏がメディアのインタビューに応じ、物価上昇やFRB(米連邦準備理事会)の資産拡大、そして債務の増加が、金のような「本物のお金」の価値を高めていると指摘しました。シフ氏によると、現在の消費者物価指数の前年比上昇率は3.8%ですが、1か月前の3.3%から上昇傾向にあり、4月の数値を年率換算すると約7.2%に達します。市場はこれに大きな反応を示していませんが、インフレは当局の掲げる2%の目標を大きく上回り、間違った方向へ進んでいると警鐘を鳴らしています。

さらにシフ氏は、FRBの最近の動向について、実質的な量的緩和(QE)への回帰であると批判しています。FRBは資産圧縮を停止し、今年に入ってから既に2000億ドル以上もバランスシートを拡大させているとのことです。通貨供給量も少なくとも5%のペースで増加しており、これは2%のインフレ目標とは到底相容れない動きです。同氏は、今後金利が急騰すれば、FRBはさらに国債の買い入れを強化せざるを得なくなり、インフレと資産価格の歪みがより一層激しくなると予想しています。

また、インフレは実質的な資産価値を高めるわけではなく、単に価格を押し上げているに過ぎないと解説されています。株や不動産を所有していない一般の消費者は、毎週スーパーマーケットに行くたびに生活必需品の値上がりに直面し、購買力を奪われるため、インフレの恩恵を全く受けられないと指摘しています。

米国の財政に関しても、公表されている債務データは過小評価されていると述べています。現在の債務対GDP比は約122%であり、政府が返済義務を負う資金は39.2兆ドルに上りますが、ここには学生ローンや住宅ローン、年金基金への政府保証といった「偶発債務」が含まれていません。これらを考慮すると、実際の負担はさらに膨らむことになります。

最後にシフ氏は、1971年当時と現在を比較し、紙幣と金の価値の違いを説明しました。1971年に35ドルを地面に埋めて今掘り起こしても、現在の35ドルで買えるものはごくわずかです。しかし、当時35ドル相当だった1オンスの金を埋めて今日掘り起こせば、それは5000ドルの価値になっており、多くのものを購入できます。同氏はこの50年間における購買力の差を強調し、紙の約束手形ではなく、価値の保存手段として機能する金を保有すべきだと改めて主張しました。

マシー議員が敗北

Trump vs Massie in Kentucky: Is Israel breaking MAGA? — RT World News [LINK]

【海外記事より】アメリカの共和党下院議員であるトーマス・マシー氏が、イスラエルへの対応やイラン問題、エプスタイン事件の記録公開などを巡ってトランプ大統領と対立した結果、予備選で落選しました。この記事によると、マシー氏を破ったのは元海軍特殊部隊員のエド・ガルレイン氏です。この選挙には親イスラエル派の団体などから1000万ドル以上の資金が投入され、米国下院の予備選としては史上最高額の費用が投じられた選挙となりました。この動きはアメリカの保守派内部における広範な対立を象徴しています。トランプ氏はかつての「アメリカ・ファースト」の同盟者たちを公に非難する一方、ブッシュ政権時代のような介入主義へと傾斜しています。対するマシー氏は介入主義に反対する立場で、中東からの米軍撤退やウクライナへの軍事支援に反対し、2023年10月には共和党で唯一、イスラエルのガザ戦闘への支持決議に反対票を投じていました。

トランプ氏とマシー氏の関係は、マシー氏が歳出法案やイラン政策に反対し、エプスタイン関連の完全な記録公開を求めたことで急速に悪化しました。トランプ氏はマシー氏を否定的な勢力であると非難し、予備選でガルレイン氏を完全に支持すると表明しました。ガルレイン氏は過去にトランプ氏に反発して共和党を離脱した経緯があり、政策的にも目新しいものはなく知名度も低い人物ですが、トランプ氏はマシー氏を落選させることを最優先して彼を支持した模様です。

この選挙には巨額の資金が動いており、マシー氏によればガルレイン氏への寄付の95%以上が親イスラエルのロビイストらからのものです。連邦選挙管理委員会の記録によると、AIPAC(アメリカ・イスラエル公共問題委員会)などの親イスラエル団体や慈善活動家らが総額で1550万ドルをこの予備選に費やしました。マシー氏は、これほどの巨額資金が共和党の予備選で相手候補に投じられた例は過去にないと指摘し、これらのロビー団体が議会をコントロールしようとしていると批判していました。

マシー氏はこれまで予備選で負けたことがありませんでしたが、今回の激しい選挙戦の末、ガルレイン氏が勝利を収め、マシー氏は敗北を認めました。開票結果が55%対45%に近づく中、マシー氏は支持者を前に、テルアビブ(イスラエルの都市)にいるガルレイン氏に敗北宣言を連絡するのに時間がかかったと皮肉を述べました。今回の結果は、共和党の有権者が理念よりもトランプ氏への忠誠を重視するのか、そしてイスラエルのロビー団体が望む議席を資金力で獲得できるのかという、2つの大きな問いを投げかけています。

投資とは?

【キーワード】お金を増やす魔法ではなく、私たちが「より良い明日」を創り出すための、最も人間らしい行動。それが投資(investment)の本質です。

多くの人は、投資と聞くと株や不動産を売買して利益を得る「財テク」を思い浮かべるかもしれません。しかし、オーストリア学派経済学の視点から見れば、投資とはもっと根源的で、私たちの文明を支える壮大なドラマです。私たちは今日、目の前にあるリンゴを食べて空腹を満たすことができます。これを「消費」と呼びます。一方で、そのリンゴを食べるのを我慢して、種を土に植え、将来もっと多くのリンゴを収穫できるように準備することもできます。これが「投資」の真実です。つまり投資とは、今の満足を少しだけ先送りにし、その浮いた資源を将来の生産性を高めるために振り向けるプロセスなのです。

経済学において投資が重要なのは、それが「資本」を作り出す唯一の道だからです。原始的な社会では、人は素手で魚を捕まえますが、これでは効率が上がりません。そこで、食べる時間を削って網を編むことに時間を費やします。この網が「資本財」であり、網を作る行為が投資です。網があれば、将来は素手よりもずっと多くの魚を得られます。現代社会における工場や機械、そして高度なソフトウェアも、すべては誰かが過去に行った「消費の我慢」から生まれた結晶なのです。投資が行われることで、社会全体の生産能力が向上し、結果として私たちの生活水準は引き上げられていきます。

ここで重要なのが、投資には必ず「時間」と「不確実性」が伴うという点です。未来は誰にも予測できません。種を植えても芽が出ないかもしれないし、網を編んでいる間に嵐が来るかもしれません。投資家とは、こうしたリスクを自ら引き受け、未来のニーズを予測して資源を配置する「目利き」の役割を果たしています。政府が無理やりお金を刷って景気を刺激するのではなく、個人が自らの意思で貯蓄し、それを賢く将来に投じることで初めて、健全な経済成長が可能になります。リバタリアンの視点では、この個人の選択の自由こそが、経済を最も効率的に動かすエンジンであると考えます。

最後に強調したいのは、投資とは決してお金持ちだけの特権ではないということです。新しい技術を学ぶために本を読むことも、健康を維持するために運動をすることも、立派な自己投資です。今の快適さを少しだけ犠牲にして、より豊かな未来の自分を形作る。その一歩一歩が、巡り巡って社会全体の富を増やし、私たちをより自由な場所へと導いてくれます。投資の本質を理解することは、単にお金を増やす手法を学ぶことではなく、私たちがどのようにして未来を切り拓いていくかという、生き方の知恵を学ぶことと同義なのです。

2026-05-19

トランプ氏、戦争再開か

Is Trump poised to restart the Iran war? - Trita Parsi [LINK]

【海外記事より】中東は再び危機の瀬戸際にあり、トランプ米大統領はイランとの戦争を再開しようとしているようです。クインシー研究所のトリタ・パルシ副所長による分析記事は、テヘランの取材源の話として、イラン政府が48時間以内にアメリカによる攻撃が再開されると予想し、さらなる報復の準備を進めていると伝えています。戦争の再開はこれまでの封鎖作戦が失敗したことの証明であり、核協議の行き詰まりのなかで、双方が次の戦闘こそが交渉を有利にすると信じ込む危険な構図が生まれています。イランの新たな最高指導者を含む強硬派は、前回の戦闘でイランの強さが証明されたと自信を深めており、次の戦争に向けてより広範で過酷な報復計画を練っています。

イランの新たな戦略として、第一に、前回の紛争で役割を果たし、アメリカに参戦を促したアラブ首長国連邦(UAE)に最大の戦略的打撃を与える機会をうかがっています。具体的には、ペンタゴンを支援して戦争に加担しているとされるアメリカのデータセンターを標的にし、UAEのAIハブ化の野望を挫くと同時に、アメリカと中国のAI競争を妨害することを目指しています。第二に、トランプ氏やその家族がこうした技術企業に経済的利害関係を持っているとみて、彼の個人的なビジネス資産を狙う構えです。国家の戦略的利益よりも自身の金融帝国への脅威に敏感なトランプ氏に対し、個人的なコストを突きつけることで、現実的な交渉姿勢に導くという狙いがあります。

さらに第三の戦略として、他のおもな湾岸協力会議(GCC)加盟国がアメリカやイスラエルに領土や領空の使用を許可した場合、イランは一切の容認をせず、エネルギーインフラを攻撃して世界経済に破滅的な影響をもたらす可能性があります。第四に、紅海も戦闘地域に含まれることになり、紛争の地理的範囲が広がることで、すでに不安定な石油価格をさらに押し上げることになります。最後に、ペルシャ湾の海底を走る主要な光ファイバーケーブル網を切断する可能性も検討されています。ここにはGCCのネットトラフィックや巨額の金融取引が集中しており、イランはこれを世界経済を大規模に混乱させる「第二のホルムズ海峡」という強力な交渉カードとみなしているのです。

暴君の悲惨な結末

President Donald Trump: "Let Them Eat Cake", by Ron Unz - The Unz Review [LINK]

【海外記事より】歴史上の有名な言葉には、誤解や創作によるものが少なくありません。フランス革命前にマリー・アントワネットが放ったとされる「パンがなければケーキを食べればいい」という言葉も、彼女をおとしめるために後世に捏造された可能性が高いとされています。しかし皮肉なことに、現代のアメリカ人が彼女やフランス革命について記憶しているのは、この偽りの言葉だけです。過去の時代とは異なり、現代にはマイクやカメラが存在しますが、ウェブサイト「アンズ・レビュー」の主宰者であるロン・アンズ氏は、トランプ米大統領はそれらの存在を後悔しているのではないかと指摘します。

トランプ氏はイランとの戦争を開始したものの、当初の期待ほど成功していません。ペルシャ湾からの石油供給が途絶えたことで、米国内のガソリン価格は約30%上昇し、消費者物価インフレ率は3.8%に加速しました。専門家は今後のさらなる物価上昇を予測しており、支持率の低下に直面したトランプ氏は、記者から「イランとの交渉において、アメリカ人の経済状況をどの程度考慮しているか」と問われ、「少しも考えていない」と冷淡に答えました。この発言の動画はSNSで瞬く間に拡散され、批判的なミームの嵐を巻き起こしています。

トランプ氏やその家族、支持者らによる傲慢な行動や、政権内の驚くべき汚職も問題視されています。彼の息子たちは2025年にアメリカ製の金色のスマートフォンを発表して巨額の手付金を集めましたが、出荷は大幅に遅れ、最終的に届いたのはウォルマートで安価に売られている中国製携帯に酷似したものでした。また、トランプ氏はホワイトハウスの東翼を解体して高額な金色の舞踏会場を建設しようとしており、さらに自身のゴルフ場に22フィート(約6.7メートル)の金色の彫像を建てさせました。これらは独裁者のような誇大妄想的行動であり、政権内では富裕な犯罪者への恩赦を巡る利権取引なども横行しています。

今年2月、トランプ氏は国家安全保障の担当官らの忠告に反し、真珠湾攻撃をモデルにした奇襲でイランへの大規模攻撃を独断で開始しました。しかし、アメリカは国際的な法や均衡を無視したこの戦争に完全に敗北し、国の威信を大きく傷つけました。数週間の爆撃でアメリカ側の高度な弾薬の備蓄は底をつきかけた一方、イランのミサイルや発射台の7割以上は健在で、アメリカの地域軍事基地や湾岸のアラブ同盟国の施設は大きな被害を受けました。サウジアラビアやカタールはアメリカとの同盟を解消し、ロシアや中国への接近を検討しています。

イランがホルムズ海峡を封鎖したことで、世界の石油と液化天然ガスの供給の14%が失われ、1970年代を上回る近代史上最悪の供給ショックが起きています。すでにカリフォルニア州ではガソリン価格が1ガロンあたり6ドルを超え、韓国や欧州では燃料の配給制や航空便の運航停止が始まっています。トランプ氏は状況打開の選択肢を持たないまま、さらなる爆撃の再開を画策していると噂されていますが、イラン側は圧倒的な力で報復する構えです。もし紅海まで封鎖されれば世界の石油の2割が失われ、深刻な世界大恐慌へと発展しかねません。国民の経済を無視した最高権力者への怒りは、かつてのブルボン王朝が迎えたような悲劇的な結末を予感させます。

ミレイ氏の詐術

Javier Milei’s Austrian Scam By the Numbers [LINK]

【海外記事より】アルゼンチンのミレイ大統領は、リバタリアン・アナーキストとオーストリア学派経済学の信奉者を自称して当選しましたが、就任後30か月が経過した現在、その政策はオーストリア学派の理念とはかけ離れたものとなっています。オーストリア学派経済学を隠れ蓑にして、同国史上空前のインフレ政策を推進していると、エコノミストのサイファディーン・アモウズ氏は批判しています。直近のインフレや経済成長のデータを見る限り、ミレイ政権はすべての重要な課題において失敗したと言わざるを得ません。ミレイ氏は、インフレと債務によって国民を何世代にもわたり困窮させる、ラテンアメリカの典型的なインフレ主義の扇動政治家にすぎなかったのです。価格は上昇し続け、経済活動は衰退し、持続不可能な政府債務のポンジ・スキームは拡大しています。

ミレイ氏が破った最大の公約は、選挙戦で交渉の余地はないとしていた中央銀行の廃止です。彼はこれを実行せず、通貨供給量を管理してペソを復活させるというシカゴ・ケインズ主義的な手法へと転換しました。また、米ドル化の公約も破られ、代わりに通貨の自由競争という不合理なアイデアが導入されました。中央銀行が銀行免許の独占を維持し、銀行にペソの使用と政府国債の保有を義務付けているため、ペソのインフレが継続し、国民を強制的に貧困化させています。3月の消費者物価指数は1か月で3.4%上昇し、年率換算では49%に達しました。これによりアルゼンチンは、ベネズエラ、南スーダン、イランに次いで世界で4番目にインフレ率が高い国となっています。2年半におよぶ任期中、通貨供給量は3倍から4倍に急増し、ペソの創出は驚異的なペースで進みました。

さらに、慢性的な債務問題と戦うという公約に反し、ミレイ氏は債務を大幅に増加させました。大統領就任時に4230億ドルだった同国の債務総額は、先月末時点で4940億ドルへと71億ドルも増加しています。支持者は財政黒字をミレイ氏の成果として主張しますが、これは政府国債の高額な利払い費を支出に含めないという不適切な会計処理の結果です。さらに政府は教育、医療、インフラの国家独占を維持したまま資金調達を断つことで、重要な公共機関を破壊しています。一方で、高利回りのペソ建て債務を用いたキャリー・トレードという投機が国内の主要産業のようになってしまい、生産的な民間部門から資本を奪っています。この2年間で工業生産は7.9%減少し、今年2月だけで経済は2.6%縮小、失業率は7.5%に上昇しました。

ミレイ氏は、汚職にまみれた支配層との戦いも掲げていましたが、自身や周囲が関与するスキャンダルが相次いでいます。特にミレイ氏が宣伝した暗号資産「リブラ」の詐欺事件は、彼の政権の縮図です。リブラの詐欺師が大量の通貨を発行して市場に投じ、価値を崩壊させて莫大な利益を得たように、ペソの詐欺師も大量のペソを発行してキャリー・トレードの詐欺に融通し、経済を破壊しています。オーストリア学派経済学やリバタリアニズムという言葉は、騙されやすい人々を誘い込むためのマーケティングに悪用されたのです。オーストリア学派の知識人はミレイ氏への盲従をやめ、通貨供給量の激増や巨額の債務がもたらす影響を厳格に評価すべきです。ミレイ氏の失敗が明白になったとき、オーストリア学派経済学やリバタリアニズム全体の評判が失墜するという危機的な遺産を、この政権は残そうとしています。

最悪のシナリオ消えず

More Wars and Rumors of Wars - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

【海外記事より】トランプ大統領の中国訪問は、台湾問題などの曖昧さを残したまま終了し、その直後から米国の外交・軍事政策を巡る混乱が表面化しています。アメリカの元情報将校でコラムニストのフィリップ・ジラルディ氏による記事によると、トランプ氏の不在中にヘグセス国防長官が、北大西洋条約機構、いわゆるNATO加盟国との演習を予定していたポーランドへの米兵4000人の追加派遣を突如中止しました。これはイランとの戦争に対するNATOの非協力姿勢への報復とも見られており、ロシアとの緊張が続く東欧情勢に一石を投じています。トランプ政権はイラン戦の最中も、グリーンランドへの兵力増強や、燃料枯渇で揺れるキューバへの介入準備、さらにはベネズエラを51番目の州にするという議論など、極めて攻撃的な選択肢を崩していません。

しかし、最大の課題は混迷を極めるイラン戦争の行方です。トランプ氏は訪中を通じて中国に仲介や外交的な出口を期待したとみられますが、中国側は単に「戦争を終わらせるべきだ」と助言するにとどまり、米国に好都合な解決策は示されませんでした。それどころか、習近平国家主席は台湾へのいかなる介入も容認しない姿勢を明確にし、米国の覇権的な地位の低下を浮き彫りにしています。さらに、中東の同盟国であるサウジアラビアなどの湾岸諸国からは、米国の安全保障の傘が全く機能しなかったこと、そして米・イスラエルによって不必要な戦争に巻き込まれたことへの不満が噴出しており、戦争が地域全体に深刻な災厄をもたらしたとの認識が広がっています。

こうした中、かつて米国の軍事的優位や他国の政権交代を主導してきた米国内のネオコン、いわゆる新保守主義者の間からも、イラン戦争を「完全な敗北」や「屈辱」と呼ぶ声が上がり始めています。ネオコンの論客であるロバート・ケーガン氏は、ベトナムやアフガニスタンでの敗北とは異なり、今回のイランでの失敗は修復不可能であり、世界のパワーバランスに決定的な影響を与えると指摘しました。同様にマックス・ブート氏も、現在の休戦はイラン側に有利なものにすぎないと批判しています。

しかしジラルディ氏は、これらネオコンによるトランプ氏への批判は、平和的な撤退を促すためのものではなく、プライドを傷つけられたトランプ氏を挑発し、さらに過激な総力戦へと追い込むための巧妙な罠である可能性を指摘しています。実際に、他のネオコン団体は政権の体制刷新や戦力増強を公然と要求しており、親イスラエル派のロビー団体や富豪からの圧力も続いています。トランプ氏は経済悪化への懸念をよそに、イランの核保有を断固阻止するという姿勢を崩しておらず、最悪のシナリオとして、核兵器の使用を含むさらなる破滅的な選択に踏み切る危険性が排除できないと、記事は強い警戒感を示しています。

ウォーシュ氏に「不可能な任務」

Kevin Warsh’s Impossible Mission - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

【海外記事より】米連邦準備理事会、いわゆるFRBの新議長に就任するケビン・ウォーシュ氏を待ち受けているのは、世界的な国債利回りの急上昇という厳しい現実です。元米下院議員のロン・ポール氏による記事によると、イランとの戦争による原油価格の高騰を背景に、中央銀行は極めて困難な任務に直面しています。米国の政府統計では、過去1年間の消費者物価の上昇率が3.8%であったのに対し、賃金の上昇率は3.6%にとどまりました。これは、名目上の賃金が上がっていても、インフレ調整後の実質所得が減少していることを意味します。多くの米国人がクレジットカードの限度額まで使い込み、高金利の債務負担から抜け出せなくなっているのはこのためです。

トランプ米大統領はこの経済問題の解決策として利下げを求めていますが、現議長のジェローム・パウエル氏はこれに応じず、それが再任されなかった大きな理由とされています。ウォルシュ新議長がトランプ大統領の意向に沿って金融政策を決定するのではないかという懸念もあり、野党・民主党からの賛成票はわずか1票にとどまる異例の承認劇となりました。利下げを行えば消費者の金利負担は一時的に軽減されるかもしれませんが、ドルの価値がさらに目減りするため、結果として国民の実質所得を減少させ、さらなる借金を背負わせることになります。さらにFRBは、39兆ドルを超えて膨らみ続ける連邦債務を買い支えるためにも、利下げへの圧力を受けています。

イランとの戦争は世界経済に打撃を与えており、各国政府の債務不履行による世界的な債務危機を引き起こす懸念があります。さらに、ドルが世界の基軸通貨である根拠となってきた「ペトロダラー体制」、つまり石油取引をドルで行う仕組みに対する新たな挑戦を招く可能性もあります。1970年代にニクソン大統領が金とドルの結びつきを断ち切った後、サウジアラビアとの交渉により、米国の軍事支援と引き換えに石油取引をドルのみで行う体制が築かれました。しかし近年、米政府による制裁への反発から、この体制やドルの基軸通貨としての地位を揺るがそうとする動きが強まっています。

仮にペトロダラー体制が終わり、ドルが基軸通貨の地位を失えば、FRBは巨額の連邦債務をまかなうために必死に資金を供給せざるを得なくなり、深刻なインフレを招くでしょう。ポール氏は、短期的にはこの崩壊が大きな痛みを伴うものの、長期的には自由市場や小さな政府、非介入主義的な外交方針を支持する人々が増えることで、危機を乗り越えた先に平和と繁栄、そして自由の新しい時代が到来する可能性があると肯定的な見方を示し、記事を締めくくっています。

先進国債に信頼の危機

"Liz Truss" Bond Market Blow-Ups - Robin J Brooks [LINK]

【海外記事より】国債の急落と同時に通貨価値も下落するという、かつては主要先進国(G10)では珍しかった現象が、近年目立って増えています。エコノミストのロビン・ブルックス氏が掲載した記事によると、このような「信頼の危機」を伴う市場の混乱は、先進国において予想以上に一般的なものになりつつあります。この現象の代表例として、2022年9月に英国が発表した大規模な減税策、いわゆる「ミニ・バジェット」が引き起こした市場の混乱(トラスショック)が挙げられます。通常、国債利回りが上昇すると通貨も買われて上昇しますが、この時の英国では、財政赤字の拡大を懸念した投資家が国債だけでなく英国市場そのものから資金を引き揚げたため、利回り上昇とポンド急落が同時に起きる事態となりました。

こうした国債と通貨の同時下落は、従来は政策や制度への信頼度が低い新興国市場でよく見られる現象でした。しかし、先進国全体で公的債務が膨らみ、政治的な分断が進んだ結果、G10諸国もその優位性を失い、新興国市場の性質に近づいています。実際に、こうした危機は先進国市場で頻発するようになっています。日本はまさにこの種の国債下落と円安という事態に過去2年間にわたり直面しています。また、米国でも2025年4月に報復関税が導入された後に同様の急激な債券売りとドル下落を経験しました。欧州の債務国についても、もしユーロという共通通貨の枠組みがなければ、市場の標的となって同様の国債暴落が起きていた可能性が高いと指摘されています。

一方で、G10の中で唯一こうした危機を免れているように見えるのがスイスです。スイスは公的債務のレベルが低く、安全な資産としての資金流入が続いているため、他国と比べて利回りが低下しているにもかかわらず、通貨フランの上昇が続いています。これは危機に苦しむ他国とは完全に対照的な動きです。債務水準の増加と制度的な整合性の低下を背景に、主要先進国の国債市場の崩壊は今後さらに一般的になっていくと考えられます。先進国と新興国の境界線が曖昧になってきていることが、先進国通貨に対する新興国通貨の急速な価値上昇を促す一因にもなっており、この状況は今後さらに悪化する可能性があると記事は警告しています。

株に「行き過ぎた熱狂」

Jamie Dimon warns markets have 'too much exuberance' [LINK]

【海外記事より】株式市場が力強く回復する中、米銀最大手JPモルガン・チェースの最高経営責任者であるジェイミー・ダイモン氏は、現在の市場には行き過ぎた熱狂が見られるとして、懐疑的な見方を示しています。この記事は、著名な投資家であるマイケル・バーリ氏らの警告と合わせて、市場の宴が終わりに近づいている可能性を伝えています。ダイモン氏のこうした慎重な発言は、現在の一般的な楽観論とは一線を画すものです。しかし、市場に対して警戒感を抱いているのは彼一人ではありません。2008年の住宅市場崩壊を予測したことで知られるバーリ氏も、株式市場の活況が終焉を迎えるかもしれないと指摘しており、両者ともに現在の過熱した市場に飛び込む前に、投資家は再考すべきだと促しています。

ダイモン氏は、消費者が潜在的な石油危機のリスクを過小評価している可能性があると述べています。中東での緊迫した情勢が影を落とす中、現在は中国の需要減少と米国の供給増加によって原油価格が安定しているものの、在庫が減少しているため事態が深刻化するリスクがあると警告しています。現時点で消費支出全体の心配はないとしながらも、所得上位50%と下位30%の消費者の間には二極化が進んでおり、低所得層は賃金の伸び悩みから苦境に立たされています。もし原油価格が上昇すればこの状況は一変し、インフレがさらに押し上げられ、最悪のシナリオとして物価上昇と経済停滞が同時に進むスタグフレーションを招く恐れがあります。

一方でバーリ氏は、人工知能、いわゆるAIブームが巨額の資金を消失させる巨大なバブルを助長していると非難しています。市場では一日中AIの話題ばかりが繰り返されており、バーリ氏はこの現状を1999年から2000年にかけてのITバブルの崩壊直前に例えています。実際に主要な半導体株指数は過去1年で2倍以上に跳ね上がり、今年に入ってからも急上昇を続けています。この背景には、対話型AIの普及に伴うデータセンター需要の爆発的な増加があります。

こうしたAI懐疑論に対しては、半導体やソフトウェア業界のリーダーたちから反論の声も上がっています。しかし、現在の市場の急速な上昇に対して、業界の重鎮たちが相次いで冷や水を浴びせるような警告を発している事実は無視できません。原油価格の動向やインフレの再燃リスク、そしてAI分野への過剰な投資熱など、市場の先行きには多くの不透明感が漂っており、投資家には冷静な判断が求められていると記事は結んでいます。

FRBが選ぶ「緩やかな死」

The Fast Death and the Slow Death - by Jay Martin [LINK]

【海外記事より】歴史上、すべての中央銀行は「急激な死」と「緩やかな死」の二択を迫られたとき、必ず緩やかな死を選んできました。作家のジェイ・マーティン氏による記事は、現在の米国の金融システムが直面している致命的な罠と、今後下されるであろう決断について解説しています。物語は1907年の金融危機にさかのぼります。当時は米連邦準備制度理事会、いわゆるFRBが存在せず、民間の大富豪であったJ・P・モルガン氏が私邸の図書室に銀行家を集め、自己資金を動かしてシステムを崩壊から救いました。この危機を教訓に、一人の富豪に頼るのではなく、危機の際に必要な資金をキーボードの入力一つで無から創り出せる組織として、1913年にFRBが設立されたのです。

それから100年以上が経過した2026年5月、システムは大きな試練を迎えています。ホルムズ海峡が閉鎖されて原油価格が高騰し、インフレが再加速しています。米国債を大量に保有する外国政府は、原油購入の資金を作るために米国債を売却せざるを得ず、これが米国債の価格下落と金利上昇を招いています。さらに、資金繰りに苦しむアラブ首長国連邦などの同盟国から、通貨交換協定であるスワップラインの要請が相次いでいます。FRBはこれに応じるため、キーボードの入力だけで新たなドルを創出して貸し出していますが、この手法はドルの供給量を増やし、通貨価値を下げる原因になります。近々FRBの次期議長に就任するケビン・ウォーシュ氏は、この極めて困難な局面を引き継ぐことになります。

ウォーシュ議長の前には、3つの道が残されています。1つ目は、ドルの価値を守るために利上げを行いインフレと戦う道ですが、これは莫大な政府債務の利払い負担を急増させ、レバレッジのかかった米国経済を瞬時に破壊する急激な死を意味します。2つ目は、国債市場を救うためにドルの創出を続け、誰も買わない国債を買い支える道ですが、これはドルの価値を希薄化させ、激しいインフレを招く緩やかな死の道です。3つ目は、イランとの戦争を終結させて原油価格を下げる道ですが、米国の国際的な信頼失墜と引き換えになります。

過去のFRB議長たちも同様の局面で常に同じ選択をしてきたように、国債市場が数日で機能停止する事態を避けるため、新議長も通貨価値を犠牲にして国債市場を救う2つ目の道、つまり緩やかな死を選ぶと記事は予測しています。これは、目先の致命的な脅威を処理し、長期的な損失を代償として受け入れる金融トリアージそのものです。私たちはこの現実を見据え、ドルの強さに依存しない金やエネルギー、コモディティといった現物資産や、キャッシュを生み出す生産的な資産に目を向け、緩やかな通貨価値の下落に備える必要があると締めくくられています。