リバタリアン通信
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「反インフレ経済勉強会」開講のお知らせ
インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...
2026-02-12
「ルールに基づく国際秩序」の幻
豪のイスラエル接近
戦争を煽る情報提供者
株暴落は悪ではない
金をどこに保管するか?
捏造された抗議デモ
国民団結より地方分権を
公共サービスは資金不足か?
国家に「存在する権利」はない
Is Spite of What Zionists Say, It's a Good Thing to Criticize Governments | Mises Institute [LINK]
【海外記事紹介】アメリカ国内で現在、信教の自由を巡る公聴会でのやり取りが大きな波紋を呼んでいます。発端は、親イスラエル派の活動家やラビたちが「反シオニズムは反ユダヤ主義である」と断定したことです。彼らの主張によれば、イスラエルという国家の存在を認めなかったり、その政策を批判したりすることは、それ自体がユダヤ人への差別にあたるとされています。具体的には、イスラエル国家を「非正当化」し、「悪魔化」し、さらには他国とは異なる「二重基準」で批判してはならないというのです。しかし、この記事の著者は、こうした言論の封じ込めは表現の自由に対する重大な脅威であると警鐘を鳴らしています。
著者は、いかなる国家にも「存在する権利」などというものは国際法上も自然法上も存在しないと指摘します。国連のアルバネーゼ特別報告者が述べているように、イタリアやフランスといった国々は現実に「存在」していますが、それ自体に法的な「存在する権利」があるわけではありません。権利を持つのはあくまで「人間(人民)」であり、国家という組織ではありません。国家は人間が作り出した便宜上の組織に過ぎず、歴史の中で絶えず形成され、解体されてきました。例えば、フランス共和国は1958年に成立した比較的新しい組織です。国家と、そこに住む民族や人々を混同してはなりません。したがって、イスラエル国家を批判したり、その正当性を問うたりすることは、他国と同様に認められるべき正当な政治的議論なのです。
現在、シオニストたちはイスラエルへの批判を「ヘイトスピーチ」や「デマ」と決めつけ、アメリカ憲法修正第1条が保障する表現の自由を制限しようとしています。しかし、特定の外国政府に対する批判を禁止することは、民主主義の根幹を揺るがす極めて危険な動きです。いかなる国家も神によって作られたものではなく、特権的な免責を享受すべきではありません。私たちは、国家という組織を神聖視する罠に陥ることなく、自由な批判の権利を守り抜く必要があります。もし特定の政府への批判を「差別」として封じ込めることを許せば、それは検閲の復活を招き、私たちの知る自由な社会は終焉を迎えることになるでしょう。
欧州にロシア回帰の兆し
金価格予想、6000ドルに引き上げ
金需要、技術・産業向け堅調
歴史小説と歴史の境界
不確実なマネーの末路
Uncertain Money and Uncertain Times | Mises Institute [LINK]
【海外記事紹介】かつて米連邦準備理事会(FRB)のボルカー議長が毎朝、ドルの価値を測る尺度として「今日の金価格」を気にしていた時代とは一変し、現職のパウエル議長が「貴金属の価格高騰はマクロ経済的には大したメッセージではない」と一蹴したとする、現代の通貨と資産の不確実性を巡る論評をご紹介します。会見でパウエル氏は、金・銀価格の歴史的な上昇はFRBの信頼性の欠如を意味するものではないと強気な姿勢を見せましたが、現実世界では「通貨の信頼性」を巡る動きがより生々しい形で表れています。
記事は、歴史的なエピソードとして、1978年に歌手のベット・ミドラーがコンサートツアーのギャラを金地金(インゴット)で要求したという、芸能界初の事例を引き合いに出しています。当時は1オンス100ドル台から800ドル台へ金が暴騰した時代でした。そして2026年現在、世界経済フォーラム(ダボス会議)に集まるエリートたちの裏側でも、エスコートの対価として、これまでのビットコインに代わり金の延べ棒や、なんと「DRAM(半導体メモリ)のスティック」が喜んで受け取られているという驚くべき噂が流れています。これは、デジタル資産(ゴールド2.0)と呼ばれたビットコインの魅力が薄れ、再び物理的な価値を持つものへと信頼が回帰している兆候かもしれません。
一方で、この「現物資産への逃避」も一筋縄ではいきません。金・銀市場ではわずか一日で数兆ドル規模の富が消失するという歴史的な暴落が発生しました。これはトランプ大統領によるタカ派のケビン・ウォーシュ次期FRB議長指名や、中国市場での過剰な投機マネーの引き揚げが引き金となったと分析されています。世界最大の金卸売市場である中国・深圳の「水貝(シュイベイ)」金市場では、買い取り価格と販売価格に巨大な開きが生じ、消費者の信頼はどん底に落ちています。
投資家の関心は、価格変動の激しい暗号資産から、ポリマーケットのような「予測市場」へと急速にシフトしており、バイナンスのような既存の取引所は利用者を半減させています。記事は、こうした現象を「不確実な時代の不確実なマネー」の末路として描いています。
隠蔽は終わらない
エリート免責の構造
「麻薬との戦い」の偽善
2026-02-11
テック依存の落とし穴
大企業はヒーローか悪党か
世界経済フォーラムとエプスタイン氏
レガシーメディアの崩壊
破壊と復興のマッチポンプ
借金まみれのクリスマス
政府は金取引に介入するな
ドイツが米国から金を取り戻す日
米財政、新たな危険水域に
アメリカファーストの死
教育の主権を家庭に取り戻せ
バブル景気から逃れられない理由
国民を分断する政府の戦略
2026-02-10
対イラン、米の理不尽な要求
欧州、言論弾圧で二重基準
銃の権利、共和党の裏切り
歴史は算術ではない
ブラジル、偽りの市場経済
ディープステートと裏社会
2026-02-09
アメリカ南北戦争の欺瞞
市場経済の真の敵
米教育省は生き延びた
仮想通貨の暗い真実
「夢の軍隊」の悪夢
金と崩れる米国債神話
「平和の大統領」は嘘だった
著名投資家「暴落が来る」
ビットコインにも広がる「紙の取引」
貴金属価格、「紙の取引」で混乱
Stackers smiling, traders trounced - Research - Goldmoney [LINK]
【海外記事紹介】貴金属市場において、現物の裏付けがない「紙の取引」が価格をいかに混乱させているか。この記事は、2026年2月第1週に起きた金と銀の激しい値動きを例に、市場の歪みを鋭く指摘しています。
この1週間で金と銀の価格は乱高下しました。特に銀の変動は凄まじく、週半ばに1オンス92ドルをつけたかと思えば、週末には73ドル台まで急落しています。一般的には「投機筋が買っている」と説明されがちですが、実態は異なります。取引所のデータを見ると、ヘッジファンドなどの投機的な買い注文は、今世紀最低水準まで落ち込んでいるのです。
では、なぜ価格がこれほど動くのでしょうか。背景にあるのは、デリバティブ(金融派生商品)による「実体のない供給」です。例えば、ニューヨークの取引所(COMEX)における銀の先物契約数は、取引所の倉庫にある現物在庫の約4倍に達しています。本来、契約の期限が来れば現物を引き渡すか契約を更新する必要がありますが、現物が圧倒的に足りないため、価格を強引に押し下げることで買い手を振り落とそうとする力が働いているのです。
一方で、賢明な投資家たちはこのボラティリティに惑わされていません。大手銀行が2026年を通じての金高値を予想する中、富裕層は価格が下がった局面を絶好の現物購入チャンスと捉えています。実体のない紙の市場が混乱する一方で、現物を手元に置く人々は「してやったり」と微笑んでいる状況です。
また、この記事は日本の政局にも注目しています。2月8日の衆議院総選挙で大勝した高市早苗首相の経済政策です。彼女が進める積極的な財政出動やインフレ抑制策は、短期的には景気を刺激するように見えますが、長期的にはさらなるインフレと金利上昇を招くと著者は予測しています。世界最大の資本供給国である日本の金利が上がれば、欧米の国債への資金流入が減り、ドルの信頼性やビットコインのような代替資産の環境も一変する可能性があります。
市場がデジタルや書類上の数字だけで動いている今こそ、現物という「物理的な現実」の価値がかつてないほど高まっている。そんなメッセージが込められた分析です。
2026-02-08
トランプ氏の経済戦争
Trump Is Broadening His Use of Economic Warfare - Antiwar.com [LINK]
【海外記事紹介】アメリカのトランプ政権が、関税と制裁をかつてないほど多角的な「経済兵器」として活用し、世界秩序を塗り替えようとしています。ジャーナリストのテッド・スナイダー氏が、その実態を詳細に報告しています。
トランプ大統領にとって「関税」とは、単なる通商政策の枠を超えた「辞書の中で最も美しい言葉」です。彼は2025年4月2日の「解放の日」に、全加盟国に対する一律10パーセントの最低関税と、貿易赤字に応じたさらに高い「相互関税」を発表しました。当初の目的は「略奪されたアメリカの富を取り戻す」ことでしたが、現在その用途は、政権交代の強制、他国の選挙介入、さらには領土の買収へと急拡大しています。
特に過激なのが、イラン、ベネズエラ、キューバに対する「政権交代」を目的とした経済封鎖です。ベネズエラでは、2026年1月に軍事攻撃によってマドゥロ氏を排除した後、暫定政権に対し「アメリカの要求をすべて飲むまで石油は一滴も掘らせない」と圧力をかけています。キューバに対しても、2026年1月29日に「国家緊急事態」を宣言し、キューバに石油を供給するあらゆる国に対して制裁関税を課す大統領令に署名しました。これは、経済を意図的に崩壊させて現体制を転覆させようとする、極めて直接的な経済戦です。
さらに驚くべきは、この兵器が同盟国や民主的なプロセスにも向けられている点です。ホンジュラスの選挙では、トランプ氏が支持する候補が勝たなければ「一銭も金は出さない」と公言し、イラクの選挙でもイラン寄りの勢力が政権に入れば石油収入を凍結すると脅しました。
また、トランプ氏の悲願である「グリーンランド買収」においても、関税は強力な交渉ツールとなっています。2026年1月、彼はグリーンランド譲渡を拒むデンマークやそれを支持するフランス、ドイツなど欧州8カ国に対し、「買収に同意するまで関税を課す」と宣言しました。マクロン大統領に対しても、アメリカの外交方針に従わなければフランス産ワインに200パーセントの関税をかけると脅すなど、関税は今や他国の主権や外交方針を力ずくで変えさせるための「経済ミサイル」と化しています。
カナダに対しても、中国製電気自動車の輸入を巡って100パーセントの報復関税をちらつかせるなど、トランプ流の経済戦は「アメリカの覇権を強制するための武器庫」の主役となっています。
かつての自由貿易のルールを根底から覆すこの動向は、同盟国である日本にとっても、これまでの常識が通用しない新しい時代の到来を告げるものと言えるでしょう。
主権の乗っ取り
過保護な政府
Nanny State States | Mises Institute [LINK]
【海外記事紹介】アメリカがいかに「ナニー・ステート」、つまり過保護で干渉好きな「子守国家」であるか。それを如実に物語っているのが、全米各地に張り巡らされた複雑怪奇なアルコール規制の実態です。今回ご紹介する記事は、自由の国を自称するアメリカの裏側に潜む、不自由な現実を鋭く突いています。
その象徴的な例が、サミュエル・アダムスが昨年末に発売した「ユートピア2025」というビールです。このビールは、職人魂の結晶として30年以上の歳月をかけて開発され、アルコール度数はなんと30パーセントに達します。陶器のボトルに入れられた芸術品のような限定品ですが、驚くべきことに、全米15の州ではこのビールを購入することが法律で禁じられています。「自由か死か」をスローガンに掲げるニューハンプシャー州でさえ、度数が高すぎるという理由で違法とされているのです。
アメリカのアルコール規制はこれだけにとどまりません。食料品店でお酒が一切買えない州もあれば、ビールしか扱えない州もあります。日曜日になると販売時間が厳しく制限されたり、全面禁止になったりする地域も珍しくありません。さらに驚くべきは、7つの州では政府がすべての酒屋を所有・経営しているという事実です。民間が店を開くことは許されず、どのブランドをいくらで売るか、営業時間は何時までか、すべてをお役人が決定しています。
また、成人の定義についても矛盾が目立ちます。結婚ができ、軍隊に入って戦うこともでき、選挙権もある「大人」であっても、21歳になるまではお酒を一杯買うことすら許されません。ハッピーアワーを禁止している州や、自治体単位で禁酒を貫く「ドライ・カウンティ(禁酒郡)」も依然として数多く存在しています。
著者は、こうした規制のすべてが「自由な社会」とは相容れないものだと断言します。本来、自由な社会であれば、アルコールは他の商品と同じように扱われるべきです。何をいつ売るか、いくらで提供するかは、政府ではなく民間企業が決めるべきことであり、政府が個人の嗜好や商取引に口を出すべきではありません。
多くのアメリカ人は自分たちが自由な社会に住んでいると信じていますが、実際には、教育や医療、そしてこのお酒の問題に至るまで、生活の隅々まで国家の管理下に置かれています。この記事は、お酒を飲むか飲まないかという個人の選択以前の問題として、政府とアルコールを完全に切り離し、真の意味での「個人の自由」と「財産権」を取り戻すべきだと強く訴えています。
一見すると、公衆衛生を守るための妥当な規制のようにも思えますが、政府による過度な介入が個人の自律性をいかに損なっているか、私たち日本人も「当たり前」だと思っている規制を考え直すきっかけになるかもしれません。
ダボス会議と国家資本主義
金高騰は経済政策への警告
起業家を恐れる社会
TGIF: Damn Those Innovators! | The Libertarian Institute [LINK]
【海外記事紹介】今回は、映画や歴史的な実例を交えながら、自由な社会における「イノベーションと起業家精神」の重要性を説いた記事をご紹介します。
自由主義の論客であるシェルドン・リッチマン氏は、私たちの生活、健康、そして快適さは、リスクを背負って世界を変えようとする起業家たちによって支えられていると主張します。しかし、歴史を振り返ると、こうした先駆者たちは常に歓迎されてきたわけではありません。
経済史学者のディアドラ・マクロスキーが指摘するように、社会が成功者への「嫉妬」に支配されると、私たちは皆、その代償を払うことになります。一方、社会全体が「良いアイデアがあるなら、やってみなさい!」という前向きな姿勢に包まれるとき、繁栄は飛躍的に高まります。
ところが、経済学者トーマス・ソウェルが記録しているように、歴史上多くの場所で、革新的な「仲買人マイノリティ」が迫害されてきました。ヨーロッパのユダヤ人、東南アジアの華僑、アフリカのインド人やレバノン人がその例です。彼らは「何も生産せずに金儲けをしている」という大衆の誤解から、虐殺を含む悲惨な暴力にさらされることさえありました。
こうした「革新者への恐怖」を象徴的に描いたのが、1952年のイギリス映画『白衣の男』です。アレック・ギネス演じる主人公シドニーは、汚れがつかず、一生破れない驚異的な合成繊維を開発します。全人類を洗濯や買い替えから解放するはずの世紀の発明でしたが、待っていたのは称賛ではなく、凄まじい反発でした。
工場のオーナーたちは「貿易の均衡が崩れる」と危惧し、労働者たちは「仕事がなくなる」と恐れました。さらに、洗濯を商売にしている老婆までもが「なぜ科学者は放っておいてくれないのか」と怒りをあらわにします。最終的にオーナーと労働者は手を組み、この発明を闇に葬ろうと、シドニーに対して暴力まで振るうのです。
映画の最後、発明が一時的に失敗したと知った人々は、安堵して笑います。ナレーターは「シドニーの失敗のニュースは世界に安堵をもたらした」と語りますが、これは非常に皮肉な一言です。
リッチマン氏は、イノベーションは短期的には既存の仕事を奪う「創造的破壊」を伴うものの、長期的には人々を豊かにし、新しい機会を生み出すと説きます。もし人類が常に「停滞」を選び、変化を拒んできたとしたら、私たちは今も洞窟で暮らしていたはずです。
現代においても、大企業が便利な技術をわざと隠蔽しているといった陰謀論が語られることがありますが、経済学者のルートヴィヒ・フォン・ミーゼスは、熾烈な競争がある市場においてそのようなことはあり得ないと断じています。
私たちは今、変化を嫌い、集団の利益を守るために個人の創造性を抑圧しようとする風潮の中にいます。しかし、シドニーのような不屈の精神を持つ個人こそが、不完全な世界をより良くする唯一の原動力であることを忘れてはなりません。
私たちがイノベーターを温かく迎える文化を維持できるかどうかが、日本の未来を左右するとも言えそうですね。
シルクロードの終着駅・日本
2026-02-07
米議員は株取引の天才?
The Vain Struggle to Curb Congressional Stock Trading | The Libertarian Institute [LINK]
アメリカ国民の政治不信を象徴するような根深い問題についてお伝えします。それは、連邦議員たちによる「株取引」を巡る倫理的問題です。
議員たちは、委員会の報告や非公開の会議を通じて、一般市民が知り得ない機密情報を日常的に手に入れています。こうした特権的な情報を利用して株を売買する「インサイダー取引」の疑いが、絶えず浮上しているのです。驚くべきことに、2024年のデータでは、民主党議員のポートフォリオは平均31パーセント、共和党議員は26.1パーセントの利益を上げており、市場の指標であるS&P500の伸びを大きく上回っています。
この問題に対処するため、2012年には「STOCK法」という法律が制定されました。議員や職員が非公開情報を使って個人的な利益を得ることを禁じ、取引内容の迅速な公開を義務付けたものです。しかし、現状ではこの法律は「骨抜き」の状態にあります。報告義務を怠った際の罰金はわずか200ドルと、富裕層である議員たちにとっては痛くも痒くもない金額です。さらに、コロナ禍で機密情報に基づいた数億ドル規模の疑わしい取引が行われた際も、実際に訴追された議員は一人もいません。
記事では、特定の議員による「不自然なほどタイミングの良い」取引例が具体的に挙げられています。エネルギー関連の委員会に所属しながらリチウム企業の株を大量に購入したり、銀行が破綻する直前に鮮やかに売り抜けたりといった事例が、与野党を問わず後を絶ちません。かつて「投資の神様」ウォーレン・バフェットよりも投資が上手いと揶揄されたペロシ元下院議長だけでなく、多くの議員が市場平均を凌駕する「成功」を収めているのです。
こうした現状に対し、アメリカ国民の怒りは頂点に達しています。最新の世論調査では、共和党支持者の87パーセント、民主党支持者の88パーセントという圧倒的多数が、議員の個別株取引を禁止すべきだと回答しています。
現在、超党派の議員グループによって、本人や家族の株取引を全面的に禁止する「議会への信頼回復法」などの法案が提出されていますが、その先行きは不透明です。なぜなら、自分たちの首を絞めるようなルールを決められるのは、他ならぬ議員自身だからです。委員会までは進んでも、本会議での採決となると、自らの経済的自由を手放したくない議員たちの抵抗によって、法案はことごとく立ち消えになっています。
国民がどれほど説明責任を求めても、外部からの強制的な監視がない限り、根深い慣習は変わらない。この記事は、そんなアメリカ議会の自浄能力の欠如を痛烈に批判しています。
イラン抗議デモの内幕
There’s More Than Iranian Protest Behind the Iran Protests - Antiwar.com [LINK]
2026年1月、イラン全土を揺るがした大規模な抗議デモについて、最新の国際情勢を分析したレポートをご紹介します。今回のデモは2009年以来の最大規模となりましたが、そこにはイラン国内の切実な声だけでなく、アメリカによる極めて戦略的な「経済戦」の影が色濃く投影されています。
まず、デモの直接的な引き金となったのは、通貨リアルが大暴落したことによる深刻な生活苦です。人々が街に飛び出した怒りの理由は、間違いなく本物でした。しかし、この経済危機を意図的に作り出したのはアメリカの制裁政策です。イランはかつて核合意を遵守していましたが、トランプ政権は一方的に合意を破棄して制裁を強化しました。アメリカのベッセント財務長官も「経済を崩壊させ、人々を街に駆り出すことが制裁の狙いであり、実際に機能した」と、これが「経済的統治術」であることを公言しています。
アメリカの介入は経済面だけにとどまりませんでした。デモが拡大すると、トランプ大統領はSNSを通じて「アメリカは救出に向かう準備ができている」と介入をちらつかせ、ついには「新たな指導者を探すべき時だ」と、公然と政権交代を促しました。
しかし、こうしたアメリカの言動は、事態をさらに悲劇的な方向へ向かわせた可能性があります。専門家によれば、アメリカが軍事介入を示唆したことで、イラン政権側は「放置すれば体制が転覆させられる」という強い危機感を抱き、デモを早期に鎮圧するために、より残忍で暴力的な弾圧を選択したというのです。つまり、アメリカの「助け」を呼ぶ声が、結果としてイラン政府による数千人の犠牲者を出すほどの苛烈な取り締まりを招いてしまったという皮肉な構図です。
さらに驚くべきことに、アメリカ政府内では現在、デモ参加者を「鼓舞」するために、イランの治安部隊や指導者を標的にした戦略的爆撃を行うことまで検討されていると報じられています。これは、デモ隊に政府施設を制圧させる自信を与えるための「条件作り」だというのです。
一方で、外国勢力のあからさまな介入の影が見えたことで、イラン国内では「外国に国を壊されたくない」という反発も起き、政府支持の集会に数十万人が集まるという逆転現象も起きました。
この記事が伝えているのは、イランの人々の純粋な不満が、大国の地政学的な戦略に利用され、翻弄されているという残酷な現実です。一連の抗議活動を単なる「独裁に対する民主化運動」という枠組みだけで捉えるのは、事態の本質を見誤ることになるでしょう。
(Geminiで要約)
政府の私生活干渉
Another Question That Only Libertarians Are Asking - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]
米国農務省が発表した最新の「国民向け食事指針」が、今アメリカで大きな議論を呼んでいます。今回の改訂では、かつての「食事ピラミッド」を逆転させたような内容となり、タンパク質の優先や加工食品の回避が推奨されました。中でも特に注目を集めているのが、アルコールに関する項目です。1980年代には「控えめに」という程度の助言でしたが、今回は「健康のためにはより少なく」、あるいは「完全に避けるべき」という、より踏み込んだ内容になっています。
こうした指針が発表されるたびに、学界、業界、政治家たちの間では激しい論争が巻き起こります。例えば、公衆衛生の専門家は「アルコール業界への配慮が足りない」と批判し、業界団体は「現状とさほど変わらない」と静観するといった具合です。しかし、この記事の著者であるローレンス・ヴァンス氏は、リベラルも保守も、ある「根本的な問い」を見落としていると指摘します。それは、「そもそもなぜ、政府が国民の食べ方や飲み方に指針を出す必要があるのか」という問いです。
ヴァンス氏によれば、リベラルや保守の人々は、政府が指針を出すこと自体には哲学的な反対をしません。彼らは単に、その内容が自分の思想(環境問題や薬物対策など)に合致しているかどうかで良し悪しを判断しているに過ぎません。これに対し、自由至上主義(リバタリアン)の立場は明確に異なります。
彼らの主張はシンプルです。政府の役割は、物理的な強制力から国民を守ること、つまり警察、国防、裁判に限定されるべきであり、個人の私生活に干渉することではないというものです。健康や栄養、安全に関するアドバイスは、政府という「強制力を伴う機関」が行う必要はなく、自由市場に任せるべきだと考えます。
多くの人々は、政府機関を「公平で信頼できる存在」と信じる一方で、民間の研究機関や消費者団体、医師たちの出す情報を「業界の利益に左右される」と疑う傾向があります。しかし著者は、これに疑問を呈します。本来、どの研究者の意見を信じ、どのような食生活を送るかは、個人の自由な選択に委ねられるべきです。
結論として、この記事は、政府が私たちの「健康」を理由に私生活の細部にまで介入してくる現状に、もっと自覚的であるべきだと訴えています。政府の指針を鵜呑みにするのではなく、民間が提供する多様な情報を自分自身で選び取り、判断する。その「選択の自由」こそが、真に守られるべきものだというわけです。
(Geminiで要約)
ウクライナ、本当の苦難はこれから
Peace Won’t Save Ukraine: What Comes After the War May Be Worse - LewRockwell [LINK]
2026年2月、ウクライナを巡る情勢は大きな転機を迎えています。アブダビで行われているアメリカ・ウクライナ・ロシアの3カ国協議によって、停戦への期待がにわかに高まってきました。しかし、今回ご紹介する記事は、たとえ明日銃声が止んだとしても、ウクライナが直面する本当の苦難はそこから始まるのだと、非常に重い警告を発しています。
著者が最も懸念しているのは、4年間にわたる激しい戦闘がウクライナ国民の精神と社会構造に刻み込んだ、深刻な「戦争の後遺症」です。
第一の課題は、国民の精神的な壊滅状態です。最新の調査によれば、前線の兵士の3分の2がPTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱えており、民間人の間でもその割合は7割を超えています。適切な支援体制が整わない中で、多くの人々が合成麻薬やアルコールに逃げ込んでおり、これが社会全体の暴力性や自殺、家庭崩壊を劇的に増加させています。過去のベトナム戦争やアフガニスタン紛争が証明しているように、戦場から戻った人々の心の傷は、平時においても「目に見えない戦争」として社会を蝕み続けるのです。
第二に、武器の蔓延と組織犯罪の台頭です。前線から流出した軍用武器や手榴弾が、すでに一般市民や犯罪グループの手に渡っています。ソ連崩壊後の1990年代にロシアなどで見られたような、武装した犯罪組織が跋扈する暗黒時代が再来するリスクが高まっています。すでに退役軍人が法執行機関と武力衝突を起こす事件も頻発しており、統治能力が弱まった国内で治安の悪化が深刻な問題となっています。
第三に、国家と国民の間の深刻な亀裂です。戒厳令下で強行された徴兵、いわゆる「強制的な連行」や、蔓延する汚職、そして大統領任期を過ぎても権力を握り続けるゼレンスキー政権に対する不満が、国民の間で爆発寸前まで溜まっています。最近では、汚職対策機関の弱体化を狙った政府に対し、主要都市で大規模な抗議デモが発生しました。停戦によって「外敵」という共通の脅威がなくなれば、この内なる不満が一気に噴出し、国内が混乱に陥る可能性があります。
記事は、欧州諸国もこの「戦後の危機」に備えるべきだと訴えています。PTSDを抱えた数百万人の避難民が近隣諸国へ流出する可能性があり、その影響はウクライナ国内に留まりません。
結論として、著者は「平和は終着点ではなく、より複雑で不透明な新章の始まりに過ぎない」と述べています。物理的な復興以上に、傷ついた社会をどう再建するのか。それは西側諸国が語る「経済支援」という言葉だけでは解決できない、気の遠くなるような難題なのです。
(Geminiで要約)
関税は家計に打撃
聖書は共産主義を肯定?
Does Acts Show Early Christian Communism? | Mises Institute [LINK]
新約聖書の「使徒行伝」には、初期のキリスト教徒が持ち物を売り払い、すべてを共有していたという記述があります。これをもって「聖書は共産主義を肯定している」と主張する人々が現代でも絶えませんが、果たしてそれは正しい解釈なのでしょうか。今回ご紹介する記事は、経済学と聖書解釈の両面からこの誤解を解き明かしています。
まず、記事の著者が指摘するのは「カテゴリーの誤り」です。現代の社会主義や共産主義は、国家による強制的な財産の没収や公的所有を指します。しかし、聖書に描かれているのは、あくまで信者たちが自発的に行った「分かち合い」です。この記事の著者は、これを混同することは、自発的な親切と強制的な制度を一緒にするようなものだと批判しています。
当時のエルサレムでなぜこのような極端な共有が行われたのか、そこには特有の歴史的背景がありました。ペンテコステという祭りの際に、ローマ帝国各地から集まった数千人もの人々が急激にキリスト教に改宗し、信仰の教えを乞うためにエルサレムに長期間留まることになったのです。彼らはもともと短期滞在の予定だったため、生活費が底を突き、巨大な経済危機に直面しました。そこで現地の信者たちが、この緊急事態を乗り切るための「一時的な救済措置」として、自らの土地や財産を売って助け合ったというのが事の実態です。
さらに重要な点は、聖書全体が「私有財産」を否定していないという事実です。使徒行伝の中でも、すべての信者が家を売ったわけではなく、多くの信者が自分の家を教会の集まりの場として提供し続けていたことが記されています。もし私有財産が禁止されていたなら、このような記述は矛盾してしまいます。
また、ペテロが嘘をついた信者アナニアを叱責する場面では、「売る前もあなたの物であり、売った後もその金はあなたの自由になったのではないか」と述べています。つまり、財産を売るかどうかも、その金を寄付するかどうかも、完全に個人の自由意志に任されていたのです。
結論として、この記事の著者は、初期教会の行動は「特定の状況下での自発的な隣人愛」であり、国家の政策としての共産主義を正当化するモデルにはなり得ないと結論づけています。聖書の教えを現代の政治制度に無理に当てはめることは、聖書の文脈と経済学の本質の両方を見誤ることになると警鐘を鳴らしているのです。
(Geminiで要約)
ドルの特急列車、終着駅へ
Schiff w/ Lin: The Dollar’s Gravy Train is Ending | SchiffGold [LINK]
著名なエコノミスト、ピーター・シフ氏が最新のインタビューで、これまでの「ドルの黄金時代」が終わりを迎え、金を中心とした新しい通貨秩序が到来するという衝撃的な見通しを語っています。
シフ氏がまず強調したのは、世界中の中央銀行が密かにドルの保有を減らし、代わりに金を積み増しているという事実です。これは単なる一時的なトレンドではなく、ドルが世界の基軸通貨として享受してきた「法外な特権」が失われる歴史的な転換点だと彼は見ています。これまでアメリカは、世界中にドルをバラまくことで豊かな生活を謳歌してきましたが、その「無料の特急列車」はいよいよ終着駅に近づいています。
この変化の裏には、深刻な資金調達の問題があります。現在、アメリカの膨大な国債を欲しがる民間投資家が消えつつあり、結局は中央銀行である連邦準備制度(Fed)が、いわば「最後の買い手」として借金を肩代わりせざるを得なくなっています。借金を中央銀行が紙幣を刷って賄うようになれば、待っているのは猛烈なインフレです。シフ氏は、債務危機が通貨危機を招き、それが手に負えない物価高騰につながるという「負の連鎖」を強く警告しています。
また、トランプ政権が掲げる関税政策についても、シフ氏は論理的な矛盾を鋭く突いています。トランプ氏は「関税によって政府は巨額の収入を得られるが、国民が支払う価格は上がらない」と主張していますが、シフ氏はこう問いかけます。「もしアメリカ人が支払わないのであれば、その税金はいったい誰が払っているのか? もし本当に関税だけで国が潤うのなら、なぜ所得税を廃止してすべて関税にしないのか?」と。関税が結局は国内の物価を押し上げ、国民の負担になるという現実に目を向けるべきだというわけです。
暗号資産(仮想通貨)については、依然として厳しい姿勢を崩していません。ビットコインは「デジタル・ゴールド」として、インフレヘッジ(物価高騰への備え)になると宣伝されていますが、シフ氏に言わせれば、それは実体のある本物の金から人々を遠ざけるための、巧妙なキャッチコピーに過ぎません。
シフ氏は、2008年のリーマンショックの際もアメリカの政策失敗をいち早く予見し、金や外国資産への投資を提唱しました。今回もまた、アメリカ国内の経済が崩壊するリスクに備えるには、金や銀、そして健全な他国の通貨や株式に資産を分散させるべきだと説いています。
アメリカという経済大国の衰退と、金という「本物の貨幣」の再評価。このダイナミックな変化は、ドルに依存してきた世界経済全体に、非常に重い課題を突きつけていると言えそうです。
(Geminiを利用)
南北戦争という過ち
We Will Barro You | Mises Institute [LINK]
ロバート・バローという経済学者をご存知でしょうか。彼は自由主義経済の大家として知られ、ノーベル経済学賞の候補にもたびたび名前が挙がる人物です。今回ご紹介するのは、そのバロー氏が自著の中で展開した、アメリカ南北戦争に対する非常に刺激的な視点です。
一般的に、南北戦争は奴隷制を終わらせるための正義の戦いであり、リンカーンは大統領として偉大な英雄であったとされています。しかし、バロー氏の主張はこれに真っ向から反対するものです。彼は、南北戦争を「アメリカ史上最大の過ち」であった可能性さえ指摘しています。
この議論の出発点は、1990年代のソ連崩壊にあります。当時、ソ連から多くの共和国が分離独立しようとしていましたが、驚くべきことにアメリカ政府は当初、この解体に消極的でした。バロー氏は、その理由をアメリカ自身の歴史に求めています。もしアメリカが他国の分離独立を正当な権利として認めてしまえば、かつて南部諸州の分離独立を力で抑え込み、多大な犠牲を払って「連邦の維持」を優先した南北戦争の正当性が揺らいでしまうからです。
南北戦争による人的・経済的損失は凄まじいものでした。60万人以上の兵士が命を落とし、南部の経済は壊滅しました。南部の市民一人あたりの所得は、戦争前は北部の80パーセント程度でしたが、戦後は40パーセントにまで激減し、その水準を回復するのに100年以上を要したのです。
ここで、「奴隷解放のためなら、それほどの犠牲もやむを得なかったのではないか」という反論があるでしょう。しかし、バロー氏はこの点にも疑問を呈します。第一に、戦争による経済の衰退は、白人だけでなく解放されたはずの黒人層をも苦しめました。第二に、戦争で奴隷制を終わらせても、その後の100年間、黒人への深刻な差別や隔離は解消されませんでした。
バロー氏は、1830年代にイギリスが西インド諸島で行ったように、政府が奴隷所有者から奴隷を買い取ることで平和的に解放を進める道があったはずだと説いています。実際、西半球の他の国々では、戦争を経ずに奴隷制が廃止されていきました。ブラジルの例を見れば、アメリカでもあと数十年待てば、これほど悲惨な内戦を経ずとも、奴隷制は自然に終焉を迎えていた可能性が高いというのです。
現代の価値観からすれば、非常に議論を呼ぶ見解ではありますが、バロー氏の指摘は、国家の統合という大義名分がいかに大きな代償を強いるのか、そして「正義の戦争」という美名の裏にどれほどの経済的、社会的な誤算が隠れているかを、私たちに鋭く問いかけています。
いかがでしょうか。歴史の教科書とは一味違う、経済学者の冷徹かつ論理的な分析を通じて、アメリカという国の複雑な背景が見えてくるのではないでしょうか。
(Geminiを利用)
金高騰とドルの崩壊
人民元が金で裏打ちされる日
2026-02-06
トークン化金、ビットコインに勝る?
Schiff vs. Ammous: Tokenized Gold Trumps Bitcoin | SchiffGold [LINK]
著名な投資家ピーター・シフ氏が、ビットコイン支持者のアモウス氏との対談で、これまでの論争を一変させる議論を展開しました。シフ氏が強調したのは、単なる金とビットコインの比較ではなく、「トークン化された金」がビットコインを完全に凌駕するという視点です。彼は、テザー・ゴールドのような実物資産裏付け型のトークンを「デジタル化された本物の通貨」と呼び、対するビットコインを「実体のない『無』をトークン化したもの」と厳しく批判しました。
シフ氏がビットコインを危惧するのは、その需要が純粋な投機のみに依存している点です。ビットコインには金のような実需が存在しないため、価値を支える理論的な底がありません。人々が値上がりを信じているうちは高値を維持できますが、期待が一度崩れれば、価値がゼロに向かって暴落するリスクを常に抱えています。シフ氏は、価格が下落し始めている現状を挙げ、ビットコインには実体経済の裏付けがないことを改めて指摘しました。
対照的に、金はデジタル技術と融合することで、歴史的な弱点であった「持ち運びの不便さ」を克服しつつあります。物理的な金を移動させるのは困難ですが、ブロックチェーン上で請求権をトークン化すれば、スイスの安全な金庫に保管したまま、世界中で瞬時に価値を移転できます。シフ氏は、「私たちは現在、法定通貨システムの終焉を目撃しており、金がドルの代替として再び通貨の地位を取り戻す『再貨幣化』の初期段階にある」と述べました。
市場に供給される年間の新規の金は約7,000億ドル相当に達し、ビットコインの新規発行額とは比較にならない規模です。これほどの供給を市場が吸収し続けていることこそが、金の圧倒的な需要の証左です。中央銀行が意図的に通貨価値を減らし続けるインフレの時代において、シフ氏によれば、ブロックチェーンの正しい使い道は「最も信頼できる資産である金に利便性を与えること」に他なりません。それこそが、インフレから資産を守る真の解決策になると結論づけています。この記事は、円安やインフレに直面する私たちにとっても、通貨の本質を問い直す重要な示唆を含んでいます。
(Geminiで要約)
二大政党制と真の支配層
Why America's Two-Party System Will Never Threaten the True Political Elites | Mises Institute [LINK]
アメリカで新しい大統領が就任する際、メディアや歴史家たちは「権力の平和的な移行」が実現したと熱狂的に報じます。これは民主主義の至高の美徳とされていますが、ある論評によれば、これは支配エリートが自らの正当性を維持するために広めている「神話」にすぎません。選挙によって「国民の意志」が示され、それに応じて統治者が交代するという物語は、市民が現在の体制を受け入れるための、いわば一種の世俗的な宗教のような役割を果たしているというのです。
しかし、著者はこの物語の核心にある「権力は本当に移譲されているのか」という点に鋭い疑問を投げかけます。実際には、選挙で選ばれる公職者たちは支配層の「公的な顔」にすぎず、その背後にある真の支配エリートは、政権交代の前後で何ら変わることなく権力を保持し続けています。その証拠として、政権が代わっても国の根幹に関わる主要な政策がほとんど変化しないという現実があります。中絶や多様性に関する議論といった、いわゆる「文化戦争」の分野では多少の変化が見られますが、エリート層の経済的・政治的権力の源泉である外交政策や中央銀行の制度、そして巨大な社会保障プログラムなどは、実質的に選挙の結果によって左右されることはありません。これらは支配層にとって「不可侵」の領域なのです。
ここで著者が引用するのが、イタリアの社会学者ヴィルフレド・パレートの視点です。パレートは民主主義体制における支配層を、互いに利権を与え合うパトロンとクライアントの複雑なネットワークとして捉えました。これを「プルート・デモクラシー(富豪政治的民主主義)」と呼び、企業家や労働団体、政府職員などが共生関係を築き、国家の富を合法的に略奪するシステムだと定義しています。この巨大な利権構造を維持するために費やされる労力や資源を考えれば、数年おきの選挙の結果次第でその地位をあっさりと手放すなど、支配層にとっては論理的にあり得ないリスクなのです。
そのため、二大政党制そのものが、エリートに容認された政党だけが競い合う仕組みとして機能しています。パレートの分類によれば、政権を交互に担う共和党と民主党はどちらも「体制内政党」であり、支配層の一部にすぎません。一方で、システムを根本から変えようとする「妥協のない政党」は、過激派として権力の座から徹底的に遠ざけられます。さらにガエタノ・モスカの指摘を借りれば、有権者は政党が提示したメニューの中から代表者を選んでいるにすぎず、エリートにとって不都合な候補者は、政党という門番によってあらかじめ排除されているのが実態です。
結局のところ、権力の平和的な移行という言葉は、システムに害を及ぼさない範囲での「担当者の入れ替え」を意味しているにすぎません。支配層が享受する富や名声、特権はあまりに大きく、それを本当の意味で開かれた自由な選挙の結果に委ねることは、彼ら自身にとっても、その恩恵にあずかる利権関係者にとっても、到底受け入れられないことなのです。この記事は、民主主義という華やかな舞台裏で、変わることのない権力構造が脈々と受け継がれている冷酷な現実を浮き彫りにしています。
(Geminiで要約)


