An Iranian Toll-Gate on the Strait of Hormuz?, by Ron Unz - The Unz Review [LINK]
【海外記事紹介】アメリカとイスラエルによるイランへの軍事行動が開始されてから2週間余りが経過しました。当初、軍事予算で圧倒的な差があるこの戦いは、一方的な展開になると予想されていました。アメリカは過去数十年で最大規模の兵力をペルシャ湾周辺に集結させ、さらにイランの最高指導者や軍高官を会談の場を装った急襲で殺害するという、国家の「首取り」作戦を成功させたからです。主流メディアの多くは、この衝撃的な開戦によってアメリカの迅速かつ決定的な勝利を確信していました。
しかし、その後の数日間で戦況は驚くべき逆転を見せ始めました。軍事専門家の分析によれば、イランのドローンやミサイルによる反撃は予想を遥かに上回る精度と効果を発揮しています。中東全域にあるアメリカ軍基地は壊滅的な打撃を受け、特に高額な弾道ミサイル防衛システムであるパトリオットやイスラエルのアイアンドームは、イランのミサイルに対してほとんど無力であることが露呈しました。波状的に押し寄せる安価なイラン製ドローンが、数個しかない貴重なレーダー施設を破壊し、防衛網を「盲目」にしたのです。
さらに決定的なのは、イランによるホルムズ海峡の封鎖です。世界の石油・天然ガス供給の約20%を担うこの要衝が閉じられたことで、世界経済は1973年の石油ショックを上回る規模のエネルギー危機に直面しています。トランプ政権はイランが屈服するまで封鎖は起きないと楽観視していましたが、現実は正反対となりました。興味深い事実であることに、イランは同盟国である中国への石油輸出は継続しており、自国の輸出量はむしろ戦前より増加していると報じられています。これはアメリカにとって大きな屈辱となっています。
トランプ大統領は米海軍の艦隊を投入して、タンカーを護衛し海峡を強行突破する計画を表明しています。しかし専門家は、ミサイル基地やドローン拠点がひしめく険しい海岸線を持つホルムズ海峡への進入は、海軍にとって「自殺行為」になりかねないと警告しています。かつてペンタゴンが行った演習でも、イラン側が米空母を撃沈し、数日間で2万人の戦死者を出すという結果が出ていました。当時のイランより遥かに強力な兵器を手にした現在の彼らに対し、強行策をとればアメリカ海軍史上最大の敗北を喫する恐れがあります。
この紛争は単なる地域紛争に留まらず、米ドルの基軸通貨体制を支えてきた「ペトロダラー」システムの崩壊を招く可能性があります。長年、中東の産油国はアメリカの軍事的保護と引き換えに、石油をドルで販売し、その利益をアメリカの債券に再投資することで、膨大な債務を抱えるアメリカ経済を支えてきました。しかし、アメリカが保護すべきはずの中東諸国を守れず、逆に混乱を招いている現状は、世界各地でドル離れを加速させる要因となるでしょう。
今回の戦争は、アメリカによる一方的な軍事支配の終焉と、中東における勢力図の根本的な塗り替えを意味しているのかもしれません。トランプ大統領の強硬な姿勢とは裏腹に、現地の基地は破壊され、海軍も身動きが取れない状況にあります。エネルギー価格の暴騰や肥料供給の停止による世界的な飢餓の懸念も浮上しており、この「ホルムズ海峡の通行税」とも言える状況をイランが掌握したことが、アメリカの覇権にとって致命的な一撃となる可能性を、この記事は示唆しています。
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