Gold, the Federal Reserve, and a Catch-22 [LINK]
【海外記事紹介】経済アナリストのマイク・マハレイ氏は、現在の米連邦準備理事会(FRB)が、インフレ対策と巨大な債務問題の間で身動きが取れなくなる「キャッチ22(板挟み)」の状態にあると指摘しています。生産者物価指数(PPI)が予想を大幅に上回る前月比0.7%の上昇を記録したことを受け、市場では金が売られ、5,000ドルの節目を割り込む動きが見られました。本来、インフレ局面ではヘッジ資産である金が買われるはずですが、投資家は「インフレ再燃によりFRBが高金利をより長く維持する」と予想し、利息を生まない金を避けて他の資産へ資金を移したためです。
しかし、マハレイ氏はこの市場の予測は誤りであると論じています。FRBにはインフレを抑えるために金利を高く保つ、あるいは引き上げる必要がある一方で、過去数十年にわたる低金利政策が生み出した「債務のブラックホール」という逆の圧力がかかっています。現在の経済は巨大な債務の泡の上に成り立っており、金利を上げ続ければ経済そのものが崩壊しかねません。パウエル議長も会見で、経済見通しには極めて高い不透明感があることを認めています。つまり、FRBはインフレ退治と景気下支えという、同時には達成不可能な二つの課題を突きつけられているのです。
マハレイ氏は、FRBが最終的にはインフレ容認に傾くと予測しています。歴史を振り返れば、1970年代の激しいインフレを鎮めるには金利を20%まで引き上げる必要がありました。しかし、現在のFRBはインフレが完全に収束する前に勝利宣言を行い、緩和的な姿勢に転じたことで、事実上さらなるインフレを招く道を選んでいます。今後、中東での戦争によるオイルショックなどで経済に目に見える亀裂が入れば、FRBはインフレが目標を上回っていても、経済を救うために大幅な利下げや量的緩和を再開せざるを得なくなります。
結論として、現在の金価格の下落は「FRBがインフレを抑え込める」という市場の幻想に基づいた一時的な現象にすぎないとマハレイ氏は述べています。長期的には、FRBが経済を支えるために通貨供給を増やし続ける以上、インフレは継続し、ドルの価値は下落し続けることになります。このようなスタグフレーション、すなわち不況下の物価上昇という最悪のシナリオが現実味を帯びる中で、政府の政策に依存しない価値の保存手段を持つ重要性が改めて浮き彫りになっています。
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