Iran may be where the US-led world order ends - Asia Times [LINK]
【海外記事紹介】アメリカ主導の国際秩序は、今まさにイランという転換点において終焉を迎えようとしているのかもしれません。歴史家のギボンがローマ帝国の衰退を論じたように、帝国の崩壊は通常、緩やかに進むものです。しかし、アメリカとイスラエルが実施したイランへの共同攻撃は、かつて大英帝国の覇権の終焉を象徴した1956年のスエズ危機に匹敵する、地政学的な歴史の節目になる可能性があります。
第二次世界大戦後、アメリカの覇権は軍事力だけでなく、安定したルールと経済的利益を世界に提供するという信頼によって支えられてきました。特に中東においては、サウジアラビアなどの湾岸諸国に安全保障を提供し、その見返りに石油取引を米ドルで行う「ペトロダラー体制」が、米ドルの基軸通貨としての地位と世界経済の安定を支える柱となってきました。しかし、今回のイラン攻撃はこの信頼の土台を根本から揺るがしています。
まず、外交上の不信感です。報道によれば、攻撃が実行された当時、オマーンを仲介とした米イラン間の交渉が進行中でした。外交交渉の最中に軍事行動に踏み切ることは、国際社会におけるアメリカの信頼性を著しく損なうものです。また、議会の承認や国連安保理の合意を得ない形での武力行使は、国際ルールの正当性を否定する行為とも受け取られています。
さらに深刻なのは、イランによる報復攻撃が湾岸諸国のインフラを標的にしたことで、アメリカの「安全保障の傘」の有効性に疑問符がついたことです。もしアメリカが同盟国を地域の緊張から守りきれないのであれば、もはや信頼できる守護者とは言えません。こうした中、湾岸諸国は中国との関係を深めており、2023年に中国の仲介でサウジアラビアとイランが国交を回復したことは、アメリカが独占してきた中東の仲裁役としての地位が揺らいでいることを示しています。
経済的にも、ホルムズ海峡の混乱による原油価格の高騰は世界的なインフレを招き、既存の秩序に代わる多極的な枠組みを求める動きを加速させています。BRICS諸国によるドル依存からの脱却などはその象徴です。アメリカは依然として最強の軍事・経済大国ですが、かつての指導力に対する信頼が失われれば、秩序は内側から崩壊していきます。イラン戦争が、歴史においてアメリカ主導の時代が終わり、多極化へと向かう決定的な瞬間として記録されることになるのか、世界は今、その岐路に立たされています。
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