Asymmetric economic war: Iran challenges US dollar, demanding oil be sold in Chinese yuan, as it targets US corporations - Geopolitical Economy Report [LINK]
【海外記事紹介】アメリカとイスラエルによる攻撃を受け、イランが「非対称経済戦争」とも呼ぶべき独自の対抗策を講じている実態について、ベン・ノートン氏の記事が詳細に伝えています。米軍の年間予算が約1兆ドルに達するのに対し、イランの国防予算はそのわずか1%にすぎません。軍事力で圧倒的に不利なイランは、正面衝突を避け、アメリカの脆弱な部分を突く戦略を選びました。その最大の柱が、世界の石油輸送の要所であるホルムズ海峡の封鎖です。世界の石油取引の約20%が通過するこの海峡を、イランは「一滴の石油も通さない」として封鎖しました。これにより、2026年1月には1バレル約60ドルだった原油価格が100ドルを突破し、200ドルに達する可能性も指摘されています。
特筆すべきは、イランがこの封鎖において、中国のタンカーにのみ通行を許可する例外を設けている点です。さらに、海峡の通行を希望する船舶に対し、代金の支払いを米ドルではなく中国の通貨である「人民元」で行うよう要求しています。これは、1974年以来続いてきた、石油取引をドルで行う「ペトロダラー体制」に対する直接的な挑戦です。ドルが世界の基軸通貨であることは、アメリカが巨額の赤字を抱えてもインフレを抑え、低い借入コストを維持できる「法外な特権」の源泉となってきました。イランはこのドルの支配力という、軍事力以上に強力なアメリカの武器を無効化しようとしています。
また、イランは軍事基地だけでなく、西アジアに進出しているアメリカの大手企業も標的に定めています。革命防衛隊は、ロッキード・マーチンなどの軍事産業に加え、マイクロソフト、アマゾン、エクソンモービルといった企業の拠点から退去するよう警告を発しました。イランの新たな最高指導者モジュタバ・ハメイニ氏は、アメリカの軍事基地のみならず、これら企業の拠点を「金融基地」と呼び、同地域からアメリカの影響力を完全に排除する姿勢を鮮明にしています。さらに、イランと協力関係にあるイエメンのアンサール・アッラー(フーシ派)も、紅海の要所であるバブ・アル・マンデブ海峡を封鎖する準備を進めていると報じられています。こうした非対称な戦術により、中規模の国家であっても、巨大な軍事力を持つアメリカに対して経済的な打撃を与え、抵抗が可能であることを示していると、この記事は結んでいます。
0 件のコメント:
コメントを投稿