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2026-03-18

信条貫いたロスバード

Rothbard Never Abandoned His Principles | Mises Institute [LINK]

【海外記事紹介】経済学者であり政治哲学者でもあったマレー・ロスバードの思想的整合性について論じた記事をご紹介します。ロスバードはその晩年、パレオ・コンサバティブ(旧保守主義)と提携し、南部連合の英雄たちを称えるなど、非常に議論を呼ぶ政治的立場をとりました。しかし、この記事は、それらが単なる逆張りや人気取りではなく、生涯を通じて一貫した自由の原則に基づいていたことを強調しています。

著者によれば、ロスバードの政治分析を単に「議論を呼ぶもの」として片付けるのは不十分です。彼の見解は常に、著書『自由の倫理学』で示された哲学的原則に根ざしていました。弟子のハンス・ヘルマン・ホッペ氏は、ロスバードが現実世界の政治問題を論じる際にも、自身の理論を忘れたり放棄したりすることはなかったと説明しています。例えば、アラン・グリーンスパンが体制にすり寄るために変節したのとは対照的に、ロスバードは家族ぐるみの付き合いがあった権威者に迎合することすら拒み、自らの信条を貫き通しました。

ロスバードの思想体系は、自然法や私有財産権、自己所有権といった「古くから継承されてきた真実」に基づいています。彼は自身の倫理学を、単なる学術的な断想ではなく、人間行動の性質に根ざした合理的で体系的な社会哲学として構築しました。ホッペ氏は、ロスバードを「体系的な思考家」と呼び、断片的で探究的な思考に留まったロバート・ノジックのような哲学者とは一線を画すと述べています。

物議を醸した「州の権利」の擁護についても、ロスバードの原則から説明が可能です。自由至上主義(リバタリアニズム)の観点からは、あらゆる国家は私有財産権を侵害する存在ですが、中央集権的な巨大国家はより多くの権利を侵害するため、より大きな脅威となります。したがって、次善の策として中央政府よりも地方政府を支持することは、彼の理論において論理的に整合性が取れた選択でした。

ロスバードは、ユーモアにあふれ「幸福な戦士」として知られましたが、その政治分析の裏には常に正義に関する根本的な原則がありました。この記事は、彼の政治的発言を理解するためには、まずその基礎となる「自然権の哲学」を真剣に検討する必要があると結論づけています。ロスバードが守り抜いたのは、政治的な利便性のために容易に捨て去るような単なる提案ではなく、何が道徳的に正当であるかを突き詰めた強固な信念体系だったのです。

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