Warren Buffett on Corporate Taxation: A Reality Check | Mises Institute [LINK]
【海外記事紹介】著名な投資家ウォーレン・バフェット氏は、自身が率いるバークシャー・ハサウェイ社が2023年度に50億ドル以上の法人税を支払ったことを引き合いに出し、「もし米国の800企業が同額の税金を納めれば、他の国民は所得税や社会保障税を1セントも払わなくて済む」という趣旨の発言をしました。この発言は一部で好意的に報じられましたが、その経済的な実態を冷静に検証すると、いくつかの重要な矛盾が浮かび上がります。
まず、単純な計算から確認してみましょう。2023年度の米連邦政府の税収は約4.4兆ドルでした。バフェット氏が提案するように、800社がそれぞれ50億ドルを支払ったとしても、合計額は4兆ドルにとどまります。つまり、現状よりも4,000億ドルもの減収となり、ただでさえバフェット氏自身が「持続不可能で恐ろしい」と懸念している政府の財政赤字をさらに悪化させることになります。
さらに深刻なのは、誰が実際に税負担を負っているのかという「租税帰着」の問題です。バフェット氏の主張通り、法的には個人が納税義務を免れたとしても、経済的な負担から逃れられるわけではありません。企業の株式や資産の価値は、税引き後のキャッシュフローに基づいて決まります。法人税が課されるということは、その分、経済全体の生産活動や資源配分が変化することを意味します。
例えば、もし法人税率が極端に引き上げられれば、企業家は投資から利益を得ることができなくなり、労働力や土地への投資を控えるようになります。その結果として生じるのは、実質賃金の下落や地代、利子の減少です。つまり、法人税という形で企業が支払う税金は、回り回って労働者の給与削減や物価上昇という形で、実質的にすべての国民の所得を減少させているのです。
利益は経済の生命線であり、利益なしに複雑な生産活動を維持することは不可能です。利益に課税することは、本来なら将来の生産活動に再投資されるはずの資本を奪い、国民の生活水準の向上を阻害する、最も破壊的な課税形態の一つと言えます。バフェット氏の「誰も税を払わなくて済む」という言葉は、法的な形式に過ぎません。経済的な実態としては、国民は生活水準の低下という極めて重いコストを支払い続けることになるのです。
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