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2026-03-13

トランプ氏の戦争、世界経済に影

Trump's ‘move fast and break things’ war slams into economy | Responsible Statecraft [LINK]

【海外記事紹介】トランプ政権が掲げる「素早く動いてぶち壊す」というシリコンバレー流の手法が、中東という極めてデリケートな地域で展開され、世界経済に影を落としています。米国とイスラエルによる対イラン攻撃は、単なる軍事作戦を超え、政権交代やイランの解体までを見据えた野心的な目標へと拡大しています。この「ミッション・クリープ(目的の肥大化)」に対し、イラン側はホルムズ海峡の封鎖や石油市場への攻撃で対抗する構えを見せており、紛争の長期化が懸念されています。

経済的な最大の影響は、石油価格の上昇です。北海ブレント原油は、年初の1バレル60ドルから80ドルを突破しました。問題はイランの産出量そのものではなく、世界の石油輸送の要所であるホルムズ海峡の混乱です。すでに複数の船舶が攻撃を受け、民間の保険会社がタンカーへの保険引き受けを停止しています。トランプ大統領は政府機関を通じて安価な海上保険を提供し、米海軍による護衛も示唆していますが、ドローン兵器の進化や物流の不確実性を前に、海運業界には懐疑的な見方が広がっています。

このエネルギー危機の直撃を受けるのは、主にアジアの国々です。ホルムズ海峡を通過する石油の多くは中国、インド、日本、韓国といったアジア諸国に向かっています。特にインドは、原油輸入への依存度が高いだけでなく、中東に住む自国民からの送金が年間約480億ドルにのぼり、これらが滞ることで国際収支が悪化するリスクを抱えています。また、肥料の原料となる天然ガスの供給不安から、肥料価格が高騰しており、作物の植え付け時期を控えた世界の農業に深刻な打撃を与える恐れがあります。

金融市場では、原油高を受けてドル高が進行しています。これは米国のエネルギー自給率の向上と、インフレ懸念による利下げの遅れを反映したものですが、輸入インフレに苦しむ「グローバル・サウス」の国々にはさらなる圧迫となります。さらに米国は、中国だけでなく日本やインドなどに対しても関税による貿易圧力を強めています。過去30年間にわたり世界で最も高い成長を遂げてきたアジア経済が、米国の性急な軍事・通商政策によって不安定化しており、その代償は計り知れません。

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