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2026-02-18

「自由の英雄」の現実

Serving the Devil to Help Milei Plunder Argentina, by Oscar Grau - The Unz Review [LINK]

【海外記事紹介】アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は、自らを「アナルコ・キャピタリスト(無政府資本主義者)」と称し、自由主義の旗手として世界的に注目を集めてきました。スペインの経済学者ヘスス・ウエルタ・デ・ソト教授らオーストリア学派の重鎮たちは、当初ミレイ氏を「自由の英雄」と絶賛し、その登場を歴史的快挙と祝福しました。しかし、政権発足から1年以上が経過した現在、その実態は理想とは程遠いものに変貌しています。

ミレイ氏は選挙戦で、中央銀行の廃止や通貨のドル化、増税なしの歳出削減を公約に掲げていました。しかし、2023年12月の就任直後に54%もの通貨切り下げを行い、その後も段階的な通貨安を維持しています。確かに財政黒字は達成しましたが、それは純粋な歳出削減だけでなく、公約に反する増税によって支えられたものでした。さらに、彼が批判していたはずの「政治家特権階級」を閣僚に迎え入れ、中東情勢では強硬な姿勢を示すなど、自由主義とは相容れない新保守主義的な色彩を強めています。

経済政策の面でも、深刻な矛盾が露呈しています。デ・ソト教授はミレイ氏を、通貨発行による赤字穴埋めを犯罪化しようとする誠実な指導者だと持ち上げていますが、現実は真逆です。ミレイ政権下での通貨ペソの発行ペースは、1990年以降の歴代政権を合算したものを上回る速さで急増しています。また、公債の乱発によって金融セクターに利益を誘導する一方で、国民の貯蓄や生活は破壊され続けています。アルゼンチン国民は今なお、自国通貨への信頼を失い、生活防衛のために米ドルに頼らざるを得ないハイパーインフレ状態に置かれています。

かつて国家を「悪魔の化身」と呼んだデ・ソト教授のような学者が、今やミレイ氏から勲章を授与され、そのプロパガンダを担う広告塔となっている現状は、自由主義の理念に対する裏切りと言わざるを得ません。ミレイ氏の手法は、自由の美名の下で国家権力を強化し、特定の金融利権を潤す「略奪」に近いものとなっています。このまま経済破綻という結末を迎えれば、その失敗の責任は、本来守られるべき「自由の理念」そのものに押し付けられてしまうでしょう。私たちは、独裁的な手法を厭わない偽りの英雄が、自由主義という高潔な思想を泥にまみれさせている現実に目を向ける必要があります。

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