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2026-02-25

経済制裁による殺人

The Architectures of Ruin – How Sanctions Kill in Venezuela and Beyond - Antiwar.com [LINK]

【海外記事紹介】「崩壊の構造 —— ベネズエラと世界で制裁がいかに人を殺すか」。著名な経済学者フランシスコ・ロドリゲス氏の著書『ベネズエラの崩壊』と、医学誌『ランセット』に掲載された共同研究を基に、制裁という名の「経済的包囲網」がもたらす凄惨な結末を分析した論考をご紹介します。

著者のマイケル・ホームズ氏は、ベネズエラの悲劇を単なる「社会主義の失敗」という道徳劇として片付ける見方を否定します。ロドリゲス氏の厳密なデータ分析によれば、ベネズエラの経済崩壊の約半分は、金融アクセスや石油市場を遮断した米国の制裁が直接的な原因であると指摘されています。

記事の主なポイントは以下の通りです。

  • 「焦土作戦」としての制裁: 2017年の金融制裁と2019年の石油禁輸は、すでに危機にあったベネズエラ経済を「死の淵」へと突き落としました。これにより、国家は電力網、水道、公共医療を維持するための収入を失いました。これは政権の銀行口座を狙ったものではなく、国民の生存基盤そのものを狙った「経済的包囲戦」であったと著者は論じています。

  • 年間50万人以上の超過死亡: ロドリゲス氏らが『ランセット』誌で発表した研究では、過去50年間の150カ国以上のデータを分析。その結果、米国や欧州による一方的な経済制裁は、年間約56万4000人の超過死亡と関連していることが判明しました。これは現代の戦争による死者数に匹敵、あるいはそれを上回る規模であり、その犠牲者の多くは5歳未満の子供たちです。

  • 民主主義という名の欺瞞: 西側諸国は「民主主義のため」という名目で制裁を正当化しますが、実際には医療品や食料の輸入を困難にし、500万人以上の難民を生み出す人道的大惨事をもたらしました。これは、 regime change(政権交代)という政治目的を人命よりも優先させた結果であると厳しく告発しています。

  • 民意の乖離: ベネズエラ国民の約75%が制裁の緩和を望み、約65%が対話による解決を求めています。しかし、マドゥロ政権、米国の強硬策、そしてそれと足並みを揃える急進的な野党勢力という三者の「ゼロサム・ゲーム」によって、国民の切実な願いは無視され続けています。

著者は、現代の金融ツールは従来の兵器と同じくらい破壊的であり、ベネズエラは「帝国による新しい戦争の実験場」にされたと結論づけています。

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