Alasdair Macleod: The Threat to Commodity Derivatives [LINK]
【海外記事紹介】長年、金や銀の強気筋の間では、デリバティブ取引が価格抑制の手段として利用されているとの不満が根強くありました。しかし、金融専門家のアラスデア・マクラウド氏によれば、その慣行が終わりを迎える可能性が出てきました。そもそもローマ法以来、金は「真の貨幣」であり、通貨は「劣った信用」に過ぎません。西側の金融当局はこの事実を無視してきましたが、法定通貨が崩壊に向かう時、その現実がデリバティブ市場を直撃することになります。1970年代のインフレを経て、米財務省はドルの地位を守り金を排除するために、3つの政策を推進したと著者は指摘します。第一に、銀行が証券業界を支配する仕組みを作り、金融資産の強気相場を演出してドルの需要を維持したこと。第二に、インフレ率などの統計算出方法を修正し、通貨の安定という幻想を振りまいたこと。そして第三に、デリバティブ市場を拡大させることで、現物市場に向かうはずの投機需要を「紙の市場」へと分散させ、金価格の上昇を抑え込んだことです。
しかし現在、この仕組みが限界に達しています。ロンドンやニューヨークの市場からは、各国中央銀行やアジア諸国による旺盛な需要によって、現物の金が流出し続けています。ロンドン市場では決済件数が減少する一方で、価格上昇に伴い決済額は激増しており、流動性危機が現実味を帯びています。また、米コメックス市場における銀行側の空売りポジションは、過去の平均を遥かに上回る巨額なものとなっており、価格上昇による損失リスクはもはや制御不能なレベルです。地政学的なリスクやドルの信用不安が高まる中、現物への逃避の動きは加速しており、デリバティブ市場は危機という名の岩礁に向かって漂流していると言えます。
金はあらゆる経済活動の核心であり、ドルの価値が揺らぐ中でその重要性は増すばかりです。実際、主要な商品価格を金で換算すると、ドル建てのような激しい変動はなく驚くほど安定しています。このことは、紙の金取引の破綻が、エネルギーや工業用金属など商品全般のドル価格高騰へと波及することを示唆しています。デリバティブによる価格抑制が終われば、現物需要の爆発を招き、銀行部門には巨額の損失が発生するでしょう。私たちは今、過去55年間にわたる法定通貨による歪みが修正される、激しい金融の転換点に立たされています。
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