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2026-02-17

米軍事能力の衰退

Israel Needs Time Before Another Iran War—Here's Why | The Libertarian Institute [LINK]

【海外記事紹介】2026年2月現在、米国とイランはオマーンで再び交渉のテーブルについています。しかし、この外交の再開は「平和への道」ではなく、消耗しきった兵器・防空システムの在庫を補充するための「戦略的な一時停止(タイムアウト)」に過ぎないのではないか——。そんな冷徹な軍事・産業的視点からの分析をご紹介します。

2025年6月に発生した「12日間戦争」は、中東の軍事バランスにおける深刻な脆弱性を露呈させました。米国はこの短期間の紛争で、約150発のTHAAD迎撃ミサイルと80発のSM-3ミサイルをイスラエル防衛のために消費しました。問題はその「補充」にあります。THAADの年間生産数はわずか11〜12発。今回消費した分を埋め戻すだけでも、現在の生産ペースでは12年以上かかる計算になります。米国の軍需産業は、もはや現代の激しい紛争の消費スピードに全く追いついていないのです。

12日間戦争において、イスラエルは徹底した検閲で被害を隠しましたが、衛星データはイランのミサイルが高い精度で主要な軍事施設や情報拠点、石油精製所を直撃していたことを示しています。さらに深刻なのは、イスラエル自身の迎撃ミサイル「アロー」も底を突きかけていたことです。つまり、戦争の終結は外交の成果というより、「弾薬が物理的に尽きようとしていたから」という側面が強いのです。

現在進められている交渉についても、歴史は「欺瞞」の可能性を示唆しています。2025年の攻撃は、核交渉のわずか3日前に、トランプ政権とイスラエルによる「誤情報キャンペーン」の下で実行されました。イラン側が外交に集中し、軍事的な警戒を緩めた隙を突いたのです。今回のオマーンでの交渉も、イスラエルが2200億シェケル(約615億ドル)もの巨費を投じて防空システムを再構築し、米国が弾薬在庫を回復させるための「時間稼ぎ」であるという見方が有力です。

米国は「例外的な超大国」を自負してきましたが、現実は過酷です。中国との台湾有事シミュレーションでは、長距離弾薬は1週間持たずに枯渇すると予測されています。一つの同盟国を2週間支えるだけで12年分以上の在庫を失う現状では、もはや無制限の軍事支援は不可能です。ワシントンがこの「物理的な限界」を認め、抑制的な外交政策に転換しない限り、アメリカの覇権は砂上の楼閣となるでしょう。

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