What Causes Stagflation? | Mises Institute [LINK]
【海外記事紹介】経済停滞(スタグネーション)と物価上昇(インフレ)が同時に進む「スタグフレーション」がなぜ起きるのか、その根本的な原因を解説した論考をご紹介します。
かつて主流派経済学では、失業率を下げようとすれば物価が上がり、物価を抑えようとすれば失業率が上がるという「トレードオフ(二者択一)」の関係があると考えられていました。しかし、経済学者のミルトン・フリードマンらはこの説に異を唱えました。中央銀行が景気を刺激しようとして通貨供給量を増やすと、一時的には人々が豊かになったと感じて需要が増え、生産が拡大して失業率が下がります。しかし、人々が物価上昇に気づき、将来のインフレを予想し始めると、実質的な購買力の低下に合わせて行動を調整するため、景気刺激の効果は消え去ります。結果として、経済成長は元の水準(あるいはそれ以下)に戻る一方で、高い物価上昇だけが残ることになります。これがフリードマンの説くスタグフレーションの仕組みです。
さらにこの記事では、フリードマンの理論を一歩進め、スタグフレーションの本質は「無からの富の移転」にあると指摘しています。中央銀行が通貨を増刷することは、裏付けのない「無」からお金を作り出すことであり、それによって商品を買うという行為は、「何か(商品)」と「何もないもの(刷られただけのお金)」を交換することに他なりません。このプロセスによって、実際に価値を生み出している人々(富の創出者)から、新しく作られたお金を手にした人々へと、実質的な資源が奪われてしまいます。
この資源の収奪が繰り返されると、社会全体の富を生み出す力が弱まり、経済成長が鈍化します。それと同時に、市場にはモノに対して過剰なお金が存在するため、物価は上昇し続けます。つまり、中央銀行による通貨膨張政策は、常にスタグフレーションの種をまいていると言えます。
スタグフレーションの症状が目に見えて悪化するかどうかは、社会全体の「貯蓄」の状態に左右されます。自発的な貯蓄が十分にあり、経済の基礎体力が維持されている間は症状が隠されることもありますが、貯蓄が底をつけば、不況と物価高が同時に襲いかかる悲惨な状況が表面化します。結論として、スタグフレーションは突発的な事故ではなく、過剰な通貨発行という政策がもたらす必然的な帰結であると警告しています。
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