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2026-02-20

古びた冷戦の論理

A Missed Opportunity in Munich | Mises Institute [LINK]

【海外記事紹介】ミュンヘン安全保障会議において、米国のマルコ・ルビオ国務長官が行った基調講演は、西側同盟を新たな時代へと導く貴重な機会を逃すものとなりました。今回の演説は、開発途上国が切望する資本へのアクセスや自由な貿易、そして制裁リスクにさらされる不換紙幣(ドル)体制に代わる「誠実な貨幣」としての金(ゴールド)による決済という、BRICS諸国の台頭を支える本質的な動機を完全に見誤っています。

ルビオ氏は演説の中で、冷戦時代の対ソ連包囲網を彷彿とさせる懐古的な論理を展開しました。同氏は、西側諸国がドグマ的な自由貿易に傾倒したことで工場の閉鎖や脱工業化を招き、供給網の主権を敵対国に明け渡したと主張しています。しかし、これは事実を歪曲した「たわごと」に過ぎません。経済学者たちの多くは、米国の製造業が衰退したという「脱工業化論」には懐疑的であり、むしろ資本がより収益性の高いハイテク産業へ移行したに過ぎないと指摘しています。かつての「煙突産業」時代へ資本を強制的に回帰させようとする産業政策は、経済の合理性に反するものです。

さらに不可解なのは、同氏が不法移民問題を新たな産業政策の正当化に結びつけた点です。ルビオ氏は、宇宙旅行やAI、重要鉱物の自給自足といった流行の政策を列挙しましたが、自由放任主義的な資本主義の柱である「健全な通貨」「規制緩和」「小さな政府」といった、西側に繁栄をもたらした根本的な原則については沈黙を守りました。

今回の演説の真の狙いは、安全保障よりもむしろ、崩壊しつつある「ドル中心の決済システム」に同盟国を繋ぎ止めることにあったと言えます。米国が制裁やSWIFTからの排除を武器として使い続ける一方で、中国が主導するBRICS諸国は「金は貨幣であり、貿易は互恵的なものである」という数千年来の真理に回帰しようとしています。ルビオ氏の演説は欧州の同盟国には一時的に受け入れられたかもしれませんが、日本や韓国といった太平洋の同盟国、そして経済大国として台頭するインドが、いつまでもこの古い枠組みに留まる保証はありません。古びた冷戦の論理を繰り返すだけでは、加盟国の安全も繁栄も守ることはできないだろうと記事は警告しています。

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