The Precariousness of Christian Zionism - LewRockwell [LINK]
【海外記事紹介】「キリスト教シオニズムの危うさ」——マイク・ハッカビー駐イスラエル大使が語った「ナイル川からユーフラテス川まで(大イスラエル計画)」という領土拡張への支持を契機に、カトリック系メディア『クライシス・マガジン』に掲載された論考を要約してご紹介します。
著者は、ハッカビー氏のようなキリスト教シオニスト(主に福音派や一部のカトリック)が抱く「パレスチナを含む全領土は神によってユダヤ人に与えられた」という信念が、神学的にも歴史的にも重大な誤りであると批判しています。
記事が指摘するキリスト教シオニズムの主な問題点は以下の通りです。
神学的誤認: 聖書(ガラテヤ人への手紙など)によれば、アブラハムへの約束の真の成就は特定の「国家」ではなく「キリスト」にあります。また、旧約聖書において土地の所有権は常に神にあり、イスラエル人の居住は「契約への忠実さ」という条件付きのものでした。
歴史的矛盾: シオニズムは19世紀末に始まった「世俗的な」政治運動であり、宗教的な救済計画とは本来別物です。1897年の第1回シオニズム会議でテオドール・ヘルツルがこの言葉を使った際も、それは多分に政治的な協力者を募るためのものでした。
ユダヤ教内部からの批判: ホロコースト生存者であるラビ・ワイス氏らが指摘するように、伝統的なユダヤ教の教えでは、神殿崩壊後に自らの手でユダヤ国家を再建することは禁じられています。つまり、シオニズムはキリスト教のみならず、ユダヤ教の信仰とも相容れない側面を持っています。
キリストの教えとの乖離: キリスト教シオニストは、ユダヤ人の帰還を「終末(キリストの再臨)」の条件として熱望しますが、これは現在のパレスチナ人の生活や権利、生命を奪う行為を正当化する道具となっています。これは、平和と隣人愛を説いた福音書の教えに真っ向から反するものです。
ベネディクト16世が説いたように、聖書が示す「平和の王の領土」とは特定の国民国家ではなく、全人類に開かれた「新しいエルサレム(教会)」を指します。著者は、地上の神殿や領土に固執するキリスト教シオニズムは、キリストによって成就され、普遍化された聖書の約束を、再び古いナショナリズムの枠に閉じ込めるものであると結論づけています。
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