注目の投稿

「反インフレ経済勉強会」開講のお知らせ

インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...

2026-02-25

ドルの強さを見直す

Of Two Minds - Money Is Funny That Way: The Case for USD Supremacy [LINK]

【海外記事紹介】「米ドルは崩壊し、その価値はゼロに向かう」という予測は、現代の経済論壇ではもはや定説のように語られています。無制限の通貨発行がハイパーインフレを招き、かつてのワイマール共和国のような悲劇を辿るというシナリオです。しかし、今回ご紹介する記事の著者、チャールズ・ヒュー・スミス氏は、こうした「ドルの終焉」という通説に対し、あえて「米ドルの覇権(シュプレマシー)」という正反対の可能性を検討すべきだと提唱しています。

スミス氏は、通貨を単なる紙切れではなく、社会的な合意に基づく「功利的な価値」を持つツールとして捉え直しています。例えば、私たちは価値を保存するために資源裏付け型の通貨を貯蓄し、一方で価値が減り続ける「スタンプ紙幣」のような通貨はすぐに使おうとします。しかし、実社会において最も強力なのは「ネットワーク効果」です。世界中の僻地の市場から大都市のオフィスに至るまで、最も広く受け入れられ、取引の摩擦が少ないのは依然として、保護用のビニールケースに入った、ピン札の100ドル紙幣です。この「どこでも使える」という利便性こそが、他のどの通貨も代替できない圧倒的な価値を生んでいるのです。

また、不換紙幣は「何にも裏付けられていない」と批判されますが、著者はこれを否定します。ドルの価値とは、世界最大の経済圏に参加し、その法体系や制度、社会的信頼を利用するための「入場許可証」なのです。税金を納め、正規の経済活動を行うためにはその国の通貨が不可欠であり、この参加権があるからこそ、ドルは強力な需要に支えられています。

さらに重要な視点は、通貨も他の商品と同様に「需給」で価格が決まるという点です。たとえ供給が増えても、それを上回るスピードで世界的な需要が拡大すれば、その価値は上昇します。世界的にリスクが高まる局面では、安全な資産、流動性の高い資産への需要が爆発的に高まります。ドルの覇権シナリオは、この「供給を上回る需要の拡大」と、ネットワーク効果による自己強化的なループによって成立します。通貨の未来を予測するのは困難ですが、固定観念を捨て、ドルの多面的な強みを再認識することは、不透明な時代を生き抜く投資家にとって極めて重要であると著者は結んでいます。

0 件のコメント: