注目の投稿

「反インフレ経済勉強会」開講のお知らせ

インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...

2026-02-20

ジャクソン師の功罪

Jesse Jackson: Peace Abroad, War at Home | The Libertarian Institute [LINK]

【海外記事紹介】公民権運動の重鎮ジェシー・ジャクソン師が84歳でこの世を去りました。キング牧師の愛弟子であり、2度の米大統領選に挑戦したジャクソン師の功績については、投票権や教育の向上に尽くした「奉仕するリーダー」としての称賛が相次いでいます。しかし、歴史家のアラン・モズレー氏は、彼の半世紀にわたる活動は単純な美談では括れないと指摘します。ジャクソン師の生涯を貫いたのは、「国外での平和」への執念と、それとは対照的な「国内での自由市場との戦い」でした。

まず、平和への貢献については、党派を超えて評価されるべき側面があります。1980年代の冷戦下において、軍事介入主義や核の脅威に反対し、国防費の削減と外交への転換を訴え続けました。特筆すべきは人質救出への執念です。1984年のシリア、1990年のイラク、さらにはキューバへと自ら乗り込み、政府間の対立を超えて民間人や兵士を解放させた実績は、不必要な戦争を回避しようとする一貫した非介入主義の表れでした。

一方で、国内政策に目を向けると、その評価は厳しくなります。ジャクソン師は米国経済を「操作されたもの」と断じ、抜本的な政府介入を求めました。国民皆保険制度、企業の増税、さらには年金基金を原資とした連邦投資銀行の設立など、その主張は当時の民主党の主流を遥かに超え、欧州の社会主義に近い強権的な中央計画経済を目指すものでした。自由市場経済学の視点からは、これらの政策は個人の生産性を損ない、官僚による支配を強めるものと批判されました。

また、彼の活動手法も物議を醸しました。「企業との対決」と称し、多様性が欠如していると標的にした企業に対し、ボイコット運動を展開しては寄付金や契約を引き出す手法は、時に「ゆすり」であると非難を浴びました。さらに、大統領選における「人種政治」の利用や、ユダヤ人に対する蔑称の使用、過激な宗教指導者との親密な関係は、かつての公民権運動の連帯に亀裂を生じさせました。

モズレー氏は、ジャクソン師が国外の帝国主義に反対し、対話を重んじた点は称えられるべきだと結びます。しかし同時に、国内で展開された自由市場や個人権利への攻撃、そしてアイデンティティ・ポリティクス(属性の政治)の弊害からは教訓を得るべきだと警告しています。真の平和と正義は、他人の資金や政府の強制によって買えるものではなく、個人の自由と自発的な協力の中にこそ存在するからです。

0 件のコメント: