Senator Tom Cotton’s Ode to US Nuclear Weapons - Antiwar.com [LINK]
【海外記事紹介】最後の大規模な核軍縮条約であった「新START(新戦略兵器削減条約)」が失効したことを受け、保守強硬派として知られるトム・コットン上院議員がウォール・ストリート・ジャーナル紙に寄稿した論考が波紋を呼んでいます。コットン氏は、条約の失効を外交の失敗ではなく、ロシアと中国という「二大核ライバル」に対してアメリカを脆弱なまま放置してきた「戦略的誤りの是正」であると歓迎し、アメリカ独自の核抑止力再構築を呼びかけました。
コットン氏が特に強い警戒感を示しているのは、2025年半ばまでに運用可能な核弾頭が600発を超え、2030年までに1,000発に達すると予測される中国の急速な軍拡です。同氏は、これまでのアメリカの「一方的な自制」が敵対国の増長を許したと主張し、以下の6項目からなる核近代化計画を提唱しました。
- 多弾頭化の復活: 条約制限のために一発に制限していた陸上配備型ICBM(ミニットマンIIIおよび次世代型センチネル)を、本来の多弾頭搭載能力まで戻すこと。
- 戦域核能力の増強: 核搭載型海洋発射巡航ミサイル計画の完遂。
- 前方展開: 欧州および太平洋地域への戦術核兵器の追加配備。
- 極超音速兵器の開発: ロシアや中国に対抗し得る極超音速核伝達システムの加速。
- 核実験のタブー打破: 1992年以来の「爆発を伴う核実験」のモラトリアムを終わらせ、エネルギー省に対し実験再開への準備を求めること。
これに対し、軍縮の専門家であるテッド・ガレン・カーペンター氏は、コットン氏の主張を「独善的で無謀な傲慢さ」であると痛烈に批判しています。カーペンター氏は、INF(中距離核戦力全廃条約)や領空開放条約(オープンスカイ条約)から先に離脱し、軍備管理の枠組みを壊してきたのはアメリカ側であると指摘。2025年10月にトランプ大統領が表明した核実験再開の意向は、世界を管理不能な核軍拡競争へと引き戻す危険性があるとして警鐘を鳴らしました。
コットン氏は「核戦争を抑止することは、実際に戦うよりも遥かに安上がりだ」と述べ、軍拡こそが平和への道であると説きますが、歴史が証明するように、軍拡競争は往々にして破滅的な結末を招きます。条約という「足かせ」が外れた今、世界は再び、一触即発の核の影が支配する不透明な時代へと足を踏み入れようとしています。
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