Myanmar Will Always be Burma to the US Congress - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]
【海外記事紹介】アメリカ議会が他国の呼称を頑なに旧名のまま呼び続ける背景には、単なる慣習を超えた、極めて政治的な意図が隠されています。先日、米下院は「ビルマ法」を全会一致で可決しました。この法案は、東南アジアのミャンマーに対する継続的な経済制裁や敵対的な行動を促進することを目的としたものですが、注目すべきはその名称です。1989年に国名が「ミャンマー」に変更されてから35年以上が経過した今も、米政府は公式文書で執拗に「ビルマ」という呼称を使い続けています。
著者のアダム・ディック氏は、この言語的な固執を「相手政府の正当性を否定するための、米政府による周到な心理戦」であると断罪しています。米政府にとって、現在のミャンマー政府が定めた国名を受け入れることは、その統治を認めることと同義だからです。かつて人気コメディドラマ『サインフェルド』で、風変わりなキャラクターが「世間はミャンマーと呼ぶが、私にとっては永遠にビルマだ」とうそぶく場面がありましたが、現実の外交政策においてこの「言い換え」は笑い事ではありません。
こうした言葉の操作は、アメリカが他国への介入を正当化する際の常套手段です。例えば最近のベネズエラ情勢においても、米政府はニコラス・マドゥロ氏を「大統領」ではなく、一貫して「麻薬王」や「テロリスト」と呼び続けました。そうすることで、一国の元首を拉致・拘束するという主権侵害を、「犯罪者を法の裁きにかける正当な行為」であるかのように世論に印象づけたのです。
一方で、アメリカにとって都合の良い指導者に対しては、正反対の対応が取られます。例えばウクライナのゼレンスキー大統領は、任期が切れて久しく、選挙も行われていない状況にありますが、米政府は彼を「自由と民主主義の象徴」として称え、巨額の支援を続けています。著者は、アメリカの外交介入には常にこうした「言語の歪曲」が伴っており、自分たちのルールに従わない国に対しては言葉の定義そのものを書き換えて攻撃の足場を作る、という冷徹な帝国主義的論理を批判しています。ミャンマーを「ビルマ」と呼び続ける行為は、その歪んだ正義感の象徴に他なりません。
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