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2026-02-09

「夢の軍隊」の悪夢

Trump's $1.5 Trillion 'Dream' Military' - Antiwar.com [LINK]

【海外記事紹介】アメリカのトランプ大統領が掲げる2027会計年度の国防予算案、いわゆる1.5兆ドルの「ドリーム・ミリタリー(夢の軍隊)」構想について、退役空軍中佐のウィリアム・アストア氏らが極めて批判的な視点からその危険性を告発しています。トランプ大統領は、現在の約1兆ドルの予算をさらに5,000億ドル上乗せし、総額1.5兆円、日本円にして230兆円を超える規模にまで膨らませようとしていますが、著者はこれをアメリカの民主主義と精神を崩壊させる「国民的悪夢」であると断じています。

この構想の象徴となっているのが、ピート・ヘグセス戦争長官が掲げる「戦士の精神」への回帰であり、かつての国防省という名称をわざわざ「戦争省」へと戻した点に政権の姿勢が象徴されています。さらにトランプ大統領は、かつてレーガン大統領が夢想したミサイル防衛構想を「黄金のドーム」として復活させ、さらには自らの名を冠した新型戦艦を含む「黄金の艦隊」の建造を目論んでいます。著者はこうした動きを、冷戦時代の「スター・ウォーズ計画」の焼き直しに過ぎないと批判し、ソ連というライバルが消滅して久しい現代において、これほど膨大な軍備が必要なのかという根本的な問いを投げかけています。

特に深刻なのは、軍事予算が膨らみ続ける一方で、米軍自身が過去30年間にわたって一度も会計監査に合格しておらず、さらにはベトナムやアフガニスタン、イラクといった戦場でも勝利を収められていないという事実です。著者は、失敗すればするほど予算が増えるという国防省の構造を、ワシントンに居座る巨大な「塊(ザ・ブロブ)」と呼び、それが今や議会やメディア、果ては映画やゲーム業界までをも取り込んで社会全体を軍事化していると警告しています。これは、かつてアイゼンハワー大統領が退任演説で警告した「軍産複合体」の脅威が、最悪の形で現実化した姿に他なりません。

アイゼンハワーは、過度な軍事支出は労働者の汗や科学者の知性を盗む行為であり、国家を「鉄の十字架」に括り付けるものだと喝破しました。著者はその精神を引き継ぎ、1.5兆ドルもの巨費を投じることはアメリカを救うどころか、経済的、政治的、そして精神的な崩壊を招くだけだと主張しています。トランプ支持者の中には、彼が「終わりのない戦争」を止めてくれると信じて投票した人々も多くいましたが、現実はベネズエラやイランへの強硬姿勢を見ても分かる通り、より攻撃的な「軍事帝国」への道を突き進んでいます。この記事は、アメリカが建国250周年を前にして、かつて自らが抵抗したはずの「帝国の軍事支配」そのものに変貌してしまった悲劇を浮き彫りにしています。

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