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2026-02-08

起業家を恐れる社会

TGIF: Damn Those Innovators! | The Libertarian Institute [LINK]

【海外記事紹介】今回は、映画や歴史的な実例を交えながら、自由な社会における「イノベーションと起業家精神」の重要性を説いた記事をご紹介します。

自由主義の論客であるシェルドン・リッチマン氏は、私たちの生活、健康、そして快適さは、リスクを背負って世界を変えようとする起業家たちによって支えられていると主張します。しかし、歴史を振り返ると、こうした先駆者たちは常に歓迎されてきたわけではありません。

経済史学者のディアドラ・マクロスキーが指摘するように、社会が成功者への「嫉妬」に支配されると、私たちは皆、その代償を払うことになります。一方、社会全体が「良いアイデアがあるなら、やってみなさい!」という前向きな姿勢に包まれるとき、繁栄は飛躍的に高まります。

ところが、経済学者トーマス・ソウェルが記録しているように、歴史上多くの場所で、革新的な「仲買人マイノリティ」が迫害されてきました。ヨーロッパのユダヤ人、東南アジアの華僑、アフリカのインド人やレバノン人がその例です。彼らは「何も生産せずに金儲けをしている」という大衆の誤解から、虐殺を含む悲惨な暴力にさらされることさえありました。


こうした「革新者への恐怖」を象徴的に描いたのが、1952年のイギリス映画『白衣の男』です。アレック・ギネス演じる主人公シドニーは、汚れがつかず、一生破れない驚異的な合成繊維を開発します。全人類を洗濯や買い替えから解放するはずの世紀の発明でしたが、待っていたのは称賛ではなく、凄まじい反発でした。

工場のオーナーたちは「貿易の均衡が崩れる」と危惧し、労働者たちは「仕事がなくなる」と恐れました。さらに、洗濯を商売にしている老婆までもが「なぜ科学者は放っておいてくれないのか」と怒りをあらわにします。最終的にオーナーと労働者は手を組み、この発明を闇に葬ろうと、シドニーに対して暴力まで振るうのです。

映画の最後、発明が一時的に失敗したと知った人々は、安堵して笑います。ナレーターは「シドニーの失敗のニュースは世界に安堵をもたらした」と語りますが、これは非常に皮肉な一言です。

リッチマン氏は、イノベーションは短期的には既存の仕事を奪う「創造的破壊」を伴うものの、長期的には人々を豊かにし、新しい機会を生み出すと説きます。もし人類が常に「停滞」を選び、変化を拒んできたとしたら、私たちは今も洞窟で暮らしていたはずです。

現代においても、大企業が便利な技術をわざと隠蔽しているといった陰謀論が語られることがありますが、経済学者のルートヴィヒ・フォン・ミーゼスは、熾烈な競争がある市場においてそのようなことはあり得ないと断じています。

私たちは今、変化を嫌い、集団の利益を守るために個人の創造性を抑圧しようとする風潮の中にいます。しかし、シドニーのような不屈の精神を持つ個人こそが、不完全な世界をより良くする唯一の原動力であることを忘れてはなりません。

私たちがイノベーターを温かく迎える文化を維持できるかどうかが、日本の未来を左右するとも言えそうですね。

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