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2026-02-09

ビットコインにも広がる「紙の取引」

The Phantom Supply Problem: How Wall Street's Derivatives Machine May Be Quietly Dismantling Bitcoin's Scarcity Thesis [LINK]

【海外記事紹介】ビットコインの最大の魅力は、発行上限が2100万枚と決められている「希少性」にあります。中央銀行が際限なくお金を刷る現代において、数学的に担保されたこの希少性は、ビットコインを「デジタル・ゴールド」たらしめる根拠となってきました。しかし、現在アメリカの金融界では、ウォール街が構築した複雑な金融システムが、この希少性の神話をひそかに解体しているのではないかという、衝撃的な議論が巻き起こっています。

この記事が警告しているのは、ビットコインそのもののコードが書き換えられることではありません。ビットコインを裏付けとした先物取引やETF(上場投資信託)、オプションといった「デリバティブ(金融派生商品)」の巨大な構造が、事実上、無限の「合成供給」を生み出しているという点です。著名なアナリストらは、これを「ビットコインの仮面をかぶった準備預金制度」と呼んでいます。例えば、保管庫にある1枚のビットコインが、ETFの裏付けになりつつ、同時に先物取引の証拠金やローンの担保として、何重にも「所有権」が主張される仕組みです。これでは、市場に流通するビットコインが2100万枚を超えて存在しているのと同じ効果を生んでしまいます。

かつて金(ゴールド)の市場でも、現物の数倍から数十倍もの「紙の金」が取引されることで、現物の希少性が価格に反映されにくくなったという歴史があります。ビットコインも今、同じ道を辿っているというのです。実際に、ビットコインの価格形成の主導権は、個人投資家の現物売買から、ウォール街のアルゴリズムや巨大な資本によるデリバティブ取引へと移っています。

皮肉なことに、ビットコイン界隈が長年待ち望んでいた「機関投資家の参入」や「ETFの承認」が、この状況を加速させました。投資のプロたちは、ビットコインの未来を信じているのではなく、現物と先物の価格差を利用してノーリスクで利益を抜く「裁定取引」などの道具としてビットコインを利用しています。彼らにとってビットコインは、単なる「在庫」に過ぎません。

ビットコインのコードが定める「2100万枚」というルールと、金融資本が作り出す「無限の供給」との間で、今まさに激しい戦いが繰り広げられています。もしこのまま金融化が進めば、ビットコインは既存のコモディティ市場と同様、レバレッジと操作が渦巻く、かつての理想とはかけ離れた資産になってしまうかもしれません。

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