Stop Fighting Your Neighbor: The Mechanics of State Power and How to Opt Out | Mises Institute [LINK]
【海外記事紹介】アメリカの論壇から、国家権力がどのようにして国民を分断し、自らの支配を正当化しているのかを鋭く分析した論考をご紹介します。私たちは危機のたびに政治や文化の対立によって敵味方に分かれ、隣人と争わされますが、著者はこれこそが権力の思うツボだと指摘します。国民が互いに争うことで注意が逸らされている間に、官僚機構は拡大し、監視や統制の仕組みが静かに強化されていくのです。国家というシステムは、その支配を維持するために、わざと内部に敵を作り出し、国民を「保護」に依存させ続ける必要があるという冷徹な視点が示されています。
この記事の著者は、人為的な危機の構築についても言及しています。インフレによって通貨の価値を下げ、複雑な規制で自由な経済活動を妨げることで、人々は将来に不安を感じ、確実性を約束してくれる「派閥」へと逃げ込みます。私たちが旗印やスローガンを掲げて隣人と罵り合っている隙に、中央銀行は預金を削り取り、利権団体は独占を固めています。著者は、こうした状況を「寄生虫」に例えています。宿主である国民を生かさず殺さず、流血に気づかないほど混乱させて搾取し続けるのが、生産性を持たないシステムの生存戦略だというわけです。
文明の基礎は、互いの自己所有権を認め合い、双方が利益を得る「自発的な交換」にあります。しかし、国家が育む「永久的な戦争心理」は、この相互尊重を破壊します。隣人は交換のパートナーではなく、打ち負かすべき敵へと変貌させられます。著者は、この分断こそが政治権力を制限できる唯一の力である「自由な結びつき」を奪う手段だと警告します。インフレを止められず、まともなサービスを提供できなくなった権力は、もはや恐怖と強制、そして絶え間ない「緊急事態」の演出でしか自らを維持できなくなっています。
では、私たちはどうすべきでしょうか。著者は、国家の仕組みを奪い取ろうとしたり、既存の政治勢力のどちらかを選んだりする「ゲーム」から降りることを提案しています。国家の許可を必要としない経済関係を築き、政府の通貨に頼らない取引や、独自の信頼ネットワークを構築する「カウンター・エコノミクス」の実践です。ビットコインでの決済や、握手で成立する信頼に基づいた取引、あるいは官僚を通さない相互扶助こそが、新しい世界への一票になると説いています。
0 件のコメント:
コメントを投稿