The death of 'America First' | Responsible Statecraft [LINK]
【海外記事紹介】トランプ大統領が掲げた「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」というスローガンが、今やタカ派の介入主義者たちによって完全に書き換えられ、形骸化してしまったという衝撃的な論考をご紹介します。2016年当時、トランプ氏のこの言葉は、ブッシュ政権以来の泥沼の戦争に疲弊した有権者に対し、「不必要な海外介入を控える」という平和への約束として響きました。かつての共和党主流派であるネオコン(新保守主義者)たちの好戦的な姿勢とは一線を画し、米国の国益を最優先して深入りを避ける「自制の外交」を期待させるものだったのです。しかし、この記事の著者は、現在のトランプ政権周辺で起きている現実は、その当初の理念とは真逆の方向へ進んでいると告発しています。
かつてトランプ氏を批判していたタカ派の政治家たちが、今では「アメリカ・ファースト」という看板を掲げながら、かつて以上の介入主義を正当化しています。マルコ・ルビオ国務長官は、ベネズエラでの政権交代やイランへの軍事的威圧、さらにはグリーンランドの買収提案までもが「米国第一」だと主張しています。バンス副大統領もイランへの爆撃の可能性を示唆し、ヘグセス国防長官はイランの核施設への攻撃を「力による平和であり、米国第一の体現だ」と称賛しました。著者は、こうした言説を「言葉の乗っ取り」であると断じています。本来、自国の若者の血を流さないためのスローガンだったはずが、今や特定の国への攻撃や他国の内政干渉を正当化するための便利な「ステッカー」に成り下がってしまったというわけです。
さらに深刻なのは、トランプ氏本人の変節です。かつて彼を支持したマジョリー・テイラー・グリーンやトーマス・マッシー、ランド・ポールといった反介入主義的な政治家たちは遠ざけられ、代わりに好戦的なリンゼイ・グラハム議員らがトランプ氏の側近として返り咲いています。トランプ氏は「この言葉を作ったのは自分であり、その定義を決めるのも自分だ」と豪語していますが、その実態はかつてのネオコン的な外交政策への回帰に他なりません。著者は、もはや「アメリカ・ファースト」という言葉は中身を失い、死に体だと嘆きます。かつて多くの人々が期待した「終わりのない戦争の終結」という夢は、権力者たちの手によって無残にも打ち砕かれ、再び米国は世界各地での紛争へと足を踏み入れようとしているのです。
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