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2026-02-12

欧州にロシア回帰の兆し

Anchorage was the Receipt: Europe is Paying the Price... and Knows it. - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

【海外記事紹介】ロシアのラブロフ外務大臣が放った「アンカレッジで、我々はアメリカの提案を受け入れた」という言葉。これが、米欧関係の欺瞞と、欧州が直面している冷酷な代償を象徴する「領収書」となっている現状を解説した論評をご紹介します。

2025年のアンカレッジ会談で、アメリカは関係改善の「提案」をテーブルに乗せましたが、実際にはその裏で米海軍を動かし、制裁執行の名の下に公海上でロシアの石油タンカーを追跡・拿捕し続けてきました。ラブロフ外相は、アメリカの言葉が単なる「パフォーマンス」であり、実際には制裁と海洋封鎖という「強制執行マシン」が止まることなく動き続けている矛盾を突きつけました。

この「制裁のブーメラン」を最も悲劇的な形で受けているのが欧州です。ロシア産ガスのシェアを45%から13%へ、石油を27%から3%以下へと強引に削減した結果、調整ではなく「切断手術」に近いダメージを負いました。欧州の経済的支柱であるドイツは、エネルギー価格の高騰により製造業が収縮し続けています。政府は自らの政策が招いたコストを補助金で補填するという、末期的な緊急避難措置を余儀なくされています。また、ロシアへの依存を脱したと言いつつ、実際にはより高価で不安定なアメリカのLNG(液化天然ガス)へと依存先を付け替えただけに過ぎません。

しかし、変化の兆しが現れています。権威ある外交誌フォーリン・ポリシーが、「欧州はプーチンへの回帰を準備している」という、かつては禁句だった見出しを掲げました。フランスやイタリアなどの主要国は、アメリカ抜きでロシアと直接交渉を行う必要性を悟り、凍結されていた対話チャンネルを密かに再開し始めています。これは思想の変化ではなく、「ロシアは崩壊しなかった」という冷徹な算術に基づく現実への適応です。

ロシア側はこの状況を冷静に読んでいます。ユーラシア統合を深め、独自の経済圏を構築したロシアは、欧州が自滅的な拒絶を続けて限界に達するのを待てる立場にあります。

欧州にとっての「ロシア回帰」とは、和解や悔い改めではなく、「ロシア抜きでは欧州の産業文明は存続できない」という地理的・物理的な現実の受け入れを意味します。スローガンや道徳劇の時代は終わり、欧州はアメリカの属国としてではなく、自らの生存をかけた主体的な外交へと舵を切らざるを得ない局面に立たされています。

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