Germany Wants Its Gold Back (Again) - The Daily Reckoning [LINK]
【海外記事紹介】ドイツが誇る3350トンという世界第2位の金準備を巡り、米国に預けている分を「今すぐ本国へ戻すべきだ」という議論が再燃している状況をお伝えします。現在、ドイツはその保有量の約37%、時価にして約1700億ドル相当(2026年時点の金価格高騰下ではさらに高額)をニューヨーク連邦準備銀行の地下金庫に保管しています。この体制は、冷戦期にソ連の戦車部隊が西ドイツへ侵攻するリスクに備えた「安全保障上の避難」として始まりました。しかし、トランプ政権の再来による大西洋両岸関係の変化や、グリーンランド買収提案に代表される予測不能な外交姿勢を背景に、ドイツ国内では「もはや米国は信頼できる保管先ではない」との危機感が主流の議論に浮上しています。
かつて、ドイツ連邦銀行の監査官がニューヨークの金庫を視察しようとした際、入り口の控え室までしか入れなかったり、報告書の重要部分が黒塗りにされたりといった不透明な対応が、疑惑を深める要因となってきました。これに対し、元連邦銀行調査部長のエマニュエル・メンシュ氏ら有力な経済学者は、戦略的自立のために金の帰還を提言しています。さらに、欧州議会議員のマルクス・ファーバー氏のように、ドイツの当局者が自ら金塊を数え、詳細に記録する「実地監査」を定期的に行うよう求める声も強まっています。一方で、連邦銀行のヨアヒム・ナーゲル総裁は「連銀は信頼できるパートナーだ」として静観の構えを見せていますが、与党内からも「金準備が地政学的な人質にされるべきではない」との主張が出ており、足元は揺らいでいます。
米国側でもトランプ大統領やイーロン・マスク氏が政府効率化の一環として、長年行われていないフォートノックス等の金準備の全面監査を示唆しており、これが「実は金はもう存在しないのではないか」という長年の疑惑を刺激する形となっています。もし監査や返還要求の結果、実際に金塊が不足しているような事態が判明すれば、それは今世紀最大の金融スキャンダルとなり、ドルへの信頼を根底から破壊しかねません。貿易摩擦や同盟関係の亀裂が深まる中、ドイツが「自分の財布を自分の手元に置く」という極めて当たり前の要求を突きつける日は、そう遠くないかもしれません。それは、戦後の信頼に基づいた国際金融秩序が「新しい現実」へ移行する決定的な瞬間となるでしょう。
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