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2026-02-11

大企業はヒーローか悪党か

Big Business: Hero, Villain, Or Both? | The Libertarian Institute [LINK]

【海外記事紹介】この記事の著者は、「大企業はヒーローか、それとも悪党か」という問いに対し、自由主義経済の歴史的な議論を引き合いに出しながら、多角的な視点を紹介しています。

まず紹介されるのは、20世紀の思想家アイン・ランドの視点です。彼女は1961年に、アメリカの驚異的な工業発展を支えた実業家たちを「アメリカで最も迫害されている少数派」と呼びました。人類史上かつてない生産性を発揮し、人々の生活を豊かにした英雄であるにもかかわらず、知的階級や官僚からは「強欲な搾取者」としてスケープゴートにされているという主張です。彼女の目には、大企業は消費者への貢献の結果として成功したにもかかわらず、不当に疎まれる悲劇のヒーローとして映っていました。

一方で、経済学者のマレー・ロスバードやミルトン・フリードマンは、これとは対照的な「悪党」としての側面を指摘します。ロスバードは、大企業こそが国家と結託して自由経済を破壊してきた主犯であると論じました。彼らの多くは、政府に働きかけて補助金や独占権、有利な規制といった特権を引き出し、競合他社を排除することで、一般市民の犠牲の上に利益を得ようとする「重商主義者」だというのです。フリードマンもまた、「多くの実業家は自由市場の敵である」と述べ、市場が本来持つ抑制機能を政府を利用して回避しようとする大企業の性質を批判しました。

著者は、これら二つの視点は決して相容れないものではないと結論づけています。アイン・ランドが説いた「自由な市場で価値を生み出し、成功を収める企業」としての理想像は称賛に値します。一方で、ロスバードらが批判した「政治と癒着して不当な特権をむさぼる実業家」の実態には、軽蔑の目を向けるべきです。現代の私たちに求められるのは、大企業を盲目的に敵視したり崇拝したりすることではありません。相手が「利益を上げること自体が邪悪だ」と言うならランドの論理で起業家を擁護し、相手が「企業と政府の癒着」を嘆くならフリードマンの論理で自由市場による解決を説く。状況に応じて、ビジネスの「正の側面」と「負の側面」を冷静に見極めるバランス感覚が必要なのです。

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