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2026-02-13

住宅価格テコ入れの愚策

Homeownership “Wealth” Is a Fallacy | Mises Institute [LINK]

【海外記事紹介】アメリカの住宅市場が、またしても政府による稚拙な介入の標的になろうとしています。最近、ホワイトハウスで行われたやり取りの中で、トランプ大統領は住宅価格を下落させたくないという本音を漏らしました。その理由は、住宅価値が特に高齢世代の資産において大きな割合を占めているからだというものです。大統領は、持ち家のある人々を「裕福な状態」に留めておくために価格を維持し、一生懸命働かなかった誰かが家を買えるようにするために住宅価値を破壊することはないと明言しました。しかし、この記事の著者は、こうした政府の考え方は自由市場の文脈から大きく外れた社会主義的なスキームの延長線上にあり、住宅価格の高騰という根本的な問題の解決には程遠いと厳しく批判しています。

現在、政権内部で検討されている施策の一つに、政府系金融機関のファニーメイとフレディマックに2,000億ドル規模の住宅ローン担保証券を買い取らせ、市場に流動性を注入して金利を引き下げるという案があります。しかし、これら機関にはそれほどの現金はなく、結局は通貨の増刷や政府債務の拡大を招くことになり、インフレを助長する恐れがあります。また、金利をわずかに下げるために国債利回りを上昇させ、国の債務問題を悪化させるという、極めてリスクの高い手法だと言わざるを得ません。他にも、住宅購入のために年金口座から罰金なしで資金を引き出すことを認める案や、住宅ローンの持ち運びを可能にする案、さらには50年という超長期ローンの導入など、一見魅力的ですが市場の論理を無視した小手先の策が次々と浮上しています。

これらの誤った政策の根底には、「住宅は金融投資である」という根本的な勘違いがあります。本来、住宅は日々の生活の中で利用される「消費財」であり、維持費や固定資産税、保険料といった多額のコストがかかるものです。住宅価格が上がったとしても、別の家に住み替える際にはその家の価格も同様に上がっているため、実際には売買手数料などのコスト分だけマイナスになります。住宅を投資対象と見なす高齢者層の支持を得るために、政府が通貨価値を下げて資産インフレを助長する政策をとれば、そのツケを払わされるのは若者や将来世代です。住宅を富の象徴とする幻想を捨てない限り、アメリカの住宅問題に光が差すことはないでしょう。

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