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2026-02-13

高まる核暴発の恐れ

People Are Not Upset Enough About the End of New START | Mises Institute [LINK]

【海外記事紹介】2026年2月5日、米国とロシアの間で結ばれていた最後の核軍備管理条約「新START(新戦略兵器削減条約)」が、ついに期限切れを迎えました。ミーゼス研究所のコナー・オキーフ氏はこの事態を重く受け止め、世間の無関心さに警鐘を鳴らしています。なぜなら、1969年以来続いてきた「核の制限」という枠組みが完全に消滅し、世界は50年以上ぶりに、超大国の核軍備が無制限に拡大し得る「法の空白地帯」へと足を踏み入れたからです。

トランプ政権がこの条約の延長を見送った最大の理由は、「中国が含まれていない」という点にあります。しかし、オキーフ氏は、ロシアとの既存の枠組みを維持しながら中国と新たな交渉を行うことも可能だったはずだと指摘します。今回の失効により、最も懸念されるのは「検証プログラム」の喪失です。これまでの条約は、互いの核施設への立ち入り検査や詳細なデータ交換を義務付けてきましたが、これがなくなることで、相手の意図を誤認するリスクが飛躍的に高まります。過去には「渡り鳥の群れ」や「月の出」を敵のミサイル攻撃と誤認した例が何度もありましたが、検証と透明性があったからこそ、かろうじて核の引き金は引かれずに済んできました。

さらに、この条約失効の背後には、米国内の「ICBMロビー(大陸間弾道ミサイル利権)」の影も見え隠れします。老朽化したミサイルを巨額の予算で更新する「センチネル計画」などの軍事ビジネスが、平和的な軍備管理よりも優先されているという冷徹な批判です。ロシア側は1年間の暫定的な制限維持を提案し、米露間で非公式な合意の動きもあると報じられていますが、それはあくまで法的な拘束力のない「紳士協定」に過ぎません。

「核戦争への不安は過去のもの」という世間の空気とは裏腹に、実際には極超音速ミサイルの登場で意思決定の時間は削られ、かつての冷戦期よりもむしろ暴発のリスクは高まっていると著者は訴えます。新STARTの終焉は、私たちが当たり前だと思っていた「核の抑制」という安全網が、音を立てて崩れ去った瞬間なのかもしれません。

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