Can We Go Back to the Gold Standard? | Mises Institute [LINK]
【海外記事紹介】金や銀の価格が過去最高値を更新する中、かつての「金本位制」への復帰は可能なのかという議論が再燃しています。この記事の著者は、現在の金価格の高騰はドルの弱体化を如実に反映したものだと指摘します。かつて米国では1879年から1933年まで、1ドルは純金およそ1.5グラムという一定の重量で定義されていました。しかし、1934年の切り下げや1971年のニクソン・ショックを経て、ドルは金との結びつきを完全に失った「不換紙幣」へと変貌しました。その結果、ドルの購買力は1932年と比較して金換算で200倍以上も低下し、名目上の価値は99パーセント以上も失われたことになります。
もし今日、かつての定義(1ドル=金1.5グラム)で金本位制に戻るとどうなるでしょうか。現在約45万ドルのダラスの平均的な住宅は、金貨換算でわずか2,000ドル程度になります。しかし、単純な復帰は深刻な格差を生みます。現在、現物の金を所有しているアメリカ人は人口の約1割に過ぎず、残りの大半を占める債務者や現金保有者、年金生活者は、資産価値の激減によって壊滅的な打撃を受けるからです。そこで著者は、社会に混乱をもたらさない現実的な復帰プロセスを提案しています。
その具体的な方法は、まず米財務省が保有する約8,133トンの公式金準備を、すべての市民に公平に分配することです。計算上、1人あたり約24グラムの金を受け取ることになります。さらに、現在の通貨供給量(M2)である23兆ドルをこの金準備で完全に裏付けるため、金の価格を1グラムあたり約2,743ドルへと大幅に再評価します。これにより、各家庭には相応の金資産が分配され、新たな経済の出発点となります。この体制下では、中央銀行による無制限の通貨発行や金利操作は不可能になり、部分的準備銀行制度から100パーセント準備制度へと移行します。
金本位制への復帰は、単なる通貨制度の変更に留まりません。通貨供給量が安定すれば、生産性の向上に伴って物価は自然に下落し、景気循環による不況や失業も抑制されます。政府の肥大化が止まり、インフレという目に見えない税金から解放されることで、家族の暮らしや社会の健全性が取り戻されるというのです。政府がこの決断を下すかどうかに関わらず、個人が金や銀を所有することは、ドルのインフレに対する自己防衛として極めて重要であると著者は結んでいます。
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