Vietnam tackles gold fever with black market crackdown - Nikkei Asia [LINK]
【海外記事紹介】ベトナムでは今、国民の「金(ゴールド)熱」とも呼べる異常な需要を背景に、政府が闇市場の撲滅に向けた大規模な規制に乗り出しています。今回の新制度は、長年続いていた金の独占体制の終焉と、不正取引への厳罰化を柱とする大きな転換点となっています。
ベトナムの人々にとって、金は単なる宝飾品ではなく、通貨ドンよりも信頼できる「安全資産」です。かつてはバイクや家の価格がドンではなく金の量で提示されるほど生活に根付いており、国民の約80%が政治・経済の不確実性に対する最大の防御策と考えています。しかし、この高い需要が、国外との価格差を利用した密輸や闇市場を肥大化させる原因となってきました。
2月9日に施行された新政令「法令340」では、金の違法生産に対して最大3億ドン(約180万円)の罰金が科せられることになりました。また、国境を越えた密輸には1億ドン、無許可の業者からの購入にも2000万ドンの罰金が設定されています。ベトナム政府はこれまで、2012年から10年以上にわたり、国営企業であるサイゴン・ジュエリー(SJC)に金の生産と貿易を独占させてきました。しかし、この独占が国内価格を高止まりさせ、さらには汚職の温床にもなっていたのです。
実際、昨年にはSJCの元責任者が横領などの罪で禁錮25年の判決を受けています。国営メディアも「独占がチェックの働かない特権を生み、不正の機会を助長した」と批判的に報じています。これを受け、政府は昨年12月にようやく独占体制を解消しました。今後は民間への開放を進めることで、正規の供給量を増やし、国内価格を国際水準に近づけることを狙っています。
当局のもう一つの狙いは、国民が自宅に「死蔵」している膨大な金の地金を、経済活動を活性化させるための投資に回させることです。アジアで中国、インドに次ぐ第3の金市場であるベトナムが、この「金熱」をいかに制御し、健全な投資市場へと脱皮させられるか。一党独裁体制下での市場開放と汚職撲滅という、ベトナム経済の現在地を象徴する動きと言えるでしょう。
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