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2026-02-15

世界の貨物首都・重慶

How Chongqing Powers China Across the New Silk Roads - LewRockwell [LINK]

【海外記事紹介】中国内陸部に位置する巨大都市・重慶。3,200万人もの人口を抱え、山々にへばりつくように超高層ビルが立ち並ぶその姿は、もはや「サイバーパンク」を超越した存在感を放っています。しかし、重慶の真の凄みは、その視覚的な圧倒さではなく、21世紀の地政学・地経学における「心臓部」としての役割にあります。この記事は、重慶がいかにして中国の広域経済圏構想「一帯一路」の文字通り「ゼロ地点」となり、世界を繋ぎ止めているかを鮮やかに描き出しています。

重慶には、世界最大の物流ネットワークの起点を示す「キロメートル・ゼロ」の記念碑があります。ここから出発するのが、重慶、新疆、欧州を繋ぐ国際貨物列車「渝新欧(ユシンオウ)」です。総延長1万1,000キロを超えるこの鉄道は、わずか13日間でドイツのデュイスブルクに到達します。船便より1カ月も早く、航空便の5分の1のコストで、ノートパソコンから衣類、医療機器に至るあらゆる「メイド・イン・チャイナ」を欧州へ送り届けています。この青いコンテナの列は、ユーラシア大陸の動脈として機能しているのです。

さらに重慶は、北の欧州だけでなく、南の東南アジアへも触手を伸ばしています。「新陸海新通道(ILSTC)」と呼ばれるルートは、重慶を拠点にシンガポールやベトナム、ラオスを繋ぎ、今や中国の地方州とASEAN諸国の貿易の約4割を支えるまでになりました。さらに驚くべきは、そのネットワークが太平洋を越え、南米ペルーのチャンカイ港にまで直行便として繋がったことです。これにより、南米との輸送時間は15日間短縮され、コストも大幅に削減されました。重慶は今や、単なる内陸都市ではなく、鉄道、道路、水路を統合した「世界の貨物首都」へと変貌を遂げています。

紅海での紛争など、地政学的な動乱が海運を脅かすたびに、安定した重慶発の鉄道ルートは世界中の企業から「救世主」として選ばれています。ポルシェやアウディといった世界的メーカーが重慶に拠点を構えるのは、この圧倒的な接続性があるからです。西側諸国がロシアを迂回しようとする試みの中、重慶はカザフスタンやトルコを経由する「中央回廊」をも柔軟に使い分け、ユーラシアの物流を支配し続けています。重慶は、変わりゆく世界情勢の中で、中国が世界と繋がるための最も戦略的な「結節点」であり続けているのです。

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