No, Governments Don't Give Money Value | Mises Institute [LINK]
【海外記事紹介】スーパーでの買い物で、去年よりも手元のお金で買えるものが少なくなったと感じることはないでしょうか。アメリカの連邦準備理事会、いわゆるFRBが通貨供給量を数兆ドルも増やしたことと、この物価の上昇は深く結びついています。そもそも、なぜ直接食べることもできない紙切れに価値があるのかという経済学の根本的な謎を紐解くと、現在のインフレの本質が見えてきます。かつてのお金は、金や銀、塩のように、それ自体に価値がある商品でした。しかし現代の法定通貨は、政府の命令によって価値が宣言された、裏付けのない紙幣にすぎません。
お金の価値は他の商品と同様に供給と需要で決まりますが、お金には、増えても豊かさを生み出さないという特殊な性質があります。小麦が増えればより多くの人が食べられますが、お金が増えれば、一単位あたりの価値が薄まるだけです。FRBが通貨を倍に増やしても、新たな富は創出されず、物価が不均一に上がるだけなのです。ここで、なぜお金に価値があるのかという循環論法の謎に突き当たります。人々がお金を欲しがるのは購買力があるからですが、その購買力とはお金の価値そのものです。
経済学者のルートヴィヒ・フォン・ミーゼスは、この謎を「回帰定理」で解決しました。今日のお金の価値は昨日の購買力に依存し、それはさらにその前日に依存するという鎖を遡ると、最終的には物々交換の時代に、装飾品などの実用的な価値を持っていた商品に到達します。現代の米ドルも、1971年に金との結びつきが断たれるまでの記憶、つまり「過去の正当性」を頼りに生きながらえているにすぎません。FRBが通貨供給量を操作すると、市場の自然なプロセスが乱されます。
新たなお金が供給されると、それを最初に手にする政府の請負業者や金融機関などは、まだ物価が上がる前の価格で買い物ができ、利益を得ます。一方で、後からそのお金が回ってくる賃金労働者や年金生活者は、すでに値上がりした物価に直面し、実質的な富を奪われることになります。インフレによる富の再分配は、ローマ帝国が銀貨の質を落とした時代から変わらない原理です。お金の価値は政府の命令だけで維持できるものではなく、人類の協力の歴史に基づいています。
通貨の操作は価格体系を歪め、誠実な交換の基盤を損なうものです。FRBがこの原則を無視して通貨を膨張させ続ける限り、現在私たちが直面している経済的な痛みは続いていくことになります。
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