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インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...

2026-03-13

イラン戦争のコスト

Cost of the Iran War—and Why It Will Fuel Inflation - LewRockwell [LINK]

【海外記事紹介】米国とイランの戦争が連日大きく報じられていますが、その背後にある「戦争の経済学」が、いかに米国の破綻とインフレを加速させるかについて、著名な投資家ダグ・ケイシー氏が冷徹な分析を提示しています。現代の戦争において、わずか3万5,000ドルの安価なドローンを迎撃するために、米国やイスラエルが数百万ドルのミサイルを消費しているという非対称性は、極めて不条理です。ケイシー氏はこれを、相手を疲れさせてから反撃するボクシングの「ロープ・ア・ドープ」に例え、イラン側が米国の高価な兵器在庫を枯渇させるのを待っていると指摘しています。

ペンタゴンは戦費を1日あたり10億ドルと見積もっていますが、実際にはミサイル防衛だけでそれを遥かに上回る数倍の費用がかかっているという見方もあります。かつての第二次世界大戦でさえ、現在の価値に換算して約4兆ドル程度でしたが、アフガニスタンやイラクでの紛争ですでに数兆ドルを浪費してきた米国にとって、今回のイラン戦は国家を自己破産へと追い込む決定打になりかねません。特にトランプ大統領が「無条件降伏」を要求したことで、この戦いはイラン側にとって存立をかけた宗教的・存亡的な戦いへと変質し、コストが制御不能になるリスクが高まっています。

さらに深刻なのは、この巨額の戦費を調達する手段が「借金」しかないという事実です。現在、中国や日本といった海外の買い手が米国債の購入を手控える中、政府は今年満期を迎える約10兆ドルの旧債務の借り換えと、新たな戦費の調達を同時に行わなければなりません。結局、中央銀行である連邦準備理事会(FRB)が、何もないところからドルを刷ってこれらを買い支える「最後の買い手」にならざるを得ません。この際限のない通貨発行は、必然的にドルの価値を下げ、物価と金利の歴史的な高騰を招くことになります。

国際法についても、ケイシー氏は「フロンティアの酒場における礼儀」のような虚飾に過ぎないと断じています。交渉の最中に奇襲攻撃を仕掛けるような振る舞いは、かつて世界最強の顧客として振る舞っていた米国が、今やツケを溜め込み、周囲から不信と軽蔑を買う「タチの悪い酔っ払い」に成り下がったことを露呈させました。このような状況下では、ドルの暴落や債務危機に備え、金やエネルギー、商品といった「現物資産」こそが唯一の防衛策になると筆者は結論付けています。

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